歳の短編集 作:ナニワのおっちゃん
キャラの頭文字が基本鍵()の前につくはずです。
チョンユエ「.........」
「何をしてるんだ?」
ウァン「見ての通り、囲碁だ。」
イーフェイ「......」
チョンユエ「それは見てわかるが...面談という話ではなかったか?ウァン。」
ウァン「暇つぶしだ。」
「兄さんが来るのが少し遅れたみたいなのでな。」
チョンユエ「それは...すまなかった。」
「それで...今の局面は...」
ふむ。我が弟はどうやらまた人間を揶揄っているらしい。
盤面はウァンが押し負けているように見える。しかし、常に数手で逆転できるような配置になっている。
本当に暇つぶしなのだろうな。
チョンユエ「決着が着いたら教えてくれ。そこから話を始めよう。」
ウァン「兄さんも来たことだし、そろそろ終局としよう。」
イーフェイ「え?なら、私が勝ってもいいんですか?」
ウァン「いいや。」
イーフェイ「...あれっ。あれ、あれ?!」
ううむ。あっという間に逆転だ。可哀そうにな。
ウァン「ふむ。」
イーフェイ「...強すぎでしょう...」
囲碁でお前に勝る物はいない、とまで言われたのは、流石だな。
チョンユエ「さて。では、本題に入ろう。」
席を整え、座布団の上に座る。
机を挟んで2対1の形だ。
チョンユエ「ドクターが来るという話ではなかったか?」
ウァン「遅刻するらしい。どうやら仕事が溜まっているようでな。」
チョンユエ「またか。」
イーフェイ「す、すぐ来ると思います。来る前に確認した時は、もう数枚程度だったので...」
ガチャリ。
ドクター「ごめん、遅れた。」
チョンユエ「来たか、ドクター。」
ドクター「仕事で...」
ウァン「ひとまず、席につけ。」
配置的には、こうだ。
机チ
イ机ウ
ド
...ジエやシーであれば、もう少しマシな表現方法があっただろうが、今はこれで十分通じるだろう。
チョンユエ「...」
ウァン「...」
イーフェイ「...」
ドクター「...本題に入ろう。...えっと、君は、ニェンの事が好き、でいいんだよね?」
イーフェイ「...はい。そこは本気です。」
ドクター「で、この状況はどういうこと...?呼ばれたから来たんだけど...」
イーフェイ「兄弟姉妹の皆様方に許諾を得るため、ロドスなり他の所なりを回ってる次第です。」
ドクター「は、はあ...私がいる意味って?」
チョンユエ「録武官のような物と考えてもらって構わない。この場を記録しておいてくれ。」
ウァン「...」
イーフェイ「経緯から説明させて頂きます。...かくかくしかじか...」
チョンユエ「ほう。つまり、巨獣学者を趣味でやっており、我々に接触する機会を得てここに来たら偶然我が妹の顔が好みであった、と。」
ウァン「巨獣学はほとんどの場合国を挙げて行われる物だが。個人でやるとは珍しい。」
チョンユエ「...ふむ。それで、ニェンをどうしたいんだ?」
「家族の事情に入り込みすぎるつもりはないが、我々に何か言いたい事があるのだろう?」
イーフェイ「その、つまり、お借りできないか...みたいな、問題ないか、という確認といいますか...」
ウァン「もちろん問題はある。寿命、価値観、他にも様々。」
「だが、我々も
イーフェイ「(パァッ!)じゃあ、お付き合いは許してもらえるんですね?!」
チョンユエ「本人から返事をしっかりと貰うべきではあるがな。リィンがいたから事情は聴いている。」
ウァン「しっかりとけじめをつけるべきだろう。改めて場を選べ。」
イーフェイ「っ、よしっ...!」
「お時間を取らせました、ありがとうございました!!」
チョンユエ「それではな。...ウァン、ドクター。少し来てくれ。」
ウァン「...」
ドクター「私?まあいいけど...」
...活動室
チョンユエ「まあ、ウァンは大方察してると思うが。恐らく、一番彼女に取って難儀になるのはシーの説得だろう。」
ウァン「あの二人は随分と仲が良いからな...嫉妬とまでは行かないかもしれないが、何かしら確執は生まれてしまうかもしれん。」
ドクター「...あー。なるほど。誰か、シーにニェンの...じゃないか、イーフェイの恋事情は話したの?」
チョンユエ・ウァン「「いいや。」」
チョンユエ「シーはニェンにいくらか救われたような部分がある。姉が取られる、と認識すればまた閉じこもってしまうやもしれん。」
ウァン「そこをどうにかするのが我々の役目ではないか?」
チョンユエ「ああ。今は...どの廊下に絵が飾ってある?」
ドクター「えーと、この活動室を出て...この辺かな。」
チョンユエ「ああ、助かる。...シュウにも助力を請うべきか...?」
ウァン「あまり大人数で押し掛けるのも悪い。そうするならば、兄さんとシュウで行くべきだろう。」
「この盤面は...ふぅむ。難しい...」
ドクター「ねえ、そういえばニェン本人は今どういう状況なの?」
チョンユエ「ウァンが考えてくれている内に語っておこう。」
チョンユエ「ニェンはあの後、色々と考えているみたいでな。好みの麻雀も一旦募集を取りやめているようだ。」
「思う所があるのかもしれんな。結構悶々としているようだ。稀に事情を知っているリィンと話をしているようだが、リィンもお手上げだそうだ。」
ドクター「えっと、困惑してるんだよね?」
チョンユエ「みたいだな。我々は事情を浅くしか知らない故、リィンからの情報のみだが...」
「今は枕を抱きかかえて尾をブンブンと振って唸りながら考えているらしい。」
ドクター「...大変そうだね、そっちも。」
チョンユエ「ああ。まず、我々と恋という単語はなかなか縁がない言葉だからな、ニェンも馴れるには少し時間がかかるだろう。」
「はぁ...まさか、歳の一件が片付いた後に、こんな事が起こるとはな。流石に予測はできなかった。」
ウァン「ジュン、イー、ジーにも伝えておくべきだろうか?彼奴は界園にすら行きかねん勢いだ。」
チョンユエ「そうだろうな。...」
ドクター「...まあ、ロドスとしては、ウチのオペレーターの事だから、できる限りサポートはするよ...頑張ってね。」