転生したら奈良シカマルの双子の兄でした   作:ZAZAI

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第三十三話 霧の向こう

翌朝。

 

波の国は、薄い霧に包まれていた。

 

窓の外を見ながら、カゲマルは忍具袋の中身を確認する。苦無、手裏剣、ワイヤー、起爆札。それからゲンマに渡された信号弾。

 

昨日までと同じ装備。それなのに、手に取った時の重さが違って感じる。

 

「三回目」

 

後ろから声がした。

 

カゲマルが振り返る。

 

スズが見ていた。

 

「何が?」

 

「忍具の確認」

 

「見てた?」

 

「見えるから」

 

「念のためだよ」

 

「二回で十分じゃない?」

 

「……そうかも」

 

カゲマルは忍具袋を閉じた。

 

すると隣でレンが慌てて自分の袋を開く。

 

「俺も確認しよ」

 

「今?」

 

「カゲマルが三回やってるなら、俺一回しかしてない」

 

「回数の問題じゃないよ」

 

「苦無よし。手裏剣よし。包帯よし」

 

スズが覗き込む。

 

「兵糧丸は?」

 

レンの動きが止まった。

 

「……あ」

 

「忘れてる」

 

「まだ家の中だから!」

 

「一回の確認もできてない」

 

「今気づいたからいいだろ!」

 

レンが荷物へ走っていく。

 

カゲマルは苦笑した。

 

緊張しているのは自分だけではない。

 

昨日の夜、三人とも認めた。

 

怖い。

 

だからこそ、いつも通りでいようとしている。

 

「カゲマル」

 

スズが呼ぶ。

 

「何?」

 

「今日は考えすぎないでね」

 

「……そんなに分かりやすい?」

 

「最近は」

 

「気をつけます」

 

「あと、一人で何とかしようとしない」

 

「分かってる」

 

「本当に?」

 

「本当に」

 

スズは数秒見つめたあと、ようやく頷いた。

 

信用がない。

 

いや、これまでの行動を考えれば仕方ないか。

 

---

 

朝食を終える頃には、全員の準備が整っていた。

 

カカシも忍装束を身につけている。昨日までの弱々しい歩き方は消えていた。

 

完全回復とまではいかないのだろうが、少なくとも見た目だけなら、いつものカカシに戻っている。

 

「先生、本当に大丈夫なの?」

 

サクラが心配そうに聞く。

 

「大丈夫、大丈夫」

 

「昨日まで寝てたじゃないですか」

 

「人間、寝れば治るもんだよ」

 

「そんな適当な……」

 

カカシは笑っている。

 

だがゲンマは違った。

 

「写輪眼は?」

 

「必要なら使う」

 

「聞きたいのは、使った後だ」

 

「前回ほど無茶はしないよ」

 

「信用していい?」

 

「たぶん」

 

「信用できねぇな」

 

二人の会話を聞いていたレンが、カゲマルへ小声で聞く。

 

「仲いいよな?」

 

「多分」

 

「本人たちは否定しそう」

 

スズが言う。

 

聞こえていたらしい。

 

「そこ、聞こえてるぞ」

 

ゲンマが振り返る。

 

三人とも黙った。

 

タズナが立ち上がる。

 

「そろそろ行くぞ」

 

その声で空気が変わった。

 

今日はタズナの護衛。そして、再不斬が再び現れる可能性がある。

 

カカシが床へ簡単な地図を広げた。

 

「出る前に配置を確認するよ」

 

タズナの家。

 

建設途中の橋。

 

その間を結ぶ道。

 

カカシが橋を指す。

 

「俺と第七班は、昨日まで通りタズナさんについて橋へ行く」

 

ナルトが拳を握る。

 

「今度こそあいつが来てもぶっ飛ばしてやるってばよ!」

 

「話聞いてた?」

 

カカシが見る。

 

「再不斬が来た場合、正面から相手をするのは俺」

 

「分かってるってばよ」

 

「本当に?」

 

「分かってる!」

 

サクラがため息をついた。

 

カゲマルは地図を見る。

 

そこまでは当然だ。

 

タズナは依頼人。

 

再不斬の標的でもある。

 

戦力として最も高いカカシが直接護衛につくのは自然だった。

 

では。

 

ゲンマと第十一班は。

 

「俺たちはここだ」

 

ゲンマが指したのは橋ではない。

 

タズナの家。

 

レンが少し意外そうな顔をする。

 

「家に残るんですか?」

 

「ああ」

 

「でも再不斬はタズナさんを狙ってるんですよね?」

 

「だからカカシが行く」

 

ゲンマは淡々と答えた。

 

「俺まで橋に行ってどうする」

 

レンが口を閉じる。

 

ゲンマは地図を指で叩いた。

 

「相手は再不斬一人じゃない。あの仮面の奴もいる。それに、ガトーには忍以外の手下もいる」

 

カゲマルの目が僅かに動く。

 

「家族……」

 

ゲンマがこちらを見る。

 

「そういうことだ」

 

カカシが続ける。

 

「タズナさん本人を殺せないなら、家族を人質にして橋を止めさせる方法もある。俺たちが全員橋に集まったら、こっちは無防備になるからね」

 

原作を知っているカゲマルには、その言葉が重かった。

 

ツナミとイナリは実際に狙われる。

 

だが。

 

今の判断は。

 

自分の未来知識から出たものではない。

 

カカシとゲンマが、現状の情報から普通に導き出した。

 

それが少し嬉しかった。

 

「第十一班は俺と一緒に家を守る」

 

ゲンマが三人を見る。

 

「ただし、家の中に四人で座って待つわけじゃない」

 

指が地図の周囲をなぞる。

 

「水無瀬」

 

「はい」

 

「お前は家を中心に周囲の音を拾え。ただし、耳だけに頼るな」

 

「はい」

 

「朝倉」

 

「はい!」

 

「何か見つけても一人で突っ込むな」

 

「……はい」

 

返事が少し遅い。

 

「奈良」

 

「はい」

 

「全体を見ろ」

 

カゲマルは一瞬だけ目を瞬いた。

 

「指示を出していいんですか?」

 

「必要ならな。ただし、全部自分でやろうとするな」

 

「分かりました」

 

ゲンマは最後に三人を見る。

 

「俺がいる以上、忍が来た時にお前らだけで相手する必要はない。まず知らせろ。勝手に戦闘を始めるな」

 

レンが少しだけ残念そうな顔をする。

 

ゲンマが見逃さなかった。

 

「朝倉」

 

「はい」

 

「今、ちょっと戦ってみたいと思っただろ」

 

「……ちょっとだけ」

 

「正直でよろしい」

 

「駄目ですか?」

 

「駄目」

 

即答だった。

 

レンが肩を落とす。

 

カカシが苦笑する。

 

「初めての実戦前はそんなもんだよ」

 

「カカシ」

 

ゲンマが見る。

 

「煽るな」

 

「煽ってないよ」

 

「うちの馬鹿がその気になる」

 

「馬鹿って言いました!?」

 

「聞こえてたか」

 

「聞こえる距離ですよ!」

 

スズが小さく言う。

 

「私じゃなくても聞こえる」

 

少しだけ空気が緩む。

 

それでも。

 

カゲマルには分かっていた。

 

この配置は正しい。

 

そして。

 

だからこそ。

 

原作とは大きく変わる。

 

自分たちは。

 

橋へ行かない。

 

 

-----------------------------------

 

 

出発前。

 

ナルトが玄関で振り返った。

 

「カゲマルたち来ねぇの?」

 

「俺たちはこっちの護衛」

 

カゲマルが答える。

 

「そっか」

 

少し残念そうだった。

 

レンが笑う。

 

「俺いないからって修行サボんなよ!」

 

「サボらねぇってばよ!」

 

「木登り俺より遅かったしな」

 

「もうできる!」

 

「俺の方が先だった!」

 

「一日だけだろ!」

 

「一日は一日だ!」

 

サスケが外から言う。

 

「置いてくぞ、ウスラトンカチ」

 

「待てサスケェ!」

 

ナルトが慌てて走り出す。

 

途中で。

 

もう一度振り返った。

 

「じゃあな、カゲマル!」

 

カゲマルは手を上げる。

 

「うん。また後で」

 

「おう!」

 

第七班とタズナが歩いていく。

 

カゲマルはその背中を見送った。

 

知っている。

 

この先。

 

橋で何が起こるのか。

 

白。

 

魔鏡氷晶。

 

サスケ。

 

ナルト。

 

再不斬。

 

カカシ。

 

胸の奥がざわつく。

 

今からでも。

 

言おうと思えば言える。

 

白の術を。

 

再不斬の戦い方を。

 

知っていることを。

 

だが。

 

「カゲマル」

 

スズの声。

 

「ん?」

 

「また考えてる」

 

カゲマルは少し黙ったあと、息を吐いた。

 

「……うん」

 

「先生が言ってた」

 

「全体を見ろ?」

 

「それ」

 

スズは家の周囲へ目を向ける。

 

「今、私たちが見るのはこっち」

 

その言葉に。

 

カゲマルは目を瞬いた。

 

それから笑う。

 

「そうだね」

 

今。

 

自分には役目がある。

 

未来の記憶だけを見て。

 

目の前を疎かにするな。

 

父にも。

 

ゲンマにも。

 

何度も教えられたことだ。

 

カゲマルは第七班の背中から視線を外した。

 

「じゃあ始めようか」

 

レンが拳を打ち合わせる。

 

「おう!」

 

スズも頷いた。

 

「配置は?」

 

カゲマルは家と周囲を見る。

 

正面には道。

 

裏には林。

 

少し離れたところに別の民家。

 

「最初は三人で一周しよう。死角と逃げ道を確認する」

 

「分かった」

 

「了解!」

 

ゲンマは何も言わない。

 

少し離れた場所で、三人を見ている。

 

指示を出さない。

 

まず自分たちで考えろ。

 

そういうことなのだろう。

 

三人は動き始めた。

 

---

 

一方。

 

カカシたちは橋へ向かっていた。

 

霧は朝より少し濃くなっている。

 

「今日は霧濃いな」

 

タズナが言う。

 

ナルトが周囲を見る。

 

「波の国っていつもこんな感じなのか?」

 

「珍しくはない」

 

「ふーん」

 

カカシは何も言わない。

 

ただ。

 

視線だけは周囲を見ていた。

 

サスケが気づく。

 

「……カカシ」

 

「何?」

 

「何かいるのか」

 

「今のところは」

 

その答えで。

 

サスケの表情が引き締まる。

 

サクラもタズナの近くへ寄った。

 

ナルトだけが少し遅れて気づく。

 

「え? 何? 敵か!?」

 

「だから今のところはいないって」

 

「紛らわしいってばよ!」

 

いつもの声。

 

だが。

 

カカシの目は笑っていなかった。

 

橋が見える。

 

建設途中の巨大な橋。

 

霧の中に、その姿が浮かんでいた。

 

タズナが足を止める。

 

「……おかしい」

 

カカシの目が細くなる。

 

「どうしました?」

 

「人がおらん」

 

いつもなら、橋の上には何人もの作業員がいる。

 

だが今日は。

 

静かだった。

 

風の音しかない。

 

「みんな止まれ」

 

カカシの声が低くなる。

 

全員が止まる。

 

橋の奥。

 

霧の向こう。

 

倒れている人影が見えた。

 

「!」

 

サクラが息を呑む。

 

タズナが走り出しかける。

 

カカシが腕を出して止めた。

 

「俺が先に見る」

 

近づく。

 

一人。

 

二人。

 

作業員たちが倒れている。

 

カカシが首元へ指を当てる。

 

「生きてる。気絶してるだけだ」

 

タズナが安堵する。

 

その瞬間。

 

霧が。

 

さらに濃くなった。

 

ナルトの顔から表情が消える。

 

サスケの手が忍具袋へ向かう。

 

サクラはタズナの前へ出た。

 

「全員、タズナさんから離れるな」

 

カカシが額当てへ手をかける。

 

赤い瞳。

 

写輪眼が現れる。

 

「来るよ」

 

低い声が。

 

霧の中から響いた。

 

「久しぶりだなぁ……カカシ」

 

ナルトの拳が強く握られる。

 

「この声……!」

 

サスケの目が鋭くなる。

 

霧の向こう。

 

巨大な影が現れる。

 

首斬り包丁。

 

包帯。

 

そして。

 

桃地再不斬。

 

「やっぱり生きてやがったか!」

 

ナルトが叫ぶ。

 

再不斬が笑う。

 

「少しは頭が回ったみてぇだな」

 

カカシは写輪眼で再不斬を見る。

 

「そっちの追い忍が親切だったからね」

 

その言葉に。

 

別の影が現れる。

 

橋の鉄骨。

 

仮面をつけた細身の人物。

 

ナルトが見上げる。

 

「こいつ……!」

 

あの時。

 

再不斬の身体を持ち去った追い忍。

 

白。

 

もちろん。

 

ナルトはまだ知らない。

 

その仮面の下にいるのが。

 

森で自分を起こしてくれた人物だとは。

 

「ナルト、サスケ」

 

カカシが言う。

 

「そいつから目を離すな」

 

二人の表情が変わる。

 

「サクラはタズナさんを守れ」

 

「はい!」

 

再不斬が首斬り包丁を肩へ担ぐ。

 

「増援が来たって聞いたが」

 

周囲を見る。

 

「いねぇじゃねぇか」

 

カカシの目が僅かに細くなる。

 

「残念だったか?」

 

「いや」

 

再不斬が笑った。

 

「好都合だ」

 

次の瞬間。

 

霧が一気に濃くなる。

 

「散るな!」

 

カカシの声。

 

ナルトとサスケが構える。

 

白も。

 

静かに鉄骨から降りた。

 

橋で。

 

二度目の戦いが始まろうとしていた。

 

---

 

同じ頃。

 

タズナの家。

 

スズが突然、足を止めた。

 

カゲマルが振り返る。

 

「どうした?」

 

スズは答えない。

 

目を閉じる。

 

耳を澄ます。

 

風。

 

波。

 

木々。

 

遠くの人の声。

 

その中に。

 

別の音。

 

複数。

 

「……人が来る」

 

レンの顔から笑みが消える。

 

「何人?」

 

「まだ分からない」

 

「方向は?」

 

スズが顔を向ける。

 

林。

 

家の裏手。

 

「向こう」

 

カゲマルも見る。

 

何も見えない。

 

だが。

 

スズは続けた。

 

「一人じゃない。かなりいる」

 

ゲンマが初めて動いた。

 

口元から千本を抜く。

 

「距離」

 

「まだ遠い。でも、こっちに向かってる」

 

「足音は?」

 

スズが集中する。

 

「……忍みたいに静かじゃない」

 

ゲンマの目が細くなる。

 

カゲマルの胸が強く鳴った。

 

知っている。

 

この展開。

 

原作では。

 

ガトーの手下が。

 

ツナミとイナリを狙う。

 

だが。

 

違う。

 

原作では。

 

ここにゲンマはいない。

 

第十一班もいない。

 

「レン」

 

カゲマルが呼ぶ。

 

「おう」

 

「まだ出るな」

 

レンが踏み出しかけていた足を止める。

 

「分かってる」

 

カゲマルはスズを見る。

 

「人数、分かったら教えて」

 

「うん」

 

ゲンマは三人を見た。

 

「奈良」

 

「はい」

 

「どうする。」

 

一瞬。

 

カゲマルはゲンマを見る。

 

答えを。

 

教えてはくれないらしい。

 

なら。

 

考える。

 

守るのは。

 

ツナミとイナリ。

 

敵を倒すことではない。

 

「まず二人を家の奥へ」

 

カゲマルが答える。

 

「スズは敵の位置と人数を確認。レンは玄関じゃなく、俺と裏手を見る」

 

「理由は?」

 

「敵がそのまま正面から来るとは限らないから」

 

「それから?」

 

カゲマルは少し考える。

 

「相手が普通のごろつきなら、先生はすぐに出ないでください」

 

レンが驚く。

 

「え?」

 

ゲンマは表情を変えない。

 

「続けろ」

 

「俺たち三人で対応します」

 

スズがカゲマルを見る。

 

カゲマルは続けた。

 

「危なくなったら先生が止める。忍が混じってたら最初から先生に任せます」

 

少し沈黙。

 

ゲンマが千本を口元へ戻した。

 

「悪くない」

 

レンの顔が明るくなる。

 

「じゃあ俺たちで戦っていいんですか?」

 

「条件付きだ」

 

「よし!」

 

「喜ぶな」

 

ゲンマの声が低くなる。

 

レンの表情が引き締まった。

 

「これは訓練じゃない」

 

「……はい」

 

「相手が弱そうに見えても、武器を持ってお前らを殺しに来るなら敵だ」

 

カゲマルの喉が僅かに動く。

 

初めて。

 

本当に自分たちへ向けられる敵意と戦う。

 

ゲンマは三人を見る。

 

「ただし忘れるな」

 

昨日と同じ言葉。

 

「戦うことが任務じゃない」

 

カゲマルが答える。

 

「守ることが任務」

 

「そういうことだ」

 

その時。

 

家の中からツナミが出てきた。

 

「どうしたんですか?」

 

カゲマルが振り返る。

 

「ツナミさん」

 

できるだけ。

 

普通の声で言う。

 

「イナリ君と一緒に、家の奥にいてください」

 

ツナミの顔が強張る。

 

「敵が?」

 

「まだ分かりません」

 

嘘ではない。

 

「でも、念のため」

 

ツナミは少し迷ったあと、頷いた。

 

「分かりました」

 

家の中へ戻る。

 

スズが再び耳を澄ます。

 

数秒。

 

そして。

 

目を開けた。

 

「見えてくる」

 

林の奥。

 

木々の間。

 

人影が現れる。

 

一人。

 

三人。

 

五人。

 

さらに後ろ。

 

刃物。

 

棒。

 

武器を持った男たち。

 

忍ではない。

 

だが、明らかに散歩に来た人間ではなかった。

 

レンが拳を握る。

 

カゲマルは苦無を抜く。

 

自分の影を見る。

 

朝の光。

 

十分に使える。

 

心臓が速い。怖い。

 

昨日。

 

そう認めた。

 

でも足は動く。

 

スズが左。

 

レンが右。

 

カゲマルが中央。

 

後ろには守るべき家。

 

ゲンマはさらに後方。手を出さない。

 

ただしいつでも出られる位置。

 

男たちが近づく。

 

先頭の一人が下卑た笑みを浮かべた。

 

「ここだな」

 

別の男が答える。

 

「ああ」

 

「橋造ってる爺の家」

 

カゲマルの目が細くなる。

 

男が刃物を肩へ乗せる。

 

「女とガキを連れてこいってよ」

 

その言葉で、レンの表情が変わった。

 

スズの目も冷たくなる。

 

カゲマルは静かに息を吐いた。

 

知っていた。

 

来ることは。

 

でも

 

知っているのと。

 

実際に聞くのは。

 

全く違う。

 

男たちがこちらへ歩いてくる。

 

カゲマルは苦無を構えた。

 

今度こそ物語の中ではない自分たちの最初の実戦だった。

 

 




カカシの口調を修正しました。
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