アンケート結果、新しい班を作ることにしました。
班番号は9班ではなく11班にしました。
新キャラも登場させることにしましたので、温かい目で読んでいただければと思います。
「これから、班分けを発表する」
イルカが名簿を手にした瞬間、教室の空気が変わった。
つい先ほどまで騒いでいた生徒たちも、今だけは静かに教壇を見つめている。
これから共に任務へ向かう仲間。
そして、自分たちを指導する上忍。
忍としての最初の一歩を、誰と踏み出すのか。
それが今、決まる。
「基本的には三人一組だ。実力や適性、任務での役割なんかを考慮して、こちらで班を決めている」
「えー! 自分で選べねぇのかよ!」
真っ先に文句を言ったのはナルトだった。
イルカの額に青筋が浮かぶ。
「当たり前だ! 遊び仲間を決めるんじゃないんだぞ!」
「ちぇー……」
ナルトは不満そうに頬を膨らませる。
その横では、サクラといのが別の意味で緊張していた。
二人の視線の先にいるのは、もちろんサスケだ。
一方。
カゲマルは静かに腕を組んでいた。
(ついに来たか)
原作を知る自分にとって、ここは一つの分岐点だった。
第七班。
第八班。
第十班。
本来なら、その形はすでに知っている。
だが――。
(俺がいる)
原作には存在しなかった、奈良シカマルの双子の兄。
自分という一人が増えた以上、どこかが変わる。
それがどこなのか。
カゲマルにも分からなかった。
「それじゃあ、順番に発表するぞ」
イルカが名簿へ視線を落とした。
いくつかの班が読み上げられていく。
やがて――。
「第七班」
カゲマルの意識が自然とそちらへ向いた。
「春野サクラ」
「…うずまきナルト」
「よっしゃ!」
「ガクッ」
ナルトは喜び、サクラは肩を落とす。
その反応だけで、次の名前を予想したカゲマルは小さく笑った。
「そして、うちはサスケ」
「しゃんなろー!」
サクラが拳を握る。
対照的に、ナルトは机へ突っ伏した。
「なんでサスケと一緒なんだってばよ!」
「こっちの台詞よ!」
「なんだと!」
二人が騒ぎ始めても、サスケは頬杖をついたまま無反応だった。
カゲマルはその光景を見ながら、胸の中で呟く。
(第七班は変わらない)
少しだけ安心した。
ナルトにとって。
サスケにとって。
サクラにとって。
この三人が出会う意味は大きい。
できることなら、そこは変わってほしくなかった。
────────
「次、第八班」
イルカが声を張る。
「日向ヒナタ」
ヒナタが小さく背筋を伸ばす。
「犬塚キバ」
「よっしゃ!」
キバが笑う。
頭の上の赤丸も「ワン!」と元気よく吠えた。
「油女シノ」
シノは何も言わず、静かに眼鏡を押し上げる。
(ここも同じ)
索敵能力に優れた三人。
原作通りの第八班だった。
そして。
「第十班」
その言葉を聞いた瞬間。
隣にいたシカマルの姿勢が、ほんの少しだけ変わった。
カゲマルも無意識に息を止める。
「山中いの」
「はい!」
「秋道チョウジ」
チョウジが菓子を食べる手を止めた。
そして――。
「奈良シカマル」
「……はいはい」
シカマルが面倒そうに手を挙げる。
いのが露骨に嫌そうな顔をした。
「えー!? なんでシカマルなのよ!」
「こっちだって面倒なんだけど」
「何よ!」
「まあまあ……」
チョウジが二人を宥める。
その光景を見て、カゲマルは自然と笑っていた。
(猪鹿蝶)
やはり、そこは変わらなかった。
山中。
奈良。
秋道。
三つの一族が受け継いできた連携。
弟は、その歴史の中へ入っていく。
少し寂しい。
だが、それ以上に嬉しかった。
「兄貴」
シカマルが横目でこちらを見る。
「なんで笑ってんだ?」
「いや」
カゲマルは首を横に振った。
「いい班だと思って」
「そうか?」
「絶対そうだよ」
シカマルは不思議そうな顔をしたが、それ以上は聞かなかった。
「でも……」
今度はシカマルが兄を見る。
「兄貴は?」
その一言で、カゲマルも気付く。
まだ自分の名前は呼ばれていない。
周囲を見れば、班が決まっていない生徒はほとんど残っていなかった。
(……どうなる?)
記憶にない。
当然だ。
自分が存在する時点で、ここからは原作知識にない領域なのだから。
イルカが名簿を一枚めくった。
「次、第十一班」
(第十一班……)
知らない。
完全に知らない未来だ。
イルカが続ける。
最初の名前が読み上げられた。
「奈良カゲマル」
カゲマルは静かに手を挙げる。
「はい」
隣でシカマルが兄を見る。
少しだけ心配そうな目だった。
だがカゲマルは小さく笑ってみせる。
大丈夫。
そう伝えるように。
「続いて――朝倉レン」
「はい!」
教室の後方から、明るい声が響いた。
一人の少年が勢いよく手を挙げる。
少し跳ねた髪。
快活そうな顔。
姿勢は決して綺麗ではない。
だが、座っているだけでも身体の軸が安定しているのが分かる。
カゲマルは彼を知っていた。
アカデミー時代、何度か体術の授業で組んだことがある。
成績は飛び抜けているわけではない。
忍術も幻術も、ごく普通。
忍一族の出身でもない。
だが。
(体術が強い)
特に接近戦。
一度懐へ入った時の反応速度は、同期でもかなり上の方だった。
以前、模擬戦でキバと殴り合いになり、最後まで一歩も退かなかったのを覚えている。
レンはカゲマルと目が合うと、ニッと笑った。
「よろしくな、奈良!」
「カゲマルでいいよ」
「じゃあ俺もレンで!」
「もう仲良くなってる……」
シカマルが呆れたように呟く。
そしてイルカが、最後の名前を読み上げた。
「水無瀬スズ」
「はい」
レンとは対照的な、落ち着いた声。
窓際に座っていた少女が静かに手を挙げた。
肩ほどまで伸びた髪。
派手さはない。
表情も穏やか――というより、少し冷めている。
カゲマルは彼女についても多少知っていた。
水無瀬家。
木ノ葉に古くからいる忍の家系ではあるが、奈良や山中のような大きな一族ではない。
血継限界も、特別な秘伝忍術もない。
ただ。
スズは昔から妙に耳が良かった。
授業中。
教師が廊下から近づいてくると、誰よりも先に気付く。
森での演習では、茂みの向こうにいる相手の足音を聞き分ける。
派手な成績ではない。
それでも、索敵訓練では常に上位だった。
スズがこちらを見る。
カゲマル。
レン。
二人を順番に確認してから、小さく息を吐いた。
「……うるさそう」
「俺まだ何もしてないぞ!?」
レンが即座に反応する。
「声」
「声!?」
「大きい」
「普通だろ!」
「今も大きい」
「……」
レンが黙った。
カゲマルは思わず吹き出す。
「仲良くできそうだな」
「どこを見てそう思ったんだよ!」
レンの声がさらに大きくなる。
スズが眉間を押さえた。
「だから、うるさい」
教室に笑い声が広がった。
カゲマルも笑いながら、改めて二人を見る。
朝倉レン。
水無瀬スズ。
知らない名前。
知らない仲間。
前世の記憶には、一度も登場しなかった二人。
(そうか)
その瞬間。
胸の奥に、不思議な感覚が生まれた。
これまでは、どこかで原作を追っていた。
ナルトがどうなるか。
サスケがどうなるか。
次に何が起きるか。
知っている未来を基準に、この世界を見ていた。
でも。
この二人には、それがない。
何が好きなのか。
何が嫌いなのか。
どんな夢を持っているのか。
どんな忍になるのか。
何も知らない。
未来を知っている自分にも――。
分からない。
それが。
「……楽しみだな」
カゲマルは無意識に呟いていた。
スズが僅かに首を傾げる。
「何が?」
「いや」
カゲマルは二人へ笑いかける。
「これからよろしく」
レンはすぐに拳を突き出した。
「おう!」
スズはそんな二人を見比べる。
少しだけ間を置いて。
「……よろしく」
小さく答えた。
三人。
奈良一族に生まれ、影を受け継いだ少年。
何の血筋も持たず、自分の身体一つで忍の道を選んだ少年。
そして、人より少しだけ世界の音をよく聞く少女。
この時はまだ。
三人とも知らなかった。
それぞれ違う道を歩いてきた自分たちが。
いつの日か――。
互いの背中を預けることを、当たり前だと思えるほどの仲間になることを。
────────
すべての班分けが終わると、イルカは名簿を閉じた。
「午後から、それぞれの担当上忍が迎えに来る」
ナルトが勢いよく立ち上がる。
「どんな先生なんだってばよ!」
「それは会ってからのお楽しみだ」
教室が再び騒がしくなる。
カゲマルも考える。
(第十一班の担当上忍……)
これも知らない。
第七班なら、はたけカカシ。
第八班なら、夕日紅。
第十班なら、猿飛アスマ。
ならば。
自分たちの先生は――。
その時だった。
ガラッ。
教室の扉が開いた。
生徒たちが一斉に振り返る。
しかし。
そこに立っていた人物を見るなり、イルカが目を丸くした。
「……もう来たんですか?」
その人物は答えない。
ただ教室の中を見渡し――。
やがて。
カゲマル。
レン。
スズ。
三人のところで視線を止めた。
カゲマルは、その人物を見つめ返す。
班分けについて。カゲマルがどの班にするか迷ってます。皆さんの意見をお聞かせください
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