それを書いてみたくなって書いてみた
Vol.0 転生した――
指の先から、すうっと熱が引いていくのがわかった
視界はグラグラと揺れている。ピーポーピーポーと耳の奥で遠く鳴り響くサイレンの音。視界を覆う薄暗い天井と、救急隊員と思しき人の焦ったような呼びかけ
だが、それも急速に遠ざかっていく
(ああ……俺、死ぬんだな……)
仕事の帰り道、青信号の横断歩道を渡っていただけだった
そこへ飛び込んできた大きな影と、すさまじい金属擦過音。視界を真っ赤に染め上げたヘッドライトの光
トラックの運転手が眠気でも催していたのか、それともブレーキの踏み間違いか。そんな理由はもはやどうでもよかった。20年弱を生きてきた俺のしがない人生は、指先の冷たさと共に、拍子抜けするほどあっけなく暗転した………
深い、深い闇の中を、ただ落ちていく感覚――
そして、次に目を覚ました時にはフローリングの床の上に倒れていた
「あれ? 俺……いや、ここどこだ?」
違和感の正体を突き止めるべく、自分の体をペタペタと触ってみる
手触りが妙に柔らかい。そして、服の上からでもはっきりとわかる
胸に確かな膨らみがあった………
真っ青になっていくのを感じ、下も確認することすら忘れていた………
「…………あれ? 俺の体」
青ざめた俺は、跳ね起きるようにして部屋の中を見回した
そこは、どこにでもある小さな一人暮らし用のアパートの一室であり、壁には小さな鏡が掛けられていた
俺は吸い寄せられるように鏡の前へと歩み寄り、そこに映る”自分”の姿を直視する
そこに映っていたのは――見知らぬ女子高生だった
色素の薄いサラサラとした髪、華奢な肩、整いすぎている顔立ち。そして何より、頭の上にふわふわと浮遊している、光の輪
「オレ……ブルーアーカイブノセイトニナッテル…………」
そう、自分がよく遊んでいたブルアカの生徒になっていたのだ………
頭の上にある光の輪――ヘイローが何よりの証明だった………
「うぅ……まあ、ヘイローとかその辺があるだけいいか……さて、ここからどうしよう……」
下手にない状態で転生よりもまだいい条件だし、一度死んだ命というのもあってそこら辺に不満はない………
「にしても………」
鏡でもう一度自分の姿を見てみる………
可愛いというよりはかっこいいボーイッシュの顔立ちに黒のウルフカットに先に行くほど緑のターコイズカラーになっている
しかも背丈もそこそこ高く165ぐらいだった
「とりあえず、容姿はここまでにして情報収集を始めてみようかな……」
ポケットに入っていたスマートフォンを取り出し、画面をタップする
モモッターというブルアカ世界にあるSNSを開く………画面に表示されたニュースの見出しを指でスクロールしていた俺は、ある一つの記事に目を留め、ピタリと動きを止める
【ゲヘナの議長、2年だが雷帝として名をはせる】
「…………ん? あれ? 雷帝の名前があるってことは…………」
俺は前世の記憶――スマホの画面に齧り付いてプレイしていた”ブルーアーカイブ”の知識を全力で思い出す
雷帝――ゲヘナ学園の歴史において、規格外の技術力と狂気で混沌をもたらした伝説の生徒会長。そして、その雷帝を知っているゲヘナの生徒といえば、ゲーム本編では三年生である空崎ヒナや赤司マコト、黒舘ハルナといった面々だ
つまり、雷帝が”二年”として暴れまわっているということは――
「あれ? これホシノやヒナとかがまだ一年生にすらなってないのか?」
つまり、主要なキャラがまだ入学すらしていないという状況………
「つまり俺、本編の4年前に来ちゃったの!?」
その事実に気づき、頭を抱える
四年後には連邦生徒会長の失踪、アビドスの廃校危機、エデン条約の調印式を巡る陰謀など、大事件が目白押しだ。だが今(四年前)は、まさにその嵐の前の静けさ――いや、連邦生徒会の統制すら今より行き届いていない、治安激悪の混沌期である
どうしようか悩んではいたが、部屋に閉じこもっていても腹は減るし、現状は変わらない
「外に出て色々と確かめるか……」
そうと決まれば服とかを準備しないといけないが…………
「そういえば銃は!!」
そう、ブルアカといえば生徒達が一人一人持っている個性のある銃達
部屋の中から自身の武器を捜してみると…………
一丁の銃を見つける………
「これって…………ピストルカービンのSUB-2000だよな?」
そう呟きながら手に取った武器はケルテック社製の
エアガンでコンバージョンキットを使い再現していたのを思い出しながら見ていたが………
「なんか銃身短くね?」
自分が持っていたものと違い極端に短かった………
その時は忘れていたが、ケルテックが出したバリエーションの中にSUB-SDPとよばれるSUB-2000のピストル版というものだった
「まぁ、ないよりかはいいし……複数のマガジン使えるってだけでだいぶいいし」
そんなことを呟きながら銃を折りたたむ………
そういえば名前決めてないな…………
ブルアカらしく名前を決めておかないと………
「うーん…………ゼロモーメントポイントって名前にしよう!」
この名前にした理由は、ここから始めるという点で”ゼロ”
そしてモーメントは動きや慣性、力学的な運動の起点
ゼロから動き始めた地点………ここで生きる意志としてつけてみた
あとは………自分の名前か………
キヴォトスらしくていい名前………
「赤坂………!!赤坂レイカ!これでいこう!」
自分の名前も決めると、本格的に外に出る準備をした………
「さて…………」
ここから本当の意味でブルアカの世界に入っていく…………
腰にゼロモーメントポイントを装備し、鍵やお金を持ってドアの前に立つ……
この世界じゃ一人のモブかもしれないが、このブルアカの世界でもう一度――
「ゼロから、この世界で生きていくぞ!!」
もう一つの小説の息抜きで書いてみたけど、書式とか色々と修正しながらやってみた