~転生したら奈良シカマルの双子の兄でした~   作:ZAZAI

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第八話 それぞれの才能

 

「はい、静かにー!」

 

教室へ響く元気な声。

 

イルカが教壇を軽く叩くと、騒がしかった教室は少しずつ静かになっていく。

 

「今日からみんなは木ノ葉隠れの忍者アカデミーの生徒だ!」

 

「これからたくさん勉強して、たくさん修行して、立派な忍者を目指してもらう!」

 

教室中に期待と緊張が入り混じる。

 

カゲマルは周囲を見渡した。

 

(揃ったな……。)

 

教室には、見慣れた顔が並んでいる。

 

奈良シカマル。

 

秋道チョウジ。

 

山中いの。

 

犬塚キバ。

 

油女シノ。

 

日向ヒナタ。

 

そして――

 

うちはサスケ。

 

(未来の木ノ葉を支える世代。)

 

(ここから全員の人生が動き始める。)

 

前世の記憶があるからこそ、その重みを知っていた。

 

だが。

 

(変えようとはしない。)

 

(必要な時だけ、手を伸ばす。)

 

それがカゲマルの決めた生き方だった。

 

⸻

 

「まずは自己紹介だ!」

 

イルカの一言で、教室の空気が少し和らぐ。

 

順番に前へ出て、自分の名前を名乗っていく。

 

「秋道チョウジです。お菓子が好きです。」

 

「山中いの! 将来は綺麗なくノ一になる!」

 

「犬塚キバ! 誰にも負けねぇ!」

 

元気な声が続く。

 

やがて、一人の少年が立ち上がった。

 

「うちはサスケ。」

 

短い。

 

それだけだった。

 

教室が静まり返る。

 

女子たちはざわめき始める。

 

「かっこいい……。」

 

「やっぱりうちは一族ね。」

 

サスケは何も言わず席へ戻る。

 

その視線は、一度だけカゲマルへ向いた。

 

ほんの一瞬。

 

すぐ逸れる。

 

(見られてる。)

 

カゲマルはそう感じた。

 

⸻

 

「次、奈良カゲマル!」

 

教壇へ立つ。

 

教室中の視線が集まる。

 

「奈良カゲマルです。」

 

「好きなものは、昼寝と将棋。」

 

シカマルが小さく吹き出す。

 

「兄貴、それ俺と同じ。」

 

「兄弟だからな。」

 

教室から小さな笑いが起こる。

 

「それと――」

 

カゲマルは少しだけ考えて続けた。

 

「困っている人を放っておけません。」

 

短い一言だった。

 

ナルトだけが、少し嬉しそうな顔をした。

 

⸻

 

授業が始まって数日。

 

基礎体術。

 

手裏剣。

 

チャクラの扱い。

 

どれもカゲマルは上位だった。

 

だが。

 

一番ではない。

 

走ればキバ。

 

手裏剣ならサスケ。

 

体術もサスケ。

 

力はチョウジ。

 

それぞれに得意がある。

 

カゲマルは、それを眺めるのが好きだった。

 

(みんな才能が違う。)

 

(だから面白い。)

 

⸻

 

昼休み。

 

屋上。

 

「兄貴。」

 

シカマルが寝転ぶ。

 

「サスケ、お前見てたぞ。」

 

「気付いてた。」

 

「なんで?」

 

「分からない。」

 

本当は少しだけ分かる。

 

サスケは強い相手を探している。

 

兄・イタチへ届くために。

 

誰よりも強くならなければならない。

 

だからこそ、目立たずとも安定して成績を残すカゲマルが気になるのだ。

 

「めんどくさい奴だな。」

 

シカマルは欠伸をした。

 

「お前が言うか。」

 

兄弟は笑う。

 

⸻

 

その日の放課後。

 

校庭。

 

イルカが木製の人形を並べる。

 

「今日は模擬戦だ!」

 

「二人一組!」

 

教室が一気に盛り上がる。

 

「奈良カゲマル!」

 

イルカが名簿を見る。

 

「相手は――」

 

一拍置く。

 

「うちはサスケ!」

 

ざわり。

 

教室が静まり返った。

 

サスケはゆっくり前へ出る。

 

カゲマルも歩き出す。

 

二人は向かい合った。

 

互いに構える。

 

サスケの瞳は鋭い。

 

だが、敵意ではない。

 

純粋な興味。

 

(どんな奴なんだ。)

 

その視線だった。

 

一方のカゲマルも静かに息を整える。

 

(まだ勝つ必要はない。)

 

(でも、手は抜かない。)

 

イルカが右手を上げる。

 

「それでは――」

 

「始め!」

 

二人の足が同時に地面を蹴った。

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