「なら、その勝負……私が参加してもいいよね?」
「誰ですか!?」
遊奈は久しぶりに舞網市に戻ってきた。
そして、最初に向かったのは弟が所属する優勝塾。
だけど、中に入るが誰もおらなかったので、デュエルフィールドがあるところに向かうといたのだが、何か口論していた。
「遊奈か……」
あの大会で出会った以来に見る顔があった。
赤馬 零児がいたのだ。
遊奈は状況を聞き、納得する。
優勝塾をかけた試合が行われていた上に、現在引け分け状態。
「なら、その延長戦は私がもらっても構わない?」
「ああ、いいだろう」
遊奈は複数のデッキから1つ取り出す。
黒のデッキケースからデッキを取り出し、セットする。
「では、私を満足させてくださいよ?」
「…………」
そして、延長戦が始まった。
―――アクションフィールドオン!フィールド魔法発動、『無限回路』!!」
その言葉と共に遊奈と零児が相対していたデュエル場にフィールド魔法が展開されると、観客席から驚きの声が上がる。
「無限回路ねぇ……。少し面倒なのが出たわね」
アクションフィールド魔法、無限回路は非常に面倒なフィールド魔法である。
無限に広がる通路は階段と橋だけのシンプルなフィールドなのに一度道を間違えるだけで迷う。
おかげで、勝負だけに2時間もかかるというぶちゃっけ面倒なフィールドなのだ。
「戦いの殿堂に集いしデュエリストたちが!」
「モンスターと共に、地を蹴り、宙を舞い!」
「フィールド内を駆け巡る!」
「見よ!これぞデュエルの最強進化系!」
「アクショォ――ン……」
「「―――デュエル!!」 」
だが、このフィールドは私にとっては好都合なフィールドでもある。
榊 遊奈
LP:4000
手札:5
赤馬 零児
LP:4000
手札:5
「先攻はゆずるよ」
「……相変わらず後攻しか取らないのだな」
遊奈の試合記録には先攻を取った回数は少ない。
殆どの試合で、後攻ばかり取っている。
「なら、お言葉に甘えて行かせてもらおう」
零児は先攻を受け取り、メインフェイズに入った。
◇
「遊矢……あの人知っている?」
「ああ、俺の姉さんだ」
観客席では二人のデュエルを見守っていた。
LDSの生徒は遊奈の事を知っているが、優勝塾は知らなかったようだ。
「まさか、あの人が現れるなんて……」
「この勝負、勝敗が見えないぜ」
「今回は何のデッキを使うのだ?」
LDSの生徒は遊奈の恐ろしさを知っている。
プロに成り立ての頃に一度、全てのコースで縛りデュエルをしたのだ。
結果は全勝。
エクシーズは光天使テラナイト。
シンクロはクジャドル。
融合はM・HERO。
その不敗の称号は伊達ではなかった。
「私は魔法カードを2枚発動する。まずは、1枚。永続魔法「地獄門の契約書」を発動!」
地獄門の契約書
永続魔法
「地獄門の契約書」の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分メインフェイズに発動できる。デッキから「DD」モンスター1体を手札に加える。
(2):自分スタンバイフェイズに発動する。自分は1000ダメージを受ける。
「このカードは自分のターンのスタンバイフェイズに、自分自身が1000ポイントのダメージを受ける」
赤馬零児という男をがどういう人物たちか全く知らない柚子たちは、その魔法カードの効果に驚きの声を上げる。
「自分のターンが来るたびに」
「自分自身に1000ポイントのダメージだと!?」
しかしそんな彼女たちの声が聞こえていないのか、それとも意図的に無視しているのかわわからないが、零児はそのままデュエルを続行する。
「さらに1ターンに一度、デッキからレベル4以下の「DD」と名のついたカードをデッキから一枚手札に加えることができる」
そして零児はデッキからカードを一枚抜くと、そのカードがどういうカードなのか遊奈に確認させる。
「私はDDケルベロスを手札に加える」
DDケルベロス
ペンデュラムモンスター
効果モンスター
星4/闇属性/悪魔族/攻 1800/守 600
【Pスケール:青6/赤6】
(1):1ターンに1度、自分フィールドの「DD」モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターのレベルを4にし、攻撃力・守備力を400アップする。
【モンスター効果】
(1):このカードが手札からP召喚に成功した時、「DDケルベロス」以外の「DD」モンスターが自分フィールドに存在する場合に自分の墓地の永続魔法カード1枚を対象として発動できる。そのカードを手札に加える。
その零児の言葉に遊勝塾の生徒の一人であるポチャリ系の少年、フトシが疑問の声を上げる。
「DD?なんだそれ?」
それに答えたのは横で一人、チョコレートを齧っていた素良が答える。
「
「へー」
以外に物知りな素良のその言葉に子供たちが感心の声を上げる。
「私はさらに2枚目は永続魔法、魔神王の契約書を発動」
魔神王の契約書
永続魔法
「魔神王の契約書」の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分メインフェイズに発動できる。自分の手札・フィールドから、悪魔族の融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する。「DD」融合モンスターを融合召喚する場合、自分の墓地のモンスターを除外して融合素材とする事もできる。
(2):自分スタンバイフェイズに発動する。自分は1000ダメージを受ける。
「このカードも地獄門の契約書同様、自分のスタンバイフェイズ時、自分自身に1000ポイントのダメージを与える」
「これで合計2000ポイントのダメージ」
遊奈の言葉に零児の表情は変わず、彼は淡々と自身のカードの効果を読み上げる。
「魔神王の契約書は1ターンに一度、悪魔族融合モンスターを融合魔法無しに融合召喚できる」
「なッ!?」
「融合魔法無しに、融合召喚!?」
その彼の言葉に反応したのは、融合使いである素良と、その素良と戦い苦戦させられた遊矢の二人だった。
その二人の声が聞こえたのか、零児はどこか不適な笑みを浮かべる。
「私が融合するのは手札のDDケルベロスとDDリリス」
そして零児は先ほど地獄門の契約書の効果により手札に加えたカードを天高く掲げると叫びだす。
―――まるで王の誕生を祝うが如くに。
「牙むく地獄の番犬よ、闇夜に誘う妖婦よ。冥府に渦巻く光の中で、今一つとなりて新たな王を生み出さん!! 融合召喚。―――生誕せよ。DDD烈火王テムジン!!」
そして天から一人の紅き王が現れた。
DDD烈火王テムジン
融合・効果モンスター
星6/炎属性/悪魔族/攻2000/守1500
「DD」モンスター×2
「DDD烈火王テムジン」の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードがモンスターゾーンに存在し、自分フィールドにこのカード以外の「DD」モンスターが特殊召喚された場合、自分の墓地の「DD」モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを特殊召喚する。
(2):このカードが戦闘または相手の効果で破壊された場合、自分の墓地の「契約書」カード1枚を対象として発動できる。そのカードを手札に加える。
素良と遊矢。
そして柚子と真澄のデュエルにより融合召喚については知っていた遊勝塾の面々も、それらとはまた違った融合召喚の方法を披露した零児のやり方に驚きを隠せないでいた。
「あいつ融合使いか!!」
「でもあのモンスターを呼び出すためだけにあんなリスクを?」
「今度はDDD……」
「Dが三つ?」
「どういう意味だ?」
困惑する遊勝塾の面々。
塾長である柊修三も、今までの試合で零児が一回も融合召喚を使っていないことを確認すると不安そうな表情を浮かべるが、しかし当の本人である遊奈だけは、ただ感心の声を上げるだけでいつものペースを崩さない。
「へぇ……、融合魔法無しで融合召喚。フュージョンゲートを使うわけでもない、専用の融合魔法でもない。珍しいカードだね」
そんな彼女の言葉に零児は無言で返すと、カードを二枚伏せる。
「私はこれでターンエンドだ」
零児
LP:4000
手札:0
DDD烈火王テムジン
地獄門の契約書
魔神王の契約書
セット
セット
「そんでは、私のターン、ドロー」
遊奈は引いたカードを確認すると……微笑んだ。
「では、私もこのカードを発動させるわ。魔法カード……
通常魔法
「影依融合」は1ターンに1枚しか発動できない。
(1):自分の手札・フィールドから「シャドール」融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する。
エクストラデッキから特殊召喚されたモンスターが相手フィールドに存在する場合、自分のデッキのモンスターも融合素材とする事ができる。
「!?」
零児はそのカードを見るなり、一瞬無口だった表情を崩した。
「影衣融合は普通の融合とは違って、相手の場にエクストラデッキから特殊召喚されたモンスターいると、私はデッキからも素材を選択できるわ」
この効果に全員、驚く。
「デッキからも融合素材を選択できるですて!?」
「インチキカードも大概にしやがれ!!」
特にLDSがうるさかったが、無視する。
「私はデッキからシャドール・ビーストと光属性の超電磁タートルを選択」
目の前に現れた渦に選択されたモンスターたちが飲み込まれ、その上から数本の糸が現れる。
「百獣の人形よ、絶対防御の亀よ。すべてに永延の安らぎを与え、すべてを破壊しなさい!! 融合召喚。―――転生せよ。エルシャドール・ネフィルム!!」
シャドール・ビースト
リバース・効果モンスター
星5/闇属性/魔法使い族/攻2200/守1700
「シャドール・ビースト」の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
(1):このカードがリバースした場合に発動できる。
自分はデッキから2枚ドローする。
その後、手札を1枚捨てる。
(2):このカードが効果で墓地へ送られた場合に発動できる。
自分はデッキから1枚ドローする。
超電磁タートル
効果モンスター
星4/光属性/機械族/攻 0/守1800
「超電磁タートル」の効果はデュエル中に1度しか使用できない。
(1):相手バトルフェイズに墓地のこのカードを除外して発動できる。
そのバトルフェイズを終了する。
エルシャドール・ネフィルム
融合・効果モンスター(制限カード)
星8/光属性/天使族/攻2800/守2500
「シャドール」モンスター+光属性モンスター
このカードは融合召喚でのみエクストラデッキから特殊召喚できる。
(1):このカードが特殊召喚に成功した場合に発動できる。
デッキから「シャドール」カード1枚を墓地へ送る。
(2):このカードが特殊召喚されたモンスターと戦闘を行うダメージステップ開始時に発動する。
そのモンスターを破壊する。
(3):このカードが墓地へ送られた場合、自分の墓地の「シャドール」魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。
そのカードを手札に加える。
「あいつも融合使いなのか!?」
権現坂は遊奈のネフィルムを見るなり、驚いていた。
それだけではなかった。
優勝塾全員が驚いていたのだ。
「そして、この瞬間墓地のシャドール・ビーストと場のエルシャドール・ネフィルムの効果を発動。ネフィルムは特殊召喚に成功した場合、デッキから「シャドール」カードを1枚墓地に送り、ビーストは効果で墓地に送られた場合、デッキから1枚ドローできる。デッキから
そう言って、遊奈は先程使った影衣融合を手札に加えた。
永続罠
(1):このカードは発動後、効果モンスター
(魔法使い族・闇・星9・攻1450/守1950)となり、モンスターゾーンに特殊召喚する。
この効果で特殊召喚されたこのカードは、「シャドール」融合モンスターカードに記された属性の融合素材モンスターの代わりにできる。
このカードは罠カードとしても扱う。
(2):このカードが効果で墓地へ送られた場合、「影依の原核」以外の自分の墓地の「シャドール」魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。
そのカードを手札に加える。
「バトルよ! ネフィルムでテムジンを攻撃!! その瞬間、ネフィルムの効果が発動するわ」
「なに!?」
「ネフィルムは特殊召喚されたモンスターを攻撃する場合、ダメージステップ時前にそのモンスターを破壊する」
「なんだと!!」
零児はこの効果は予想外だったのか、周りを見渡し始めた。
だが、そこが遊奈の狙いでもあった。
無限回路でなるべくしないことは、アクションカードを探さないことだ。
探せば、自分が不利になるからだ。
「アクション魔法、奇跡。自分場上のモンスター1体は破壊されず、戦闘ダメージを半分にする」
「では、戦闘ダメージは受けてください」
「させると思うか? 私は伏せカード
永続罠
「戦乙女の契約書」の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):手札から「DD」カードまたは「契約書」カードを1枚墓地へ送り、フィールドのカード1枚を対象として発動できる。そのカードを破壊する。
(2):このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、自分フィールドの悪魔族モンスターの攻撃力は、相手ターンの間1000アップする。
(3):自分スタンバイフェイズに発動する。自分は1000ダメージを受ける。
「このカードも他の契約書カードと同じく、自分のスタンバイフェイズ毎に私は1000ポイントのダメージを受ける。そしてこのカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、自分フィールドの悪魔族モンスターは、相手ターンの間、攻撃力を1000ポイントアップさせることができる!!」
DDD烈火王テムジン
ATK 2000→3000
遊奈はアクション魔法を探す身振りを見せず、そのままネフィルムを破壊した。
遊奈
LP:4000→3800
「この瞬間、ネフィルムの最後の効果を発動。この墓地に送られた場合、墓地から「シャドール」と名づく魔法・罠カードを1枚手札に加える。影衣の原核を手札に」
遊奈はモンスターとカードを2枚伏せる。
「ターンエンドよ」
遊奈
LP:3800
手札:3
セット(モンスター)
セット
セット
「さあ、私を満足させてちょうだい……零児」