東方天命録~The Final Shape Begins~   作:はならむ

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第二話:最初の戦火

「ガーディアン!」

 

ゴーストの叫びと同時に、更に裂け目から現れたドレッド達が一斉に動き出した。

 

獣のような低いうなり声を上げながら地上から、空から一直線に博麗神社の境内へ雪崩れ込んでくる。

 

その異様な姿に、霊夢は思わず息を呑んだ。

 

「どうやら……あたしも見とれている場合じゃないわね」

 

お祓い棒を握り直す。

 

次の瞬間、無数のお札が彼女の周囲へ舞い上がった。

 

「はぁっ!」

 

振り下ろされたお祓い棒と同時に、お札が一斉に飛び出す。

 

流星のような軌跡を描き、先頭のドレッドへ降り注いだ。

 

ドドドドドッ!!

 

霊力が炸裂する。

 

二体のドレッドが吹き飛び、石段へ激しく叩きつけられた。

 

「……やっぱり妖怪じゃない、なによこいつら……」

 

霊夢は小さく呟く。

 

一方のゴーストとガーディアンも戦う彼女を見て、一瞬見とれていた。

 

「あの娘……やりますね」

 

ガーディアンも相づちを打つ。どうやらこんな完全武装をしている自分を臆せず、詰め寄っただけのことはある、と。

 

倒れたドレッドは苦しげに身体を震わせながらも、再びゆっくりと立ち上がった。

 

「硬いわね……!」

 

今度は二つの陰陽玉が霊夢の左右へ展開する。

 

意思を持つように宙を舞い、迫るドレッドへ次々と体当たりを仕掛けた。

 

ガガンッ!!

 

鈍い衝撃音が響き渡る。

 

敵がよろめいた隙を逃さず、霊夢は宙へ舞い上がった。

 

「そこ!」

 

上空から札の雨が降り注ぎ、境内を覆い尽くす。

 

しかし、裂け目の奥から、さらに新たな影が姿を現した。

 

一体。

二体。

三体。

五体。

十体。

 

いやそれ以上、今度は謎の空間干渉によるワープで出現し、まだ終わらない。

 

「嘘でしょ……」

 

霊夢の表情が険しくなる。

 

「どれだけ出てくるのよ!」

 

その時だった。

 

ドンッ!!

 

乾いた銃声が境内を震わせる

霊夢のすぐ脇を弾丸が駆け抜けた。

 

次の瞬間、背後から飛び掛かろうとしていたドレッドの頭部が弾け飛び、大爆発。周辺の敵に炎が燃え移る。

 

霊夢は振り返った。

 

「…………」

 

――ハンドキャノンを片手で構えるガーディアンだった。

 

先ほどまでソリで遊び、サンバを踊っていた人物とは到底思えない。

 

ぶれない照準、無駄のない引き金。

 

撃つたびに一体、また一体と敵がザクロのように吹き飛び、消滅する。

 

その寒気がするほどの徹底ぶりに霊夢は思わず息を呑んだ。

 

「ガーディアン!右から来ます!」

 

「…………………」

 

ゴーストが叫ぶ。ガーディアンは返事をしない。

 

ハンドキャノンをしまい、ガーディアンは背中へ手を伸ばした。

 

引き抜かれたのは、身の丈ほどもある巨大なマシンガン。

 

幾重にも重なる重厚な銃身。

 

鈍く輝くレシーバー。

 

巨大な弾帯が蛇のように垂れ下がり、見る者に圧倒的な威圧感を与える。

 

「……」

 

無言のまま腰を落とし、肩へ据える。

 

その姿は、まるで一門の機関砲そのものだった。

 

ドレッドたちが一斉に襲い掛かる。

 

次の瞬間――。

 

 

 

ドゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!

 

 

境内を揺るがす轟音。

 

銃口から絶え間なく火炎が噴き上がる。

 

排莢口からは真鍮色の薬莢が滝のように降り注ぎ、石畳を激しく跳ねた。

 

撃ち出されるのは、大口径の徹甲弾。

 

一発一発が空気を震わせながら飛翔し、ドレッドへ叩き込まれる。

 

ズガァン!!

 

最前列の一体の胸部が砕け散る。

 

だが弾丸は止まらない。

 

そのまま後方の敵を貫き、さらに三体目まで巻き込みながら隊列を粉砕する。

 

着弾のたびに地面が抉れ、瓦礫が吹き飛び、爆発にも似た衝撃が周囲へ広がる。

 

それは"連射"ではない。重砲の一撃が、秒間何発も降り注いでいるような暴力的な火力だった。

 

ドレッドたちは前進することすらできない。

 

踏み出した瞬間に身体を撃ち抜かれ、吹き飛ばされ、後続ごと押し返されていく。

 

ガーディアンは微動だにしない。

 

常人なら肩が砕けるほどの反動を受け止めながら、ゆっくりと銃口を横へ薙ぐ。

 

それだけで黒い軍勢は刈り取られた草のように崩れ落ちていった。

 

しかしガーディアンは撃ち続けながら前に進むの止めず、弾丸は一発たりとも無駄にしない。

 

「何なのあの戦い方……」

 

霊夢が呟く。その間にも、ドレッドは四方八方から迫ってくる。

 

一体が咆哮を上げ、ガーディアンへ飛び掛かった。

 

ガーディアンは静かに左手を掲げる。

 

掌へ紫黒の光が集束していく。

 

空気が軋んだ。

 

重力そのものが歪み始める。

 

ゴーストが叫んだ。

 

「あなた、今すぐ下がってください!」

 

「え!?」

 

次の瞬間。

 

 

 

 

ウォーロック、ボイドSC《スーパースキル》【ノヴァワープ】発動――!。

 

 

 

 

ガーディアンの身体が紫黒の光へ溶けた。

 

「……え?」

 

姿が消える。

 

そう思った瞬間には、敵集団のど真ん中へ現れていた。

 

左手を握り込む。

 

膨れ上がった虚無の力が一気に解放された。

 

ズォォォンッ!!

 

紫黒の爆発が境内を揺るがす。

 

爆風に巻き込まれたドレッド数体が宙へ吹き飛んだ。

 

だが、ガーディアンは止まらない。

 

再び身体が虚空へ溶ける。

 

次の瞬間には別の敵集団。

 

ズォォンッ!!

 

さらに爆発。

 

また消える。

 

現れる。

 

爆発。

 

爆発。

 

爆発。

 

まるで虚無そのものが戦場を飛び回っているかのようだった。

 

「なにこの攻撃……見たことないわ!」

 

ゴーストが叫ぶ。

 

「ノヴァワープです!」

 

「ノヴァ、ワープ……」

 

それでも、裂け目はまだ閉じない。

 

倒したそばから、新たなドレッドが次々と姿を現す。

 

「まだ来ます!」

 

ゴーストの声に焦りが混じる。

 

ガーディアンはもう一度ワープし、敵を吹き飛ばす。

 

だが、その向こうにはさらに新たな影が見えた。

 

「……きりがない」

 

霊夢が険しい表情で呟く。この敵は、一体ずつ倒していては終わらない。

 

ドレッドの一体がゆっくりと腕を持ち上げた。

 

その掌へ、漆黒の光が渦を巻き始める。

 

ゴーストの一つ目が大きく見開かれた。

 

「ガーディアン、危険です!」

 

ガーディアンが振り向く。しかし――間に合わない。漆黒の光が解き放たれた。一直線に、博麗神社へ向かって。

 

「あ――っ!」

 

霊夢が飛び出す。だが、その一瞬の差が致命的だった。

 

轟音。

 

ドゴォォォォォォンッ!!

 

黒い爆炎が神社を飲み込む。

 

鳥居が真っ二つに砕け、木片が宙を舞う。

 

本殿の柱が悲鳴を上げるように軋み、屋根瓦が次々と崩れ落ちた。

 

爆風は賽銭箱すら吹き飛ばし、境内へ転がしていく。

 

「…………」

 

土煙がゆっくりと晴れていく。

 

そこにあったはずの博麗神社は。

 

もはや見る影もなかった。

 

折れた柱。

 

崩れた屋根。

 

散乱する瓦礫。

 

そして、無惨に転がる賽銭箱。

 

霊夢は、その光景をただ見つめていた。

 

「……そんな」

 

信じたくなかった。

 

毎朝掃除をして、文句を言いながらも縁側でお茶を飲んで。

 

妖怪が勝手に上がり込んできて。

 

宴会で騒がれて。

 

そんな、当たり前の日常があった場所。

 

それが、一瞬で瓦礫になっていた。

 

風が吹く。

 

焦げた木の匂いが鼻をつく。

 

霊夢はゆっくりと俯いた。

 

「…………」

 

何も言わない。

 

ただ、お祓い棒を握る手だけが、小刻みに震えていた。

 

怒りだった。

 

静かで、深く、底の見えない怒り。

 

ガーディアンも戦う手を止め、その背中を見つめる。

 

ゴーストも何も言えなかった。

 

やがて。

 

霊夢は静かに顔を上げる。

 

その瞳に、先ほどまでの戸惑いは一切残っていない。

 

「よくもまあ……好き勝手――」

 

ぽつりと呟く。

 

「好き勝手やってくれたわね」

 

一歩、また一歩、瓦礫を踏みしめながら前へ出る。

 

「異変なら、今まで何度も解決してきた」

 

また一歩。

 

「妖怪でも」

 

「妖精でも」

 

「神様でも」

 

「全部追い返してきた」

 

崩れた本殿へ、ほんの一瞬だけ視線を向ける。

 

「でも――」

 

その声が低くなる。

 

「ここは……」

 

霊夢はドレッドたちを真っ直ぐ睨みつけた。

 

「私の家なのよ」

 

その瞬間だった。

 

凄まじい霊力が霊夢の身体から噴き上がる。

 

白銀の光が境内を包み込み、瓦礫が宙へ浮かび上がる。

大地が震えた。

 

吹き荒れる霊力の風に、ドレッドたちでさえ一瞬足を止める。

 

ガーディアンは思わず霊夢へ視線を向けた。

 

「二度と……」

 

霊夢はお祓い棒をゆっくりと構える。その背後へ、無数のお札が現れ始めた。

 

十枚。

五十枚。

百枚。

 

なおも増え続ける。

白い札が空を埋め尽くし、まるで空そのものが霊符へ変わったかのようだった。

 

「好き勝手できないように……」

 

お祓い棒を振り下ろす。

 

「全部まとめて――退治してあげる!!」

 

その号令とともに。数え切れないほどのお札が、一斉にドレッドの軍勢へ襲い掛かった。

 

「あんた達、弁償どころじゃすまないわよ!!!」

 

霊夢がお祓い棒を振り抜いた。

 

その瞬間、空を埋め尽くしていた無数のお札が、一斉にドレッドの軍勢へ襲い掛かる。

 

ヒュォォォォォッ!!

 

白い奔流。一枚一枚が鋭い光を纏い、雨のように降り注ぐ。

 

 

ドドドドドドドドドッ!!

 

 

霊力が次々と炸裂し、境内を埋め尽くしていたドレッドたちがまとめて吹き飛ばされた。

 

一体が宙を舞う。

 

その背後の敵へ叩きつけられる。

 

さらにその奥まで巻き込み、黒い軍勢が次々と崩れていく。

 

それでも霊夢は止まらない。

 

「まだよ!」

 

右手を振る。左右を飛んでいた陰陽玉が高速で回転を始めた。

 

まるで意思を持つ生き物のように敵陣へ飛び込み、次々と体当たりを繰り出す。

 

ガガンッ!!

ガキィン!!

 

鈍い衝撃音が響くたび、ドレッドが吹き飛ばされていく。

 

逃れた敵には、すぐさま新たなお札が追い付き、容赦なく霊力を叩き込んだ。

 

空を飛ぶ霊夢の姿は、まるで戦場全体を支配しているかのようだった。

 

「な、なんの推進力もなしで生身で空を飛ぶ……?」

 

ゴーストは思わず声を失う。

 

「こ、これは……っ」

 

目の前で繰り広げられる光景が信じられない。

 

「あれだけの数を……押し返してる。」

 

ガーディアンも銃を構えたまま、その戦いぶりを見つめていた。

 

無駄がない。

札を放つ角度。

陰陽玉の軌道。

 

敵を誘導し、包囲し、確実に数を減らしていく。

 

長い戦いで培われた技術が、一つひとつの動きから伝わってきた。

ゴーストが小さく呟く。

 

「……まるで、何百回もこういう戦いを経験してきたみたいだ」

 

ガーディアンは静かに頷く。

 

「……」

 

ゴーストはその仕草を見て苦笑した。

 

「そうですね」

 

「あの娘、本当に強い」

 

「少なくとも、ただ守られるような人じゃありません」

 

霊夢はなおも空を舞い続ける。

 

札が敵を貫き。陰陽玉が敵陣を切り裂く。

 

一人で戦線そのものを押し返していく。

 

ガーディアンはオートライフルを構え直した。

 

そして、小さく頷く。

 

「……」

 

ゴーストはその意図を察し、静かに笑う。

 

「了解です!」

 

ガーディアンはすぐさま引き金を引いた。

 

霊夢のお札をすり抜けたドレッドを、正確な銃撃が撃ち抜く。

 

前線では霊夢が敵を押し返し。

 

後方ではガーディアンが確実に仕留める。互いに言葉を交わさずとも、その連携は自然と噛み合い始めていた。

 

「私は博麗の巫女よ!」

 

無数のお札が再び空を埋め尽くした。

 

地上ではガーディアンが虚無の力で敵陣を切り裂き、空では霊夢が絶え間なく弾幕を降らせる。

 

「ガーディアン、今がチャンスです!」

 

ドレッドの群れが次々と崩れ落ちる。

 

霊夢のお札が空を覆い。陰陽玉が戦場を駆け巡る。

 

境内にいた敵は、あっという間に半数近くまで減っていた。

 

「………………」

 

ゴーストが思わず感嘆する。

 

「あれだけいた敵を、一人で押し返してる……」

 

ガーディアンも無言のまま霊夢を見つめる。

 

熟練のガーディアンだからこそ分かる。

 

あの戦いは勢いではない。

 

経験と技術に裏打ちされた、本物の強さだった。

 

だが――。

 

 

ゴォォォォォ……。

 

 

空間が再び歪む。

 

裂け目がさらに大きく広がっていく。

 

ゴーストが振り返った。

 

「これは……まさか」

 

裂け目の向こうから、再び黒い影が姿を現す。

 

一体。

二体。

十体。

数十体。

 

さらにその奥にも、まだいる。

 

「ガーディアン!」

 

「まだ増援が来ます!」

 

霊夢も思わず目を見開く。

 

「いやいやいや!」

 

押し返したはずの敵を埋めるように、新たなドレッドが境内へ雪崩れ込んでくる。

 

「まだ来るの!?」

 

思わず叫ぶ霊夢。疲労はまだ感じていない。

 

しかし、この物量は異常だった。

 

「…………………」

 

ガーディアンは慣れているのか冷静に各武器のマガジンを交換する。

 

装填完了。

 

再びマシンガンを構えたその時だった――。

 

 

「霊夢ーーーー!!」

 

 

境内の外から聞き慣れた声が響く。箒に乗った魔理沙が一直線に飛び込んでくる。

 

「何とか間に合った!」

 

霊夢が振り向く。

 

「魔理沙!」

 

魔理沙は霊夢の横へ並ぶと、不敵に笑った。

 

「神社が爆発した音が魔法の森まで聞こえてきたんだ」

 

「来てみりゃ、とんでもない異変じゃないか」

 

周囲を埋め尽くすドレッドを見渡し、口笛を吹く。

 

「おいおい……なんだこの数」

 

霊夢は苦笑しながらも安堵の表情を浮かべた。

 

「来てくれて助かったわ。一人じゃちょっと手が足りない」

 

魔理沙はニヤリと笑う。

 

「当たり前だ。異変解決はいつだってあたしらでやるもんだろ?」

 

そう言って八卦炉を構える。ゴーストはその様子を見て、小さく呟いた。

 

「彼女の友人……?しかも彼女、箒に跨がって空を飛んでいる……?何なんですかこの世界は……」

 

「…………」

 

二人は驚きを隠せない。

 

「そして、誰だあんたら?」

 

魔理沙もガーディアンへ視線を向ける。

 

奇妙な鎧。

 

見たこともない武器。

 

そして宙に浮かぶゴースト。

 

「そっちの変な格好した兄ちゃんのことは後で聞く!」

 

八卦炉の先端が眩く輝く。

 

「今はまず、この化け物どもを片付けるぞ!」

 

ガーディアンは何も言わず、小さく頷く。

 

「一気に片付けるわよ!」

 

「おう!!」

 

「……………」

 

霊夢が空へ舞い上がる。魔理沙が八卦炉を構える。そして、異世界から来たガーディアンはマシンガンの照準器を覗いてグッと構える――。

 

三人は互いの呼吸を合わせるように、それぞれの得意な戦い方でドレッドの大群へ向き直った――が、裂け目からは次々とドレッドが姿を現す。

 

「はあ?まだいるの!?」

 

境内を埋め尽くす黒い軍勢。

 

ゴーストも思わず息を呑んだ。

 

「この数……きりがありません!」

 

ガーディアンはライフルを構え直す。

 

だが、その時だった。

 

「だったら――まとめて吹き飛ばせばいいだけだぜ!!」

 

聞き覚えのない少女の声が空から響く。

 

霊夢が振り向く。

 

「えっ――」

 

「魔理沙!」

 

そのままドレッドの頭上を横切り、八卦炉を構えた。

 

「そこのふざけた格好の兄ちゃん、下がっていな!」

 

八卦炉の先端に黄金色の光が集まっていく。眩い魔力が渦を巻き、周囲の空気を震わせる。

 

ゴーストが驚きの声を上げた。

 

「ガーディアン、ものすごいエネルギー反応です!」

 

魔理沙は不敵に笑う。

 

「派手に行くぜ!」

 

大きく息を吸い込み――。

 

「恋符――」

 

八卦炉を真正面へ向ける。

 

 

 

 

「マスタァァァァァァッ、スパァァァァァァァク!!」

 

 

 

極太の黄金の光線が迸った。一直線にドレッドの大群を飲み込み、大地を削りながら突き進む。

 

爆音。

閃光。

衝撃波。

 

境内の木々が激しく揺れ、瓦礫が吹き飛ぶ。光が収まった時。

 

そこには一本の巨大な焼け跡が残っていた。

 

ドレッドの群れはまとめて消し飛び、後方にいた敵までも巻き込んで消滅している。

 

「…………」

 

ゴーストは言葉を失った。

 

「い、一撃で……?」

 

「あれだけいた敵を……っ」

 

ガーディアンも珍しく視線を魔理沙へ向ける。

 

静かにその焼け跡を見つめる。

 

ゴーストは苦笑しながら言う。

 

「ここの世界の人たちは、みんなこんな戦い方をするんですか?」

 

魔理沙は箒でふわりと霊夢の隣へ降り立つ。

 

「へへっ、どうよ!」

 

霊夢は安堵したように息をついた。

 

「相変わらずの超絶バカ火力ね、安心したわ」

 

魔理沙は肩を竦める。

 

「異変なら、一人で抱え込むな私もいるんだからな!」

 

その言葉に霊夢は小さく笑う。

 

そしてガーディアンは魔理沙へ力強く親指を立てた。

 

「おっ?」

 

ゴーストが思わず吹き出す。

 

「『すごい火力だ、君達やるな!』と言ってます!」

 

魔理沙はニヤリと笑い返した。

 

「だろ?これが私の自慢の一撃だぜ」

 




●簡単なdestiny用語集③歴史編

・黄金時代
トラベラーの到来によって、人類が急速な発展を遂げた繁栄の時代。医療や科学技術、宇宙開発は飛躍的に進歩し、人類は太陽系各地へ進出した。ちなみにトラベラーは太陽系のほとんどの惑星、衛星にテラフォーミングを行っている。エクソやウォーマインドなど、多くの技術もこの時代に生み出された。

・大崩壊
黄金時代の終わりを告げた、人類史上最大の災厄。
目撃者率いる暗黒の勢力が太陽系へ襲来し、人類文明は壊滅的な被害を受けた。多くの惑星の拠点が失われ、生き残った人々は地球へ逃れることとなる。
そんな地球から逃れて新天地を求めようとした一部の人類の乗る宇宙船団が光と暗黒の狭間に飲み込まれた際に誕生したのがアウォークンである。

・暗黒時代
大崩壊後に訪れた混乱の時代。文明は崩壊し、人々は食料や安全を求めて争い続けた。食人行為が横行していたと示唆する記述があったりとかなり悲惨な時代であったことが窺える。ガーディアンもまだ組織化されておらず、中には力を悪用して人々を支配する者(ウォーロード)も存在した。
その後、鉄の豪傑と呼ばれる歴戦のガーディアン達や後のバンガードの活躍により秩序が取り戻され、現在の「シティ時代」へと繋がっていく。
作中に登場する鉄の豪傑の最後の生き残り、サラディン卿や放浪者が暗黒時代を生き抜いた数少ない生き証人である。

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