~転生したら奈良シカマルの双子の兄でした~   作:ZAZAI

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アンケートにご協力頂いた方々ありがとうございます。
アンケート結果、新しい班を作ることにしました。
班番号は9班ではなく11班にしました。

新キャラも登場させることにしましたので、温かい目で読んでいただければと思います。


第二十話 第十一班

 

「これから、班分けを発表する」

 

イルカが名簿を手にした瞬間、教室の空気が変わった。

 

つい先ほどまで騒いでいた生徒たちも、今だけは静かに教壇を見つめている。

 

これから共に任務へ向かう仲間。

 

そして、自分たちを指導する上忍。

 

忍としての最初の一歩を、誰と踏み出すのか。

 

それが今、決まる。

 

「基本的には三人一組だ。実力や適性、任務での役割なんかを考慮して、こちらで班を決めている」

 

「えー! 自分で選べねぇのかよ!」

 

真っ先に文句を言ったのはナルトだった。

 

イルカの額に青筋が浮かぶ。

 

「当たり前だ! 遊び仲間を決めるんじゃないんだぞ!」

 

「ちぇー……」

 

ナルトは不満そうに頬を膨らませる。

 

その横では、サクラといのが別の意味で緊張していた。

 

二人の視線の先にいるのは、もちろんサスケだ。

 

一方。

 

カゲマルは静かに腕を組んでいた。

 

(ついに来たか)

 

原作を知る自分にとって、ここは一つの分岐点だった。

 

第七班。

 

第八班。

 

第十班。

 

本来なら、その形はすでに知っている。

 

だが――。

 

(俺がいる)

 

原作には存在しなかった、奈良シカマルの双子の兄。

 

自分という一人が増えた以上、どこかが変わる。

 

それがどこなのか。

 

カゲマルにも分からなかった。

 

「それじゃあ、順番に発表するぞ」

 

イルカが名簿へ視線を落とした。

 

いくつかの班が読み上げられていく。

 

やがて――。

 

「第七班」

 

カゲマルの意識が自然とそちらへ向いた。

 

「春野サクラ」

 

「…うずまきナルト」

 

「よっしゃ!」

 

「ガクッ」

 

ナルトは喜び、サクラは肩を落とす。

 

その反応だけで、次の名前を予想したカゲマルは小さく笑った。

 

「そして、うちはサスケ」

 

「しゃんなろー!」

 

サクラが拳を握る。

 

対照的に、ナルトは机へ突っ伏した。

 

「なんでサスケと一緒なんだってばよ!」

 

「こっちの台詞よ!」

 

「なんだと!」

 

二人が騒ぎ始めても、サスケは頬杖をついたまま無反応だった。

 

カゲマルはその光景を見ながら、胸の中で呟く。

 

(第七班は変わらない)

 

少しだけ安心した。

 

ナルトにとって。

 

サスケにとって。

 

サクラにとって。

 

この三人が出会う意味は大きい。

 

できることなら、そこは変わってほしくなかった。

 

────────

 

「次、第八班」

 

イルカが声を張る。

 

「日向ヒナタ」

 

ヒナタが小さく背筋を伸ばす。

 

「犬塚キバ」

 

「よっしゃ!」

 

キバが笑う。

 

頭の上の赤丸も「ワン!」と元気よく吠えた。

 

「油女シノ」

 

シノは何も言わず、静かに眼鏡を押し上げる。

 

(ここも同じ)

 

索敵能力に優れた三人。

 

原作通りの第八班だった。

 

そして。

 

「第十班」

 

その言葉を聞いた瞬間。

 

隣にいたシカマルの姿勢が、ほんの少しだけ変わった。

 

カゲマルも無意識に息を止める。

 

「山中いの」

 

「はい!」

 

「秋道チョウジ」

 

チョウジが菓子を食べる手を止めた。

 

そして――。

 

「奈良シカマル」

 

「……はいはい」

 

シカマルが面倒そうに手を挙げる。

 

いのが露骨に嫌そうな顔をした。

 

「えー!? なんでシカマルなのよ!」

 

「こっちだって面倒なんだけど」

 

「何よ!」

 

「まあまあ……」

 

チョウジが二人を宥める。

 

その光景を見て、カゲマルは自然と笑っていた。

 

(猪鹿蝶)

 

やはり、そこは変わらなかった。

 

山中。

 

奈良。

 

秋道。

 

三つの一族が受け継いできた連携。

 

弟は、その歴史の中へ入っていく。

 

少し寂しい。

 

だが、それ以上に嬉しかった。

 

「兄貴」

 

シカマルが横目でこちらを見る。

 

「なんで笑ってんだ?」

 

「いや」

 

カゲマルは首を横に振った。

 

「いい班だと思って」

 

「そうか?」

 

「絶対そうだよ」

 

シカマルは不思議そうな顔をしたが、それ以上は聞かなかった。

 

「でも……」

 

今度はシカマルが兄を見る。

 

「兄貴は?」

 

その一言で、カゲマルも気付く。

 

まだ自分の名前は呼ばれていない。

 

周囲を見れば、班が決まっていない生徒はほとんど残っていなかった。

 

(……どうなる?)

 

記憶にない。

 

当然だ。

 

自分が存在する時点で、ここからは原作知識にない領域なのだから。

 

イルカが名簿を一枚めくった。

 

「次、第十一班」

 

(第十一班……)

 

知らない。

 

完全に知らない未来だ。

 

イルカが続ける。

 

最初の名前が読み上げられた。

 

「奈良カゲマル」

 

カゲマルは静かに手を挙げる。

 

「はい」

 

隣でシカマルが兄を見る。

 

少しだけ心配そうな目だった。

 

だがカゲマルは小さく笑ってみせる。

 

大丈夫。

 

そう伝えるように。

 

「続いて――朝倉レン」

 

「はい!」

 

教室の後方から、明るい声が響いた。

 

一人の少年が勢いよく手を挙げる。

 

少し跳ねた髪。

 

快活そうな顔。

 

姿勢は決して綺麗ではない。

 

だが、座っているだけでも身体の軸が安定しているのが分かる。

 

カゲマルは彼を知っていた。

 

アカデミー時代、何度か体術の授業で組んだことがある。

 

成績は飛び抜けているわけではない。

 

忍術も幻術も、ごく普通。

 

忍一族の出身でもない。

 

だが。

 

(体術が強い)

 

特に接近戦。

 

一度懐へ入った時の反応速度は、同期でもかなり上の方だった。

 

以前、模擬戦でキバと殴り合いになり、最後まで一歩も退かなかったのを覚えている。

 

レンはカゲマルと目が合うと、ニッと笑った。

 

「よろしくな、奈良!」

 

「カゲマルでいいよ」

 

「じゃあ俺もレンで!」

 

「もう仲良くなってる……」

 

シカマルが呆れたように呟く。

 

そしてイルカが、最後の名前を読み上げた。

 

「水無瀬スズ」

 

「はい」

 

レンとは対照的な、落ち着いた声。

 

窓際に座っていた少女が静かに手を挙げた。

 

肩ほどまで伸びた髪。

 

派手さはない。

 

表情も穏やか――というより、少し冷めている。

 

カゲマルは彼女についても多少知っていた。

 

水無瀬家。

 

木ノ葉に古くからいる忍の家系ではあるが、奈良や山中のような大きな一族ではない。

 

血継限界も、特別な秘伝忍術もない。

 

ただ。

 

スズは昔から妙に耳が良かった。

 

授業中。

 

教師が廊下から近づいてくると、誰よりも先に気付く。

 

森での演習では、茂みの向こうにいる相手の足音を聞き分ける。

 

派手な成績ではない。

 

それでも、索敵訓練では常に上位だった。

 

スズがこちらを見る。

 

カゲマル。

 

レン。

 

二人を順番に確認してから、小さく息を吐いた。

 

「……うるさそう」

 

「俺まだ何もしてないぞ!?」

 

レンが即座に反応する。

 

「声」

 

「声!?」

 

「大きい」

 

「普通だろ!」

 

「今も大きい」

 

「……」

 

レンが黙った。

 

カゲマルは思わず吹き出す。

 

「仲良くできそうだな」

 

「どこを見てそう思ったんだよ!」

 

レンの声がさらに大きくなる。

 

スズが眉間を押さえた。

 

「だから、うるさい」

 

教室に笑い声が広がった。

 

カゲマルも笑いながら、改めて二人を見る。

 

朝倉レン。

 

水無瀬スズ。

 

知らない名前。

 

知らない仲間。

 

前世の記憶には、一度も登場しなかった二人。

 

(そうか)

 

その瞬間。

 

胸の奥に、不思議な感覚が生まれた。

 

これまでは、どこかで原作を追っていた。

 

ナルトがどうなるか。

 

サスケがどうなるか。

 

次に何が起きるか。

 

知っている未来を基準に、この世界を見ていた。

 

でも。

 

この二人には、それがない。

 

何が好きなのか。

 

何が嫌いなのか。

 

どんな夢を持っているのか。

 

どんな忍になるのか。

 

何も知らない。

 

未来を知っている自分にも――。

 

分からない。

 

それが。

 

「……楽しみだな」

 

カゲマルは無意識に呟いていた。

 

スズが僅かに首を傾げる。

 

「何が?」

 

「いや」

 

カゲマルは二人へ笑いかける。

 

「これからよろしく」

 

レンはすぐに拳を突き出した。

 

「おう!」

 

スズはそんな二人を見比べる。

 

少しだけ間を置いて。

 

「……よろしく」

 

小さく答えた。

 

三人。

 

奈良一族に生まれ、影を受け継いだ少年。

 

何の血筋も持たず、自分の身体一つで忍の道を選んだ少年。

 

そして、人より少しだけ世界の音をよく聞く少女。

 

この時はまだ。

 

三人とも知らなかった。

 

それぞれ違う道を歩いてきた自分たちが。

 

いつの日か――。

 

互いの背中を預けることを、当たり前だと思えるほどの仲間になることを。

 

────────

 

すべての班分けが終わると、イルカは名簿を閉じた。

 

「午後から、それぞれの担当上忍が迎えに来る」

 

ナルトが勢いよく立ち上がる。

 

「どんな先生なんだってばよ!」

 

「それは会ってからのお楽しみだ」

 

教室が再び騒がしくなる。

 

カゲマルも考える。

 

(第十一班の担当上忍……)

 

これも知らない。

 

第七班なら、はたけカカシ。

 

第八班なら、夕日紅。

 

第十班なら、猿飛アスマ。

 

ならば。

 

自分たちの先生は――。

 

その時だった。

 

ガラッ。

 

教室の扉が開いた。

 

生徒たちが一斉に振り返る。

 

しかし。

 

そこに立っていた人物を見るなり、イルカが目を丸くした。

 

「……もう来たんですか?」

 

その人物は答えない。

 

ただ教室の中を見渡し――。

 

やがて。

 

カゲマル。

 

レン。

 

スズ。

 

三人のところで視線を止めた。

 

カゲマルは、その人物を見つめ返す。

 





班分けについて。カゲマルがどの班にするか迷ってます。皆さんの意見をお聞かせください

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