カイザーインダストリーに対する大規模な襲撃と、それに伴う夜のDU市街地での壮絶なチェイス劇から一夜が明けた翌日
ネクストライスクールの地下深く、厳重なセキュリティに守られたアーティファクト研究部の実験室では、朝から激しい金属音と青白いアーク放電の光が明滅していた
「――で、これが昨日持ち帰ってきた例の戦闘車両から剥ぎ取ってきた心臓部、『ミスティック・ジェネレーター』ってわけだ」
レイカは腕を組み、作業台の上にドンと置かれた不気味に脈打つ機関パーツを見下ろしながら、深々とため息をついた。その傍らでは、レイカが持ち込んだ回収データの記録タブレットが青い光を放っている
RAVEN小隊がカイザーの主要端末や研究データを完全に破壊し尽くす直前に、かろうじて回収・抽出してきたデータを解析した結果は明白だった。そこに記されていた設計思想のベースは、紛れもなくネクストライの地下深層施設から過去に流出したオーパーツの断片データそのものだった
「やっぱりな……。見覚えがあるどころか、我が家の置き忘れた忘れ物を勝手にパクって改造してただけだったってわけか」
頭痛を覚えるようにこめかみを押さえるレイカをよそに、白衣の裾を翻したアーティファクト研究部部長の花ヒバナは、取り外されたばかりのミスティック・ジェネレーターを目の前にして、狂喜乱舞と言わんばかりに目を輝かせていた
「素晴らしいわ、実に素晴らしいデータだわっ……! カイザーの馬鹿どもがどうやってこの神秘エネルギー変換モジュールを既存の車両規格に落とし込んだのか、その無理やりな辻褄合わせの痕跡に至るまで、研究資料として最高にそそるわね! ああ、もっと細部まで分解して構造をしゃぶり尽くしたいわっ!」
「お前なぁ……人の苦労も少しは考えてくれよ。俺たちは昨晩、一歩間違えばスクラップになりかける死闘を演じてきたんだぞ」
レイカがジト目を向けると、ヒバナはキュッとメガネを持ち上げ、涼しい顔で言い放った
「何を言っているのよ、レイカ。結果として、欲しかった実物のジェネレーターだけじゃなく、カイザーが裏で進めていた他の試作品の数々までまるごと研究室に転がり込んできたのよ? 私にとっては火事場泥棒どころか、千客万来の特大ボーナスステージだわ。文句を言う筋合いなんてどこにもないかしら」
ヒバナのその満面の笑みと研究者としての過激な好奇心の前には、レイカも脱帽するしかなくなった。もっとも、ヒバナの言う通り、今回持ち帰った資材や試作品の山は、ネクストライの今後の技術発展において計り知れない利益をもたらす代物ばかりだった
実際問題、波動ライフルや対城刀ランゲージフィルムなど何度も助けられていた
さらに、今回の作戦の副産物は技術データだけにとどまらなかった
RAVEN小隊がカイザーのメインサーバー室を物理的・電子的に全壊させる際、彼らがヴァルキューレ警察学校の公安局や一部の腐敗した上層部に対して、裏金や不正取引の実態を記した『裏帳簿』の電子コピーおよび物理的記録を発見し、そのまま一緒に回収していたのだ
「あのときサトネたちが、『証拠の一部だけ抜くなんて中途半端な真似をするなら、どうせならカイザーの顧客情報も不正融資の履歴も、インフラのバックアップまで含めてすべて木端微塵に破壊し尽くしましょう』って提案してくれてさ」
レイカが苦笑交じりに振り返ると、ヒバナはふんっと鼻を鳴らした
「当然の処置ね。中途半端に残すから向こうも調子に乗るのよ。おかげで今のカイザーインダストリーは、主要拠点の機能停止と全データの消失によって完全な業務停止状態に追い込まれているわ。ざまあみろって感じね」
その結果、カイザー側の経済活動や裏工作は大打撃を受け、現在進行形で機能不全に陥っている
作戦直後、夜月サトネは「少しやりすぎたのではないか」とわずかに懸念を示していたが、その話を聞いたレイカや、事情を知るネクストライの主要メンバーたちは口をそろえて――
「いや、もっと徹底的にやってもよかったくらいっすよ」*1
「むしろ建物の基礎ごと吹き飛ばさなかっただけ慈悲深いですね」*2
「金庫の金で焼いてもよかったのでは?」*3
「工場爆破解体してもよかったのですよ?」*4
――などと口走り、それを聞いたRAVEN小隊の隊員たち全員を盛大にドン引きさせるという一幕もあった
それだけ、ネクストライにとってカイザーという存在が積み上げてきた悪行――過去の不法侵入未遂やアビドスを狙った違法ローン騒動の数々は、感情的にも実害の面でも許しがたいものだったのだ
「まあ、暴れるだけ暴れた後の後始末と法律上の手続きは、全部ハレカが綺麗にまとめてくれるさ」
レイカが肩をすくめると、ヒバナはフラスコを揺らしながらニヤリと笑った
「あの子のことだから、きっと完璧な罠を張り巡らせているでしょうね」
その言葉通り、生徒会長である西条ハレカは、今回の件の報告を受けた際、上品に紅茶のカップを置きながらこう言い放っていたのだ
『――ふふ。カイザーの連中が勝手に自滅して業務停止に陥ったのは好都合ですね。ほとぼりが冷めた頃を見計らって、今度は「無断侵入および我が校の機密技術の盗用に対する損害賠償請求訴訟」を正式に叩きつけてやります。徹底的に法的および経済的に締め上げて、二度と私たちの足元に泥を塗れないようにして見せましょう』
そのあまりのド直球かつ容赦のない法律的報復宣言に、レイカが「お前、もうネクストライの主要財源の一つとしてカイザーを当てにしてねえか……?」と冷や汗を流しながら冗談めかして言ったところ、ハレカは優雅な笑みを崩さぬまま、こう返してきたのだった
『――冗談ではなく、すでにその方向で佐藤ナイトと綿密な法的スキームの構築を進めていますが、何か?』
流石のレイカも、政治と行政を牛耳る生徒会長のダークな手腕の冴え渡り方に、思わず「恐れ入りました」と白旗を揚げるしかなかったのである
それから数日後
キヴォトスの平和を取り戻したテレビのニュース画面では、連日大きな騒ぎが取り上げられていた
画面に映し出されていたのは、ヴァルキューレ警察学校の制服を身にまとった生活安全局長――尾刃カンナの姿だった。彼女は険しく引き締まった表情でマイクの前に立ち、カイザー・コーポレーションと公安局の一部高官との癒着問題、および警察組織の不祥事について、公式な釈明と謝罪の記者会見を行っていた。その傍らには、同じく生活安全局の制服を着た御調トアも神妙な面持ちで頭を下げて並んでおり、警察組織の信頼回復に向けた厳しい道のりがモニターへと流し出されていた
世間がそのニュースで持ち切りとなっている中、赤坂レイカはその喧騒から離れ、再びDUシラトリ地区の空高くそびえる管理ビルの一室にいた
今日の目的は複雑な政治交渉でも戦闘でもない
理由は単純、数日前にこのビルの警備隊として住み込みでの契約を結んでくれた、SRTの精鋭――RAVEN小隊の面々が、新しい拠点や生活環境に馴染めているか、その様子を視察しに来たのだ
高層階のセキュリティエリアに足を踏み入れると、そこには凛とした緊張感と、プロフェッショナルな規律に満ちた空気が漂っていた
アサルト担当の暁星ルキは射撃訓練室で寸分違わぬクイックショットの精度を磨き、スナイパーの宵闇ミセは高所から周囲の動線を静かに観測し、先鋒・電子戦担当の夕凪リネは端末を叩いてビルの暗号セキュリティをさらに強固にアップデートしている。そして通信・重火器担当の薄霧ハルは、持ち前の明るさで防衛部のスタッフたちと手際よく資材の搬入を行っていた
その部隊全体を、一寸の隙もない立ち居振る舞いで統率しているのが、隊長の夜月サトネだった
「――レイカさん。本日の警備報告書です。各人のシフト、周辺の脅威レーダーの観測結果、および防衛部との連携状況のデータに不備はありません」
サトネは背筋をピンと伸ばし、上品かつ凛とした動作で一枚のファイル差し出してきた
レイカはそれを受け取り、パラパラとページをめくって内容に目を通す。そこには、元SRT副生徒会長としての彼女の経験と、徹底的に叩き込まれた戦術眼が惜しみなく発揮された、完璧すぎるほどの警備体制が記されていた
「すげえな……。雇い入れたこっちが言うのも何だが、これだけ完璧にやってもらえると、DUシラトリ地区の安全性が跳ね上がりすぎて笑えてくるレベルだぞ」
レイカが感心したように笑うと、サトネはふっと柔らかく、しかしどこか誇らしげな笑みを浮かべた
「過分な評価をありがとうございます、レイカさん。私たちの居場所を与えていただいたのですから、これくらいの成果を示すのは当然の義務です」
サトネと今後の警備体制について細かな打ち合わせを交わしていると、室内の通信端末が短く電子音を鳴らした
受付からの内線だった
『――レイカ先輩、サトネ隊長。失礼します。エントランスの受付に、お客様がいらっしゃっております』
レイカは手を止めて問い返す
「お、こんな時間に珍しいな。客って誰だ?」
『はい。シャーレの「先生」と……それから、SRTの制服を着た数名の生徒さんたち――RABBIT小隊の皆さんとのことです』
その名前を聞いた瞬間、レイカとサトネは顔を見合わせた
子ウサギ公園での立てこもり事件、そして警察署周辺でのドタバタ劇を経て、ネクストライと彼女たちRABBIT小隊は浅からぬ縁で結ばれていた。とはいえ、ヴァルキューレへの編入を拒否してなお子ウサギ公園で野宿を続けている彼女たちが、向こうから自発的にこの管理ビルへと足を運んでくるとは予想外だった
「……なるほどな。何か用事があってのことだろう。すぐに通してくれ」
『了解いたしました。応接室へご案内します』
レイカが指示を出すと、サトネはすぐに小隊の無線マイクに手を当て、部隊員たちへ穏やかに告げた
「――ルキ、ミセ、リネ、ハル。来客です。準備を」
数分後、DU管理ビルの広々とした応接室
上品な革張りのソファに腰掛けていたシャーレの「先生」と、その周囲に少し緊張した面持ちで佇むRABBIT小隊の4人――月雪ミヤコ、空井サキ、風倉モエ、霞沢ミユの面々が、扉が開くのを待ち構えていた。公園での野宿生活が長引いているためか、装備や制服には多少の泥や生い茂る草木の匂いが残っていたが、その眼差しには以前のような迷いは一切なかった
「やあ、レイカさん、それにサトネさん。急に来てすまないね」
ソファから立ち上がった先生が、柔らかい笑みを浮かべて手を上げる。その後ろでは、ミヤコが背筋を伸ばし、ピシッとした敬礼のポーズを取りながら頭を下げた
レイカは軽く手を挙げて応じると、ソファに促しながら椅子に腰掛けた
「いや、大歓迎さ。……で、今日はどうしたんだ? 先生にRABBIT小隊の面々が揃って、こんな管理ビルまでやって来るなんて珍しいじゃないか」
レイカが率直に問いかけると、先生は苦笑いしながら肩をすくめ、隣に座るミヤコへと視線の先を向けた
「それがね、私も付き添いみたいなものなんだよ。彼女たちがどうしても、RAVEN小隊の皆にお礼と、それから話したいことがあるって言うからさ」
「お礼……?」
レイカが怪訝な顔をすると、ミヤコは真剣な瞳でまっすぐレイカを見据えた
「……レイカさん。先日の、カイザーインダストリー関連施設の襲撃……そして、私たちを救うためにヴァルキューレの警備網を完全に引き剥がしてくれた一連の作戦。あれを裏で仕掛けたのは、あなた方ネクストライと、このRAVEN小隊の方々ではありませんか?」
そのストレートな問いかけに、室内の空気がわずかにピリッと張り詰めた
しかし、レイカは動じることなく、ふっと口角を上げて両手を軽く広げてみせた
「さあな。世間のニュースじゃ、カイザーは自滅したことになってるし、ヴァルキューレは不祥事でてんてこ舞いじゃないか。俺たちがそんな大がかりな一斉蜂起を仕組んだなんて、証拠はあるのかい?」
「……証拠はありません。ですが、あの絶妙なタイミングで警察署の戦力が消え去り、私たちが無事に証拠を確保できたのは、間違いなくあなた方の陽動があったからです。……それに、あなたたちは私たちが公園で立てこもっていた際も、正面から向き合ってくれました」
ミヤコはそう言うと、椅子から立ち上がり、小隊のメンバー全員を従えて深々と頭を下げた
「あの時は……私たちのプライドや未熟さから、冷たい態度をとってしまいました。ですが、今回の件も含めて、あなた方から受けた恩義と助力を、私たちは忘れません。ヴァルキューレへの不当な編入を拒み、今も公園で野宿をしながら抗議を続ける中で……あなた方の存在は、私たちにとって大きな支えとなりました。本当に……ありがとうございました」
その真摯な謝罪と感謝の言葉に、部屋にいたRAVEN小隊のルキやハルたちも少し照れくさそうに頬を掻く
サトネは静かに立ち上がると、毅然とした、それでいて包み込むような温かさのある瞳でミヤコを見つめた
「顔を上げなさい、ミヤコ。私たちは、自分たちの信じる居場所と、守るべきもののために動いているだけです。あなたたちRABBIT小隊もまた、安易な編入に流されることなく、過酷な野宿を選んでまで自分たちの正義のために泥まみれになりながら抗っている。同じ『居場所を失い、それでも誇りを捨てない者たち』として、手を貸すのは当然のことです」
サトネの言葉に、ミヤコは胸を打たれたようにわずかに息を呑んだ
レイカは「まあ、堅苦しい話はそこまでにしてくれ」と軽く手を振ると、部屋の隅に置かれた別のソファへと移動し、背もたれに深く身体を預けた
「俺たちは単なる野次馬兼、ちょっとした利害一致の共犯者みたいなもんだからな。……で、先生と小隊の目的はそれだけじゃないんだろ? サトネたちと話したいことがあるって聞いたが」
レイカが「会話の邪魔はしないから、ごゆっくりどうぞ」とばかりに観戦モードに入ったのを確認し、サトネは改めてRABBIT小隊の面々へと向き直った
「――で、ミヤコ。あなたが私に、そして私たちRAVEN小隊に話したいこととは何ですか?」
サトネの問いかけに、ミヤコは一度深く息を吸い込み、決意を秘めた声で語り始めた
「……私たちは、子ウサギ公園での立てこもり、そして今回の警察署への潜入を通じて、絶えず自問自答を繰り返していました」
ミヤコは自分の胸に手を当て、まっすぐな眼差しを向ける
「以前、私たちは自分たちの進むべき道や、存在理由について迷っていました。ヴァルキューレへの編入を拒否し、公園で雨風に晒されながら野宿を続ける中で……私たちは何のために銃を握り、何のために抗っているのか。私たちの『剣のあり方』とは何なのか、と」
その言葉に、部屋の空気が静まり返る
ミユやモエ、サキもまた、自分たちのリーダーであるミヤコの背中を見守るように、真剣な表情でサトネたちを見つめていた
「……答えが出たのですね」と、サトネが静かに促す
「はい」と、ミヤコは力強く頷いた
「この数日間の戦い、そして今回の混乱の中で気づいたのです。私たちRABBIT小隊は――まるで、『刀』と同じなのだと」
「――刀、ですか」
「はい。刀というものは、ただ無闇に振り回すためのものではありません。そして、刀はまっすぐにその進む方向と、刃の向きが完全に一致していなければならない。もし少しでも迷いが生じたり、力が歪めば、途中で刀が止まったり曲がったりして、肝心なものを斬ることができなくなる……」
ミヤコは自分の腰に差された制式銃、そして公園での泥臭い野宿生活の中で培われた揺るぎない覚悟を言葉に乗せるように、一言一言を噛み締めて語った
「だからこそ、私達もそうありたいと思いました。ヴァルキューレという安易な妥協点に編入されることを拒み、公園という過酷な現場に立ち続けながらも……私達が信じた正義、守るべき市民や自分たちの誇りという道に向かって、ブレることなく、まっすぐに刃を通す。どんなに厳しい雨風や困難な壁が立ち塞がろうとも、自分の信じる方向へ一直線に突き進む――それこそが、今の私たちにとっての『剣のあり方』なのだと確信したのです」
そのミヤコの言葉を聞いた瞬間、サトネの美しいアメジスト色の瞳に、深い感動の色が浮かんだ。
彼女はわずかに微笑むと、凛とした声で称賛の言葉を贈る
「――素晴らしい回答ですね。妥協を許さず、公園での野宿という泥を被りながらも、自分たち自身の足でその答えに辿り着いた。あなたたちのその覚悟は、本物の『刀』の輝きを持っています」
サトネに褒められたミヤコは、少し気恥ずかしそうに頬を赤らめつつも、背筋をさらにピンと伸ばした
「ですが」と、サトネは続けて、少しだけ穏やかなトーンで言葉を継ぐ
「剣というものは、形や意味によって実に多様な顔を持ちます。人によって、そのあり方は全く異なるのですよ」
「……違う、あり方?」と、ミヤコが小首をかしげる
「ええ。例えば、ある者は自らの剣を『メス』であると答えました。それは、どんなに荒れた戦場であっても決して冷静さを失わず、必要な患部だけを正確に、繊細で慎重に切り取るための医療器具であるべきだ、という強い意志の表れです」
「またある者は、自らの剣を『レイピア』に例えました。重く巨大な大剣ではなく、細身でありながら一突きで相手の急所を正確に捉え、無駄な力を一切使わずに勝利を掴むための、洗練された理性の象徴であるとね」
その例えを聞いて、RABBIT小隊の面々は深く感心したように息を呑んだ
「剣に込められる意味は、戦う者の数だけ存在します。刀であれ、メスであれ、レイピアであれ、重要なのは――あなたが選んだその『剣』の形に、あなた自身の魂と誇りがしっかりと宿っているかどうか、それだけです」
サトネは立ち上がると、ミヤコをはじめとするRABBIT小隊の全員の顔を一人ずつゆっくりと見据え、厳格でありながらも温かいエールを送った
「ミヤコ。あなた方が見出したその『刀』としての誇り。それを決して見失わないことですね。たとえこの先、ヴァルキューレや連邦生徒会からの圧力が強まろうとも、公園での野宿生活がどれほど厳しかろうとも……自らが掲げたその剣が錆びつかないよう、日々、心身ともに鍛錬を怠らないこと。それが、真に誇り高き『SRTの生徒』の生き方というものです」
「はいっ……! ありがとうございます、サトネ先輩!」
ミヤコは深く、力強く頭を下げた。その表情には、以前のような不安や焦燥の色は一切なく、子ウサギ公園で誇り高く抗い続ける戦士としての確かな光が宿っていた