~転生したら奈良シカマルの双子の兄でした~   作:ZAZAI

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第二十三話 初任務

 

翌朝。

 

火影邸の前には、すでに三人の姿があった。

 

「七時四十分」

 

水無瀬スズが空を見上げながら呟く。

 

「早すぎない?」

 

カゲマルが苦笑した。

 

「八時集合でしょ」

 

「遅れるよりいい」

 

「まあ、それはそうだけど」

 

少し離れた場所では、レンがその場で軽く屈伸を繰り返していた。

 

「初任務だぞ!」

 

屈伸。

 

「ついに!」

 

さらに屈伸。

 

「忍らしいことができる!」

 

スズが冷めた目を向ける。

 

「ちょっと前までアカデミー生だった人が言うと不安」

 

「なんでだよ!」

 

「浮かれて怪我しそう」

 

「しねぇよ!」

 

「昨日、木から落とされてた」

 

「あれは先生が強すぎたんだよ!」

 

カゲマルが笑う。

 

昨日。

 

第十一班として初めて行った手合わせ。

 

結果だけ見れば、ゲンマに完全に遊ばれていた。

 

それでも。

 

最後には三人で一度だけ動きを噛み合わせることができた。

 

ほんの一瞬。

 

だが。

 

その感覚が、まだ身体のどこかに残っている。

 

(悪くなかった)

 

そう思えることが、少し嬉しかった。

 

そして。

 

今日からは訓練ではない。

 

正式な忍として。

 

木ノ葉から任務を受ける。

 

カゲマルが火影邸を見上げる。

 

(ここからだ)

 

原作で知っている。

 

下忍の最初の仕事。

 

猫探し。

 

草むしり。

 

子守。

 

荷物運び。

 

そういった雑用ばかり。

 

ナルトが我慢できずに騒ぎ始めるのも、この頃だった。

 

しかし。

 

カゲマル自身はそこまで嫌ではなかった。

 

忍は戦うだけの職業ではない。

 

里から依頼を受け。

 

それを遂行し。

 

報酬を得る。

 

戦闘は、その中の一部にすぎない。

 

「……なんか楽しそうだな」

 

声がした。

 

振り返る。

 

不知火ゲンマが立っていた。

 

いつものように千本を咥えている。

 

「先生!」

 

レンが勢いよく手を挙げる。

 

「おはようございます!」

 

「朝から元気だな」

 

「はい!」

 

「声でかい」

 

「先生までそれ言うのやめません!?」

 

スズが小さく笑う。

 

ゲンマは三人を一度見回した。

 

「全員いるな」

 

「先生が一番最後です」

 

スズが言う。

 

ゲンマが時計を見る。

 

「七時五十八分」

 

「二分前です」

 

「間に合ってる」

 

「もっと早く来るものかと思ってました」

 

「待つの嫌いなんだよ」

 

即答だった。

 

カゲマルが思わず笑う。

 

(この人、思ったより適当だな)

 

だが。

 

昨日の手合わせを思い出せば、それが表面だけだということも分かる。

 

ゲンマは歩き出した。

 

「行くぞ」

 

三人も続く。

 

「任務、何ですか?」

 

レンが尋ねる。

 

「まだ知らん」

 

「え?」

 

「今から受ける」

 

「先生も知らないんですか?」

 

「担当上忍が勝手に選べるわけじゃない」

 

「あ、そうなんだ……」

 

レンが少しだけ残念そうな顔をする。

 

その様子を見ながら、ゲンマが呟いた。

 

「期待するだけ無駄だぞ」

 

「なんでです?」

 

「最初は大体Dランクだ」

 

「Dランク」

 

レンの顔が固まる。

 

「……強盗退治?」

 

「違う」

 

「盗賊?」

 

「違う」

 

「野犬の群れとか」

 

「だから違う」

 

スズが横から言う。

 

「草むしりとかでしょ」

 

レンが止まった。

 

「……え?」

 

ゲンマは歩き続ける。

 

「詳しいな」

 

「授業で習いました」

 

「ちゃんと聞いてたんだな」

 

「普通です」

 

レンだけが立ち尽くしている。

 

「草……?」

 

カゲマルが振り返る。

 

「置いてくぞ」

 

「ちょっと待て!」

 

レンが慌てて追いかけてきた。

 

「忍だぞ!? 俺たち!」

 

「下忍ね」

 

「忍は忍だろ!」

 

「最初はそんなもんだよ」

 

カゲマルが言うと、レンが顔を向ける。

 

「お前も納得してんの!?」

 

「むしろ十二歳にいきなり人殺しさせる方がおかしいでしょ」

 

「それは……」

 

少し考える。

 

「そうだけど」

 

「だろ?」

 

「でも草むしりは忍じゃなくてもできるじゃん!」

 

前を歩いていたゲンマが答えた。

 

「できるぞ」

 

「じゃあなんで俺たちが!」

 

「依頼されたから」

 

「……」

 

あまりにも正論だった。

 

スズが小声で呟く。

 

「負けた」

 

「まだ負けてねぇよ!」

 

────────

 

火影執務室。

 

「第十一班、揃ったか」

 

三代目火影――猿飛ヒルゼンが、書類から顔を上げた。

 

「はい」

 

ゲンマが答える。

 

その前に三人が並ぶ。

 

カゲマルは少しだけ周囲を見た。

 

火影としての執務を行う場所。

 

前世では画面越しにしか知らなかった場所に、自分が忍として立っている。

 

それだけで。

 

少し不思議な気分になる。

 

ヒルゼンは三人を見回した。

 

「昨日はどうじゃった、ゲンマ」

 

「問題ありません」

 

「ほう」

 

「まだ使い物にはなりませんけど」

 

「先生!?」

 

レンが思わず声を上げる。

 

ゲンマは平然としている。

 

「下忍になったばかりなんだから当たり前だろ」

 

「言い方ってあるじゃないですか!」

 

ヒルゼンが小さく笑った。

 

「活気があってよい」

 

スズはどこか疲れた顔をしている。

 

カゲマルも苦笑する。

 

ヒルゼンが一枚の紙を手に取った。

 

「さて」

 

三人の表情が少し引き締まる。

 

「第十一班、最初の任務じゃ」

 

レンが身を乗り出した。

 

「はい!」

 

ヒルゼンが読み上げる。

 

「里の南側にある薬草畑の手入れ」

 

「……」

 

沈黙。

 

レンが瞬きをする。

 

「薬草畑?」

 

「うむ」

 

「手入れ?」

 

「雑草除去と、指定された薬草の採取じゃ」

 

「……」

 

レンがゆっくりゲンマを見る。

 

ゲンマは視線を逸らした。

 

「言ったろ」

 

「本当に草むしりじゃないですか!」

 

「草むしり“だけ”ではないぞ」

 

ヒルゼンがフォローする。

 

レンの顔に僅かな希望が戻る。

 

「薬草の採取もある」

 

希望が消えた。

 

「草じゃん!」

 

スズが額を押さえた。

 

「火影様の前」

 

「……すみません」

 

レンが小さくなる。

 

ヒルゼンは楽しそうに笑っている。

 

「朝倉レン」

 

「はい」

 

「忍にとって大切なのは、派手な任務ばかりではない」

 

レンが顔を上げる。

 

「こうした依頼もまた、里の者たちの生活を支える仕事じゃ」

 

「……はい」

 

「何事も経験と思って励むとよい」

 

「分かりました」

 

今度は素直に頷いた。

 

ゲンマがその様子を横目で見る。

 

「じゃ、行くぞ」

 

「はい!」

 

四人は執務室を後にした。

 

扉が閉まる。

 

ヒルゼンはしばらくその扉を眺めていた。

 

そして。

 

煙管を持ち上げる。

 

「……さて」

 

奈良カゲマル。

 

朝倉レン。

 

水無瀬スズ。

 

そして不知火ゲンマ。

 

あえて少し変則的な形で編成した班。

 

どう育つか。

 

それは。

 

まだ誰にも分からない。

 

────────

 

里の南側。

 

目的地へ向かいながら、ゲンマは三人へ一枚の紙を渡した。

 

「これが依頼内容」

 

スズが受け取る。

 

三人で覗き込む。

 

畑の広さ。

 

除去する雑草。

 

採取する薬草の種類。

 

そして注意事項。

 

「……結構広い」

 

カゲマルが呟く。

 

レンが紙を覗く。

 

「これ全部?」

 

「全部」

 

ゲンマが答える。

 

「四人なら昼までには終わる」

 

「先生もやるんですか?」

 

レンが尋ねる。

 

「やらない」

 

即答。

 

「なんで!?」

 

「お前らの任務だから」

 

「先生は!?」

 

「監督」

 

「ずるくない!?」

 

「そういうもんだ」

 

スズが依頼書を読みながら呟く。

 

「でも、雑草除去だけなら分担した方が早い」

 

「そうだな」

 

カゲマルが頷く。

 

「畑を三つに分けて――」

 

「待て」

 

ゲンマが止めた。

 

三人が振り返る。

 

「その前に依頼書、全部読め」

 

カゲマルが眉を寄せる。

 

スズがもう一度紙を見る。

 

下の方。

 

注意事項。

 

そこに書かれていた。

 

「……薬草と似た形の雑草あり」

 

スズが読む。

 

「誤って薬草を抜かないよう注意すること」

 

レンが黙った。

 

カゲマルも理解する。

 

ゲンマが言う。

 

「適当に抜いたら依頼失敗だ」

 

「……なるほど」

 

レンがしゃがみ込む。

 

「全部同じ草に見える」

 

「薬草も草だから」

 

スズが淡々と返す。

 

「そういう意味じゃねぇよ」

 

ゲンマが三人を見る。

 

「忍の任務は、敵と戦うだけじゃない」

 

昨日とは違う。

 

少しだけ教師らしい声音。

 

「依頼人が何を求めてるか理解する」

 

「そのために何が必要か考える」

 

「分からなければ確認する」

 

千本が僅かに揺れる。

 

「雑用でも任務でも、それは同じだ」

 

カゲマルは依頼書を見つめる。

 

(なるほど)

 

ただの草むしり。

 

そう思えば、それまで。

 

だが。

 

情報を確認する。

 

対象を識別する。

 

役割を決める。

 

効率よく終わらせる。

 

確かに。

 

忍として必要なことと、根本は変わらない。

 

「じゃあ」

 

カゲマルがスズを見る。

 

「まず薬草の特徴を確認しよう」

 

「うん」

 

「レンは――」

 

「抜く!」

 

「まだ抜くな」

 

「分かってるって!」

 

少し間を置く。

 

カゲマルは笑った。

 

「特徴を覚えたら、レンが一番速そう」

 

「任せろ!」

 

「その代わり、迷ったやつは抜かない」

 

「おう!」

 

スズが紙を指差す。

 

「私は畑の端から確認する。葉の形が似てるものを先に分けておけばミスが減る」

 

「じゃあ俺は中央から」

 

「私は右」

 

「俺は左!」

 

レンがすぐに動こうとする。

 

スズが服の裾を掴んだ。

 

「まだ」

 

「何!?」

 

「薬草の特徴」

 

「……あ」

 

ゲンマは少し離れた木陰へ向かいながら、その様子を見ていた。

 

昨日より。

 

ほんの少しだけ。

 

三人で相談するのが早くなっている。

 

それだけ。

 

だが。

 

(まあ)

 

悪くない。

 

木へ背を預ける。

 

任務の内容そのものは簡単。

 

危険もない。

 

失敗したところで、せいぜい依頼人に怒られる程度。

 

だからこそ。

 

こういう任務で見えることもある。

 

雑な奴。

 

飽きる奴。

 

仲間へ押し付ける奴。

 

自分のやり方に固執する奴。

 

忍の癖というものは。

 

戦場だけで出るわけではない。

 

────────

 

一時間後。

 

「……腰いてぇ」

 

レンが畑に座り込んでいた。

 

「まだ三分の一」

 

スズが言う。

 

「嘘だろ?」

 

「本当」

 

「忍の仕事ってもっとこう……」

 

レンが空を見る。

 

「屋根走ったり」

 

「うん」

 

「手裏剣投げたり」

 

「うん」

 

「敵と戦ったりするもんじゃないのか?」

 

カゲマルは草を一本抜きながら答える。

 

「そういう仕事を任せてもらえるまでの信用を作ってるんじゃない?」

 

レンがこちらを見る。

 

「信用?」

 

「昨日下忍になったばっかりだぞ、俺たち」

 

カゲマルは抜いた草を籠へ入れる。

 

「依頼する側からすれば、本当に仕事できるか分からない」

 

「……まあ」

 

「だから最初は失敗しても死人が出ない仕事から」

 

レンが少し考える。

 

「なるほどな」

 

そして。

 

再び立ち上がった。

 

「じゃあ早く終わらせようぜ!」

 

「単純」

 

スズが呟く。

 

「分かりやすくていいじゃん」

 

カゲマルが笑う。

 

レンが草を抜く。

 

一つ。

 

二つ。

 

三つ。

 

「お、これペース上がってきた!」

 

「それ薬草」

 

「え」

 

動きが止まる。

 

レンの指先には、抜かれる寸前の植物。

 

スズがじっと見る。

 

「危なかった」

 

「……セーフ?」

 

「まだ抜いてないから」

 

レンがそっと手を離す。

 

「ふぅ……」

 

その様子を見て。

 

木陰のゲンマが千本を揺らした。

 

「朝倉」

 

「はい?」

 

「今ので依頼失敗しかけたぞ」

 

「すみません!」

 

「速さより確認」

 

「はい!」

 

少し間を置いて。

 

レンは今度から、一つ一つ葉を確認し始めた。

 

時間はかかる。

 

だが。

 

ミスは減った。

 

カゲマルはそれを横目で見る。

 

(ちゃんと直せるんだよな)

 

勢いはある。

 

だが。

 

注意されたことを無視するタイプではない。

 

それは。

 

一緒に戦う上で大きい。

 

「カゲマル」

 

スズが呼ぶ。

 

「こっち来て」

 

「ん?」

 

近づく。

 

スズが畑の一角を指差した。

 

「これ」

 

一見。

 

他の草と変わらない。

 

「何?」

 

「葉の裏」

 

カゲマルがしゃがむ。

 

葉を返す。

 

小さな斑点。

 

「虫?」

 

「たぶん」

 

「結構いるね」

 

周囲を見る。

 

一株だけではない。

 

数本。

 

薬草の葉が食われ始めている。

 

「先生」

 

カゲマルが呼ぶ。

 

ゲンマがこちらを見る。

 

「何だ」

 

「虫がついてます」

 

ゲンマが近づく。

 

葉を見る。

 

「……ああ」

 

「依頼書には書いてません」

 

スズが言う。

 

「そうだな」

 

「どうします?」

 

ゲンマは三人を見る。

 

「お前らの任務だろ」

 

レンが首を傾げる。

 

「取る?」

 

「勝手に薬使うのはまずい」

 

スズが言う。

 

カゲマルは少し考える。

 

「依頼人に確認しよう」

 

ゲンマが何も言わない。

 

それが。

 

正解なのだと分かった。

 

カゲマルが立ち上がる。

 

「俺、呼んでくる」

 

「待って」

 

スズが止める。

 

「私も行く」

 

「どうして?」

 

「どの虫か説明した方がいい」

 

確かに。

 

見つけたのはスズだ。

 

「じゃあレンは――」

 

「ここ進めとく!」

 

「薬草抜くなよ」

 

「もう分かってるって!」

 

「本当に?」

 

スズの視線。

 

「……多分」

 

「多分って言った」

 

「大丈夫だって!」

 

二人の言い合いを聞きながら。

 

カゲマルは笑った。

 

昨日まで。

 

ほとんど話したこともなかった三人。

 

それが。

 

まだ一日も経っていないのに。

 

少しずつ。

 

少しずつ。

 

互いの癖が見え始めている。

 

スズは細かい。

 

よく気付く。

 

レンは勢いがある。

 

でも素直だ。

 

そして自分は――。

 

(考えすぎる)

 

昨日、ゲンマに言われた。

 

全部自分で何とかしようとするな。

 

だから。

 

少しだけ。

 

任せてみる。

 

「じゃあレン」

 

「おう」

 

「頼んだ」

 

たったそれだけ。

 

レンは一瞬。

 

少し意外そうな顔をした。

 

そして。

 

「任せろ!」

 

笑った。

 

ゲンマはそのやり取りを、何も言わずに見ていた。

 

────────

 

昼前。

 

「終わったぁぁぁ!」

 

レンが畑の横へ倒れ込んだ。

 

「汚れるよ」

 

スズが言う。

 

「もう汚れてる!」

 

三人の服には土がついている。

 

額には汗。

 

籠には除去した雑草。

 

別の籠には指定された薬草。

 

虫についても依頼人へ報告し。

 

指示を受けた範囲だけ処置をした。

 

依頼人である老婆が畑を確認していく。

 

「うんうん」

 

三人が少し緊張して待つ。

 

「綺麗になっとるねぇ」

 

レンの顔が明るくなる。

 

「ありがとうございます!」

 

「薬草も間違えとらん」

 

スズが小さく息を吐く。

 

「虫まで見つけてくれて助かったよ」

 

「スズが見つけました」

 

カゲマルが言う。

 

老婆がスズを見る。

 

「そうかい。よく見つけたねぇ」

 

スズは少し考えてから、控えめに答えた。

 

「……見つけられてよかったです」

 

スズが小さく答える。

 

「ん?」

 

「何でもないです」

 

依頼人が笑った。

 

「ありがとうね」

 

その一言。

 

たったそれだけなのに。

 

レンが少し黙った。

 

そして。

 

帰り道。

 

「……悪くなかったな」

 

ぽつり。

 

カゲマルが見る。

 

「草むしり?」

 

「薬草畑の手入れ」

 

言い直した。

 

スズが笑う。

 

「急に言い方変えた」

 

「うるさい」

 

レンは頭の後ろで腕を組む。

 

「なんかさ」

 

空を見る。

 

「ありがとうって言われると、まあ」

 

少し照れ臭そうに鼻を擦る。

 

「やった意味はあったかなって」

 

カゲマルは小さく笑った。

 

(そうだな)

 

前世。

 

忍者といえば戦いだった。

 

漫画の中では。

 

派手な術。

 

命を懸けた戦闘。

 

強敵。

 

そういう場面ばかりが記憶に残る。

 

でも。

 

この世界で生きる忍たちは。

 

その間に。

 

こういう仕事を何百、何千と繰り返している。

 

誰かの畑を整え。

 

荷物を運び。

 

困っている人を助ける。

 

(これも忍なんだ)

 

ほんの少し。

 

忍者という仕事が。

 

物語ではなく。

 

現実になった気がした。

 

「よし」

 

ゲンマが言う。

 

三人が振り向く。

 

「午後も一件あるぞ」

 

レンの顔が引き攣る。

 

「……え?」

 

「犬の散歩」

 

沈黙。

 

「犬!?」

 

「三匹」

 

「三匹!?」

 

「元気がいいらしい」

 

「戦闘任務より大変そう……」

 

スズが真顔で呟いた。

 

ゲンマが歩き出す。

 

「行くぞ」

 

「ちょっと休憩!」

 

レンが叫ぶ。

 

「五分」

 

「短い!」

 

「嫌なら三分」

 

「五分でお願いします!」

 

カゲマルは笑いながら。

 

二人と。

 

その少し前を歩く担当上忍を見た。

班分けについて。カゲマルがどの班にするか迷ってます。皆さんの意見をお聞かせください

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