本編完結回です。お目通し頂き、誠に有難うございました〜〜!!
この後はボーナストラックになります。そちらもおつきあい頂ければ幸いです。
今話は三部構成となっています。長くなりました。
前半、中盤、後半(という名のほぼオマケパート)で視点が変わります。
今話のバトル描写はORIGIN要素モリモリで御座るます(こいつ)
ムラサキがこことは違う街で知り合った「建築特化」のポケモン「デカヌ親方」と協力して建てた、バトルフィールド。「わたし」たちは、仮称としてここをマサラジムって呼ぶことにした。本当はシステム面やポケモンリーグの現状を思えばジムとはとても呼べないんだけど。
でもグリーンは「まとめて事後報告する」なんて言い出すし(できる男とか縛られるのがいやとか言いながら、全部背負い込もうとするんだから!)。レッドはレッドで、もしグリーンが不当な目に遭うようならリーグに直談判するなり乗り込むなりしかねないし、結論としては「まあいいか」ってなったの。
「わたし」だって、二人がヘンに追い込まれるのを見るのはいやだもの。
わたしたちは選ばれた勇者でも英雄でもなんでもない。ただの、ポケモンを愛してるマサラのトレーナーでしかないんだから!
だから、パシオでチームを組んだとき二人が話していた……また二人で勝負したいって言い出したときは、全力で応援しようって決めていたんだ。
「よおーッ、レッド!! おまえと勝負するのは、ポケモンリーグのあのとき以来だな!」
「……グリーン」
だから正直、「わたし」は今すごくドキドキしてる。
二人の強さは知ってるけど、あの頃の「わたし」は二人には手が届かなかったから……リーグの観戦席で見た、あの日のチャンピオンと挑戦者同士の戦い。また直に目にすることができるなんて、こんな贅沢で嬉しいこと、他にはないよ。
「――レッド、グリーン! ルールは分かってるよね! 両者、使用ポケモンは一匹のみ。施設への負担と環境への影響を演算するための勝負だからね!」
だから、今回は「わたし」は第三者視点でこのバトルに臨む。本当なら、どっちも頑張れ、全力でやっちゃって、って言いたいところだけど……。
でも、それじゃあこれからのことには繋がらないから。「わたし」たちは大人になった。これからのこと、未来のこと、託せるもの。そういうもののことも考えて前を向いていかなくちゃね。
……レッドとグリーンは、睨み合いながらだったけど「わたし」の呼びかけに頷き返した。ベルトからモンスターボールが外されて、それぞれが構え合う。
「いけっ、『リザードン』!」
「それっ! 『カメックス』、任せたぞ!!」
二人とも、念願の勝負だっていうのに言葉数は少ない。でも、この街に来たばかりの頃……ううん。宇宙にいたときなんかより、ずっと目がキラキラしてる。
「わたし」だって、二人がどれだけ勝負がしたいって考えてたのか、いやってほど知ってる。
だから、二人がリザードンとカメックスを出したときは声が出なかった。あの子たちはオーキド博士から譲り受けた後、二人と旅をし続けたポケモンだから。
「リザードンッ、『だいもんじ』!」
「カメックス、『ハイドロポンプ』で打ち消せ!!」
どっちも容赦も遠慮もない。レッドが腕を前に、グリーンが手を横に払うと同時、リザードンとカメックスは最大出力で使い慣れたわざを放つ。
レッドのリザードンにとってカメックスの「水」は致命傷になりかねない弱点だけど、彼はレッドが鍛えたポケモン! 「特攻」と「素早さ」は折り紙つき。
高火力の炎が一気に掻き消され、フロアに凄まじい蒸気が噴き上がった。レッドとグリーンの指示は続いている。「わたし」は呼吸するので手いっぱいで、追加データを入力することもままならない。でも、勝負の行方を見失うようなことだけはしたくなかった。
「……レッド! グリーン!」
「――リザードン、『メガトンパンチ』!!」
蒸気の向こうに影が過る。濁った視界から飛び上がったのは、翼を開いたリザードンだった。「わたし」の呼びかけに一瞥を投げはしたけど、リザードンは一度だけ翼を打ち鳴らして、すぐにフロアめがけて急降下する。
尻尾の炎が追従してる。勢いは止まらない。蒸気の向こう、グリーンの指示はまだ、なにも出されてない。
「……!!」
「――そう来ると思ったぜ! カメックス、迎え撃て!!」
ポケモンリーグでの決勝戦。レッドのリザードンは、あの日と同じように片腕に渾身の力を込めて拳を振り下ろそうとした。
風圧で蒸気が払われて、視界が一気に開かれる。そのとき、レッドと「わたし」はグリーンが凶悪に、心底楽しそうに笑う様を目の当たりにした。
カメックスはリザードンの拳を受けない。少しだけ、ほんのちょっとだけ後ろに下がって、両腕を前に差し出しただけだった。刹那、リザードンは首に腕を回されて捕らわれていた。力任せにフロアに叩きつけられて、床が大きく揺れて……「わたし」はフシギバナに支えられていた。
「……!」
「『カウンター』!? 新しく覚えさせたってこと……いつの間に!?」
「それはそうだろ! せっかくレッドとやり合えるんだ、全力を尽くさないとな!! カメックス、――」
首と胴を叩き伏せられて、リザードンは苦悶の表情を浮かべた。床に手をついて起き上がろうとしてるけど、グリーンがこの機会を見逃すワケない。
立て続けに指示が出されかけたとき、「わたし」はレッドが、いつもみたいに静かに帽子の鍔を摘まんだのを見た。レッドがそれをやるときは、苦しいときか、動揺しているときか、あるいは……決意を固めたときだって、昔から相場が決まってるんだ。
「――がんばれ、リザードン! 『ちきゅうなげ』だ!!」
グリーンがカメックスに指示するより早く、レッドの声が一際強く響き渡った。グリーンが歯噛みしたのが見える。
直後、「わたし」たちの目の前で倒れ込んでいたはずのリザードンが前のめりに跳び上がっていた。その両腕にグリーンのカメックスの頭が抱え込まれてる。
「……!!」
「うっ……、ッカメックス……!」
ひこうタイプのものとは言えない、中途半端な飛翔。でも、リザードンはレッドの指示をちゃんと受け止めた。本来のそれより、遥かに飛距離と投擲距離が短い「ちきゅうなげ」。でも、至近距離から叩きつけられたカメックスにはかなりのダメージになったみたい。
カメックスはすぐ跳ね起きたけど、頭を打ったのかふらついている。意地なのか、鋭い眼光だけがリザードンを見返していた。
グリーンは、一瞬遅れて手を横薙ぎに払った。当然レッドも動き始めてる。片腕が前に突き伸ばされた。
「カメックス、よく耐えた!」
「リザードンッ、『ほのおのうず』!」
「よし、『こうそくスピン』だ、振り払え!!」
二人とも、互いの戦術やわざをよく見てる。その上で先読みするか、反撃するかを決めている。
リザードンはすぐさま尻尾を振り抜いて焔を逆巻かせたけど、カメックスは纏わりついた渦を全身をフルスピードで回転させることで簡単に千切ってみせた。
炎が散りいく瞬間、またレッドがキャップの鍔を摘まんだのが見えた。でも、影の下で口角が上がっている。
「……い、すごい……すごいっ、すごいすごいよ二人とも! 頑張って!!」
「って、リーフ! おまえ、データ取りは……」
「そんなの後でいいでしょ! わたしは勝負を見送ってるんだからっ、二人は頑張ってよ……!」
嬉しい……楽しい、凄く嬉しい。「わたし」はもう、それ以上の言葉が浮かばなかった。立ち会える喜びと二人のポケモン愛……友情なのかライバル意識なのか、よく分からないキモチの衝突が心地よくて。こんなこと言ったら怒られそうだけど!
何も言い返さないまま、二人はずっと前だけ見てた。リザードンとカメックス。二匹とも負傷してるけど、表情は余裕と笑みに満ちていた。
こんな勝負、また当分観られなくなるんじゃないかって「わたし」は思う。最高のバディ、最高の舞台、最高のライバル! ……凄く幸せな気分だった。
「へっ、リーフもああ言ってるし……! そろそろ決着をつけようぜ、レッド! カメックス、『ハイドロポンプ』!!」
「……グリーン……いこう、リザードン! 『だいもんじ』!!」
リザードンが飛ぶ。空を切って、風を巻き込んで、間合いを計って一気に火力をぶつけに行った。
カメックスは揺るがない。ポンプから大量の水を噴射させて、姿勢を前傾させて、向かってくるリザードンに激流を叩きつけようとした。
「う……!!」
二匹が激突する寸前、フシギバナが「わたし」を隠すように大花で覆った。その瞬間、強烈な水流がフロアを舐め尽くして「わたし」は彼女にしがみつく。まともに立っていられない。
レッドたちはどうしたんだろう、はっとして顔を上げたとき、「わたし」は二人がまだ立てている姿を見た。
でも……荒い息を繰り返すなか、先にグリーンの顔が悔しげに歪んでいった。
「カメックス!! そんな……またかよ……!」
低い地響きが聞こえた。グリーンの前で、カメックスがフロアに力なく倒れ込んでいくのが見える。
満身創痍で立ち尽くしていたリザードンは、レッドと視線を重ねて首を伸ばした。レッドは何も言わずにリザードンの頬を撫でてあげている。
……カメックスがちから尽きた。つまり、今回の勝負もレッドの勝ち、ってことになるんだよね。「わたし」が視線を走らせた先で、グリーンは冷静にボールを掲げてカメックスを呼び戻していた。よくやった、なんて凄く小さな労いの声が聞こえてくる。
リーグではあんなに悔しがってたのに……パシオでもケイやユイにレッドとのことを話してたらしいんだけど、詳しくはなんとなく聞けなかった。
「レッド、グリーンー……」
「……よお、リーフ。なんて顔してるんだ」
「うー。だって……」
「はッは、また負けちまった! 届かねえもんだなあ……レッド。やっぱおまえ、つよいな」
「……グリーン」
「わたし」とレッドが話しかけたとき、グリーンはちょっとだけ寂しそうな……苦しそうな顔をした。
でも、声のトーンや姿勢はいつもと同じだった。いつもみたいに意地が悪い感じの、ちょっと皮肉屋っぽい笑い方。あ、いつものグリーンだ、って安心した。
「……ありがとう。ぼくも、……」
「なんだよ、言わねーのかよ! ……さて、仕事だ仕事! できる男は仕事は持ち越さないって決まってるんだぜ。さっさと片付けちまおう」
二人は後始末をポケモンたちに任せて、ポケモンセンターにバディを預けに行った。すっかりいつもの調子に戻ってる。「わたし」はちょっと拍子抜けした。
回復テーブルの容量は、恒例の手持ちの最大数に合わせた六個分。そこにリザードンとカメックスが並んでる。なんだかフシギな光景だった。
「なあ、リーフ。おまえ、あいつらに連絡はとれたのか」
レッドとグリーンはパソコンのモニターや床や壁に貼った紙切れを見比べながら、ああでもないこうでもないって話してた。やっぱり、いつもと変わらない。
「わたし」は昨日の夜一番にファイヤーにおつかいを頼んでいたから、もちろん、ってだけ答えておく。グリーンは何か言いたげにこっちを見たけど、ファイヤーが帰らない以上なにも話しようがない。仕方ないでしょ、って言い返したら納得したみたいだった。
「……ね、レッドもグリーンもあれでよかったの? ちゃんと、楽しめた?」
ほとんど無意識に、「わたし」はそう聞いていた。
言っちゃってからしまった、なんて思って手で口を塞いだけど、二人はちょっとビックリしたような顔をして「わたし」を見ている。
「……、……」
「レッド。おまえ、こういうときくらい話してやれよ。そうだな。最大手持ちじゃなかったし、オレさまが本気を出しさえすれば――」
「……! ぼくだって、……」
「分かってるって、冗談さ。……気にするなよ、リーフ。次はおまえも勝負したいだろ? なにせ、ここはオレたちのはじまりの街なんだからな!」
もう気負わないことにしたのかな? それとも、あれから歳月が経ってグリーンにも心境の変化があったとか。
ほんとうのことは分からないけど、大切な幼馴染みたちが笑って過ごすことが出来るならそれでいいよね、なんて「わたし」は思った。「わたし」は……ポケモンたちのことはもちろんだけど、二人のことだってちゃんと大切なんだから!
『――す、……え、す』
「おっ。ウワサをすれば、ってやつだな」
ちょうど、昨日聞いたばかりのノイズが響いた。建物の外に出てみると、現マサラタウンのポケモンたちも、なにごとだ、みたいな感じで空を仰いでる。
そのとき、「わたし」は「わたし」で、北東の方角から優雅に飛んでくる美しいほのおの翼を見つけ出せていた。
「ファイヤー! おかえり、レッドくんとユズくんには会えた? こっちに来られそう?」
伝説のポケモンとして知られるファイヤーは、反射なのか癖なのか、ギロッと「わたし」相手に「にらみつける」を使う。でも、怖くもなんともないから「わたし」はプレーンパンを渡しながら立派な羽毛を撫でて労った。ファイヤーは嬉しそうに翼を広げてくれる。
そこで「わたし」は、彼の首になにかが提げられていることに気がついた。小さな布をツタ紐で縛って作った袋みたいだけど……レッドたちも集まってくる。
「リーフ。どうした?」
「……?」
「グリーン、レッド。わたしにも分からないんだけど……開けてみた方が、よさそうだよね」
中身は、折り畳まれたメモ数枚とタウンマップだった。よく見かけるチラシの裏や、旧タウンマップに書き込みが足されてる感じになってる。まるで子供の落書きみたい。
色とりどりの線が街の間に引かれたり、あるいは街そのものにバツ印がついていたり……もしかしてカントー中を回ってるの、なんて「わたし」は驚いた。
「こっちは……設計図だな。オレがユズに任せた電波塔とアンテナ、ネットワーク構築の改善案か。へっ、あいつ、言ってくれるぜ」
「……グリーン、リーフ」
「レッド、そっちにはなんて? あ……これ、手紙じゃない? レッドくんかな」
「どれ、なになに……『レッドさん、グリーンさん、リーフさん。ご無沙汰しています』――」
そのとき、遥か遠くからあのラジオ放送が聞こえた。レッドが一瞬顔を上げて、それでも「わたし」たちは向こうの言い分を手紙越しに聞く。
「『僕たちは、ムラサキが構築したポケモンたちとのネットワークを辿りながら各地の状況を調べてみようと思っています。ユズも試案を仮設するそうです。道中でポケモンの要望を聞き、彼らの生活環境改善も進めるつもりでいます。一周し終わる頃にまっさらな街に戻ります。それまでご了承願います』……」
手紙を読み終わった「わたし」たちは、そっと顔を見合わせた。真っ先にグリーンが苦みを乗せた笑顔を見せて、「わたし」とレッドもそれにつられる。あいつらほんとポケモンバカだな、グリーンがそうこぼして、ぼくたちもそうだよ、なんて珍しくレッドに突っ込まれてた。
その間もラジオ放送は響き続けている。これはグリーンがユズくんに任せた仕事にレッドくんがテスト感覚で介入した結果じゃないか、って教えてもらった。
『――みんな、元気ですか? 怪我してませんか、ご飯は食べましたか? ……では……おはようございます! 今日も一日、頑張っていきましょう!!』
電波の向こう、レッドくんの声は凄く楽しそうに弾んでいた。隣にはムラサキがいるのか、カタカタと小さな物音もする。まっさらな街のポケモンたちが――わたしのイーブイやレッドのピカチュウ、グリーンのプテラも、彼の声に歓声をあげて応えていた。
さっきのレッドたちのポケモンバトルも、もちろん凄かった。でも、この光景を作り出したのがムラサキとそのトレーナーの仕事だっていうのなら……。
「あいつらにはあいつらのやり方、仕事があるんだな。戦えなくたってムラサキはつよいやつだよ。な、レッド。オレの目は誤魔化せねーだろ」
「……、……!」
「ふふ、それはそうだよ。よーし、わたしたちも負けてられないね。頑張ろうね、イーブイ、フシギバナ! ファイヤーも、またおつかいお願いね!」
ノイズが鳴る。今日はユズくんの干渉もないみたい。諦めたのかな? レッドくんとユズくんを見ていると……「わたし」はどこかの二人を思い出すから。
『それでは今日のナンバーです。ムラサキ、プレイヤー貸して? ……本日は、僕たちの原点にして頂点「オープニング」を! ではみなさん、また明日!』
あれから、あっという間に時間が流れた。僕たちは今でもカントー地方を中心に「巡回」を続けている。
今日に至るまで、色んな発見があった。
例えば、旧セキチクシティの岬には謎のロケット発射痕があって……誰が造ったんだーって思ってたら僕たちが乗ってきたロケットがそうだったらしいんだ。旧マサラタウンと往復しながら調査をしてくれたグリーンさん曰く、「元々はR団の開発品らしいな」って話だった。なにそれこわい。
グリーンさんは僕に手持ちのプテラを貸してくれて――なんでも彼はレッドさんのリザードンの好敵手で、残してても揉めちまうから、ってことらしいけど。本当のところは、カスタム自転車しか移動手段がない僕を気遣ってくれたんじゃないかって思ってる。もちろん、プテラとは上手くやってるよ。
これ以外にも、僕たちの調査で色んなことが分かってきた。実際に詳細を活かせてるのはグリーンさんたちだから、あまり偉そうなことは言えないけど……。
旧ヤマブキシティのシルフカンパニーに色んなデータや資材が残されてること、旧ニビシティの科学博物館に使えるものがあることもそうだ。軽いノリで話したらグリーンさんに凄い食いつかれて、あとはあっという間だったな。毎回コレだけど、レッドさんには頷かれたから結果オーライだと思う。
「おーい、レッド! こっちはオッケーだぞ!」
「分かったー、ユズ。……ムラサキ、先に上の方、点けてきてくれる?」
「……!!」
ビックリしたのは、リーフさんがブースターやブビィたちと協力して色んな調味料を作り出しちゃったことだ。「やってみたら塩も味噌も出来たよ!」なんて言われたけど、普通じゃないよね……。さておき、おかげで僕たちの食料事情はかなり改善されている。
ユズなんか、ムラサキが作ったみそ汁で号泣していたくらいだった。その後のあいつのやる気はこうかばつぐん状態で、僕たちの活動もここ最近調子がいい。
……今日は、旧シルフカンパニーに一気に電気を流して、屋上に建てたミニ電波塔のテストをする日だ。それ以外にも建物内の設備が使えるようになるし、なんなら旧ヤマブキシティ、通称「キラキラ浮島」の調査拠点に据え置くこともできる。
ムラサキが屋上に設置した切り替えスイッチをバチバチと入力して回って、最後に地上に残ったユズが主電源レバーを引いた。視界が、一瞬で白く染まった。
「……よっし!! 上手くいったじゃねえか、最高だー!」
「……! ……!!」
一階から屋上に至るまで、一気に電気が通った。浮島の中でも街の名残の部分からかなり離れたところにある建物だけど、今なら一番の存在感を放ってる。
ユズも――リーフさんから贈られた「かみなりの石」で進化した元レアコイル、現ジバコイルも、お互いにボディを小突きあって喜んでいた。手伝ってくれたポケモンたちもみんな大喜びだ。僕は早速、報告がてらのラジオ放送を入れることにした。
「……うん、準備オッケー。いい? ムラサキ……『みなさん、こんばんは。本日の「レッドキャップ放送局」は、特別番組でお送りします!』」
誰もが足を止めて、あるいは浮遊ウォークを停止させて僕の言葉を聞いてくれる。長く続けてきた成果だ。正直、かなり嬉しい。
「『まず、「キラキラ浮島」でムラサキとみんなが再建した新シルフカンパニーにて、ライトアップが開催中です。キラキラなのでぜひお立ち寄りください。また、明日、まっさらな街にて初となるロケットの打ち上げ計画が決行されます。本当は「黙ってろ」って言われてるんだけど明日のことだし』……ん?」
なんか、下が騒がしい。二階の窓から見下ろしてみると、ユズとジバコイルが手でバツ印を作ったり、U型磁石をぐるぐる回したりしている。
確かにグリーンさんからは「黙ってろ」って言われてたけど、この際もういいんじゃないかなぁ。準備は万全だし、明日になれば分かっちゃうことだろうし。
「……『ということで明日の「レッドキャップ放送局」は臨時休業となります、ご了承願います。ではみなさん、本日も良い夜を。今日のナンバーは』……」
一通りの放送を終わらせて、僕は配信スイッチを切った。ムラサキと「やったね、ついに言ってやったよ!」、『やったー!』なんてやってたら、階段経由で駆け上がってきたユズにドロップキックをかまされた。
ムカついたから一応蹴り返してやったんだけど、このときの僕はまだ、事態の深刻さに気がついていなかったんだ――
「……よお、レッド。おまえら、半月に一回は放送事故起こさねえと気が済まねーのか?」
――翌日、まっさらな街こと旧マサラタウンにて。僕は、合流するなりユズともどもグリーンさんの前に正座させられていた。ど、どうして……。
「どうしてって顔だな! いいか、よく聞け。打ち上げが確実に成功するって保証がカケラもねえから、オレは箝口令を敷いたんだよ。この意味が分かるか?」
「……だって……グリーンさんがR団やシルフカンパニーや科学博物館を調べまくって、それで一年越しにやっと、って計画だから……」
「はッは! ……すげーな、聞いたかレッド? ここまでキレイな言い訳されたのは、初めてだぜ!」
ユズは完全に沈黙してるし(まあ今回は僕のせいだから仕方ない)、レッドさんはレッドさんでリーフさんの試作型トマトピザをもぐもぐしている。
誰も聞く気ねーのかよ、なんて言ってグリーンさんは額に手を押し当てていた。労いのつもりなのか、ムラサキがどこかから摘んできた花を手渡している。
「よお、朝早いな、ムラサキ。キレイな花サンキューな。で、コレをオレにどうしろと?」
「あれっ、グリーンその花どうしたの? 困ってるならわたしにくれない? イーブイに花冠作ってあげるから!」
「……、……!」
「わぁ、わたしにもくれるの? ありがとー、ムラサキ!」
頭を押さえて呻きながら、グリーンさんは花を抱えたムラサキの手を見ている。僕もつられて相棒の手元を見たけど、今度はモグリューみたいな長い爪が生え揃った形をしているのに気がついた。
……ムラサキは、一体いくつの「へんしん」能力を持っているんだろう? 僕はこの子のトレーナーではあるけど、もう半分、分からなくなりつつある。
「……まあいいや。よし、予定時間より早いが打ち上げ準備にかかるぞ。もう立っていーぞ、レッド、ユズ」
「はーい。って、ほんとに早いですけどどうかしたんですか。グリーンさん」
「おまえは反省してるのかよ、レッド。……騒ぎになる前に済ませちまった方がいいからな。ああ、レッド、リーフ。おまえらはこっちだ、来てくれ」
言うが早いか、グリーンさんはレッドさんたちとロケットの周りであれこれやり始めた。専門外すぎて僕にはなにがなんだかサッパリだ。
ユズは事前に何か任されていたのか、ノートパソコン片手にポケモンセンター前に移動している。僕とムラサキは立ったまま全員の様子を見ているしかない。
「……いや! 僕にもなにか、なにか出来ることが!?」
「……、……?」
「いやぁ、やっぱり何もないかも。ムラサキ、呼ばれるまでちょっとのんびりしてよっか」
余計なことをして失敗でもしたら目も当てられない。ここは待機ということで、と、僕はムラサキの仮住まいに向かった。
リーフさんが旧セキチクシティで見たって話していた、メタモンと星ガラの旗。この旗が立てられた建物が、大きさ問わずムラサキの拠点になってるみたい。秘密基地みたいで格好いいじゃん、なんて言ったら、中でムラサキはニッコニコになりながら一回転しつつ片腕を天井に突き上げた。
「……あれ? ムラサキ、これってどうしたの?」
ふと、僕は視界の端でなにかが光っているのを見た。壁に飾られた額縁に収められた一枚の短冊だ。エメラルドグリーンの中に星のマークが描かれている。
その短冊が、室内にキラキラと星みたいな光をこぼしていた。ムラサキも言われて初めて気がついたみたいで、驚いている。
「……、なんか、おまもりみたいだね。これ、もらっていい? ムラサキ」
「? ……!!」
彼が頷いたのを確認してから、僕は額縁を取り外した。見た目はごく普通の短冊だけど、フシギと自ら発光している。
僕は、なんとなく、本当にただの気分でそいつを手に打ち上げ台に向かった。グリーンさんたちが最終調整に入っている。こっそりとロケットの窓を開けた。中にはムラサキやポケモンたちと協力してかき集めた、エネルギー資源や鉱石素材、食糧や、ポケメタル加工品が山のように詰め込まれている。
僕は、それらをぎゅうぎゅう詰めにした納品ボックスの端っこに、キラキラ光る短冊をそっと吊り下げた。
「――おい、レッド? どうかしたか」
そのとき、気がついたグリーンさんに声をかけられた。僕は文字通り肩を跳ね上げて、素知らぬ顔で窓を施錠する。
「な、なんでもないです! 量、足りるのかなぁと思って……」
「ああ、不安になるのも分かるけどな。前回より増やしたからじーさんたちを信じるしかないさ……よし、最後のロックをかけるぞ。危ねーから下がってな」
はぁい、なんて生返事をして白線の内側まで下がっておく。この時点で、僕に出番らしい出番は全くない。
なんか情けないなー、なんて思っていたら、手のひらにぷにぷにした感触が触れた。見下ろした先で、ムラサキがニコニコしながら僕を見上げている。……それだけで、なんだか報われたような気になった。この一年、彼も僕も、自分たちなりにやってきたんだ。
誇らしい気分で正面に視線を向けると、いつの間にかレッドさんたちとその手持ちのポケモンが横一列に並んでいる。どうしてか、ユズも慌てて走ってきた。
「――いいか! これからやる挑戦は、オレたちにとって未知の領域だ。はっきり言って、オレにだって成功する自信はない!」
「へっ、ぐっ、グリーンさん!?」
いきなり支離滅裂なことを言われて、僕は困惑する。ムラサキが手を強く握り返してきたのが分かった。
「だけどな、今のオレたちこそが! 『向こう』と繋がる唯一の希望だ!! 持ち上げられたなら、やってやるしかないんじゃないか? そうだろ?」
「……! グリーンさ……レッドさん、リーフさん。……ユズ」
「そうそう、ほんとうは完全に専門外なんだけどね! グリーンがいてよかったよね、レッド!」
「……、……」
「なんだよ、今回はちゃんと俺も混ぜたな……レッド、ムラサキ。資材集めが上手くいったのはお前らのおかげだよ。これでも感謝してんだ、気づけよバカ」
みんなが頷く。ポケモンたちもおんなじだ。僕は、なんだか凄くたまらなくなって、ムラサキの手を握り返していた。
「……よし、慣れないことはこの辺にしておこうぜ。全員下がってろ、打ち上げるぞ!」
グリーンさんの合図と同時に、ユズはパソコンの前へ、レッドさんとリーフさんは興味本位で集まり始めていたポケモンたちを誘導しに向かった。
僕とムラサキは、ユズと同じ地点に向かうグリーンさんの姿を目で追うばかりだ。すれ違いざま、いつもの意地の悪い笑みが過っていく。サンキューな、口の動きでそう言われて、顔に熱が上った。
正直言って、僕はムラサキと違ってなんの役にも立ててない。どうしてみんなに感謝されるのか、分からなかった。
「うっ……ムラサキ! こっち、おいで!」
震動が走った。いくつもの熱と光が目の前で交差して、ムラサキが拾ってきたっていうロケットが激しく揺れる。
やがて、僕たちの目の前でその落とし物は空へと飛び立っていった。理想通り、予想通りの打ち上げ光景だ――僕たちは、揃って行方を見送るばかりだった。
「――よし! 行ったな。……肝が冷えたぜ」
グリーンさんが大きく息を吐いたのが聞こえた。それを皮切りに、僕たちは一斉に大人げなく大声をあげてポケモンセンター前に駆け寄った。
なんていうか、凄くビックリしたんだけど、真っ先にレッドさんとリザードンのコンビがグリーンさんを胴上げしに行った。いつもは冷静なグリーンさんが「なにがなんだか分からん」みたいな顔で呆けているから、僕たちは子供が祭ではしゃぐみたいに爆笑しまくった。
「やったぁー!! ほんとうにすごい、すごいよグリーン! レッド! 届くといいなぁ、届いたらいいよね、わたしたちの手紙も!!」
ワッショイされまくったあと、ようやく降ろされたグリーンさんにリーフさんが花冠を乗せに行った。彼女も彼女でテンションが振り切れているみたいだ。
やっぱり、僕はムラサキと一緒に腹を抱えて笑った。
「……、グリーンなら、失敗しない」
「え……、レッドさん?」
「……信じてる」
ひとしきり笑って、みんなの元からちょっとだけ離れて息を整えている間。ふと僕は、レッドさんと一緒になった。
横並びになって改めて思うけど、同じ名前で、かつ同じ帽子を被ってるっていうのに、僕と彼とじゃ雰囲気や立ち振る舞いが全然違う。
レッドさんは、いつものように静かだった。グリーンさんを胴上げしていたのは、彼も彼なりに気分が高揚していたってことなんだろうか。よく分からない。
「レッドさん。そういえばレッドさんは、どうして僕にキャップをくれたんですか?」
気がつけば、僕はそんなことを彼に尋ねていた。
背中を向けてもう歩き出していたレッドさんは、静かに目だけで振り向いてこう言った。
「……、秘密」
へぁ、なんて、僕は間抜けな返事しかできない。
レッドさんは振り向かずにそのまま歩いて行った。グリーンさんたちのところに戻って、ロケットの発射音で騒いでいるポケモンたちを宥めすかしている。
僕は……言われたことを頭の中で繰り返した。答えがほしくて聞いたのに、答えらしい答えは返されなかった。なんか、ちょっと頭がぼうっとする。
「……答えを、自分で見つけてみろってことかな? ムラサキはどう思う?」
「? ……、……!!」
なんの気もなしに聞いてみたら、相棒はやれ「みずでっぽう」、「このは」、「ずつき」と、めちゃくちゃな速さでへんしんと特技の類を披露してくれる。『きっとそうだよ!』なんて、そんな風に応援されたような気になった。僕は苦く笑い返して、レッドさんたちとは逆の方へ歩き出す。
……今日も朝がやってくる。眩しい朝だ。東の空に、打ち上げられたロケットが星明かりみたいに煌めいている。
僕は、デカヌ親方の手で超快適にフルカスタムされてしまった自慢の自転車を取り出した。ムラサキにお願いして仕舞ってもらっていたカゴも出してもらう。ちょっとした岩場や段差、崖なんかも楽に「乗りこなす」トライアルモードから、街乗りモードへサドルを切り替えた。カゴを取りつけて縁を叩く。
「行こっか、ムラサキ。他の街の子にも、ロケットのこと説明してあげなくちゃ」
僕の相棒は、黒丸二つをニコリとさせてからカゴの中に飛び乗った。そのまま僕たちは走り出した。
……僕たちには、僕たちにしか出来ないことがまだたくさんあるはずなんだ。そう信じて旧マサラタウンを抜け出した。振り返らずに、一気に旧セキチクシティに向かう。見慣れた海沿いを一度眺めてから、僕はまた自転車を走らせた。
朝日が水平線に輝いている。今日もいい一日になりそうだ……そんな気がした。
――白い煙突の形をしたトンガリが、空に向かってまた飛び立っていった。最後にアレが飛んだのは、今からちょうど太陽が三千六百五十回上ったときだ。
人が作り出したモノだからか、異常な熱とバカうるさい音が伴う。空が焼け焦げるニオイが残るし、あまり喜ばしいモノではない。
しかし……アレが飛んでいくと、人の多くは必ずと言っていいほど喜んだ。なにが楽しいのか分からんが、ワシらには分からん良さがあるのかもしれないな。
『……おっ、珍しい客だのう! どうしたー、お前もメタモンの仕事っぷりを見に来たか?』
その日、ワシは例の白いトンガリを見送るべく海上に上がってきていた。ああいう特別ななにかがあるときは、だいたいあの愉快な我が友、メタモンが絡んでいる。てっきり会えるかと思いきや、今日は顔を見せに来なかった。
なんだーつまらんのー、と戻ろうとしたワシだったが、見覚えのある煌めきを視界に捉えて潜行するのを取りやめていた。
『――そうだねー。アレね、ムラサキだけじゃなくて、そのトレーナーも関わってる打ち上げなんだよ。凄い迫力だったねー!』
何ものの願いも叶えるといわれる、星の子だ。何年ぶりに会ったか忘れたが、相変わらずキラキラしとる。それで、ワシは今日、こやつとあのメタモンが知り合いであることを初めて知った。というより……ムラサキと呼んでいるあたり、相当親しいのかもしれん。
ワシがいつものようにヒレを動かして波を作ると、星の子は声を上げて笑った。
そういえば、こやつ、前回別のトンガリが降ってきたときもこうして笑っておった気がするなー。ワシの視線と問いかけに気づいてか、ジラーチは笑い止む。
『カイオーガ。ムラサキは、きみとも友達だったんだね。凄いなー、並のポケモンには出来ないことだよ』
確かに、あのメタモンは他とは違う。それは分かる。普通のポケモンなら、あんな風に気楽にワシのところに近寄ってこれんからのう。
初めて会ったときのことを思い出して、ワシは声を出して笑った。気づけば星の子もワシと一緒になって笑っている。
こやつ、これほど笑う子だったのか? ふうむ、とワシが一声うなったとき、
『ぼくはね、願い事を叶えることが「存在意義」なんだー。特に利益度外視の純度の高いお願い事なんかは最高だよ! 叶えてあげたくなるのが心情だよね』
ジラーチの声が、他のポケモンなら気取ることが出来ない程度に低くなった。ただならぬ気配を嗅ぎ取って、ワシは目玉をギョロリとさせる。
『なのにムラサキったら、初めて会ったとき「ぼくに」「願い事はない?」って聞いてきたんだよ。ビックリしちゃったよ、こんなこと初めてだから』
『ふうむ。あのメタモンらしいのう』
『そうだよねー! ぼく、すっかり気に入っちゃって! ……だから、今はムラサキが作ったすみかで暮らしてるんだ。天の上じゃなくってね』
なんとなく、互いの言いたいことが解ったような気になった。ワシがわっはっは、と笑えば、ジラーチはクスクスと声を潜めて笑う。
……なんでも、ジラーチの話ではメタモンのみならず、そのトレーナーとやらも相当な変わり者なのだそうだ。
「なんでも願いを叶える」短冊を手に入れておきながら、その人は自分以外、その他大勢の人のために、あっさりと星の灯を「手放してみせた」のだという。
『わっはっは! そのような人が、まだおるとはのう!! 長生きはしてみるものだ!』
『ねー。だから、ぼくももう少しこの星に残ってみようって思ったんだ! あのロケットにもぼくの加護をつけたから、きっと無事に目的地に着くはずだよ』
星の子は、星くずを宙に瞬かせながらくるりと回った。こやつもワシのように海で暮らせば世知辛くないのだろうにのう、などとワシは思う。
思うだけで言わないのだが。あのメタモンと一緒に面白おかしく暮らせるのなら、それはそれでイッキョウじゃろ。
『そういえば、ムラサキのトレーナーなんだけどー。この間なんか、桃色の街でミュウツーとはち合わせてさ』
『む? あの人間嫌いか。まさかあやつが街で暮らすようになるとはのー。これもメタモンの仕業か』
『そーそー。で、そのトレーナーね、攻撃されそうになったのになにか勘違いしたんだろうね、近くの果樹を見て「好物はカゴの実だ」って思ったらしくて。ムラサキから葉っぱを分けてもらって、目の前でゴリゴリ潰してサラダを作ってあげたらしいんだ! ミュウに教えてもらったんだけど、面白すぎるよねー』
『わっはっは!! その果樹もおおかた、メタモンが植えた木じゃろ? ふたり揃って、無意識に互いを助け合いよる! 面白いのう!!』
星の子は、そうしてワシに地上の面白おかしい話をあれこれ話して聞かせた。考えてみれば、こんな話は当人や当ポケモンには話しようがないからのー。
ワシらはしばらく、そう、太陽がリザード色に変わる頃までそうして過ごした。変わり者のメタモンとそのトレーナー。本当に愉快な友らだ。
ワシはふと、岬の端にあのくるくる回る二つの丸に乗った件の人の姿を見つけて、ふむふむほう、と心底楽しい気分になった。
その人はメタモンをカゴに乗せたまま、またどこぞへと旅立っていった。あの人にとってこのセキチクシティとやらは「帰りたい原点、故郷」なのだと知る。
『ムラサキがどーしてあんなメタモンになったのか。初めから? それともキッカケありきで? ……ぼくは、あのトレーナーが鍵だと思ってるよ』
『わっはっは! そいつは、ワシも同意見よ。あれらは見ていて暇をせんぞ。どうせなら、海で暮らしてしまえばいいのにのう!』
ワシらにこのように笑われていることなど、あのふたりは知りもしないだろう。恐らくは他のポケモンたちも、あのふたりに惹かれる理由に気づきもしまい。
だからこその、我らの友だ。なーに、知らない方が幸せなこともある。「秘密」は、ある程度あった方が面白いからのー。
ワシと星の子は、太陽が海の向こうに隠れた頃にようやく別れた。遠くの街から、またあのトレーナーが楽しげにモノを語る声がする。海まで届くのだ、よっぽどワシに聞いてほしいのに違いない! ワシはジラーチにヒレを振り返した後、水底に至るまで、ずっとその声に耳を澄ませていた。
今夜も聞き心地のいい、それはそれは心底楽しげな声だった。
(メタモンのへんしんわざを全部出そうチャレンジ、『転がる』『怪力』『貯水』出せんかったっす…そして跳ねたのはコイキング氏…ぐぬぬー)
サイト掲載:2026/08/16