転生者共の学園生活   作:矢守龍

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Vol.4 地下から這い寄ろうとする者

ゴトッ、ゴトッ、ゴトッ……!

 

重厚なジョイント音を響かせ、白き貨物機関車は地下の暗黒トンネルを力強く疾走していた

運転席のフロントガラスに反射するヘッドライトの光が、次々と流れていくコンクリートの壁面を白く照らし出す。車体後方には、何が積まれているのか分からない謎の貨物コンテナをしっかりと連結したままだ

 

「……ん?」

 

ふと、前方でハンドルを握っていた赤坂レイカの目が細められた

ヘッドライトの光のそのまた先、微かにうねるトンネルの直線区間の向こうに、妙な影が横たわっているのが見えたのだ。停止している、あるいは――何か別の車両のような塊が軌道上に存在している

 

「リーダー、前方になんかあるっすよ? あれは……もしかして車両か何かっすかね?」

 

助手席のスペースから身を乗り出すようにして、霧状ヘルタが目を凝らした

レイカは即座に判断を下す。万が一の衝突や、罠である可能性を考慮し、レイカは機関車の出力を絞って慎重に減速を開始した

 

「衝突する距離じゃない。手前でしっかりと安全に止める……。全員、用心しろよ」

 

ゴオオオッ……と重たいブレーキ音を響かせながら、白き貨物機関車は異物の少し手前でピタリと静止した

レイカは運転席のコンソールから立ち上がり、腰に下げた愛銃『ゼロモーメントポイント』のグリップにそっと手を添える

 

「よし、降りて様子を見る。ヘルタ、ネカ、そして先生はここで待機……いや、全員で警戒しながら確認しに行くぞ」

 

レイカを先頭に、ヘルタ、天笠ネカ、そして先生がゆっくりと機関車を降りた

足元に広がるバラストの感触を感じながら、ヘッドライトの光を頼りに謎の車両へと歩み寄る

 

そこに停まっていたのは、自分たちが乗ってきたような機関車と同じ規格の、しかしあきらかにペイントやマーキングが異なる列車だった。そして、その車体に大きく刻まれているマークを目撃した瞬間、レイカの表情が険しく引き締まる

 

「……おいおい、マジかよ」

 

「これ……カイザーのロゴっすよね!? カイザーインダストリーのマークが入ってるっす!」

 

ヘルタが声を荒げ、大型機関銃『ラッシュTHEネーム』をっしと構え直した

そこに停まっていたのは、まぎれもなく悪名高き巨大企業・カイザーコーポレーションの私設部隊が使用する輸送車両だった

 

「どうしてカイザーの車両が、ネクストライスクールの管理下にあるはずのこの地下路線に……?」

 

ネカが丸眼鏡を押し上げながら、青ざめた顔で周囲のトンネルの壁を見回す

レイカはすっと片手を挙げ、静寂を促した

 

「静かにしろ……。まだ中に人員が乗っているかもしれない。近づいて聞き耳を立てるぞ」

 

レイカ、ヘルタ、ネカ、そして先生の4人は、足音を極限まで殺しながらカイザーの輸送車両の側面にそっと歩み寄り、冷たい鉄板の壁に耳を澄ませた

 

車両の分厚い鉄扉の向こう側から、ざわざわと低くくぐもった男たちの声が漏れ聞こえてくる

 

『おい、一体どこに出るんだこの路線は……? 地上の地図とも全く噛み合わねえぞ』

『知るかよ。さっき上層の区画で偶然この地下へ降りる保守用トンネルの扉を見つけてな、面白半分にトロッコごと突っ込んだら行き止まりになっちまったんだよ』

『くそっ、ネクストライの野郎どもの縄張りに入り込んでねえだろうな? こんな薄暗い地下鉄網の構造なんて俺たちに分かるわけねえだろ……!』

『安心しろ!SOFっていうやつらもいるらしいからな!どうにかなるだろ!』

 

扉の向こうから聞こえてきたその生々しい会話の内容に、外で聞いていたレイカたちの背筋がピリッと凍りついた

 

(カイザーの連中もこの地下鉄網の構造なんて一切分かってないってことか……!? 上の区画で偶然見つけた保守用トンネルから、ただ迷い込むようにここに流れ着いただけらしい……!)

 

レイカは歯噛みし、鋭い視線を足元の線路に向けた

お互いに全容を把握していない複雑怪奇な旧時代の地下迷宮。しかし、偶然とはいえカイザーの連中にこのルートを発見され、侵入を許してしまったという事りは変わらない。これをこのまま放置すれば、予期せぬトラブルの元になりかねない

 

(どうする……? ここでこの侵入部隊を奇襲して制圧するか? いや、相手がどれだけの人数で、どれだけの重装備を抱えているか分からない。それに、ここを塞がないと、後から次々とカイザーの連中がこの路線を使って迷い込んでくる……!)

 

(しかも、カイザーSOF!?この時期からもう暗躍していたのか!!)

 

レイカが冷徹に思考を巡らせ、最善の選択肢を探っていると、隣で話を聞いていたヘルタがピッと勢いよく手を挙げた

 

「リーダー、ちょっといいっすか!」

 

「んだよヘルタ、でかい声出すな……で、提案ってなんだ?」

 

「よく考えたらっすね、カイザーの連中もこの地下鉄網の構造を分かってないみたいだし、ここ以外にも外部へ通じる別の出口や他のエリアが偶然迷い込める場所にいくつもあるかもしれないっすよ!」

 

ヘルタのその指摘に、レイカはハッと目を見開いた

 

「……確かに。この古い地下鉄網やインフラは、元々広大な旧時代の迷宮だ。一つのルートがバッティングしたからといって、すべてが終わりってわけじゃない。別の出口へ迂回して、そこから地上へ抜ければ――」

 

しかし、レイカがそこまで考えた瞬間だった

 

ガチャンッ! と、目の前にあるカイザーの輸送車両の重い鉄扉が、乱暴に内側から押し開けられた

 

「ん……? おい、なんか外に人影が見えたぞ!」

「おいお前ら、ネクストライの制服じゃねえか!? こんなところで鉢合わせるなんて聞いてねえぞ!」

 

――しまった、立ち聞きしていることが向こうに気づかれた!

 

「ちっ……! 気づかれたか、話を聞かれて警戒される前に動くぞ!」

 

レイカが反射的に身構えた瞬間、カイザーの警備兵たちが慌てて銃口を向けようと動き出した。ここでまともに正面切っての銃撃戦になれば、狭い地下トンネル内ということもあり、後ろに控える先生やネカを危険に晒してしまう

 

「ネカ!」

 

レイカが鋭く叫ぶと同時に、ネカもただの1年生執務補佐としての肝っ玉ではないところを見せつけた。彼女は自分の愛銃を構えつつ、すぐ傍らにいたレイカからの指示を正確に理解する

 

「はい、任せてください先輩!」

 

ネカが狙い定めたのは、目の前のカイザーの車両や、彼らが侵入してきたまさにその奥――カイザーが入ってきた出入口へと続く、トンネルの天井部および接続ジャンクションの岩盤だった

ネカが手にした装備、個人携行型の対戦車火器――Shotゴー!の巨大な銃身が、地下の暗闇の中で鈍く光る

 

「排除します……! 発射っ!!」

 

ドゴォォォンッ!! と、凄まじい爆発音と圧倒的なバックブラストが地下トンネル全体を激しく揺り動かした

ネカの放ったロケット弾が、カイザーの侵入してきた出入口へと続く通路の要衝、そして天井の支持アーチを直撃したのだ

 

激しい衝撃波とともに、コンクリートの壁面と頭上の岩盤が盛大に崩落し、大量の土砂と瓦礫が雪崩のように降り注ぐ。カイザーの侵入部隊が使っていた出入口へと続く通路は、完全に分厚いがれきの山によって塞がれ、向こう側からの往来は不可能となった

 

「ぐわっ!? なんだ、天井が崩れるぞ!」

「出口が塞がれた!? おい、ふざけんな、戻れねえじゃねえか!」

 

カイザーの兵士たちが土煙の中で絶叫し、混乱のどん底に叩き落とされる

 

「ナイスだネカ! これで正面からの追撃は一時的に断った……だが、悠長に構えてる暇はないぞ!」

 

レイカは叫ぶと同時に、自分たちが乗ってきた白き貨物機関車の運転席へと飛び乗った

ヘルタとネカも慌てて車内に駆け込み、中央シートの先生もしっかりと手すりを掴む

 

「みんな、しっかりつかまってろよ! ここから別の出口を目指して、全速力で突っ走る!!」

 

レイカがメインコンソールを叩き、レバーを思い切り押し込んだ

機関車は轟音を上げて車体を震わせ、車輪と鉄路が激しい摩擦音を立てながら一気に加速を開始する。崩落する瓦礫の雨と、背後で巻き起こるカイザー兵士たちの怒号と銃声の嵐を置き去りにしながら、白き貨物機関車は地下トンネルの奥深くへと猛スピードで駆け抜けていった

 

だが、これで完全に振り切れたわけではなかった

 

ゴゴゴゴゴッ……! と、背後から、カイザー側が保有していた別の重装甲車両や追撃用の装甲トロッコが、崩落を免れた別の並走ルートを使って猛烈な勢いで追いかけてくる足音が響いてくる

 

「リーダー、後ろからカイザーの追撃車両が来てますっす! 奴らも構造が分かってないくせに、やけくそになって突っ込んできてるっすよ!」

 

ヘルタが後方の窓から身を乗り出しながら、険しい顔で叫んだ

レイカはバックミラーをチラリと一瞥し、歯をむき出しにして苦笑する

 

「しつこい連中だ……! 地下鉄網の構造なんて分かってないはずなのに、闇雲に逃げ回る俺たちを勘で追いかけてきやがったか!」

 

「どうするんだい、レイカ? このままじゃ挟み撃ちにされるか、追いつかれてしまうよ」

 

先生が少し緊張感を漂わせた声音で問いかけると、レイカはしっかりとハンドルを握りしめ、前方の暗闇を睨みつけた

 

「仕方ねえ……カイザーとのこの地下空間でのレースだ!あいつらに追い越されて列車がダメになる前に地上へ出る!ネカ、運転を頼む!ヘルタ、応戦だ!列車にあいつらを乗らせるな!」

「わかりました!」

「了解っす!」

 

レイカはネカに運転を変わるとヘルタと共に列車の上に登る

 

「うわっ!?」

「足場が悪いが……文句は言ってられん……」

 

構造すら曖昧な地下迷宮の中で、背後からはカイザーの冷酷な追撃部隊が猛烈な勢いで這い寄ろうと迫り来る中、レイカたちは白き貨物機関車を走らせ、さらなる地下の奥底へと突入していくのだった――




あとがき
はい!昨日に引き続き、今回は霧状ヘルタのをやってみました!
結論から言うと出力するとき何回かどうするか悩んでますw


【挿絵表示】



キャラ性能
霧状ヘルタ☆3
貫通
軽装備
STRIKER
アタッカー/BACK

EXスキル リニアキャノン・ファイア! COST6
直線上に攻撃力の1200%分のダメージを与える

ノーマルスキル ラッシュ弾幕
毎40秒ごとに扇状に攻撃力分の300%のダメージを与える

パッシブスキル 大丈夫大丈夫!
攻撃力を47%上昇

サブスキル トラブルメーカー
敵が重装甲の敵の場合、EXスキルの攻撃倍率を30%上昇させる
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