遅くなりましたすいません
人数多いとマジで難しいですね
「うわ~!すっご〜い!」
「広えー!一面ガラス張り!」
「はしゃぎ過ぎないでね真美」
「お前もだぞ、
「「は〜い!」」
「ったく」
「あはは、似たもの同士だよね」
5月になり、ゴールデンウィークが始まった拓望達は【鹿嶋家】の所有する山奥の別荘へと訪れていた。現在は拓望と良季、彩葉真美芦花の男子2人女子3人、そして保護者役として拓望の専属使用人である
「それでは拓望様、彩葉様、私は荷物をお部屋へ運んでおきます」
「ああ、頼んだぞ十握」
「あっ!お願いします十握さん」
「はい、お任せ下さい」
一礼し、40代程の男が荷物を持って奥へと進んで行く。それと入れ替わる様にして1人の女の子が近づいて来た
「今日は私達までお誘いいただきありがとうございます。鹿嶋先輩」
「ああ、気にしなくていいよ綾紬さん。今日は親睦会って事で誘ったんだし、むしろ来てくれてありがとう」
頭を下げる芦花に対して手を振る拓望、彩葉の友達である芦花と真美には既に会って話たことはあるがほんの数回だけ。
そこで今回この別荘への旅行へと誘う事で拓望と彩葉、それぞれの仲の良い交流関係を紹介し合い、思い出を作る事で仲良くなり、来年以降のかぐや関連を手助けしやすい関係になるのが今回の狙いである
(まぁそれともう一つあるけどな…)
「いいえ、私からも感謝させてください。卒業して普段なかなか関わることの無い私まで呼んでいただいたのですから」
「俺からも言わせてくれ、誘ってくれて感謝する」
そう言ってこちらへと近づいてきた男女2人。別で迎えを送っていた最後の2人が到着したようだ。1人は拓望の友人である
「いいって、
そして近づいてきたもう1人の女性の名は
「そうですか?…ふふっ、ではこれ以上遠慮するのも無粋ですね、楽しませていただきます」
彼女は一昨年に武蔵川高校を卒業した先輩であり、在学時に一目惚れした
「では初めての方もいらっしゃいますので改めて、
「
「初めまして、酒寄彩葉です!」
「私も初めまして、綾紬芦花です」
「で、さっきからずっと窓際ではしゃいでんのが
「キッチン見て回ってるのが諫山真美といって私と芦花の友達です」
「ふふっ、
「ま、今回で仲良くなれるだろ、どっちも明るくてすぐ誰かと仲良くなるタイプだし」
「あら、それは楽しみです」
「茨澤さん、俺は一度荷物を置いて来ますね」
「あ、ごめんなさいね明綱君、ずっと私の分の荷物まで持ってもらって」
「い、いえ!なんだって頼ってもらって大丈夫ですから!むしろ嬉しいぐ―」
「はいはい、いいからこっちこい。部屋まで案内してやる」
「あっ、おい拓望!ちょ、までぇぇ」
面倒くさくなると踏んだのか首に腕を回し引きずるようにして明綱を連れて行く拓望。残された3人はそんな2人を見て仲良いね、と笑い合いながら置いてあるソファーへと移動し、腰を落ち着けてから話始める
「えっと、いきなりなんですけど茨澤さんと渡部さんは、その…」
「ふふっ、苗字では呼びづらいでしょう。どうぞ美咲と呼んでください」
「あ、ありがとうございます、じゃあ美咲さんで…」
「彩葉がそう呼ぶなら私も美咲さんって呼ばせてもらいますね」
「はい、ぜひ…それで、私と明綱君の関係ですね…お気づきかもですが、実は私達お付き合いしてるんです」
頬に片手を当てて少し恥ずかしそうにする美咲、そんな美咲を見て彩葉と芦花はやっぱり!と嬉しそうに食いついた
「もしかしてって思ってたんです、流石にお世話になってただけで今回の旅行に誘うかなって思って…」
「私は、拓望先輩に友達に恋人がいるって話をちょっと聞いてて…」
「あらあら、やっぱりそうですよね」
「その、馴れ初めとかって聞いてもいいですか!?」
「芦花、凄い勢いだね」
「彩葉も気になるでしょ?」
「まぁ…そりゃね」
「ふふっ、もちろんいいですよ。そうですね、どこから話しましょうか?」
「なになに〜、何の話ししてるの〜?あれ?初めましての人がいる〜」
「あっ真美、探査はもういいの?」
「うん〜、なんか楽しそうな話し声聞こえたからさ〜」
「ふふっ、なら一緒にお話ししましょうか」
「わ〜い、ありがとうございま〜す」
「ちょっと真美、まずは自己紹介ぐらいしてから座りなよ」
「ふふふ、なんだか女子会って感じがしていいですね」
「あはは、ただ騒がしいだけじゃ…でもそうですね、楽しい旅行になりそうです」
4人の女性達がわいわいと盛り上がって仲を深めていく。旅行は始まったばかりだが順調に今回の目的を果たせそうである
(いつの間にか人増えて楽しそうにしてる…流石にあそこに1人で突っ込む勇気はないなぁ、拓望とアッツー探すか)
2階へ上がる階段からコッソリとリビングを覗き込んでいた良季は気づかれないようにゆっくりとその場を後にし、何処かに居るであろう男子2人を探しに向かった
(にしてもホントに広いな〜、三階建てで屋上にも出られるみたいだし、なんLDK有るんだろ。あっ外にまだ何個か建物ある…)
キョロキョロと見回しながら歩いていく良季、20分程探索していたがまだまだ見所は沢山あるようでちょくちょく足を止めてしまっている
(おぉ〜、廊下に間接照明が付いてる。夜とかキレイだろうな~………ん?)
屈み込んでいた良季の耳に話し声が聞こえてくる、偶に聞こえてくる女性陣たちの声と違い落ち着いたトーンでの会話だ
(おっ!拓望とアッツーかな!)
聞こえてきた方向へと駆け足で進む良季
「そういや誘っといてなんだけどお前部活は?良季も」
「俺は自主トレでいいと顧問から言われている、良季も…まぁ同じ様なものだろう」
「へ〜、やっぱ結果出してると自由度が違うな」
「俺達の学校が緩いだけな気がするがな」
「(やっぱそうだ!)お~い、拓望〜アッツ〜」
2人を驚かそうと曲がり角を勢いよく飛び出した瞬間―
「「あ」」
「え…ええええええええ!?!?!?」
「ええええええええ!?!?!?」
「「「「ビクッ!」」」」
突然響き渡る悲鳴に笑い合っていた女性陣たちが肩を跳ね上げさせた
「え、なに今の悲鳴!?」
「2階の方から聞こえてきましたが…」
「な、何かあったのかな?」
「え~、何かってなに〜。怖いよ〜」
4人とも狼狽えながらも冷静に成ろうと状況を整理する
「2階には先輩達が居ると思うんですけど」
「男性の方々は皆さんお強いですから、心配しなくても大丈夫でしょうが…」
「…それは確かに…」
全員身長180超えの武闘派集団だ、何かあっても自分達よりよほど安全だろう
「み、見に行ってみます?」
「危なくない?」
「ん〜、あまり迂闊な行動は……あら?」
「美咲さんどうかしました?」
そんな中、突然美咲が何かに気づき落ち着きを取り戻す
「ふふっ、いえ、やはり心配しなくても大丈夫だったみたいですよ」
「「「え?」」」
そう美咲が口にするのとほぼ同時に2階から話し声が聞こえてくる
「お前あんなでっけえ声で叫ぶんじゃねぇよ!」
「まったくだ、鼓膜がやられるかと思ったぞ」
「ごめ〜ん。だって2人があんなの持ってるからビックリしちゃたんだよ〜」
その話声を聞いて美咲以外の3人も安心する、どうやら良季がただ何かに驚いただけだったらしい
「美咲さんの言う通り、大丈夫みたいですね」
「だね〜、あ〜ビックリした」
「でもあんな風に驚くなんて何持ってたんだろうね?」
「こちらに近づいて来ているみたいですし、すぐに分かりますよ」
その言葉通り間もなくして男子3人が言い合いながらも降りてくるが………3人は何故かその手に
「………はあ!?ちょちょちょ!たくみ兄何持ってんの!?」
「…えっ…アレ本物?」
「ひえ〜なんで刀なんてあるの〜」
「あらあら、想像より凄いのが出てきましたね…」
当たり前だが女性陣は再びの驚愕に加えドン引きである。この現代日本でガチの日本刀なんて見ることなど滅多に無いのにそれを同じ学校に通う男子が突然持ち歩いているなど普通に理解が追いつかないだろう
「ホレ見ろ女性陣引いてんじゃねぇか、お前騒がなきゃコッソリしまっといたのによ」
「え~、だって日本刀持ってるの見たらビックリしちゃうじゃんか」
「置いてある方がおかしいしな」
流石に明綱と良季も引いているようだ。いくら日本名家の所有する別荘だからといって日本刀が置いてあるのは恐ろし過ぎる。…その割には普通に手に持っているのは年単位で拓望と関わりを持ってしまったからだろうか…
「あ〜、えっとこれはまぁ和室のインテリアとして置いてたんだけど危ないからさ、仕舞おうと思って…」
一階に着いた途端に女性陣へと事情を説明しようとする拓望、だがその手には日本刀を持ったままなので普通に怖い
「いいからそれ早く片付けてきてよ!危ないから!てか十握さんに頼みなよ!」
ソファーに隠れて顔だけ出している彩葉に苦言を言われて拓望は若干傷付いた様に顔を引きつらせる。
「はは、は〜い。あそうだ、十握は昼メシ用意してたからさ、もうすぐ出来るみたいだから俺ら戻ってきたらさっそくだけど昼食にしよう」
「お昼ご飯!」
お昼と言う言葉に怖がっていたはずの真美が真っ先に反応する
「もうすぐって…何食べるの?」
「決まってるだろ、山来て昼メシつったら…」
「言ったらぁ〜!」
「外でバーベキューだ!」
「いえ〜い!バーベキュー!」
拳を掲げて大喜びする真美、恐怖は食欲の前に消え失せたらしい
別荘のすぐ横、山の木々に囲まれた広々としたスペースに設置されている野外キッチンにテーブル、バーベキューコンロとそこに用意された食材たち。かすかに聞こえる鳥の鳴き声や穏やかな風が吹く中で間もなく行われる宴に、招待された全員が目を輝かせている
「皆様お待たせしました、もう準備は出来ていますのでいつでも始められますよ」
エプロンを着けた十握が振り返り告げる。その手には様々な飲み物が用意されている
「準備ありがとな。さぁ皆んな、各々グラスを持ってって好きなの注いでくれ!」
拓望のその一言に待ちわびていた6人がわいわいと動き出し、皆がその手にグラスを持ってコンロを囲む
「じゃあ今日から3泊4日の別荘旅行、皆で楽しもう!かんぱ~い!」
「「「「「「かんぱ~い!」」」」」」
そうして盛り上がる7人の男女達。その様子を食材を焼きながら眺めていた十握は、この数日間が最高の物となるだろうと確信した
「ん〜!おいし〜」
「ほら真美、口元に付いちゃってるよ」
「ふふっ、取ってあげるね〜」
「んぐんぐ、へへへ、ありがと〜」
「茨澤さん、これも美味しいですよ」
「あら、ありがとうございます。でも私ばかり気にせず明綱君も食べてくださいね」
「はい…、あっこれもどうぞ」
「……まったく…!…ふふっ、明綱く〜ん」
「は、はい…」
「あ〜ん」
「………えっ!?!?!?」
「お〜、野菜も全部美味しい!」
「だな。十握、これって…」
「はい、どれも今日の内に取れた新鮮な野菜を用意しました」
「うお〜、流石十握さん。すげー」
「わざわざすまんな。ほれお前も食え」
「いえいえ、私は大丈夫ですので…」
「いいから食え」
「そうですか、彩葉ちゃんが例の拓望君の幼馴染の方だったんですね」
「はい、小さい頃によく兄と一緒に遊んでました」
「遊び相手なんてお前らしかいなかったからな…」
「ふふふっ、…では彩葉ちゃんは京都出身なんですね。…あ、去年の停電事件は大丈夫でしたか?」
「ビク」
「あ〜、まぁはい。停電はしたんですけど1時間ぐらいで直りましたから、比較的平気でした」
「そうですか、それは良かったです」
(マジでよかった…)
「あっあの卜田先輩!卜田先輩って甘い物好きってホントですか!」
「ん?ゴックン…うん、めっちゃ好きだよ〜どしたの?」
「私も美味しい物食べるの大好きなんです!だからその〜オススメのお店とか教えてもらえたりしますか…」
「あ〜な・る・ほ・ど〜。フッフッフ、俺に聞こうとはお目が高い。良いだろう!俺のオススメ100選を教えてしんぜよう!」
「ホントですか!?ヤッター!ありがとうございま〜す!」
「バーベキューしてる時に別の食べ物の話…しかも100選…」
「どちらの食欲も凄まじいな…」
「では皆様、こちら締めの焼きそばになります」
「「「「「「「お〜〜〜!」」」」」」」
「ふ〜、食ったな〜」
「だな」
「私お腹いっぱい」
「やっぱ彩葉も?私もなんだよね」
「沢山ありましたからね」
「あの2人まだ食ってんぞ」
「キレイに片付きそうですね…」
数時間が経ち、食事を楽しみながら各々で交流を深め、全体のぎこちなさがなくなってきた頃。真美と良季以外の者が箸を置き、椅子に座ってのんびりと話し合っていた
「え〜!彩葉って昔はそんなに甘えんぼだったんですか!?」
「ちょ、ちょっと!」
「そうなんだよ、事あるごとに抱っこして〜頭撫でて〜って正に末っ子って感じだった」
「たくみ兄!?…ん〜〜〜もーーー!!!」
「ふふふ、いいじゃないですか。小さい頃は甘えたいものですよ」
「懐かしいな、去年の大晦日に会った親戚の子達もそんな感じだった」
「…………そう言うたくみ兄やって、お母さんにお世話されて恥ずかしがってたけどちょっと嬉しそうだったやん」
「ぐっ、お前な…」
「あらあら」
「ほお、お前といえど子供の頃は可愛げがあったんだな」
(そうなんだ…意外…ちょっと可愛いかも…)
「あ〜はいはい!話終わり!そろそろ片付けるぞ!」
「逃げたな…まぁいい頃か…」
「みたいですね、あら、ほんとに全部平らげてますね」
「えっ!うっそ!」
「2人共どこにそんな入ってるんだろ…」
騒ぎながらも手際よく片付け、30分程の時間で室内に戻る拓望達。リビングに集合してこれから何をするのか談笑していた
「さて、そろそろ部屋の案内するかな、荷物広げなきゃだし」
時刻が16時を過ぎて日が傾き始めていた頃、一息ついた拓望が立ち上がり声を上げる
「あ、そういやまだ荷物広げてないな」
「まぁ入れてるのも着替えや小物ぐらいだったからな」
「んじゃ女子は1階、男子2階な。それぞれ部屋のドアに名札付けてるから。で、とりあえず2時間ぐらい自由時間でまたここ集合、それまで各自好きに過ごしてくれ。なんか分かんない事あったら俺か十握に聞いてくれ。なんか質問ある人?」
「は~い」
「はい、綾紬芦花さん」
「自由時間の後は何するんですか?」
「いい質問だ、ちょっと早いがお風呂にします」
「お〜どんなのか楽しみ〜」
「じゃあそういう事で解散!また2時間後に」
「「「「「「は~い」」」」」」
元気よく返事を返しそれぞれの部屋へと向かって行く、旅行はまだまだ始まったばかりだ
「さて、一旦ヤチヨのとこ行って準備しないとな」
【鹿嶋家】に古くから仕える家系である【十握家】の生まれ。幼少期から優秀で20歳になる頃には使用人として働いていた。拓望が産まれてからは専属使用人としてずっとお世話してきた。数年前に結婚している
かなり大柄で髪型はハーフバックに伊達メガネ(奥さんの趣味)
150センチ程の身長に薄いブロンドの髪を腰辺りまで伸ばした清楚系の女性、高校時代に渡部明綱に告白されたが実は1回振りかけている(複雑な事情あり、拓望がギリギリでうやむやにした)。
細かい所はまた設定まとめ出します