夏の予選の抽選相手が決まる抽選会の当日。
「……ストレート、行くよ」
「こい!」
芳乃さんと主将は会場に向かい、居残り組の私たちは2人の帰りを待ちながら、グラウンドで練習。
ぶぉん!!
武田さんは大型のスラッガーのような豪快なフルスイングで空振り。
「メジャーみたいなスイングになってるよ!」
「だって気になるんだもん~」
「だよな~。抽選会」
連絡待ちの状況ながらも何処の相手と当たるかは私も気になる。
「Dシードの山に入りたいわよね」
「……私は何処でもいい。投げられるなら」
「凪は何処が相手でも普通に投げられるだろうけどさ」
試合をするなら強い所がいい。自分の実力もわかるし。
「主将ってくじ運が悪そうだもんね」
「そうなんだよな~」
主将が聞いたら気にしそうだから聞かないことにしておきます。
2人が戻ってきてから主将は私たちに相手を伝える前に謝罪。
「申し訳ない!」
「主将……まさか」
「引いたんですか? 強い所と」
芳乃さんがトーナメント表を見せる。うちはCブロックみたいで、初戦は影森高校。
(そこに勝ったら……)
初戦に勝利した後の相手が……。
「梁幽館かよ!?」
「終わった……」
「4強常連。一昨年の優勝校だよ」
強い相手と戦いたい中村さんは主将にお礼。
「主将は梁幽館に知り合いはいないんですか?」
「ガールズのチームメイトがいるが、主力ではないだろうな」
「凪ちゃんは?」
「……うちの中学から進んだ人が要るっぽいけど、連絡は取ってないからわかんない」
うちと当たると知ったら連絡が来そうだけど、昨年からほとんど連絡を取ってないし、こないかな。
「梁幽館の2番手の吉川和美さん。吉川さんとはバッテリーを組んでたよ。2年前のガールズ県優勝投手」
「今年の春大では吉川さんと中田さんが交互に投げてたよね」
山崎さんも知り合いがいるみたい。
「梁幽館の初戦は宗陣高校。ノーシードながら全国に出たことのある強豪高校だよ。激戦が予想される初戦はエースの中田さんが出てくる可能性がある」
「2戦目に吉川さんが出てくる可能性もある」
「まぁ、うちが初戦に勝たないと意味ないけどな」
「といっても、うちは影森のデータが全くないからね」
先に梁幽館の春の大会での映像を見ることに。
「しかし、珠姫ってマジで凄い所でやってたんだろうなぁ」
「新越谷もいずれは凄いチームになるだよぉ。復活って言ったほうが正しいかな」
武田さんは思う所がある様子。
梁幽館と宗陣の春の大会の様子。宗陣の古川さんは剛速球とチェンジアップを中心とした本格派のタイプで三振を量産。
「梁幽館のエース、中田さんも同じタイプだけど凄いのは……」
梁幽館のエースの中田さんは4番で力は高校野球のレベルを遥かに超えている。
「そして、2番手の吉川さんは」
「速球とスライダーで高い三振率。2年前は割とノーコンだったけど、よくなっている」
吉川さんの武器は縦に大きく変化する縦スラ。よく見ると武田さんのあの球と似てる。
「このスライダー」
「ヨミさんのあの球に似てますね!」
「…ぜ、全然似てないよ。ヨミちゃんのほうがコントロールはいいし」
「自分でいうのもあれだけど結構似てるなぁ」
武田さんは山崎さんの頭に顔を乗せながらいう。本人が言うなら似てるってことだよね。
「というわけで……」
梁幽館への対策としてはマシンの設定は最高。ストレートは私が投じ、スライダーには武田さんのあの球を投じる実戦感覚のシート打撃。
「……遠慮なしで行くから」
「こい!」
武田さんは中村さんとシート形式での対戦。中村さんは陽さんみたいなタイプだし、マジの相手としてはいいよね。
「打てねー……」
「ど真ん中のほうがいい?」
「コースに散らしたほうがいい」
私は川崎さん、藤原先輩に対してマットに向かってストレートを投じる。
「フリーだと出力を抑えてるけど、凪の本気のストレートは打てない」
「本人が自覚してないだけで化け物だよ……凪は」
夏の大会は似ているタイプの投手が多いだろうし、そういう相手と意識しながら投げるのが楽しみ。
次回は掲示板回です。
※現在2年目でオリ主のキャラを構想中で、学年は1年生です。こういうキャラがいいよーと思ったら活動報告に送ってもらえると参考にさせてもらいます。