デュエル・マスターズOverLordW(オーバーロードダブル) 作:シグレサメ
夢を見た。
本当のお母さんと、本当のお父さんと、一緒にケーキを食べる夢。
でも、ボクはすぐに夢を夢だと気づいてしまった。こんなことありえない、これは夢なんだって。
だって、ボクにはもうゴルファンタジスタがいて、こうきさんがいて、ひすい達がいて。だって、そんなものはないって、普通なんてボクにはないって、ボクが一番わかってるから。
目を覚ますと、ボクは病院の部屋で寝ていたみたいだった。近くにはななみさんとたくみさんがいて、2人とも眠っているみたいだった。多分、2人とも凄く疲れてるんだと、すぐ分かった。
ボクは掛けてもらっていた毛布をたくみさんに返して、外の様子を見た。ボクが眠っている間に、取り返しのつかないことは起きていないみたい。でも、守ると言ったのにこんな簡単に眠ってしまった。そんな自分にボクは後悔した。
それなりに守り始めてから時間が経つのに、テクノ・サムライも、スチーム・ナイトも現れない。ゴルファンタジスタは準備期間ができて丁度いいって言ってたけど、ボクにとっては、早く終わってほしい。早くこんな緊張から解放されてほしい。
そうだ、ボクは。せめてたくみさんとななみさんには、『普通の』幸せを手に入れて欲しいんだ。それなのに、ボクのせいで巻き込んでしまったんじゃないか。そう思ったら、なんか凄く悲しくなってきて、ボクはその場に座り込んでしまった。
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ゴルファンタジスタは、その頃迷っていた。Drache、ゴルファンタジスタ、ドラン・ゴルギーニJr.にカオスマントラ。あまりにも系統がバラバラすぎて、強くなるにも方向性が見えなかったのだ。
「といってもどうしまショウカ」
「そうなんだよなぁ、この無茶苦茶なカオス感」
「『兵(つわもの)も 纏まらなければ 烏合の衆』カクメイジンが手を離せない現状、俺が来るしかなかったわけだけど。でも、何もなしに変えるわけにはいかない」
色々と話したが、どうしても纏まらない。個の力を集めて最強の1体を作る方法は、各種族で纏まればいいので意味がなく、切磋琢磨してパフォーマンスを上げるのは、戦い方が違いすぎて勉強にならないという結論となった。何より、使い手達に使ってもらうにはそれでは足りない。3者3様の戦い方がある以上、それだけを決めて動くのも難しい。それを受けて尚、ゴルファンタジスタ達は諦めず悩んでいたのだった。
「ファー……。頭がパンクしそうだ」
「……冷静に考えて、御白達はワタシ達を使えるのデショウか?」
カオスマントラが口火を切った。何を言っているのかわからないゴルファンタジスタは、すぐにカオスマントラに聞き返す。
「なんだと?緑達にか?」
「急に戦法をコンバートしても、御白が使えテモ緑や飛水が使えない可能性がありマス」
「つまり?」
「まずは分かりやすく行きマショウ。ワタシの力とドランの力、Dracheの力を掛け合わせて、一度緑さんに渡します」
「つまり、御白はドランだけ、飛水はカクメイジンだけになるってことか?それはいくらなんでも危険だろ」
「ですが、今度の相手は常識にとらわれていてはいけない相手。なんなら、新しい戦法が決まるまでは状況に合わせて3者間のデッキを移動したほうがいいまであるでしょう」
「俺も賛成だよ、ジャシンとボルシャック・カイザーには、普通の方法じゃ追いつかない。ジャシンでさえギリギリだったヴリドガルドと戦うのを視野に入れるなら尚更だ」
「そうは言ってもな……」
「『親離れ 親も離れる 試練かな』」
「お見通しかよちくしょう……。そうだよ、俺様は緑のことが心配だ」
「なんだかんだあちらの世界でいう夏頃からずっと一緒にいるんだ、これくらい見抜けるさ」
ゴルファンタジスタが考えていたのは、自分が緑のデッキから抜けること。どうしても、それが引っかかっていた。
「でしたら、余程でなければ手元を離れないクリーチャーを決めマショウ。御白と飛水に連絡を入れマス」
「……しゃあないな。俺様もそれで行く」
「話がまとまると、やはり俺達は早いな」
そう言って各々の相棒に連絡をかけるカオスマントラとDrache。その様子を見て椅子にどっかりと座り直したゴルファンタジスタをツンツンと突くものがいた。
「ゴルファンタジスタさん、僕も入れ替える感じですか?」
「御白が合わないんだけの可能性もあるからな。お前もガンガン使う予定だ」
「そんな……」
「お前はドランと比べられたいのか比べられたくないのかどっちだよ?結局のところお前は……」
「挑戦したくないだけですよ」
「あ?なんだって?」
ゴルファンタジスタが聞き返すと、ドランJr.は激昂する。
「届かない壁なら、いっそ諦めさせてくださいよ。なんで皆、僕がドラン・ゴルギーニの息子だからって期待するんですか?僕のことが、嫌いなんですかね……」
「嫌いなわけないって言いたいところだが…。いかんせんよくわかんねぇ親が緑の実の親だからな。正直、わかんねぇ」
「じゃあなんで……」
「逆に聞くが、お前はそのままでいいのか?そりゃレッテル貼ってくるやつが悪いのは知ってる。でもドランや御白の真意をちゃんと確かめたことあるのか?疑ってばかりじゃないのか?」
「………」
「まずは緑のデッキを仕上げる。まずはお前も来い」
その時、クラブハウスの窓が割れ、カオスマントラがすぐにゴルファンタジスタの前に現れる。
「クリーチャー。ワタシと同じシノビかと」
「なるほどな……。御白からの返答は」
「ドランが手元にあれば大丈夫だソウデス」
「Dracheはどうだ!?」
「データ解析のためにカクメイジン、戦略として俺が欲しいと。だけど、他のマジックは貸せるようですよ?」
「上出来!だったらやってやるよ!力を貸してくれ、お前ら!」
ゴルファンタジスタは周りからパワーを集め、新たなクリーチャーとして形を成していく。窓ガラスを破壊した土煙は晴れ、中からニンジャのようなクリーチャーが現れる。
「……さいっあく。簡単な潜入任務って聞いてたのに、まさかシノビ仲間がいるなんて」
「貴方は何者デスカ?」
「うちは《咎十字YUNAGI-10(トガクシユウナギワンオー)》。テクノ・サムライの潜入部隊。まぁ、シノビって種族は捨てたんだけどね」
「なるほど、では私たちが相手いたしましょう」
カオスマントラが同種族のよしみで時間を稼いでいる間に、ゴルファンタジスタとDracheが打ち合わせを済ませる。
(ゴルファンタジスタ、戦えるのか?)
(わかんねぇ、人間無しで戦うのは、中々ないからな)
(連絡を受けた緑か飛水が来ている、それまで持ち堪えてくれ)
(御白は?)
(人間界でスチーム・ナイトが見つかったらしい)
(タイミング悪りぃな……。善処するわ)
「まぁ、うちも負ける気はない。ニンゲンに使われるクリーチャー達なら、尚更ね」
「フン、人間の良さも分からずに好き勝手喋って、後悔させてやる!」
「「デュエマ、スタート!!」」
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緑が病院の待合室で座り、涙を拭いていると、近くの自販機から緑茶を買ってきた拓海がやってきた。
「どうしたの、緑くん」
「気にしないで、ください」
「とりあえずお茶飲んだら」
「はい」
暫くの沈黙の後、緑はこう言う。
「ごめんなさい、2人とも守るって言ったのに、眠っちゃって」
「緑くんは人間なんだから、眠くなるでしょ」
「でも、2人を守るって言って……」
「まぁ確かに最初は起こそうかなと思ったけど、やめたんだ」
「なんで……?」
「君も、俺も、七海も。皆疲れてたんだ。それなのに緑くんだけ起こして見張っていてくれなんて虫が良すぎるだろ?」
「でも……」
「ねぇ、緑くんは何を焦っているの?」
「……だって、いつまで経っても、クリーチャーが来なくて…」
「そうだね、もしかしたら七海の出産日まで来ないかもしれない」
「そんなこと……」
「緑くんは、なんでクリーチャーと一緒にいて、戦ってくれているの?」
緑は面食らった。改めてこのような問いが来るとすら思っていなかった。なぜなら
「クリーチャー世界で生まれて、クリーチャーと戦うように教育されて。そう、するしかなかったみたいな、感じです」
「その後は?」
「ゆうややひすい達が楽できるように、もっと頑張る」
「その後は?」
「その後……?」
「僕は、君が『普通になれること』を願ってる」
「普通に、なれること……?」
「明後日だ。明後日、出産予定日だ。それまで一緒にいれるけど、きっと僕の答えは変わらない。君は、普通の人間と変わらないんだ」
緑はそのタイミングで、自分に着信が来ていることに気づいた。
「ごめん拓海さん、ボク行かなきゃ!」
「うん、いってらっしゃい!」
(ボクは普通の人間と変わらない?そんなことないよ、だってボクは皆に追いつくために沢山の努力が必要で、知らないことがたくさんあって……。でも、ゴルファンタジスタのことも大好きで……!ボクは、どうすればいいの……!?)
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ゴルファンタジスタは先行を取り、光水自然の、クリーチャー連合軍のデッキで戦いを挑む中、YUNAGIは自然文明単色をを使った少し不思議なデッキで挑んでくる。
ゴルファンタジスタ シールド5 マナ3
《昇(フォーチュン)カオスマントラ》
YUNAGI シールド5 マナ3
《ジャスミンの地版(ルーン)》
「俺様のターン!カオスマントラの上に3マナ!《名俳句楽 Drache der’Zen》をNEO進化させる!そのままシールドに攻撃!Dracheの効果で手札、マナ、シールドに山札3枚を振り分ける!更に進化元の《昇カオスマントラ》の超魂X効果発動!手札からこのクリーチャー以下(3コスト以下)のクリーチャーである《ヴェネラック-F5(ファイアファイブ)》をバトルゾーンに!」
ゴルファンタジスタ シールド6
YUNAGI シールド4
「チェック。シールドトリガー、、まぁこんなものか」
「ターンエンドだ!」
「うちのターン、4マナ払って《咎十字YUNAGI-10》を召喚。出た時効果で1枚加速。そしてそのままDracheに攻撃」
「パワー3500、負けちまうか」
「いいや、それじゃ終わらないよ。うちの超魂X効果発動!味方全体のパワーをプラス4000し、パワードブレイカーを与える!」
そう宣言した瞬間DracheはYUNAGIに斬られており、カオスマントラ共々墓地へと飛ばされる。
「クッソ、実質8000マッハファイターかよ…!」
「ターンエンド」
「俺様のターン!」
ゴルファンタジスタはカードをドローするものの、考え込む。
(手札が多すぎてどれをやればいいのかわかんねぇ…。基本難しいことはアカネや緑に任せてた報いだな…。やるしか、ねぇか」
「3コストで《マーチングドラム ミドリ》を召喚。ミドリでマナ加速してターンエンド」
(山札上に新しい俺様を置きはしたが……)
「うちのターン。5マナで《死罪非HARUSA-863(ダイシンピハルサエイトシックススリー)をジャスミンの地版の上に進化!出た時効果でヴェネラックをマナに送る!」
「相手ターン中にヴェネラックが離れた時、相手1体を選んでタップできる!ハルサをタップさせてもらうぜ!」
「引っかかったね」
「なに!?」
「ハルサはG-NEOクリーチャーのパワー9000。更にクリーチャーが攻撃するなら可能ならハルサに攻撃しなきゃならない」
「要塞みたいなクリーチャーかよ…!」
「要塞なだけじゃない。うちの隠れ蓑になり、攻防一体の鉾ともなる!うちで攻撃する時超魂Xでパワーをプラス4000!Wブレイク!」
ゴルファンタジスタ シールド3
「トリガーなしかよ畜生……」
「ターンエンド」
「……俺様のター…」
「待って、ゴルファンタジスタ」
ゴルファンタジスタが振り向くと、緑がもうそこに着いていた。
「んな、病院守るのはいいのか!?」
「連絡くれたのはゴルファンタジスタでしょ?」
「だけどよ、お前の大切なことなんじゃ……」
「ボクにもわかんないよ。拓海さんと話して、余計わかんなくなった。でも、とりあえず今できることをやるよ!皆、そんなふうにして切り抜けてきたんだから!」
「……はぁ、緑。最近お前に会うたび親離れが近づいてる気がするわ」
「まだ一緒にいさせてよ、ゴルファンタジスタ。行くよ、ボク達のターン!」
「ふーん、選手交代?いいよ、相手してあげる」
「ボクのターン!」
緑がカードを引き手札を見ると、ジャイアント、マジック、メカに限らず、様々な種族のカードが集まっている。
「ゴルファンタジスタ、これは?」
「ジャイアントだけに囚われるなってことだな。お前ならもっと先に進める。そして俺様はそれに合わせてもっと強くなってやる!」
「ゴルファンタジスタ!ねぇ、このカードって」
「あぁ、お察しの通り有明の形見だ。使えるか?」
「うん、こんなに嬉しいことってないよ!」
緑は6マナを払い、大きな声で新しいゴルファンタジスタを呼び出す。
「6マナでマーチングドラム ミドリの上にG-NEO進化!《竜社長(プレジデント) ゴルファウンデーション》!」
ゴルファンタジスタが飛び上がり、華美な装飾を身につけ得意のゴルフクラブを振り回す。身体はさらに派手になり、メカのクリーチャー達から影響を受けたアーマーが、ゴルファンタジスタを守っている。
「まずは出た時効果で3枚ドロー!」
「へぇ、うちはジャイアントの首領って最初はマナしか増やさないって聞いてたんだけどな……」
「情報はアップデートしてもらわなきゃな!ファー!」
「そのままHARUSAに攻撃!その時効果発動!手札からコスト5以下の光、水、自然のクリーチャーを1体ずつバトルゾーンに出す!」
「合計15コスト踏み倒しですって!?」
「呼び出すクリーチャーはこれ!《魔誕妖精スイセン》、《響乱の不死帝(スリル・オア・アライブ)ブルース》、そして、《超(ハイパー)哀樹 シンベロム》!」
緑がカードを3枚ばら撒くと、それぞれのクリーチャー達が一挙に現れる。ゴルファンタジスタの更なる進化、ジャイアント以外も従える強さ。そして緑は、思い出深い有明のカードと共に戦えるようになったことに感激するのだった。
「まずはブルースの効果、HARUSAを手札に!」
「G-NEO耐性でジャスミンの地版が手札に戻るわ」
「続いてスイセンの効果でHARUSAをマナ送り!」
「盤面0から2回除去……!!」
「最後にシンベロムの登場時効果!山札の上から2枚を見て、マナとシールドに振り分けるよ!攻撃先のHARUSAがいなくなって攻撃は中断、ターンエンドだよ!」
緑 シールド4
YUNAGIは一挙に形成を逆転され、焦りに汗が伝う。
(ゴルファウンデーションを狙って私で叩く?いや、G-NEO耐性とシンベロムのブロッカーで受け切られる。だったら今やるべきことは……)
「うちのターン、ジャスミンの地版を発動!マナを1枚タップで加速!」
「後5マナか、何が来る……!?)
「2体目のうち、YUNAGIを召喚!」
「シンベロム狙い!」
「そう、うちでシンベロムにアタック、超魂X効果でパワーは8000!」
「シンベロム!」
「2体目のうちで攻撃!超魂X効果が更に乗ってTブレイカー!せめて、仕込まれたシールドはブレイクする!」
緑 シールド1
YUNAGIはそう言ってシールドに切り込む。そしてシールドを切り裂いた時嫌な予感がする。その嫌な予感に対処しろと心の声に従い、ブレイクしたシールドの方向を向いたが、もう遅かった。
「シールドトリガー!《ソウルスカーレット アカネ》!YUNAGIをマナゾーンに!」
「ぐぅっ!!」
「ファー、お前、何焦ってるんだ?」
「焦ってなんてない、うちは、テクノ・サムライに願われた仕事をするだけ!」
「だからってそんなになる理由にはならん。テクノ・サムライはそんなに非情な集団なのか?」
「違う。うちの種族は元々シノビ。そんなクリーチャーの信用は仕事でしか得られない。この待遇を受けていることに、私は納得している」
「……じゃあ、帰っても君は助からないんじゃないの」
緑がYUNAGIにそう言った。何を当たり前のことを言っているのだとYUNAGIは反論するが、緑は確然と返す。
「だって、何もなしに帰ったら命がないって、可哀想だよ。そんなの、安心できる家がないのと一緒じゃん」
「……シノビはそれが契約なの。サムライと言っても私は雑兵。SHIDEN達ほど大事にはされないわ」
「そんなのおかしいよ!君だってテクノ・サムライの一因なのに!」
「………」
緑の言葉を聞いて、YUNAGIがこぼす。
「じゃあどうすればよかったのよ」
「ボクが情報をあげる。そうしたら、殺されなくて済むんじゃない?」
ゴルファンタジスタは緑の言動に度肝を抜かれる。緑からこんな言葉が出るなんて、夢にも思わなかったからだ。
「いいの?うちはあんたを裏切るかもしれない。他のスチーム・ナイトと戦う上で身内から裏切られたら困ることに、うちは心底納得していて……」
「そんなことない。自分を粗末に扱われることが嬉しい人なんて、いないと思う」
「………。来なよ、せめてうちに勝つくらいの力はあるんでしょ?」
緑はカードを引き、マナにチャージする。
「まずは2マナで《奇跡妖精 ヴェヌス》を召喚!更にソウルスカーレット アカネの超魂X発動!マナゾーンから1ターンに1回クリーチャーを出せるよ!来て、《ドラン・ゴルギーニJr.》!ヴェヌスの上に4マナでG-NEO進化!」
「き、今日は押し込みの仕事だけ……大丈夫……!!」
「おうよ、こんなのに音をあげるなよ?」
「ドランJr.でシールドをWブレイク!」
YUNAGI シールド2
「シールドチェック。シールドトリガー、無し」
「ゴルファウンデーションでWブレイク!手札から呼び出す効果はソウルスカーレット アカネ!もう1体のYUNAGIをマナゾーンに送るよ!」
YUNAGI シールド0
「ふーん、まぁ、面白かったかなぁ」
「ソウルスカーレット アカネで、ダイレクトアタック!」
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アカネがYUNAGIに向けてポンポンを両手でぶつける。それを食らったYUNAGIだが、それが致命打とならないことに気づき、笑ってしまう。
「あー、ここまで甘いと、逆に応援したくなってくるかも」
そういうとYUNAGIは突然つむじ風を呼び出し、アカネを軽く吹っ飛ばし、緑とゴルファンタジスタの目を風で塞ぐ。後に残ったのは、つむじ風の跡が残り象ったように綺麗に残った地面だけだった。
「ファー、ここのグリーン貼り直しだな」
「ごめんなさい首領、逃しちゃった……」
「まぁシノビだし、そういうこともあるだろ。な、緑。緑……?」
緑は残った跡から、何かを必死に掘っている。
「何やってるんだ?」
「なんか、紙が落ちてて。とりあえず掘ってみろってさ」
「シノビってそんな早業もできるのか?」
「ハイ、このように隣に立つコトモ」
「うわぁびっくりした!カオスマントラも戻ってきてたのか」
「ハイ、Dracheももうすぐ戻ります」
「できたよ、ゴルファンタジスタ」
「はっや!?」
ゴルファンタジスタとカオスマントラが話しているうちに、緑は《環嵐!ホールインワン・ヘラクレス》を使って穴を掘り切っていた。
「これは、手紙?」
『助けてくれてありがと、まぁ、シノビが捕まるのは色々とダメだから、こんな方法を取ったけど。どうしても種族とかって上下あるからさ、そう言ってくれて嬉しかった。まずはこれが前金。ちょくちょくここにお邪魔するからよろしくね、首領さん』
そこに残っていたのは、YUNAGIが残したテクノ・サムライのカード達。SHIDENのような大物のカードはいないが、緑達のデッキを十分に強化させるものだった。
「つまり、YUNAGIは私たちのスパイとなってくれるということですか?」
「そうだろうな。まぁ、どれだけ信用できるかは緑によるが」
「大丈夫、YUNAGIさん、悪い人じゃないと思う」
「だといいがな。そうだ緑、病院戻らなくていいのか?」
「……そうだ!思い出させてくれてありがとうゴルファンタジスタ!」
緑はそう言って人間界へのゲートの方角へと向かっていった。ゴルファンタジスタはそれを見送りながら、また一つ大きくなった緑の姿を、写真に収めるのだった。
「御白と!」「飛水の!」「「今日のカード紹介!」」
「飛水くん、今日のカードはなんですか?」
「今日のカードは…《咎十字YUNAGI-10(トガクシユウナギワンオー)》だな」
「4コスト、パワー4000のスノーフェアリー・テクノ・サムライ!マッハファイターまであるんですね!」
「超魂Xによって攻撃時、味方全体のパワーを4000上げてパワードブレイカーを与える効果もある。マッハファイターの射程も伸びるし、味方全体のバフにもなる。あって腐ることはほぼない能力だな」
「というわけで次回、『過去からの侵略、今を生きる者達』です!」
「俺が戦ったスチーム・ナイト、そんな強くなかったな」
「強い人はビスマルクさんみたいに強いのに、ですよね」
「妙に引っかかる。まぁ気をつけて行くしかねぇな」