名探偵プリキュア!ウルトラマンティガ 真実の光 作:Lotus000
◆→ひかる視点
□→みくる視点
◆
あんなさんが履いていった靴の代金を支払い、僕はどこかへ行った二人を探していた。
二人の居場所は分からない。
連絡をしようにもみくるは携帯電話を持っていない。
とにかく手当たり次第、二人が向かった方角を中心に探し回った。
ようやく見つけた場所は結婚式場だった。
「いた……!みく……「ティアラを持ち出した方法が分かれば、犯人が分かるはずなのに……。その方法が分からない……」る……?」
みくるは式場内の噴水の縁に腰を下ろし、手帳を見つめていた。
その顔は辛そうで悲しそうだった。
一体何があったのだろうか、とりあえず僕はみくるから話を聞くことにした。
「大丈夫?みくる?みくる!」
「あ……ひかるさん……!」
何度か呼びかけて僕に気付いたようだ。
相当集中していたのか。
「靴は……」
「大丈夫、ちゃんと払っておいた。お店の人が優しい人で良かったよ」
「そうですか……」
安堵の吐息をもらすみくる。
僕はみくるから結婚式場で何をしていたのか詳しく聞いた。
あんなさんと妖精を追いかけ、たどり着いた先がこの結婚式場。
そこで今日、式を挙げる花嫁の想田まりさんがティアラを無くしてしまった。
式自体は代わりのティアラを用意してあるので行えるが、無くしたティアラはまりさんの母親が結婚式を挙げる際にも着けていたもの。
諦めかけていたまりさんの様子、そして妖精の『助けて』という言葉を聞いたあんなさんがティアラ探しを手伝うことを名乗り出た。
ティアラはどこかに置いてきた、忘れた訳ではなく、何者かが盗んでいった可能性が高い。
花嫁の控室に出入りしていた三人が怪しいと見て、話を聞くが手がかりはない。
手がかりが掴めない二人の様子を見て、まりさんは今度こそ諦めようとしていた。
そして、みくるは一人で考えようとしていて今に至る。
「私って……いつも……」
目に涙を浮かべるみくる。
みくるは優しいんだ。
あんなさんが言い出したとはいえ、まだ探偵でもないのに困りごとを引き受け、解決しようと模索している。
靴屋であんなさんに言っていた。
探偵は人々を助ける、と。
一方、僕はどうだ。
探偵になる気もなければ、何をしたいのか、それすら自分でも分かっていない。
その証拠に、みくるを励ます言葉もかけられない。
「みくるちゃん!平気?」
すると隣にあんなさんと妖精がやってきて、みくるに声をかけた。
「分からないんです……これじゃあ、まりさんを笑顔にできない。名探偵にだって……」
「どうして名探偵になりたいの?」
あんなさんは落ち込むみくるに尋ねる。
優しい顔をして、どこか安心するような声で。
「私も、助けられたから。今度は、私が名探偵になって、みんなを助けたい!」
「やっぱりすごいんだね!名探偵なら、ティアラを見つけてまりさんを笑顔にできるんでしょ?」
「えぇ……きっと」
「だったらなろうよ!名探偵に!」
「でも……」
「悩んでるだけじゃ始まらないよ!一歩踏み出せば答えはついてくる!一歩の勇気が答えになる!……だよ!」
「ポチ~!」
あんなさんの言葉に僕も聞き入ってしまった。
みくるの顔も、先ほどの暗い顔の面影はもうなかった。
「みくるちゃん、行こう!もう一度全部調べよう!」
「……はい!」
もう大丈夫。
二人なら出来る、解決できる。
僕なんかがいなくても。
「ひかるさん!」
……え?
「ひかるさんも」
「え?」
「一緒に!」
二人から手を差し伸べられた。
驚いた。
僕も含まれていたのか。
二人のようにそんな明るさはないのに。
でも……
「うん」
その安らぎをくれるような優しさに僕はどこか懐かしさを感じた。
差し伸べられた手をつかもうとした。
そのときだった。
「うわっ!」
「きゃ!」
突然、強い風が吹いた。
その拍子にみくるの髪を結んでいた片方のリボンが宙を舞った。
「リボンが……」
風に遊ばれているかのように宙を舞うリボン。
運よくどこかへ飛ばず、ツツジの植え込みの方へ落ちた。
「危なかった……遠くへ飛ばされなくて良かった~」
植え込みの中に手を入れてリボンを探す。
中に落ちたのは見ていたのだが、意外と見つけるのに苦戦した。
やっと見つけてリボンを取り、みくるに手渡した。
「はい、みくる。時間かかっちゃってごめん」
「ありがとうございます」
「今日、二回目だ」
ふと、あんなさんが呟いた。
「二回目?」
「さっきも植え込みの中に女の子のリボンが入って……」
さっき?多分、僕がいない間に何かあったのだろう。
「植え込みの……中……」
「花……?」
静かになったと思ったら二人の雰囲気が変わった。
「「見えた!これが……答えだ!!」」
「犯人は……!」
「あの人だ!」
どうやら手がかりを掴んだようだ。
僕たちは、事件を解決するために控室へと向かった。
「犯人が分かりました」
僕たちは依頼人のまりさん。
カメラマンの
まりさんの友人の藤井ともかさん。
そして、式場のスタッフの
「隣にいるその彼が犯人なんですか?」
まりさんがみくるに尋ねる。
そりゃあ突然知らない人が同じ部屋にいたらそう思うのも無理はない。
「あっ、いえ!違います!彼は……助手!私たちの助手なんです!」
「はじめまして。助手……のひかるです」
助手って……でも、今はそういうことにしておこう。
いちいち説明して話を脱線してはならない。
優先すべきことがある。
「犯人は今もこの部屋にいます」
「一体、誰なんだ?」
僕の言葉に将太さんが聞く。
「「犯人は……あなたです!」」
あんなさんとみくるがその人物に指をさす。
その人物は、まりさんの友人、ともかさんだった。
「やだなぁ……ティアラはポーチに入らなかったでしょ?外に持ち出せるはずがないよ」
「えぇ、ティアラはまだこの部屋にあるんです。あなたは自分にブーケを投げてほしいとまりさんに頼んで、ティアラをブーケの中に入れた」
「そして、まりさんからブーケを受け取った後にティアラを抜き取るつもりだったんだ」
あんなさんはブーケに手を入れ、何かを取り出した。
二人の推理通り、ブーケの中からティアラが出てきた。
二人の話を聞いていたまりさんたちは驚いた表情をしていた。
ただ一人を除いて。
「フフフ……やるじゃない」
拍手をしながら、ニヤリとした笑みを浮かべるともかさん。
何が可笑しいのか、僕たちは警戒感を強めた。
「でも一つだけ。大きな間違いをしているよ。
ともかさん――否、犯人は服を捲りあげると、本当の姿を明かした。
「ボクはニジー!怪盗団ファントムの、怪盗さ」
「怪盗団……ファントム!?」
「惚れ惚れする変装だったろ?」
やっぱり、ともかさん本人ではなかったようだ。
控室に招いた際、僕の姿を見たまりさんたちは不思議そうな表情をしていた。
何故ならさっき集まった時にはいなかった、僕がいたから。
でも一人だけ……一人だけ反応が違った。
平然を装っていたが、部屋に入ってからずっと手を強く握っていた。
このニジーという人物、僕のことを
「いただくよ」
「あっ……!ティアラが!」
しまった。考え事をしている場合じゃなかった。
ニジーは二人の間を通り過ぎると、あんなさんが持っていたティアラを奪い、窓から逃げ去っていった。
ニジーと僕の関係も気がかりだが、とにかく僕たちはニジーの後を追いかけた。
「待て~!」
「速い……」
全力疾走でニジーを追いかける僕たち。
二人よりも足が速い僕でも、ニジーとの距離は縮まらない。
息が上がる僕たちに対して、ニジーは顔色ひとつ変えずに走り続けていた。
このままでは逃げられるのも時間の問題だ。
「ポチ~!」
「「うわぁぁぁぁ!?」」
すると、後ろにいたはずの二人が頭上を通し越していった。
よく見ると、あの妖精が紐であんなさんの身体を引っ張り、みくるがしがみついていた。
力が強すぎるだろ……と思いながらも、二人がニジーの正面に回り込み、ニジーが足を止めた。
いつの間にか広い場所に来ており、前に二人、後ろに僕でニジーを挟んだ。
「困ったベイビーだね」
「逃がさないぞ!」
「ティアラを返して!」
「できない相談だよ。このティアラには『マコトジュエル』が宿っているんだもの」
「マコトジュエル?」
ニジーはティアラを前のみくるたち、そして後ろにいる僕に披露するかのように説明し始めた。
「花嫁がティアラを大切にする思いが、マコトジュエルを引き寄せたのさ」
ニジーはティアラに手をかざし、握る動作をすると何かを手にしていた。
エメラルドグリーンの宝石が輝き、羽のような模様の小さな宝石。
あれがマコトジュエル……。
「このジュエルをいただくのが、ボクたちの目的。キミもいることだし……」
「……?」
横目で僕を見て、小声で何かを言ったが聞き取れなかった。
「そうだ!ティアラの代わりに、素敵なショーをお見せするよ!」
ショー?何をする気だ?
「ウソよ覆え!いでよ、ハンニンダー!」
ニジーは、どこからか赤い薔薇を取り出し、ティアラに投げ刺した。
ティアラを中心に薔薇の花びらが舞い、そこに何かが見えた。
手足、マント、シルクハット、そして生み出したニジー本人すらも超える巨大な体。
どこかティアラの面影を感じさせる怪物の姿があった。
「ハンニンダー!」
「なんだ……これ……!?」
目の前で巨大な怪物を生み出したことに理解が追い付かない。
未知の存在にただ恐怖という感情が僕の頭を支配する。
みくるも、あんなさんも、妖精も同じだった。
「ファントムが新たに開発した、ハンニンダーさ!さぁ、ショータイムだよ、ベイベー!」
「ハンニンダー!」
ニジーの合図でハンニンダーがマントを振るうと、紫色の斬撃が僕らのいない方向の木々へと放たれた。
爆発したかと思わせるほどの耳を痛めつける音。
丈夫そうな木々がなぎ倒され、土煙が舞う。
警告のつもりで放ったのだろう。
一撃目がみくるたちに向けてではなかったのはニジーの温情か気まぐれか。
だが、次はない。
恐怖をさらに加速させ、死を想起させる。
「フフッ……さぁ、探偵ごっこはおしまいだよ。おびえる瞳が全てを物語っている」
震えるみくるに対して、ニジーは断言した。
「君は探偵じゃない。探偵気取りの真っ赤な偽物だ」
にせもの……だって?
「ん?」
ニジーが僕に視線を移す。
「みくるが……偽物だって言ったのか……?」
「あぁ、そうとも。探偵知識を少し知っているだけの一般人に過ぎない。さっきみたいに犯人を暴いたとしても、何の力を持たない。……
「違う!!」
僕はニジーに向かって言い放った。
「みくるは……みくるは信念をもっている!探偵になりたい決意を。誰かに助けられた経験から、今度は自分が誰かを助ける思いを!」
記憶を失い、目指すものも、何をしたいかの夢もない僕なんかと違う。
「僕とは全く違う、立派で真面目な優しい子だ。そんなみくるを……
ニジーは何も言わず、ただ僕を見ていた。
「ひかるさんの言う通りだよ!」
ニジーが振り返る。
この声はあんなさんだ。
「みくるちゃんは名探偵になるんだ!」
「フフッ、名探偵?流石にあり得ないよ」
「なれる!助けたいって気持ちがあるから!」
「強がっているけど、君も本当は怖いんだろ?」
ここからでは見えない。
でも、あんなさんもきっと恐怖と戦っているんだ。
今のうちに僕はニジーやハンニンダーに気付かれないように森へ入った。
多分、この後ニジーは僕らを始末するためハンニンダーに彼女たちを攻撃するよう指示を出す。
せめて、彼女たちを守らなければ。
命を懸けてでも。
「怖いけど、ティアラを取り返したい!困っているまりさんを私も助けたい!みくるちゃんと一緒に!」
あんなさんの声が森の中を駆ける僕にも聞こえる。
「見せてもらおうかな!その答えとやらを!」
「ハンニンダー!」
来た、合図だ。
予想通りハンニンダーが飛び上がって二人を踏みつぶそうとしている。
持てる力の全てを出して走り続けた。
「みくるぅぅぅぅぅ!あんなぁぁぁぁぁ!」
「ひかるさん!?」
「なっ!?いつの間に森の中を……!?」
まにあえぇぇぇぇぇぇ!!!
あんなさんとみくる、そして妖精を押し出し、ハンニンダーの落下地点から離れさせた。
二人が叫ぶような顔でこちらを見ている。
そんな彼女たちに言い残した。
「後は頼む、名探偵」
僕は……ハンニンダーの攻撃を受けた。
直撃は運よく免れたのだろうが、衝撃波で吹き飛ばされている。
これだけ速いと木にぶつかっても、当たらずとも地面に打ち付けられて大怪我は避けられない。
そして、視界に映る光景がゆっくり動いているように感じる。
スローモーションってやつだ。
これが……死?
視界が真っ白になっていく……
真っ白?こういうのは黒ではなくて?
そう気づいた僕は自分の身体の違和感に気付く。
何かが僕を包んでいる。
とても暖かい。
いや、包まれているんじゃない、僕の身体が粒子みたいになっているんだ。
そして僕は光になった。
□
「あっけない最期だったね。それもまた華か」
大きな土煙が舞い上がる。
ひかるさんが怪物、ハンニンダーの下敷きに……
「これで分かっただろう。もう一度だけチャンスを与えよう。さっさとここから立ち去りたまえ」
「ポチ……」
ニジーが私たちに向かってそう言う。
でも……
「「私たちで……取り返す!!」」
あんなさんと手を繋ぎ立ち上がる。
ひかるさんが私たちを押し出したとき、こう言っていた。
『後は頼む、名探偵』
本当は叫びたい、泣きたい、ひかるさんを探したい。
でも、彼が託した思いを無駄にはできない。
しない、させない。
絶対に。
その時だった。
あんなさんのポケットから光が飛び出すと、目の前に浮かぶ。
「わたしのと……」
「同じ……」
それを手にすると、二つのペンダントが光り輝いて、私たちを包み込む。
「ぷいきゅあ~!」
「「オープン!ジュエルキュアウォッチ!」」
「どんな謎でも、はなまる解決!名探偵 キュアアンサー!」
「重ねた推理で笑顔にジャンプ!名探偵 キュアミスティック!」
「「名探偵プリキュア!」」
「私の答え、見せてあげる!」
気がつけば衣装や髪形などを変えて、自然と名乗っていた。
名探偵……プリキュア……!
「ハンニンダー!」
戻ってきた私たちの前に、ハンニンダーが襲い掛かる。
アンサーと一緒に跳び上がり、同時に蹴り、ハンニンダーを吹き飛ばした。
「私、プリキュアって?」
「名探偵!私がなりたかった、名探偵プリキュア!」
「えぇ!?これが!?」
「ポチ~!」
ついに……!なれたよ、ひかるさん……!
「プリキュアだって?ヤツとは違う……新手か……!?」←ミスティックが夢中になっているのでニジーの話を聞いていない
「ハンニンダー!」
「いっひひ~!ひひひひ~!」
吹き飛ばしたハンニンダーが突っ込んできた。
今度は体を回転させて威力を増している。
一方、私は完全に気を抜いていた。
アンサーも私に意識が向いている。
気づくのが遅かった。
その瞬間だった。
私たちとハンニンダーとの間にとてつもない光が降り注いだ。
あまりの眩しさに目を瞑るどころか手で覆った。
「なにこれ……!?」
「眩しい……!」
「ポチー!?」
「ハンニン……ダー!?」
「今度は一体なんだ!?」
再度吹き飛ばされるハンニンダー。
やがて光が収まっていく。
そこには……
赤や紫、銀色の身体。
右腕を天に突き上げ、左腕は曲げて耳の横に構えるポーズ。
「人……?」
その人?は両腕を下すと上半身を捻って後ろにいる私たちに顔を向けた。
その顔立ちと佇まいは、まるで見返り美人かと思わせる。
金色に輝く胸の装飾。
胸には雫のような形をしたものが青く輝き、視線を釘付けにさせる。
何者かもわからないその人物に、私はどこか安心感を感じた。
ひかる君は記憶喪失の影響もあり自己嫌悪というか自己肯定感が低め。
しかし、友人や知人を傷つける者に対しては怒りを見せます。
たんプリのキャラで好きなのは誰ですか?
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あんな/アンサー
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みくる/ミスティック
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くれあ/エクレール
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るるか/アルカナ・シャドウ&アルカナ