名探偵プリキュア!ウルトラマンティガ 真実の光 作:Lotus000
とうとうあの子も出てきますね~
◆
探偵業を再開、いや、始めるために僕とあんな、ジェット先輩は事務所の清掃をしていた。
ここで生活をする上でも、人を招くためにも埃だらけだった場所をきれいにしておかないとね。
「掃除が終わったらミルクにしようね」
「ポチ~」
ポチタンはご機嫌だ。
本を運んでいる先輩の顔に張り付く。
遊んでる暇はないと先輩は振り払おうとするがポチタンは動かない。
人間でも妖精でも、赤ちゃんは甘えん坊なのだろうと微笑ましく思う。
窓を拭いていると、ピンク色のスーツケースを引いてくるみくるの姿が見えた。
「おかえりみくる!」
「ただいま!ごめ~ん。寮出る手続きで時間かかっちゃっ……「うわぁぁぁ!」」
先輩の叫びが後方から響き、振り返ると本が床に散らばっていた。
「なんか……前より散らかってない?」
事務所内に入ったみくるの第一声がこれだ。
一応、ところどころ綺麗になっているよ……
「あはは……みくるも来たし、みんなではなまる素敵な探偵事務所にしよう!」
みくるも加わり、事務所の清掃作業がスムーズに進んでいった。
「へぇ~思ったより広いんだ!庭も可愛い!」
「だよね~」
事務所の裏には庭園があり、いろいろな種類の花が咲いていた。
庭園の更に奥には個室がいくつか設けられた建物があった。
事務所のはなれにあるその建物には、共有スペースもあった。
「わぁ~!素敵!あと、なんだかいい香りもする」
「前にいた名探偵が使ってたみたい」
みくるとあんなが向かいの部屋になった。
ちなみに僕は先輩の研究室の空いてるスペースで寝ている。
部屋の飾りつけなどを後にして事務所の建物へ戻るため、庭園を再度通っていく。
ふと、庭園の花壇に植えられた植物に視線が吸い寄せられる。
特に目を惹かれたのは、この植物。
まだ開花時期ではないためか、花は咲いていない。
でも僕はこの植物が、どうも印象に残るというか何というか。
「ひかる~?いくよ~!」
みくるが呼びかけで我に返った。
駆け足で事務所の建物に戻る。
あの植物がどんな花を咲かせるのだろうか。
そのころにはいろいろわかるといいな。
とまぁ、こんな感じで清掃とともに、寝る場所も決まっていった。
順調に進んでいることあれば……
「だから順番決まってるの!」
「えぇ~?色で分けた方が可愛いよ!」
「それじゃ実用性なくなっちゃうだろ!」
本棚の整理で先輩とあんなが揉めたり……
「調査時の確証バイアスの除去の重要性か……」
「そこ!手が止まってるぞ!」
「あっはい!」
本の内容に興味を惹かれ、みくるの手が止まってしまうなど……
「やれやれ……」
「インテリアぁ?そんなもんどうでもいいだろ……」
「地図が貼ってあるだけじゃ味気ないし!」
掃除がひと段落したところで僕らは、みくるの提案で事務所内をアレンジしようとインテリアや雑貨を買いそろえるために街へと出かけた。
「お願いしま~す」
ポケットティッシュを配っている女性からティッシュを一つ受け取る。
携帯電話の広告だ。
そういえば、事務所って街から少し離れた場所にあるけど、どうやって来てもらうんだろう。
「来てくれたお客さんも素敵な事務所の方がいいでしょ?」
わざわざ足を運んでくれたし、もてなすことも大事だな。
「お客さんか……もちろん来た依頼は全て基本すべて引き受けるけど、ボクらの使命は怪盗団ファントムを止めることだ」
「分かってるって」
前にも話していたその使命、すでに心得ている。
それはみくるもあんなも同じだ。
するとあんながこんなことを言った。
「ねぇ、ずっと気になってたんだよね。私の時代はウソで覆われた世界じゃないし、ファントムなんて聞いたこともない。ここと変わらないよ?平和だよ?」
あんなの時代2027年では、怪盗団ファントムの存在はないのか。
もしくは公になっていないのか。
「未来は絶えず変わるんだ。ボクたちが頑張らないと、ここもお前の時代もウソで覆われた世界になるかもしれない」
先輩はあんなに対し、そう答える。
僕も付け加えるように話す。
「そうだね。あんなにとってはこの時代は過去のことでも、僕やみくる、先輩にとっては
もしも、あんながポチタンの力でこの時代にタイムスリップして来なかったと仮定しよう。
みくるはティアラ事件を解決できただろうか?
みくるは一人で名探偵プリキュアになれただろうか?
キュアット探偵事務所は再開していただろうか?
僕はティガの力に目覚めていたのだろうか?
あんなの存在は大きな影響を及ぼしている。
既に僕らの歴史は変わっているのかもしれない。
「それに、いけ好かない妖精の手に落ちる可能性がある」
「「え?」」
「いけ好かない妖精って?」
あんなの問いに先輩はこう答えた。
「言ってなかったっけ?ファントムのヤツらも、ボクたちと同じ妖精なんだ」
初耳だよ先輩。
☆
そこは、劇場のような空間。
怪盗団ファントムの
客席が数え切れないほど用意されているが誰一人座っていない、空席の状態。
まるで、公演が行われていない期間の劇場に等しい。
だが、舞台の向かいのVIP席に男が座っている。
その男は貴族風の豪奢な服の上に、騎士のような鎧を着込み、仮面で素顔を隠していた。
男は書見台に立てかけた分厚い本を開くと、白紙のページに文字が現れる。
「『
男は舞台に立つ配下の男、ニジーに対し視線を向ける。
「マコトジュエルを得ねばならぬのに、この失態……」
男は声を荒げることなく 責する。
だが、その言葉の裏に秘められた圧を感じさせる。
その様子を二階席から白髪の大男、そして紫色の妖精を連れた少女が見ている。
「“ウソノワール様”、申し訳ありません。まさか名探偵プリキュアが現れるとは……」
背後に自身の変装や戦闘時の映像が流れていく中、ニジーは仮面の男、ウソノワールに対し釈明する。
すると、
「
「……!おぉ……」
ウソノワールの言葉を聞いたニジーは、これまでの失態を帳消しにする名誉挽回のチャンスだと考える。
「アッハハッ!」
突然、笑い声が劇場内に響くとニジーの背後の幕が開かれ、スポットライトが当てられる。
「今回は、アゲが行くしかないっしょ!」
ニジーの後ろから女性が姿を見せる。
「“アゲセーヌ”!何故おまえが……」
ニジーは不快感を露わにしながら問いかける。
まるで「でしゃばるな」と言いたげに。
「あんたのギャルの変装?チョー下手!有り得ない!チョベリバ~!」
「聞き捨てならないな!」
先ほどの映像を見ていたのか、女子高生に変装したものの、見破られたニジーを煽るアゲセーヌ。
アゲセーヌの言葉にギャルの要素があることから「ニジーのギャルの変装は素人だ」とでも言いたいのだろう。
「また騒がしいこと」
「うん」
二人の口論を紫色の妖精が小さく呟き、少女は二段アイスを食べながら共感する。
「ウソノワール様!このニジーにお任せを!」
ニジーは正面のVIP席に座るウソノワールに対し、マコトジュエル回収の任務に立候補する。
後ろにいるアゲセーヌは腕を交差させて「ダメダメ!」「アゲに任せるっしょ!」と言わんばかりに自分に親指を向けるジェスチャーでウソノワールに訴える。
「行け、アゲセーヌ」
「ハッ?」
「華麗に優雅に奪ってくるのだ」
ウソノワールが下した決断は、アゲセーヌであった。
「イエ~イ!アハハッ!」
「そ……そんな!ボクニチャンスヲ!」
アゲセーヌは両手でピースをしながら喜び、ニジーは諦めまいとアピールをする。
「ライライサー!」
「「ライライサー!」」
ウソノワールの号令に復唱する二人。
ウソノワールの命は絶対なのだ。
アゲセーヌがマコトジュエルを回収に行き、他の団員も劇場から姿を消した。
劇場にはウソノワール、そして二階席の少女と妖精だけが残っていた。
彼らが見ていたのは先ほども流れていたニジーが二度回収に失敗した映像。
名探偵プリキュアが再び現れたことも想定外だったが、それ以上に注目したのは……
「ティガ……か」
ティガ――
かつて、怪盗団ファントムの行動を阻止してきた
あと一歩のところを邪魔した
そして今回、新たに現れた名探偵プリキュアとは違う新たな驚異。
唯一分かっていることは、ニジーの報告からティガという名称のみ。
「ティガ……」
少女は映像に映るティガを見てその名を小さく口にし、妖精を抱えその場を後にしようとした。
「待て。キュアアルカナ・シャドウ」
ウソノワールがキュアアルカナ・シャドウと呼ぶ少女を呼び止める。
「新たに現れたあの戦士――ティガという戦士を調査しろ」
「……っ!」
少女は息を吞んだ。
現状、ティガについての情報はないに等しいものの、戦闘時にのみ姿を現すことは映像を見て分かった。
プリキュアも普段からあの姿ではなく、戦闘時にのみ姿を変える。
ウソノワールは、ティガは
非戦闘時の情報収集、調査は人間である少女が適任だと考え命じたのだ。
「ライライサー!」
「……」
妖精が復唱し、少女は何も言わず頭を静かに下げ、映像を横目で見る。
少女が見つめるのは、名探偵の二人のそばにいる青年、真ひかるであった。
◆
街を歩いていく中、僕らはアンティークショップ「
「わぁ~!はなまる素敵!」
「ポチ~」
「いらっしゃいませ!」
店内にはクッションや木造の棚など事務所に合いそうな家具が揃っていた。
「可愛いもので溢れてる!」
あんなもみくるもポチタンもテンションが高まっているようだ。
一方、先輩は無愛想な顔だ。
どうでもいいって言ってたもんね。
だからってお菓子の大量買いにお金を使っていいわけではないよ?
「ポチ~!」
「これ可愛い!」
「本当だ!」
ポチタンがガラスの置物に興味を示した。
「亀か?これ」
緑色の甲羅に黄色の頭、手足、尻尾まで精密に造形されている。
照明の光がガラスで反射され、より光っているように見える。
赤ちゃんみたいな小さい子どもは光るものが好きだからこの置物が目に入ったのだろうな。
「ポ~!」
「ダメ!ガラスだから割れると大変でしょ」
ポチタンが置物に近づこうとするのをあんなが止める。
「ジェット先輩!この子欲しい!」
「えぇ~?」
あんなが先輩に言う。
事務所に来た人をもてなすとはいえ、あまり事務所内を歩き回ったりしないと思うんだけどなぁ。
ふと、僕は気づく。
「でもこれ、値札がないよ。売り物ではないんじゃないかな?」
「ごめんなさい。それ売り物じゃないんです」
女性の店員さんが僕らに声をかけてきた。
やはり、売り物ではないみたいだ。
「この店のシンボルなんです」
「シンボル?」
「はい。店のみんなで大切にしてて」
店員さんは両手で置物を丁寧に持ち、この置物について話してくれた。
「亀みたいに歩みは遅くても、一歩ずつ前に進んでいこう。そしていつかもっと広くて素敵なお店にしようって。この亀の置物を見るたびに頑張ろうって」
「素敵……!」
「これはお売り出来ませんけど、他のものならご案内します」
「「お願いします!」」
どんなものがあるのか楽しみだ。
僕の寝るところに合いそうな枕も欲しいし。
「あっ、ちほさん。僕が戻しておきますよ」
「ありがとう卓也くん」
店の裏から出てきた若い男性の店員さんがちほさんから置物を受け取る。
「何かお探しの物はありますか?」
「えっと……」
「新しい部屋の飾り付けがしたいんです」
「でしたら……」
ちほさんに案内で、店内の奥へと移動し始める。
卓也さんが置物を元の場所に戻そうとする。
「……」
「ん……?」
「どうした?ひかる」
今、卓也さんとすれ違った時に、視線を感じたような……。
その卓也さんは入店してきた外国人のお客さんと話している。
亀の置物も黄色い身体を上に向け、緑がクッションに触れるように元の場所に戻されている。
「気のせい……か。何でもないよ、先輩。行こう」
違和感を抱きつつも、店内の奥へと進んだ。
「「わぁ~可愛いソファー!」」
奥へとあんないされた場所には、机や椅子など事務所の雰囲気に合いそうな家具が揃っていた。
「口を開けば『可愛い』だな……ソファーならあるだろ」
「でしたらクッションは如何ですか?お持ちのソファーに合わせてみては」
ちほさんの提案を受け、あんなとみくるが先輩を見る。
ポチタンも見てる。
「まぁ……クッションなら」
「今、お持ちしますね」
とうとう先輩の鉄壁ガードを崩せた。
先輩、僕も出すから安心してよ。
ちほさんがクッションを用意してくれる間に色々見てみよう。
「あっ!このカーテンよくない?」
「派手じゃないか?」
「う~ん……なら、これはどう?名探偵って感じじゃない?」
「ウンウン!」
ブラインドに指をかけて外を覗き見るみくるとあんな。
「それ、探偵じゃなくて刑事じゃない?」
「「あっ……あはは……」」
「お前ら……楽しそうだな……」
先輩が呆れたように言う。
なんだか僕も二人の影響を受けて楽しくなってきたかも。
「ポッ!?ポチ~~!?」
突然、ポチタンが慌てた素振りを見せる。
「もしかしてまた事件!?」
「あぁっ!?」
ちほさんの声だ。
店内の奥から声のした入口の方へと向かった。
「どうしたんですか!?」
「ないんです!置物が!」
「さっきまであったのに!?」
置物……このお店のシンボルである、あの亀の置物だ。
それがクッションの上に置かれていたのはずだったのがなくなっている。
卓也さんがそのクッションの上に置いたのをこの目で見た。
「たちゅけて……」
ポチタンが小さく助けを求める。
「これが事件?」
「あの置物にマコトジュエルが宿っていたのかも。ほら、今までにポチタンが連れて来た時って、マコトジュエルが危険な時……盗られた時だったでしょ?」
みくるの話を聞いて僕も共感する。
前のティアラ事件も、ペンの事件もポチタンがあんなを引っ張って現場にやって来た。
ポチタンがマコトジュエルを感知していたのではないか。
「なるほど……ありうるな」
先輩もその可能性があると考える。
今回も怪盗団ファントムが関与している可能性が。
「私達に任せてください!」
あんなが店員さんの二人にそう言うと、みくると一緒にポケットからミニチュアサイズの本とペンを取り出した。
「「オープン!プリキットブック!」」
すると、ミニチュアサイズだったプリキットブックとペンが元のサイズに戻った。
「小さくして持ち運べるんだ!天才だろ!」
先輩、二人は聞いてないよ。
「「私達、キュアット探偵事務所の探偵です!」」
「た……探偵?」
「「事件を解決してみせます!」」
ふと思ったが、同じ言葉をよく同時に話せるな。
バラバラになりそうなのに。
「えぇ、お願いします!」
さぁ僕も探偵助手として頑張らないと。
本編1話分を2、3話まとめて書いてから投稿してます
つまり次回の分、実は完成はしているんです
なので、今は本編4話に取りかかろうとしています
次回も一週間以内に投稿したい!