最近とても眠いのさ
「......。」
「出たな、生徒会四天王の1人!『冷酷な算術使い』の異名を持つ生徒会の会計、ユウカ!」
「勝手に変な異名をつけて、人をモンスターか何かみたいに呼ばないでくれる?失礼ね。」
聞き慣れた声が聞こえたと思い振り返れば、そこには早瀬が謎の威圧感を出しながら仁王立ちしていた。あまりの圧に少しびっくりしてしまった。
「そういえば先生も早瀬のことミレニアムオオフトモモって言ってなかったですっけ」
「レイ!?なんで今言っちゃうのかなあ!!?」
「先生?」
「ヒッ許してくださいユウカ様〜!」
「はぁ.....、こんな形で会うなんて。先生にはあとで説教するとして......モモイ」
早瀬は先生に対してむけていた圧を収め、ピンク才羽に向き直る。
「本当に諦めが悪いわね。廃部を食い止めるために、わざわざ「シャーレ」まで巻き込むなんて。けど、そんなことをしても無意味よ。」
「たとえ連邦生徒会のシャーレだとしても......いえ、あの連邦生徒会が戻ってきたとしても!部活の運営についてはね、各学校の生徒会に任されてるんだから。」
「ゲーム開発部の廃部はもう決まったことなの、これはもう誰にも覆せない。」
「そ、そんなことない!」
「言ってたでしょ。部員が規定人数に達するか、ミレニアムの部活として見合う成果を出せれば......」
「それができればよし。できなかったら廃部、部費はもちろん部室も没収する。私、そこまでちゃんと言ったわよね。」
「あなたたちは部員数も足りない上に、部活としての成果を証明できるようなものもないまま、何ヶ月も経ってるんだから......」
「廃部になっても、何も意義はないはずだけど?」
どうやら部活の規定になしてない中何ヶ月も経っていたらしい。普通、部活の規定に達してないならもっと早く廃部にされてるはずだ。それが何ヶ月も廃部にされてないとなれば、ゲーム開発部側の過失と言って間違いないだろう。むしろ温情である。
「異議あり!すごくあり!私たちだって全力で部活動をしてる!」
「だからあの、なんだっけ......上場閣僚?とか言うのがあってもいいはず!」
「情状酌量な、シナリオライター向いてないんじゃないか?」
なんかさっきからピンク才羽は頭が悪そうな雰囲気を出してる。いや、ミレニアムにいるのだから頭はいいのだろう。この、なんと言うか...アホと言えばいいのか?
「全力で活動してる.....?笑わせないで!」
「校内に変な建物を建てたと思ったら、まるでカジノみたいに装飾してギャンブル大会を始めるし、レトロゲーム探すと言いながら古代史研究会を襲撃するし......」
「おかしいでしょう!?全力かもしれないけど部活動としては間違ってるわよ!それに、これだけ各所に迷惑をかけておいてよく毎度のように部費を請求できるわね!?」
「ミレニアムでは結果が全て、まともな言い訳ぐらいしてみなさいよ!」
なるほど......廃部にされて当然では?先生なんか呆れて天を仰いでる。ここまでくると学園の面汚しと言っていいんじゃないかと思う。むしろなんで今までこの部活残してきたんだ?生徒会の人間実はロリコンだったりするのか?じゃないと説明つかんぞ。
「ちなみに何かゲームはリリースしてるのか?そのゲームによっては成果と言ってもいいかもだろ?」
「そ、そうだよ!私たちだってゲーム開発で結果を残してるんだから!」
「そ、そうですよ!テイルズ・サガ・クロニクルはちゃんとあのコンテストで受賞、も……」
「あっ(察し)」
「何か知ってるのレイ?」
緑才羽の声がだんだんと萎んでいくが、当然と言えるだろう。今日の朝プレイしたテイルズサガクロニクルとか言うサハラ砂漠みたいなネーミングのゲーム。コンテストで受賞したと言うならあのコンテストしかないそうクソゲーコンテストだ。それしかない。それに─────
「『私がやってきたゲーム史上、ダントツで「絶望的」なRPG。いやシナリオの内容とかじゃなくてゲームとしての完成度が』
『このゲームに何が足りないかを数えだしたらキリが無いけど……まぁ、一番足りてないのは「正気」だろうね』
『このゲームをプレイした後だと「デッドクリームゾーン」はもしかして名作の部類に入るんじゃ……って思っちゃうわ』......今言ったのがテイルズサガクロニクルのレビューです。聞けばわかるでしょ?ようは成果といってもとてもいいものじゃないってことですよ.....」
「わ、私たちのゲームは、インターネットの悪意なんかに屈しな.....」
「悪意で言うならどっちかと言うとお前らでは?チュートリアルとか悪意以外の何者でもないだろ」
「くっ.....!」
「せめて否定してくれ.....」
「それにあなたたちが持ってる結果はクソゲーランキング一位だけでしょう?」
クソゲーランキング一位.....あまりにも当然だな。あれはクソゲー実況者でも投げ出したくなるレベルの悪意だし、むしろこれで成果だって言える方がすごい。
「一位!?すごい、そのゲーム逆に気になる!」
「「.......。(;ω;)」」
「先生、それは傷を抉った上に塩を塗り込むくらい残酷ですよ」
「あっ.......ごめん」
「.......とにかく。あなたたちのようなな部活がこのまま活動していても、かえって学校の名誉を傷つけるだけよ。それにその分の部費を他に回せば、きちんと意義のある活動をしている生徒たちの為にもなる……」
「だから、もし自分達の活動にも意義があるのだと主張したいのなら、証明してみせなさい」
........なるほど?早瀬はずいぶんこの後輩たちに甘いようだ。ロリコンの正体は早瀬か
「証明、って……?」
「何度も言ったでしょう。きちんとした功績や成果を証明すれば、廃部は撤廃するって」
「例えば、何かの大会で受賞するとか?」
「インターハイとか、何かしらの発明品を公表するとかだな」
「そうよ、それにゲーム開発部なら、そう言うコンテストも色々あると思うけど......」
「とは言え、出せばなんとかなるとも思えないわね。あなたたちゲーム開発部の能力はあのクソゲーランキングが証明済み」
「ぐっ.........。」
「どうせならお互い楽に済ませましょう?今すぐ部室を空けて、このガラクタも捨てて」
「.......ガラクタは流石に言い過ぎなんじゃないか?」
いくら何でもガラクタは言い過ぎだ。このゲームだってこいつらにとっては大切なものだろう。大体、ゲームが好きじゃないならゲーム開発部になんて入ってないはずなのだから
「そ、そうだよ!ガ、ガラクタとか言わないで......!」
「......じゃあ何なの?」
「そ、それは……分かった。全部、結果で示す」
「へえ?」
「そのための準備だって、もうできてるんだから!私たちには切り札がある。それを使って、今度のミレニアムプライスに『TSC2』......『テイルズサガクロニクル2』を、出すんだから!」
「ミレニアムプライスって?」
「ミレニアム中の部活が各々の成果物を競い合う、ミレニアムでも最大のコンテスト!ここで受賞さえすればいくら何でも文句はないはず!」
「……まあそうね。受賞できたら、の話だけど」
「けどねモモイ、あなたが言っていることは運動部がインターハイに出場するとかそういうレベルじゃなくて.....高校球児がいきなりメジャーリーグに出るみたいな、雲を掴むような話よ」
「……まぁ良いわ。何でだろ、私もちょっと楽しみになってきたし。そこまでは待ちましょう。」
「今日からミレニアムプライスまで二週間……この短い時間でどんな結果が出せるのか、楽しみにしてるわ」
そういい早瀬は先生と俺に向き直る。
「……まさかレイと先生の前でこんな可愛くない所を見せてしまう事になるなんて……ただこれも、生徒会の仕事なので」
「次はもっと違った、落ち着いた状況でお会いしましょうね。それではまた」
話終わると早瀬はゲーム開発部部室の扉から出て行った。おそらく、先ほどから煽るような発言をしていたのは2人に発破をかけるためだろう。あいつもなかなか回りくどいことをする。
「お姉ちゃん。どっちも確率は低いだろうけど......今から私たちがゲームを作るより、部員を募集する方がまだいいんじゃないの?」
「それならこの1ヶ月、散々やってみたでしょ......結局、誰も入ってくれなかった。」
「ぷーっ!VRですら古いのに、何がレトロ風ゲームだよって馬鹿にされるのは、もううんざり」
「......。」
「ユウカの卑怯者め!私たちみたいなオタクには友達が少ないことを利用するなんて!許せない!」
「いや.......それはユウカじゃなくて、100%私たちの自業自得だと思うけど」
「とにかく、これ以上部員を募集しても明るい未来は見えない」
それはそうだろう。まず2人の友達が少ない上にクソゲーを出した上に襲撃とか余裕でする部活だ。誰も入ろうとは思わないだろう。
「それに、まだ他に希望はある。」
「あ、そうだ。さっき言ってた「切り札」って何のこと?」
「それはもちろん先生たちのことだよ」
「......私?」
「なるほど、セミナーを襲撃しろってことか」
「違うからね!?」
違うのか.....じゃあ一体どうすればいいのだろうか
「話を戻すと、私たちの目的は『廃墟』にあるの。」
「廃墟っていうのは......元々は連邦生徒会が出入りを禁止していたミレニアム近郊の謎の領域」
「出入りを制限していたのは『危険な地域だから』って言われてたけど......実際のところ具体的に何が危険なのかは誰も知らない」
「誰も入ったことがないのか、そもそも入ることができないのか、それとも戻ってきた人が誰もいないのか......それすらもよくわからない」
「......そういう、謎に包まれた場所があるの。」
「何でそんなところに?別に行かなくてもいいだろう?」
「いいゲームが作りたいから!私は証明したいの。たとえ、私たちのレベルは「今年のクソゲーランキング一位」にすぎないとしても」
「私が大好きな......私を幸せにしてくれた、このゲームたちが......決してガラクタなんかじゃない、大事な宝物なんだってことを!」
「なるほど.....協力するよ。先生もそうでしょう?」
「うん!もちろん!」
「ほんと!?やったー!」
こうして俺のシャーレとしての初めての仕事が始まった。きっと前途多難なんだろうが、仕事な以上全力でやってみせる。それに....こいつらがこれから作るゲームは、きっと面白いだろうから
二次創作って難しいね!元々ある文に主人公を絡ませようとするとどうしても変な感じになってしまう。なぜだろう?