超人ハンターさん達の日常   作:マスターチュロス

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※この作品では、モンスターハンターの公式設定には無い独自の解釈・設定等が含まれる場合がございます。ご注意ください。




#EP2『世界は滅亡と隣り合わせ』

 

 

【隔ての砂原── ベースキャンプ ──】

 

 

「今までで一番強かったモンスターって、何ですか?」

 

「……何だろう。その質問、答え次第で炎上しそうな気がする」

 

 龍歴院ハンターは恐れつつも、一番強いモンスターを考える。だが、候補が多すぎて絞りきれない。

 

「どいつもこいつも化け物だから選ぶの大変だなぁ」

 

「僕はハッキリ答えられますよ」

 

「え、誰?」

 

 自信満々な調査隊ハンターに、龍歴院ハンターは思わず耳を傾ける。

 

「極ベヒーモス」

 

「誰!?!?」

 

 全く知らないモンスターの名前を出され、龍歴院ハンターは再び聞き返してしまう。

 

「え……ホントに誰? 初めて聞いたんだけど……」

 

「異世界からやってきたモンスターです」

 

「いせ……かい……?」

 

「最近だと零式オメガが強かったですね」

 

「ぜろしき……おめが……?」

 

「それも異世界です」

 

「全部"いせかい"じゃねぇか!!!!」

 

 すかさずツッコミを入れる龍歴院ハンター。てっきり"ミラボレアス"と答えるかと思いきや、全く知らない場所から来た全く知らないモンスターの名ばかり出され、理解に苦しむ。

 

「ってか、"いせかい"って何!? どっかのフィールド!?」

 

「そこ説明すると長くなるので今回は省きます」

 

「いや教えてくれよ……」

 

 いちばん重要な部分を省かれ、唖然とする龍歴院ハンター。きっとその"いせかい"とやらは、ギルド上層部も秘密にするほどのヤバい場所なのだろう。

 

 龍歴院ハンターが"いせかい"考察する中、調査隊ハンターが話を戻す。

 

「で、一番は?」

 

 始まりに戻り、悩む龍歴院ハンター。悩みに悩み抜いた後に、口を開く。

 

「一番……、まぁ……超特殊許可の『青電主ライゼクス』かなぁ」

 

「……確か、二つ名モンスターでしたっけ? ライゼクスの」

 

「そう。その中でもズバ抜けて強い個体が『超特殊許可』って枠に指定されて、条件を満たしていないと狩りに行かしてもらえない」

 

「制限厳しくないですか?」

 

()()()()()()()。下手したら死ぬし」

 

「怖いですねぇ」

 

「俺はその"いせかい"とやらの方が怖いよ」

 

 正直に話す龍歴院ハンター。やはり"未知"とは常に怖いものである。それが禁忌級となれば、なおのことである。

 

「改めて聞くけど、"極ベヒーモス"って何?」

 

 龍歴院ハンターの質問に、調査隊ハンターが答える。

 

「エオルゼア……って場所から来た新種の古龍種です。その中でもズバ抜けて強いヤツに"極"が付きます」

 

「へぇ、古龍なんだ」

 

「まぁ異世界から来てるんで、現存のモンスターの系統樹に組み込めないから"古龍"扱いなんでしょうけど」

 

「……つまるところ異世界って、この世界とは別に世界のこと?」

 

「そうです」

 

「怖……」

 

 やっと理解できた龍歴院ハンター。系統樹に分類できないモンスター、"古龍"ですらギリギリ分類できるにも関わらず分類不明ということは、つまるところこの世界の生き物ではないという、シンプルな道理である。

 

 そんな存在が新大陸に出現していたとは中々に背筋が凍るが、それよりも重大な事実に気づく。

 

「ねぇねぇねぇ、ずっと前から思ってたことがあるんだけど……」

 

「何ですか?」

 

 調査隊ハンターが耳を傾ける。

 

「……今年って、ヤバくね?」

 

「超分かります……。絶対厄年ですよね」

 

 二人は共感し、互いの手を繋いでブンブンと振りまくった。

 

「というか今年に限らず、ここ数年ずっと厄年な気がしない?」

 

「分かります……なんか立て続けに事件が起きてますよね」

 

 ハンターたちはここ数年の出来事を思い返す。やれ1000年に一度現れる厄災に、黄金纏う地母神、撃龍槍をブン投げてくる女王、異界から現れた魔法使いの怪物などなど、どれもこれも調査団および龍歴院メンバーを困らせた化け物ばかり。

 

 そんなヤツらがたった数年の間、絶え間なく現れ続けるこの世界。果たして無事と言えるのか、甚だ疑問である。

 

「……実はまだ、龍歴院ハンターさんにしてない話があって……」

 

「何?」

 

 龍歴院ハンターは耳を傾ける。

 

「ギルドからミラボレアス討伐要請を受ける前に、ミラボレアス並にヤバい古龍が新大陸に来てたんですよ……」

 

「……何だろう、寒気がする」

 

「それが『煌黒龍アルバトリオン』でして……」

 

 その名を聞いた瞬間、飛び上がるようにその場から離れた龍歴院ハンター。そして、一度息を飲んでからもう一度確認する。

 

「アルバ!??」

 

「はい……」

 

「何で!!?」

 

「おそらく、アルバより前に現れた『赤龍ムフェト・ジーヴァ』に反応して新大陸にやってきた……ってのが調査団の見解ですね」

 

 また知らない名前の登場に、龍歴院ハンターは警戒する。

 

「……ちなみにその、ムフェト・ジーヴァってのは"異世界"生まれなの?」

 

「いえ、ムフェト・ジーヴァは前に新大陸でエネルギーを独占しようとした『冥灯龍ゼノ・ジーヴァ』の成体で、異世界出身では無いです」

 

 異世界出身ではないことを聞き、安心する龍歴院ハンター。しかし、『冥灯龍ゼノ・ジーヴァ』……このモンスターの名は聞き覚えがある。

 

 確か、新大陸古龍調査団が解明した"古龍渡り"、その調査中に起きた異変の元凶が『冥灯龍ゼノ・ジーヴァ』であると、報告書に書いてあったのを思い出す。

 

「……確か新大陸って、『地脈』があるんだっけ? そこに流れるエネルギーを独占してたゼノ・ジーヴァの成体がムフェト・ジーヴァで、それがあの煌黒龍を引き寄せた……」

 

「はい」

 

 真剣に、冷静に考える龍歴院ハンター。それはつまり、ムフェト・ジーヴァはただでさえ幼体の時点で厄介であるにも関わらず、それが成体となり、あの煌黒龍が目をつけるほどの力の持ち主となると、モンスターの格としては上澄みも上澄み。

 

「……もしかしなくてもムフェト・ジーヴァって、禁忌?」

 

「情報が少ないので断定できませんが、かなりダメ寄りですね」

 

「ほらまた『ここ数年厄年説』が補強されちゃったよ!! というかアイツら禁忌のくせに割と見かけるの何なんだよ!!!」

 

「先輩の気持ち、凄く分かります。分かりすぎて涙が出そうです」

 

 ポロポロと涙をこぼす調査隊ハンター。禁忌級古龍との戦い、それを引き金に次々と化け物クラスのモンスターが現れ、最後は本物の禁忌と戦わされ、そして禁足地でもまたヤバいモンスターと戦わされる。過酷としか言いようがない。

 

 調査隊ハンターは涙を拭いつつ、話を戻す。

 

「ちなみに先輩は煌黒龍とどこで……?」

 

「あぁ……溶岩島だよ」

 

「溶岩島?」

 

 聞きなれない地名に首を傾げる調査隊ハンター。そこに、龍歴院ハンターが補足を入れる。

 

「絶海の孤島で火山島。すげぇ過酷な環境で、周囲が溶岩まみれでろくに資源無さそうなのに、何故かヤバいモンスターばかり集まってくる」

 

「周囲が溶岩まみれの島……」

 

 調査隊ハンターは思い返す。確か、導きの地に溶岩地帯というものがあったが、あんな感じの雰囲気なのだろうか。

 

「その……集まってくるモンスターがヤバくて……」

 

「はい」

 

「まず鏖魔、黒炎王、青電主、宝纏。他の2つ名モンスターも来てるけど、その中でもコイツらは群を抜いてヤバい」

 

「そして猛り爆ぜるブラキディオス。コイツも湧いてくる」

 

「え……? ブラキディオスの特殊個体も……?」

 

「さらにそこに煌黒龍アルバトリオン」

 

「……」

 

「あとミラボレアスも出る」

 

「そこ魔境すぎませんか!?!?」

 

 魑魅魍魎、禁忌いっぱいの惨状に、調査隊ハンターは思わず声に出す。

 

「たぶん人類が滅ぶとしたらそこから始まると思うよ」

 

 龍歴院ハンターはサラリと言い流した。しかし、彼の目は不思議と明るく見えた。

 

「まぁ、実際滅びかけてるけど……」

 

「私たちハンターが各所で頑張ってるからこそ、何とか滅びずに生きている感じはするな」

 

「……ですね!」

 

 二人は互いに拳を突き出し、グータッチをした。

 

 お金のため、装備のため、生活のため、そして人々の安全を守るため、ハンターは狩の道を極め、歩み続ける。

 

 道の先に禁忌がいようが関係ない。目の前に獲物(モンスター)がいるなら、それを狩るのが(ハンター)魂である。

 

 今、同じ狩魂をもつ者たちが揃い、ここに居るのも何かの奇跡。そう考えた調査隊ハンターがある提案をする。

 

「あ! どうせなら、今から禁忌級モンスター狩りにいきます?」

 

「え!? 誰!?? というか何、今非常事態宣言!?」

 

「さっきチラッと話した『零式オメガ』ですよ」

 

「異世界の!? いんの!? 今!?」

 

「1ヶ月に1回くらいの頻度で来ますね」

 

「多いな!!!」

 

「まぁそれは普通の『オメガ』も合わせての回数で、もっと強い『零式オメガ』がやってくるのは半年に1回……? くらいですかね」

 

「だとしても多いわ!!!」

 

 怒涛のツッコミに対し、「ですよねぇ……^^」と返す調査隊ハンター。新大陸も溶岩島もおかしいが、禁足地も大概である。

 

「ちなみに装備って持ってきてます?」

 

「あぁ、めちゃくちゃ大金はたいてアイルー達に運ばせた」

 

「そうですよね持ってきて……え? あるんですか?」

 

「あるよ」

 

 まさかの回答に呆気を取られる調査隊ハンター。それはつまり、この地では見られない武器や防具、はたまた『2つ名モンスター』の装備も見られるということだろうか。

 

「……後で見せてもらっていいですか?」

 

「いいよ」

 

 快く承諾する龍歴院ハンター。あの伝説のハンターの装備が見られるなど、古龍見つけるよりも遥かにレア過ぎるチャンス。是非とも見させていただこう。

 

 

 ……ジェマさんにも見せていいか、後で聞くとしよう。

 

 

 

 

 

 

 #EP02『世界は滅亡と隣り合わせ』、完。

 

 次回、『装備編』。

 

 

 







※注意:この作品の世界観では、オメガは毎月来るしミラボレアスも数ヶ月〜数年単位で来るし、アルバトリオンもよく見かけますが、原作のモンハンシリーズにそんな設定ないのでご注意ください。

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