名探偵プリキュア!ウルトラマンティガ 真実の光 作:Lotus000
場面によってはキャラごとの視点や三人称視点に変えていく感じです。
「キュアット探偵事務所。ついにこの日が来た……」
桜が咲き、風に吹かれる4月。彼女は建物の玄関の扉に立っていた。
「絶対、テストに受かる!」
被っているハンチング帽に手を添え、宣言するみくる。
これまで探偵テストを受けるために準備をしてきた彼女。
気合も準備も万端だと感じられるだろう。
だが、その前に一言彼女に物申したい。
「ねぇみくる、どうして僕を連れて来たんだ?僕は探偵テストを受けるわけではないのに」
いつものように街中を歩いていた僕はみくるに遭遇した。
彼女は僕を認識するやいなや、「一緒に来てください!」と言われるがままこの場所に来たのだ。
キュアット探偵事務所
以前、みくるが言っていた探偵事務所。
こんなところに大きな建物があったんだな。
「それは~その~……一人だと緊張しちゃうというか~……」
「……やれやれ」
不器用な彼女だけど、緊張するのも無理はない。
テストに受からなければ、探偵になる夢を実現できない。
彼女にとっては、人生をかけて挑むのに等しい。
みくるは事務所の扉を叩こうと右手を握る。
少し震えているが、息を整え声を出そうとした。
「すみませ……んん!?」
突然、僕たちの頭上から光が降り注ぐ。
「空が、光ってる!?」
まるで球体のような光。
光が散る寸前、中から人の姿が見えた。
いや、落ちてきていた。
「……え?」
「うわああぁぁぁぁぁぁ!」
「うええええぇぇぇぇぇっ!?」
「あああああああぁぁぁ!」
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁっ!」
「あああああああぁぁ!!」
突然、空から人が降ってきたことに理解しきれず、僕は声を発することができなかった。
いや、そんなこと考えている場合じゃない。
あのまま落ちてくると、あの子どころかみくるまで危険だ。
「っ……!」
とにかく受け止めなければ。
考えている余裕なんてなく、助けるという思いが頭にあった。
「ポ~チ!」
落ちてきている女の子が抱きしめているピンク色のぬいぐるみが喋ったかと思うと、僕らの身体よりもはるかに大きい風船のように膨らんだ。
「うわっ……!」
「ぐっ……!」
そして、僕ら二人は下敷きになってしまった。
硬いアスファルトの地面と弾力のある重みに挟まれる僕とみくる。
「もう~!何がどうなってるの~!?わけわからないんだけど~!」
煙が晴れ、重みがなくなった感覚を感じると、ぬいぐるみを両手で揺さぶる女の子が大きな声で喋っていた。
「無事だったみたいだ……。良かった……」
落ちてきた女の子に怪我はなかったようだ。
みくるの方も外傷は見当たらない。
それにしても、あのぬいぐるみ……喋ったり大きくなったりと、生き物なのか?
「妖精だ!」
気が付いたみくるが女の子を見て言う。
「ポチ?」
「妖精と一緒ということは、キュアット探偵事務所の名探偵ですね!」
「……えっ?」
妖精……。
え?本当にいるのか……空想じゃなくて?でも、目の前にいるな……現実か。
とゆうか、探偵ってそんな登場の仕方をするのか?
「私、小林みくるです!この人は、私の友人の真ひかるさんです!」
「あっ、私、明智あんな!……って!そうじゃない!」
いや、よく自己紹介できたな。
「妖精って何!?部屋にいたのにどうしてここに!」
一瞬、探偵テストかと思ったがさすがに変だと感じた。
突然光り、空から降ってくる、そして妖精という摩訶不思議な存在。
いくら探偵業を営む人物でも、ここまで非現実的なことはしないだろう。
探偵知識が豊富なみくるもそう思っている。
むしろ、僕よりも先に。
「もしかして、探偵テストはもう始まってる?」
「え」
噓でしょみくる。
今の出来事、全部探偵テストだと思っているのか。
だとしたらあんなさん、演技がうますぎるぞ。
その妖精は腹話術でやり取りしているのか。
「もう~!」
「お答えしましょう!」
右手を顎に添え、探偵のようなふるまいでみくるは自信満々に話し始めた。
「かの有名な探偵、シャーロック・ホームズは、靴の汚れや傷を見てどこから来たのか言い当てます!あなたはズバリ!」
みくるは持参していたのか、ルーペを取り出し、あんなさんの足元にルーペを向けた。
なるほど……
「靴……履いてないね」
「履いてなあああああぁぁい!!?」
みくるの叫び声って癖になりそう。
僕たちは靴屋に来ていた。
あんなさんが事務所の人間かそうでなくとも、靴を履いていないままの状態で放置する訳にはいかない。
ということで靴屋へ来て、今は試し履きをしている。
え?靴屋までどうやって移動したって?
それは……靴下を履いてはいるものの、そのまま歩かせるのも周囲の目が気になるだろうと思ったので僕が彼女を背負って歩いたよ。
周囲の目よりも、みくるの視線の方が気になった。
「ぴったりだ!ねぇ二人とも、どっちのがいい?」
「ピンクの方かな」
「こっち!……じゃない!部屋から落ちてきたなんてありえませんよ!」
みくるのノリツッコミで、僕は我に返った。
「ほんとだって」
「ポチポチ!」
「ポチポチじゃ分からないよ」
やはりカギを握っているのはあんなさんと一緒に現れた妖精か。
「この子……おしゃぶりをしているし、赤ちゃんですね。だから喋れないのかと」
みくるの言う通り、口元を見ると妖精はおしゃぶりを咥えていた。
「えっ!?でもさっき……」
「何らかの理由で赤ちゃんになり、喋れなくなった!今の推理でどうでしょう!探偵テスト合格ですか?」
みくる……まだ探偵テストだと思っているのか。
「何?その探偵テストって……?」
「その質問なら……簡単です!名探偵はいろいろな事件を調べて解決し、人々を助ける!みんなのあこがれ!希望!私は、そんな名探偵になるために探偵テストを受けに来たんです!」
初めて聞いたみくるの決意。
これまでみくるの口からは「探偵になる」ことは聞いていたが、誰かを助ける思いがあるから探偵になりたいのか。
「名探偵ってすごいんだね!」
「よし!」
あんなさんに見えないようにガッツポーズをするみくる。
これ、面接の自己アピールだと思ってる?
「ポチ!ポ~チ~!」
突然、妖精がおしゃぶりを外し、力を溜め始めたかと思えば紐のようなものが出てきた。
それがあんなさんの身体に巻き付いたかと思えば、ポーチになった。
「え?……うわぁぁぁ!?」
妖精に引っ張られ、あんなさんは店の外へと飛び出していった。
そんな彼女の足にはピンク色の靴が。
試し履きをしていたあの靴が。
「あっみくる!あんなさんが履いてる靴、まだ会計してない!」
「あっ……!?うそぉ!?」
「みくるはあんなさんを追いかけて!ここは僕が払うから!」
そう言ってみくるにあんなさんを追いかけてもらった。
なんか今のセリフ、足止めしているかのような感じだったな。
着実に覚醒の時は近づいている。
続きは23時か明日に投稿します!
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