名探偵プリキュア!ウルトラマンティガ 真実の光   作:Lotus000

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ペンの行方を追え!

 ◆

 

 窓からの日差しで目が覚める。

 今回はあの夢を見なかったようだ。

 正面のあんなとポチタンはまだぐっすり眠っている。

 周囲を見回しても、人の気配はなかった。

 ジェットもまだ眠っているのかも。

 僕は二人の朝ご飯を用意するために、キッチンへと向かった。

 

 

 

 

 

 朝ごはんの準備を進めていく中、あんなとポチタン、ジェットの順に起きてきた。

 みんな匂いにつられてきたのだろうか。

 みんなで朝ご飯を食べた後、みくるが来るまで一息つくことにした

 

 と、思ってたんだけどなぁ。

 

 「ポチ……!」

 「ん?ポチタン?」

 

 ポチタンが何かを感じ取ったかのような仕草をすると、あんなの身体を紐で巻きつける。

 これ昨日も見たなぁ。

 

 「おはよう!プリキュアだって証k「ポチ~!」」

 「わぁぁぁ!?おおぉぉぉ!?」

 

 部屋の扉が開くと同時にみくるが現れた。

 しかし、あんなはその横を通り抜け、ポチタンに引っ張られるがまま外へと飛び出していった。

 

 「みくるぅぅぅぅ!?」

 「何だ?」

 「昨日と同じだ!」

 

 僕らはポチタンとあんなを追いかけた。

 

 

 

 ポチタンに引っ張られ、声をあげながら走り続けるあんな。

 

 「待って~!」

 

 そしてそれを追いかける僕たち。

 たどり着いた先は……

 

 

 「はぁ……はぁ……」

 「ケーキ屋さん?」

 「パティスリーチュチュだ」

 「それって確か、昨日ひかるさ……ひかるが言ってた?」

 

 そう、僕の行きつけのケーキ屋。

 ジェットのこともここで見かけた。

 

 「あっ……」

 

 あんなの視線の先を見ると、テラス席で膝をついて何かを探している人物が二人いた。

 その一人は、店長のたいらさんだ。

 

 「たちゅけて」

 

 ポチタンが困った顔をして言うとあんなとみくるは頷き、二人の元へ歩いていった。

 

 「店長さん」

 「あっ、ひかる君!」

 「どうしたんですか?」

 「ペンがないの。店長さんにも探してもらってるけど」

 

 あんなさんが尋ねると、少女はそう答えた。

 

 「エリザちゃん、作家なんだ。この前、推理小説の賞を取ってね」

 「コンクールの時にもらった大切なペンなのに……」

 

 来栖エリザ。

 推理小説の新人コンクールにて、『消えた宝石』のタイトルで大賞を取った17歳の少女。

 そのコンクールでペンをもらったのだが、そのペンがなくなってしまったらしい。

 

 「捜すの手伝います!」

 「無くなった時のこと、教えてください!」

 「ついさっき、おばあさんが話しかけてきて。気づいたらいなくなって、ペンも無くなってたの……」

 

 おばあさん以外に人はいなかったそうだ。

 ポチタン、大切なペン、もしやこれは……

 

 「ポチタンが来たってことはまた事件かも……

 「おばあさんが犯人の可能性も……

 

 二人とも……思っててもヒソヒソ話は目の前でするものじゃないだろう。

 

 「えっ!おばあさんが!?」

 「「聞こえてた!」」

 「素人が……」

 

 ジェットも頭に手を当てる始末。

 あんなは隠し事得意じゃなさそうだし、みくるは声が大きめだし……

 

 「おまわりさん!」

 「いや、まだ可能性というだけで……」

 

 あんなが弁明しようとするが、エリザさんは携帯電話を耳に当てている。

 だが、しばらく経ってもなかなか通話が始まらなかった。

 

 「うん?繋がらない!」

 「通信障害みたいです」

 

 店内へと繋がるドアから人が出てきた。

 

 「あっ、くれあさん」

 「あっ、ひかるくん!いらっしゃい」

 

 出てきたのはくれあさんだった。

 今日、出勤日だったのか。

 

 「帆羽さん、どういうこと?」

 「電波が繋がらなくて、携帯電話が使えない、って今ニュースで」

 「えぇ!?」

 「じゃあ店の固定電話で」

 

 この後警察に通報して、紛失もしくは盗難事件として対処するだろう。

 だが、僕には一つ懸念があった。

 もし、昨日のティアラ盗難事件と同じく犯人が怪盗団ファントムだったら。

 警察で対処出来るのか?

 

 「それより、私がおばあさんを探してきます!」

 「待て。ボクが発明したプリキットだ」

 

 走りだそうとしたあんなにジェットが自身の妖精の姿をイメージした機械を渡した。

 

 「プリキット?」

 「探偵道具だよ。このプリキットボイスメモを使えば連絡できる」

 「ありがとう、ジェットさん!」

 

 ジェットに礼を言い、あんなは駆け出して行った。

 

 「ほら、あんな風に敬語は使うんだぞ」

 「うっ……」

 

 ジェットさんが僕に対して言う。

 ジェットめ……お菓子の食べ過ぎで不健康だ、とか呼び捨てしたことを実は根に持ってるだろ。

 

 

 

 

 

 もう一個のボイスメモを起動したみくるがあんなと繋ぎながら、エリザさんから詳しい経緯を聞くことにした。

 プリキットボイスメモはトランシーバーや携帯電話のような使い方ができるのか。

 

 エリザさん曰く、

 テラス席で原稿を書いていたところ、おばあさんが握手を求めてきた。

 おばあさんはエリザさんのファンだそうで、嬉しい気持ちになった彼女。

 ところがサインをしようとしたところ、ペンもおばあさんもその場から消えていたとのこと。

 おばあさんは緑の着物を着て、髪型はお団子だった。

 

 ボイスメモからあんなの「すみませ~ん!」の声が聞こえる。

 特徴が合致する人物を見つけたのだろう。

 みくると僕はパティスリーチュチュの前の道に出る。

 

 「こんなに見通しが良い場所でいなくなるなんて……」

 

 みくるの疑問に僕は共感する。

 いくら足の速い人物でも、こんなに見通しの良い隠れる場所もない所を音沙汰なしで移動できるとは思えない。

 おばあさんではない……?だが当時、エリザさんとおばあさん以外の人物はいなかった。

 何かヒントはないかと昨日の事件を思い返す。

 

 

 

 まさか……変装!?

 

 「あっ……あんな!その人は!」

 『バイバイ、ベイビー!』

 

 ボイスメモからおばあさんの声が聞こえた。

 

 「そのおばあさんは怪盗団ファントムだよ!」

 

 今の言葉から、既におばあさんは逃げ始めている。

 ベイビーってセリフ……もしや昨日のニジーか!?

 ジェットを呼び、みくると僕の三人であんなのもとへ急ぎ向かう。

 

 「怪盗団ファントムだと!?」

 

 あんなのもとへ向かう中、ジェットが言う。

 

 「ファントムを知ってるの?」

 「まぁな」

 「あんな!今どこ!」

 『おばあさんが公園に入っていく!』

 「公園は……あれだ!」

 

 公園に入ると、既にあんながいた。

 ポチタンを引っさげてこちらに近づいてくる。

 

 「あんな!」

 「みくる!おばあさん見なかった?」

 「見てないよ」

 「そんな……」

 

 どうやら見失ったようだ。

 

 「ボクらはあっちから来た」

 「私はこっち」

 

 この公園の出入り口は、僕たちの方とあんなの方の二箇所。

 にもかかわらず、おばあさんにすれ違うことはなかった。

 柵を越えたか?

 茂みに隠れたか?

 

 「それか、別の誰かに変装しているのかも」

 

 あんなの考えに僕は納得した。

 柵を越えたら誰かしら目撃するはずだ。

 茂みに隠れていたら物音を立てないようにしなくてはならない。

 なんなら手分けして探されれば、見つかるのは時間の問題。

 誰かに変装しているなら、茂みを探っている間に一般人に扮して逃げられる。

 

 僕らは公園内を見回す。

 ベンチに腰を下ろす会社員。

 別のベンチに腰を下ろし、愛を伝え合うカップルの二人。

 携帯電話で誰かと電話をしている女子高生。

 この中の誰かが――エリザさんのペンを盗んだ犯人。

 

 「おっ!?なんか変わったスマホ!」

 「スマホ?携帯電話ね」

 

 女子高生が耳に携帯電話を当てて、誰かと通話しているようだ。

 あんなの時代では、携帯電話ではない別の何かが使われているのか。

 会社員も携帯電話を取り出し、耳に当てている。

 だが、なかなか繋がらないようで何度も操作している。

 

 違和感。

 

 

 

 ……そうか!

 

 「「見えた!これが……答えだ!!」」

 

 あんなとみくるも違和感の正体に気づいたようだ。

 

 「ちょっといいですか?」

 

 あんなは通話中の女子高生に声をかけた。

 

 「んあ?無理。電話してんだけど」

 

 女子高生はきっぱりとした態度で拒否した。

 だが……

 

 「だからこそです」

 「「ペンを盗んだ犯人ファントムは……あなたです!」」

 「はぁ?」

 

 二人が女子高生に向けて指をさす。

 これは勘ではない、ちゃんとした理由がある。

 

 「電話をしているフリ?」

 「今、電話を使えるはずがない。通信障害だから!」

 

 女子高生が衝撃を受けた顔をした。

 どうやらメッキが剝がれたようだ。

 

 「なんで繋がらないんだ?」

 

 同じように電話を使用していた会社員が、首を傾げて公園を去っていった。

 

 「電話繋がらないみたい」

 「でも、僕たちは繋がってるもん」

 「「ねぇ~!」」

 

 ……うん、繋がってるでしょうね。

 カップルも公園から去っていく。

 この公園に残ったのは僕たち。

 そして、女子高生に変装した犯人。

 ジェットは腕を組んだまま、二人の推理に耳を傾ける。

 

 「あなたは逃げていたから気づかなかったんだ」

 「電話をする女子高生の変装は完璧だった。だからこそ、失敗につながった」

 

 違和感の正体は、携帯電話を問題なく使っていたことだ

 エリザさんが警察に通報しようとしたところ、繋がらなかったこと。

 通信障害で携帯電話が使えないことをくれあさんが言っていたこと。

 この二つを思い出したことで違和感に気づけた。

 おばあさんに変装していた犯人は既にチュチュから移動していたため、通信障害が起こっていることなど知らず。

 

 女子高生は観念したのか、ニヤリと笑みを浮かべ拍手をする。

 

 「フッ……お見事。いかにもボクがニジーさ、ベイビー!」

 「やっぱり、昨日と同じお前だったかニジー!」

 

 女子高生の姿から昨日と同じ人物、ニジーが姿を現した。

 しかし、正体を見破られたというのに随分余裕がある。

 

 「ボクの変装を二度も見破るなんて、ご褒美をあげよう」

 「「それは!」」

 

 ニジーはガラス製のペンを取り出した。

 あれがエリザさんのペンか。

 まさか、そのペンを……

 

 

 

 「ウソよ覆え!いでよ、ハンニンダー!」

 

 ニジーは、どこからか赤い薔薇を取り出し、ペンに投げ刺した。

 そこからペンをモチーフとしたハンニンダーが姿を見せた。

 

 「ハンニンダー!」

 「何だ!?こいつは……!?」

 「ハンニンダー……怪盗団ファントムが新たに開発した怪物だ。マコトジュエルが体内に……!」

 

 ハンニンダーのことをジェットに説明する。

 それよりもここにいては巻き込まれてしまう。

 また、二人に怖い思いをさせるわけにはいかない。

 

 「ジェット!僕たちは離れていよう!」

 「お前、マコトジュエルは!?」

 「大丈夫。マコトジュエルもエリザさんのペンも二人が取り返す!だって二人は――」

 

 ファントムからマコトジュエルを守る存在。

 

 「ペンは私たちが」

 「「取り返す!」」

 「ポチ~!」

 

 プリキュアだから。




次回、戦闘です。続きは明日投稿予定です。

感想お待ちしてます!

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