~転生したら奈良シカマルの双子の兄でした~   作:ZAZAI

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第二十二話 三人で戦うということ

 

カゲマルの影が、地面を這う。

 

真っ直ぐではない。

 

草木が作り出す影へ紛れながら、蛇のように軌道を変え、ゲンマの足元を目指す。

 

「影真似か」

 

ゲンマが小さく呟いた。

 

その瞬間。

 

「右!」

 

スズの声が飛ぶ。

 

ゲンマが動くより一瞬早く、レンが地面を蹴った。

 

「おらぁ!」

 

右側から一気に距離を詰める。

 

拳を振りかぶる――。

 

と見せかけて。

 

直前で身体を沈めた。

 

「今度は同じじゃねぇぞ!」

 

低い姿勢からの足払い。

 

ゲンマが跳ぶ。

 

そこへ。

 

カゲマルの影が伸びた。

 

(空中なら――)

 

回避できる方向は限られる。

 

影がゲンマの着地点へ迫る。

 

だが。

 

ゲンマは空中で身体を捻った。

 

一本のクナイが手から放たれる。

 

狙いはカゲマル――ではない。

 

地面。

 

カゲマルの影が進む、その途中だった。

 

クナイが地面へ突き刺さる。

 

影に物理的な障害が意味を持つわけではない。

 

当然、そのまま進む。

 

だが。

 

カゲマルの意識が、一瞬だけクナイへ向いた。

 

ほんの僅かな迷い。

 

それだけで十分だった。

 

ゲンマは着地と同時に横へ跳ぶ。

 

影が空を切った。

 

「くっ……!」

 

「術だけ見れば悪くない」

 

ゲンマの声が聞こえる。

 

「でも、お前自身が素直すぎる」

 

カゲマルの眉が動いた。

 

(今ので……)

 

わざとクナイを投げた。

 

攻撃するためではない。

 

注意を逸らすためだけに。

 

(これが実戦経験か)

 

知識では分かっている。

 

忍の戦いは術の強さだけでは決まらない。

 

駆け引き。

 

視線。

 

呼吸。

 

癖。

 

そして、相手が何を考えているのか。

 

そのすべてを利用する。

 

「カゲマル!」

 

レンの声で思考を切る。

 

ゲンマが動いていた。

 

今度は――。

 

自分から。

 

「散れ!」

 

カゲマルの声と同時に三人が別方向へ跳ぶ。

 

次の瞬間。

 

ゲンマが先ほどまで三人がいた場所へ着地した。

 

「うおっ……!」

 

レンの表情が引き締まる。

 

今までとは違う。

 

ほんの少しだけ。

 

ゲンマの速度が上がっていた。

 

「スズ!」

 

カゲマルが叫ぶ。

 

返事がない。

 

だが。

 

スズはすでに目を閉じていた。

 

視覚を捨てる。

 

代わりに。

 

音を拾う。

 

草を踏む音。

 

衣服が擦れる音。

 

枝が揺れる音。

 

レンの荒い呼吸。

 

カゲマルの足音。

 

そして――。

 

(先生は……)

 

小さい。

 

驚くほど小さい。

 

だが。

 

消えてはいない。

 

スズの耳が僅かに動く。

 

左。

 

違う。

 

これはレン。

 

右後方。

 

枝が揺れた。

 

違う。

 

風。

 

なら――。

 

スズの表情が変わる。

 

「カゲマル!」

 

「何!?」

 

「後ろ!」

 

振り向くより先に、カゲマルは前へ飛んだ。

 

直後。

 

頭上を何かが通過する。

 

千本。

 

一本の細い針が、先ほどまでカゲマルの頭があった場所を抜けていった。

 

「……!」

 

地面へ着地し、カゲマルが振り返る。

 

ゲンマは木の枝に立っていた。

 

口元には――。

 

すでに次の千本。

 

(口から飛ばしたのか)

 

カゲマルは背筋に冷たいものを感じる。

 

知ってはいた。

 

不知火ゲンマが千本を武器として使うことを。

 

しかし。

 

実際に向けられると、まるで違う。

 

予備動作がほとんどない。

 

視線を見ていなければ、いつ撃ったのかすら分からない。

 

「今のは良かった」

 

ゲンマがスズを見る。

 

「見えてなかっただろ」

 

「はい」

 

「どうやって分かった」

 

スズは木の上のゲンマを睨む。

 

「先生が飛ぶ前……枝が沈みました」

 

「音で?」

 

「はい」

 

ゲンマの目が僅かに細くなる。

 

「なるほど」

 

資料に書かれていた以上だ。

 

まだ技術として洗練されてはいない。

 

だが。

 

磨けば使える。

 

十分に。

 

「でも」

 

ゲンマが言った。

 

「俺を見つけただけじゃ勝てないぞ」

 

「分かってます」

 

スズは即答する。

 

その瞬間。

 

「じゃあ俺が行く!」

 

レンが木を蹴った。

 

「待て、レン!」

 

カゲマルの制止より早い。

 

レンは幹を駆け上がり、そのままゲンマへ飛びかかった。

 

「うおおお!」

 

拳。

 

ゲンマがかわす。

 

二撃目。

 

蹴り。

 

受け流される。

 

それでもレンは止まらない。

 

枝の上という不安定な場所にもかかわらず、身体を巧みに使って攻撃を繋げていく。

 

右。

 

左。

 

蹴り。

 

肘。

 

ゲンマが僅かに目を細める。

 

(体捌きは悪くない)

 

忍一族の出ではない。

 

秘伝もない。

 

特別な術もない。

 

それでも。

 

身体の使い方を知っている。

 

何度も何度も繰り返して身につけた動き。

 

それを見て。

 

ほんの一瞬。

 

ゲンマの脳裏に、緑色の服を着た同期の姿が浮かんだ。

 

――青春だぁぁぁ!!

 

「……」

 

ゲンマの口元が僅かに引き攣る。

 

(いや)

 

(あいつとは違うな)

 

少なくとも、まだ暑苦しくはない。

 

その時。

 

レンの拳が頬を掠める。

 

ゲンマの意識が現実へ戻った。

 

「おっと」

 

「もらった!」

 

レンが笑う。

 

だが。

 

次の瞬間。

 

ゲンマの手がレンの手首を掴んだ。

 

「え?」

 

身体が宙を舞う。

 

「うわぁぁぁ!?」

 

レンは木の枝から放り投げられた。

 

「レン!」

 

カゲマルが走る。

 

だが。

 

その必要はなかった。

 

空中でレンが身体を捻る。

 

枝を一本掴み。

 

勢いを殺し。

 

そのまま地面へ着地した。

 

「っぶねぇ!」

 

スズが呆れた顔をする。

 

「だから勝手に行かないで」

 

「でも今、当たりそうだっただろ!」

 

「当たってない」

 

「掠った!」

 

「当たってない」

 

「厳しくない!?」

 

「事実」

 

「二人とも!」

 

カゲマルの声で、二人が止まる。

 

ゲンマが木から降りてきていた。

 

「話してる暇あるのか?」

 

三人の表情が変わる。

 

ゲンマが地面へ着地する。

 

「残り十五分」

 

カゲマルは息を整えた。

 

半分。

 

まだ忍具袋へ触れることすらできていない。

 

(どうする)

 

ゲンマは強い。

 

当然だ。

 

真正面から挑んでも勝てない。

 

影真似も警戒されている。

 

レン一人では捕まえられない。

 

スズは位置を把握できても、そこから攻撃へ繋げる手段がない。

 

(……違う)

 

カゲマルは思考を止める。

 

今。

 

自分は何を考えた?

 

影真似では捕まえられない。

 

レンでは攻撃が当たらない。

 

スズには攻撃手段がない。

 

全部。

 

一人ずつ考えていた。

 

カゲマルは二人を見る。

 

「……そっか」

 

レンが首を傾げる。

 

「何が?」

 

カゲマルは小さく笑った。

 

「俺たち、まだ三人で戦ってない」

 

「は?」

 

「さっきから俺が指示して、レンが攻撃して、スズが探してる」

 

「それの何が悪いの?」

 

スズが尋ねる。

 

「役割分担としては正しい」

 

「でも」

 

カゲマルはゲンマを見る。

 

「全部、順番なんだ」

 

スズが考える。

 

そして。

 

理解した。

 

「……同時にやる?」

 

カゲマルが笑う。

 

「そう」

 

レンだけが首を傾げている。

 

「どういうこと?」

 

「レン」

 

「おう」

 

「今度は好きに動いて」

 

「さっきもそうだっただろ?」

 

「違う」

 

カゲマルは首を振る。

 

「俺に合わせなくていい」

 

「俺がレンに合わせる」

 

レンの表情が変わった。

 

「スズも」

 

「分かった」

 

まだ何も説明していない。

 

それでもスズは頷いた。

 

カゲマルは少し驚く。

 

「作戦聞かなくていいの?」

 

「たぶん分かったから」

 

スズはゲンマを見たまま答える。

 

「レンを囮にするんでしょ」

 

「言い方」

 

レンが抗議する。

 

「大体合ってる」

 

「カゲマル!?」

 

小さな笑い。

 

そして。

 

三人の表情が変わった。

 

ゲンマは黙って見ている。

 

(さて)

 

(どう来る)

 

レンが地面を蹴った。

 

今度も。

 

真正面。

 

「またか」

 

ゲンマが身体を僅かに傾ける。

 

レンの拳をかわす。

 

だが。

 

二撃目。

 

三撃目。

 

レンは考えない。

 

カゲマルの位置も見ない。

 

ただ。

 

自分が一番得意なことをする。

 

前へ。

 

さらに前へ。

 

ゲンマへ食らいつく。

 

「右!」

 

突然。

 

スズの声。

 

レンが考えるより早く右へ身体を傾ける。

 

千本が頬の横を通過した。

 

「下!」

 

しゃがむ。

 

ゲンマの蹴りが頭上を抜ける。

 

「左!」

 

レンが踏み込む。

 

拳がゲンマへ迫る。

 

かわされる。

 

当然。

 

だが。

 

それでいい。

 

レンの動きによって。

 

ゲンマの位置が変わる。

 

一歩。

 

二歩。

 

三歩。

 

そのすべてを。

 

スズが拾っている。

 

「カゲマル!」

 

「分かってる!」

 

カゲマルは動かない。

 

影だけを伸ばす。

 

レンを追う必要はない。

 

ゲンマを見る必要すらない。

 

スズの声を聞けばいい。

 

「右、二歩!」

 

影が曲がる。

 

「前!」

 

伸びる。

 

「左!」

 

さらに変える。

 

ゲンマが気付く。

 

(なるほど)

 

自分を追っているのはカゲマルではない。

 

スズだ。

 

そして。

 

スズが拾った情報をもとに、影が死角から迫ってくる。

 

同時に。

 

目の前ではレンが攻撃し続けている。

 

一人なら簡単に対処できる。

 

二人でも問題ない。

 

だが。

 

三つの役割が重なった瞬間。

 

ほんの少しだけ。

 

面倒になる。

 

ゲンマが後方へ跳ぶ。

 

「スズ!」

 

カゲマルが叫ぶ。

 

「三歩後ろ!」

 

影が伸びる。

 

だが。

 

ゲンマはそれも読んでいた。

 

着地と同時に横へ――。

 

「先生!」

 

レンの声。

 

ゲンマがそちらを見る。

 

レンは。

 

攻撃していなかった。

 

いつの間にか。

 

地面へ伏せている。

 

その身体の下。

 

レン自身の影へ紛れるように。

 

黒い線が伸びていた。

 

ゲンマの目が僅かに見開かれる。

 

(こいつ)

 

最初から。

 

レンを隠れ蓑にしていた。

 

影がゲンマの足元へ届く。

 

「影真似の術!」

 

カゲマルが印を結ぶ。

 

一瞬。

 

ゲンマの身体が止まった。

 

「取った!」

 

レンが跳ね起きる。

 

一直線に忍具袋へ手を伸ばす。

 

指先が。

 

袋へ――。

 

届く。

 

その直前。

 

カゲマルの額に汗が浮かんだ。

 

「っ……!」

 

ゲンマの腕が動いた。

 

僅かに。

 

ほんの僅かに。

 

力ずくで影真似へ抵抗している。

 

(嘘だろ……!)

 

チャクラ量。

 

身体能力。

 

術者としての力量。

 

すべてが違う。

 

完全には抑え込めない。

 

レンの指が忍具袋へ触れる寸前。

 

ゲンマの手が。

 

レンの額へ届いた。

 

トン。

 

指一本。

 

軽く押す。

 

「え?」

 

バランスを崩したレンが、そのまま前へ転がった。

 

同時に。

 

ゲンマが影から抜ける。

 

カゲマルは膝をついた。

 

「はぁ……はぁ……」

 

スズも目を見開いている。

 

「今の……抜けられるの?」

 

「実力差がありすぎる」

 

カゲマルが苦笑する。

 

「完全には止められなかった」

 

「くっそぉぉ!」

 

地面に転がったレンが叫ぶ。

 

「あとちょっとだったのに!」

 

「そうだな」

 

ゲンマが答えた。

 

三人が顔を上げる。

 

ゲンマは忍具袋へ手を伸ばす。

 

そして。

 

中から何かを取り出した。

 

三つの小さな鈴。

 

チリン。

 

澄んだ音が演習場へ響く。

 

「触った」

 

レンが瞬きをする。

 

「え?」

 

「最後」

 

ゲンマは自分の忍具袋を見る。

 

「お前の指、袋には触れてたぞ」

 

レンが固まる。

 

「……ってことは」

 

「最初に言っただろ」

 

ゲンマは三つの鈴を投げる。

 

カゲマル。

 

レン。

 

スズ。

 

それぞれが受け取る。

 

「取れ、じゃない」

 

一拍。

 

「俺からこれを取れ、だったな」

 

レンが鈴を見る。

 

「いや、取れてないですよね?」

 

「細かいな」

 

「細かくない!」

 

スズが鈴を指先で揺らす。

 

チリン。

 

その音を聞いて。

 

ほんの少しだけ笑った。

 

カゲマルも自分の鈴を見る。

 

「先生」

 

「なんだ」

 

「最初から取らせる気、ありました?」

 

ゲンマは答えない。

 

口元の千本を僅かに動かす。

 

「さあな」

 

その反応で十分だった。

 

ゲンマは三人の前へ立つ。

 

「今日見たかったのは強さじゃない」

 

三人が聞く。

 

「下忍になったばかりのお前らが弱いのは当たり前だ」

 

レンが少し不満そうな顔をする。

 

「大事なのは」

 

ゲンマの声から、僅かに軽さが消えた。

 

「自分に何ができて、何ができないか」

 

レンを見る。

 

「朝倉」

 

「はい」

 

「お前は速い。身体も動く。度胸もある」

 

レンの顔が明るくなる。

 

「ただし」

 

「はい……」

 

「考える前に突っ込むな」

 

「……はい」

 

次に。

 

「水無瀬」

 

「はい」

 

「耳はいい。俺が思ってた以上にな」

 

スズが僅かに目を見開く。

 

「でも、聞いた情報をどう使うかが遅い」

 

「……はい」

 

「見つけるだけじゃ仲間は守れない」

 

スズは静かに頷いた。

 

そして。

 

最後。

 

「奈良」

 

「はい」

 

ゲンマは少しだけ長くカゲマルを見る。

 

「頭は回る。影真似も、この歳なら十分使える」

 

「ありがとうございます」

 

「でも」

 

やはり来た。

 

「全部、自分で何とかしようとするな」

 

カゲマルの表情が止まった。

 

「お前」

 

ゲンマは続ける。

 

「最初、二人をどう使うかしか考えてなかっただろ」

 

「……」

 

否定できない。

 

「指揮するのと、一人で全部考えるのは違う」

 

ゲンマが三人を見る。

 

「最後が一番良かった」

 

レンが拳を握る。

 

スズも自分の鈴を見る。

 

カゲマルは静かに息を吐いた。

 

確かに。

 

最後だけは。

 

自分が二人を動かしたのではない。

 

レンは自分で走った。

 

スズは自分で情報を拾った。

 

カゲマルが。

 

二人へ合わせた。

 

「三人で戦うってのは」

 

ゲンマが千本を指先で弾き、再び口へ咥える。

 

「三人で一人になることじゃない」

 

「三人とも、自分で考えて動くことだ」

 

風が演習場を抜けていく。

 

木々の葉が揺れた。

 

カゲマルはその言葉を胸の中で繰り返す。

 

三人とも。

 

自分で考えて動く。

 

前世の知識がある。

 

奈良一族の秘伝がある。

 

周囲より少しだけ、先のことを考える癖がある。

 

だから。

 

いつの間にか。

 

自分が正解を出さなければならないと思っていた。

 

(違うんだな)

 

隣を見る。

 

レンが悔しそうに鈴を握っている。

 

反対側では、スズが鈴の音を確かめるように何度も小さく揺らしている。

 

知らない未来を生きる。

 

二人の仲間。

 

自分が導く駒ではない。

 

「……よろしく」

 

カゲマルが呟く。

 

レンが振り向く。

 

「何が?」

 

「改めて」

 

カゲマルは二人へ笑う。

 

「これからよろしく」

 

レンは一瞬きょとんとしたあと。

 

ニッと笑った。

 

「おう!」

 

スズは少しだけ首を傾げる。

 

それから。

 

「……二回目」

 

「いいじゃん、別に」

 

「まあいいけど」

 

小さく笑う。

 

その様子を。

 

ゲンマは少し離れた場所から眺めていた。

 

三人とも未熟。

 

当然だ。

 

まだ十二歳そこそこの下忍。

 

戦い方も。

 

考え方も。

 

何も完成していない。

 

だが。

 

(悪くない)

 

特に最後。

 

誰か一人が中心になったわけではない。

 

互いの長所を使い。

 

互いの欠点を補った。

 

一瞬だけだが。

 

班として戦った。

 

ゲンマの脳裏に、遠い昔の光景が浮かぶ。

 

自分。

 

エビス。

 

そして。

 

やたらと暑苦しかった、もう一人。

 

その三人をまとめていた大きな背中。

 

「……班、か」

 

小さな呟き。

 

三人には聞こえなかった。

 

ゲンマは踵を返す。

 

「よし」

 

「今日は終わりだ」

 

レンが目を丸くする。

 

「もう終わりですか?」

 

「三十分経った」

 

「えっ」

 

「明日から任務に入る」

 

その言葉に。

 

三人の表情が変わった。

 

ついに。

 

本当の忍として。

 

木ノ葉から任務を与えられる。

 

「集合は朝八時。火影邸前」

 

ゲンマが歩き出す。

 

数歩進んだところで。

 

振り返らずに付け加えた。

 

「遅れるなよ」

 

「はい!」

 

レンの声が演習場中に響く。

 

少し歩いたゲンマが足を止めた。

 

「朝倉」

 

「はい!」

 

「声がでかい」

 

一瞬の沈黙。

 

スズが吹き出した。

 

カゲマルも耐えきれず笑う。

 

「なんで先生まで!?」

 

レンの叫びが響く。

 

こうして。

 

奈良カゲマル。

 

朝倉レン。

 

水無瀬スズ。

 

そして。

 

不知火ゲンマ。

 

四人による第十一班が

ようやく、その最初の一歩を踏み出した。

班分けについて。カゲマルがどの班にするか迷ってます。皆さんの意見をお聞かせください

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