中指の親方がダンジョンに居るのは間違っているだろうか?   作:アイド

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マティアスって思惑の探り合いとか裏を持って近づいてくる人や神嫌いそうだよね
なんか面倒な相手だと有無を言わさず気に入らないから帳簿に従って腕とか普通に折りそう(小並感)
やっぱ分かりやすくて面白いアツい奴がいいよな!ハハハ!


ラッピングを1枚剥がしてやるとするか!

ヘファイストスがヘスティアの友神だと分かったマティアスは、ヘファイストスの案内で店の内側へと入る。通りかかる数々の工房内からはハンマーの音や何かを話す声が聞こえてくるが、たまに怒声も入ってくる。この怒声を除く絶えず鉄を打ちつける音がマティアスの心を跳ねさせる。

 

「工房と言えばこの音だよな?くぅ〜、熱い鉄がハンマーで打ち付けられる音…男ならこの良さが分かるな?」

 

「あら、それはどうもありがとう。鍛冶神としてもそれには同意するわ。」

 

「ボクはちょっと苦手だな…耳に響くというかなんというか…」

 

「ハハ!娘ちゃんはこれが苦手か!まぁこれからこの良さを知っていけばいいんだ。この音には浪漫もあるんだぜ?」

 

「そうかなぁ…ボク的には穏やかに燃える火のとかが好きだけどなぁ。ほら、ボクって炉の神だし。」

 

「へぇ?そうなのか。神ってのはそれぞれ司る何かがあるんだな!」

 

雑談をしながら歩いていると、鉄の音が聞こえなくなり静かになる。どうやら目的の場所に着いたようだ。そこには使い古されながらも丁寧に手入れされた鍛冶道具や、完成品であろう武器と防具が壁に掛けられている。その見た目から、まさに神の武器の如く力を感じさせる。

 

「ほお…これがお前の作品ってやつか。薬指の作品なんかよりずっといいな!」

 

「薬指がなんなのかは知らないけど、褒めてくれるのはどうも。じゃあ早速なんだけど…その封印、解いてくれるかしら?」

 

「いいが…完全な適性を得た俺でも今のレーヴァテインの力がどのくらいかは分からん。あの時初めて見つけたような力を持ってるのか…それとも何か別の力があるのか。それすら知らないがいいのか?」

 

「ええいいわ。私は常に火と共にあったようなものだから、熱いのには慣れているわ。ヘスティアはどうかしら…」

 

「ボクかい?ボクは…多分平気だと思うよ。マティアス君のスキルには家族に影響がないって書いてあったし…ボクも家族の一員なら大丈夫。」

 

「何そのスキル。初めて聞いたわよ。まぁ今はそれじゃなくて、レーヴァテインよ。その名が付くのは…ロキが関わっているはずなの。」

 

「へぇ?ロキって神がここには居るのか?」

 

「ええ居るわ。ひと言で言うなら天界で大暴れした神よ。今はオラリオに降りてきて丸くなったけれども…何か企むのは相変わらずね。」

 

「んで、その神が関わったのがレーヴァテインっていうのか?」

 

「ええ。天界で一度、あの子は剣を作ったはずなの。ロキも鍛冶が出来たはずだから…それをスルトに渡して色んな神に戦争を仕掛けたんだったかしらね。だからレーヴァテインって名前の武器を貴方が持ってるのが気になるの。」

 

「ほう、そんな逸話があったんだな?俺が家族と見つけたときはビルに突き刺さってたがな。そこで辺り一帯を溶岩に変えてる燃料として扱われてたな!」

 

「貴方が見つけた時はそんな状態だったのね…よし、話はこの辺にして封印を解きましょう。お願い出来るかしら?」

 

「ハハハ!面白い話を聞けたしいいぞ!ここらで1つラッピングを剥がしてやるとするか!」

 

マティアスは周りの神を自分から離れさせた後、いつものようにレーヴァテインを大きく振るって封印を無理矢理外していた時のようにしようとしたが…ヘスティアの恩恵によって完全なる適性を得たことを思い出し、自分の意思をレーヴァテインに込めてみる事にした。すると、武器を振り回す事で剥がしていた一番目の封印がパカリと外れた。

 

「うっ…凄い熱気だわ…!」

 

「…ボクは何ともないね。本当に家族と見なした人には影響がないみたい。」

 

「……レーヴァテインの封印は何段階か教えてもらっても?」

 

「レーヴァテインは3段階だな!こいつは今最初のラッピングを剥がしてやったから、後2枚あるな。」

 

「最初の封印1つでここまで…刃というには太すぎるけど、これ程の熱量があるなら焼き切れそうだわね…近くで見るには少し危険か。」

 

「前よりも熱気が増した気がするな?俺が使ってた時はもう少し控えめだった気もするが…これが本来の力って事か?ハハハ!」

 

「貴方が適性を完全に持っているって事だけど…持ってない人が握るとどうなるか知ってるの?」

 

「あぁ。持ってない奴が持ったら焼け死ぬだろうな?一瞬にして身体が溶けると思うぞ!」

 

「…うん、魔剣のようだけど魔剣のように使っても壊れないような力があるみたい。でもアルカナムを使った力じゃない。ロキの作ったレーヴァテインではないわ。」

 

「そうなのかい?確かにロキって色々暴れてたけど、あんな大きい武器なんか使ってなかった気がするなぁ…」

 

「いえ、恐らく封印を多く施してるからそう見えるだけよ。本当はここにもあるような普通の大剣くらいの大きさかしらね?」

 

「あぁそうだな。だが、とんでもなくアツいぞ!だいぶな!」

 

「ええ、それは感じるわ。この状態でも異常な程の熱気を発しているもの。そろそろ封印してもらってもいいかしら?」

 

マティアスが封印を外したときと同じ要領で戻れと念じると、先ほどパカリと外れていた第一段階の封印の鞘がレーヴァテインに吸い込まれるように収まる。発されていた熱気は収まり、辺りは少しずつ冷まされていく。

 

「ロキの作ったレーヴァテインではなかったけれど、正真正銘それはレーヴァテインね。スルトが使っていたような炎の剣で間違いないわ。まさか、こんな武器があるなんて…アルカナム無しじゃ再現は難しそうね。」

 

「やっぱり、とんでもない武器なのかい?ヘファイストスにも作れないとなると、これを売ったら値段が付けられない程になるんじゃ…」

 

「おっと娘ちゃん。パパはこの伝説の剣を手放したりなんかしないぞ?こいつはパパのだからな!」

 

「わかってるよ、マティアス君の大事な武器だもんね。でも、そんなに凄い物だったんだ…」

 

「…ヘスティア、ちょっとこっちに来なさい。貴方は少し応接室の方でお茶でも飲んで待っていて欲しいわ。椿を呼ぶから、何かあったら椿に伝えて頂戴。」

 

「ハハッ!娘ちゃんと大事な秘密の話があるんだな?じゃあ娘ちゃん、パパは別の部屋で待ってるからな!」

 

「分かったよ。」

 

「椿!お客さんを応接室に案内して!」

 

「呼んだか主神よ!おお!これは大きいお客人だな!こっちに来るといいぞ!」

 

名前を呼ばれたと思った瞬間、奥の方から飛んできたのは椿と呼ばれる女性だ。マティアスを見てすぐに応接室まで案内する。

 

「じゃあ私達は私の部屋で話をしましょうか。」

 

ヘスティアはヘファイストスに手を引かれて連れて行かれた。

 

sideヘスティア

 

「あのねぇ…あんな子、どうやって捕まえてきたの?それにあの武器は?娘ちゃんと呼ばれてる理由は?」

 

「ちょちょっと!そんなに一気に聞かないでおくれよ!今日はそれを話に来たんだから!」

 

「一つずつ答えて頂戴。まずあの子は何処から?」

 

「えっと、マティアス君は外から来たんだ。」

 

「外からって、何処の外よ。オラリオの外?」

 

「え〜っと…この世界の外?」

 

「はぁ〜〜!?よく分かってないのにファミリアに入れたの!?」

 

「ひっ…怒らないでおくれよ。マティアス君は悪い人じゃないんだ…」

 

「嘘を付かないのは分かるわ。ただ、危うい性格をしているのがすぐに分かったわ。端的に言うと子供っぽいけれど、それだけじゃない。あの子がこの店で開いた本、分かる?」

 

「…もしかして、君のお店で仕返し帳簿を開いたのかい?」

 

「えぇ。貴方の言いつけか何かを守っているような言動はしていたけれど、あの子自身の侮辱を私の子供がしてしまった時に、殺意が溢れていたわ。それに、少し帳簿の中身が見えたのだけど、事細かく何をされたらどう仕返しをするのかが書かれているのが分かるわ。」

 

「うん…仕返し帳簿には最初ボクも驚いたさ。でもあの子は、オラリオよりも物騒な世界で生きてきたんだ。そしてどの子供よりも純粋と言えるほどに、自分本位で生きてきた…けれど、ボクはマティアス君から色んな話を聞いてから思ったんだ。」

 

「…聞いてみましょうか。」

 

「あの子は…育つ環境が悪かったんじゃないかって。生まれた時から死と隣り合わせで、暴力が当たり前の組織で生きてきて、その暴力を振るえば褒められるような世界だったんだ。そんな場所で育てば誰だってあんなふうになっちゃうんだよ。じゃなきゃ、家族の為なら犠牲になっても痛くない。なんて言葉を本気で信じてるわけないもん…」

 

「…そう。」

 

「それに!あの子にボクが他人を傷付ける事を出来るだけやめて欲しい事とか、家族の為なら犠牲も痛くない。なんて考え方をこれからのボクの家族達にも強要して欲しくないって伝えたら…すぐに分かったと言ってくれたんだ。むしろ、ファミリアの長兄として守ってやるとも言ってくれたんだ。どの言葉にも嘘は1つも入ってなかったんだ…だからボクは信じた。」

 

「…はぁ、そうね。ヘスティアが信じているならいいわ。私も友神として信じてみるわ。」

 

「本当かい!?」

 

「ただし。危うい所は変わってないと思うわ。だから、ヘスティアがしっかりと面倒見てあげなさい。」

 

「分かった!ボクがマティアス君を少しずつ変えてみせるさ!」

 

「悪いけど、次の質問させてもらうわよ。レーヴァテインは多分その外の世界ってところから持ち込んだんだろうなってのは想像つくから…そうね、娘ちゃんって呼ばれてる理由が知りたいわね。」

 

「それかい?なんか、ボクを初めて見た時からそう呼んでたんだよね。なんでも、その外の世界でも娘ちゃんって人が居たみたいだから…似てたのかな?」

 

「ふぅん…結構自然に受け入れたの?」

 

「なんか定着しちゃった…?ボクの前ではパパって言うし、なんだか親子みたいで変な気分さ。」

 

「ふふふ…ヘスティアには懐いているのね、あの子。相性良いんじゃない?」

 

「ボクの言うことはしっかりと聞いてくれるし、頼りにするつもりさ!ただ、外で娘ちゃん呼びはちょっとやめて欲しいんだけどね…」

 

「良いじゃない、親子関係。ヘスティアって家族を求めてたと思うんだけど?」

 

「それはそうだけど…なんか違うじゃないか!」

 

「ふふ。ただ、あの子結構他の神との相性が悪そうね…ヘルメスとか最悪じゃないかしら?」

 

「確かに胡散臭いタイプは苦手そうだなぁ…後はロキも相性悪そうだね。裏を探ってきたり何か思惑を忍び込ませるタイプは嫌いって言いそうだし!」

 

「他の神っていうか、ヘスティアと私以外とは極端に相性悪そうだから気をつけるのよ?あの子の武器なら簡単に天界送り出来るだろうし…神との関わり方も教えておきなさい。後は外から来たのも隠しなさい。」

 

「それは隠してるよ!神って知らないものとか珍しいものにすぐに飛びつくんだから…隠さないとやっていけないよ。」

 

「まぁ…隠していてもあの格好じゃとても目立つと思うわ。」

 

「それはそうなんだけど…ボク自身がマティアス君のあの白いスーツとサングラスに紫色のコートを見慣れちゃって、他の服を着られると違和感出ちゃうかも?」

 

「それだけ似合ってるのは分かるわ。でも少しはオラリオに合った格好もさせなさいね。あれじゃ悪目立ちするわよ?」

 

「わかったよ…ヘファイストスに話せてよかった。」

 

「はぁ…あんまり私を頼りにしないでね?仕事もあるから疲れるんだから。」

 

「ボクの親友なら大丈夫だろ?これからも頼りにしてるぜ!」

 

「調子良いんだから。」

 

「えへへ。そういえば応接室に案内されたマティアス君は大丈夫かな?」

 

「椿に任せたけど…今思うと失敗だったかもしれないわね…椿がレーヴァテインに興味を持たない訳がないわ。」

 

「変な絡まれ方すると仕返し帳簿開いちゃうかもしれないよ!見に行かない?」

 

「分かったわ。あっちよ」

 

sideマティアス

 

ヘスティアとヘファイストスが話をしている中、椿と一緒に応接室に居るマティアスは、目の前でキラキラとした目をしてレーヴァテインについて聞きたいと言わんばかりにウズウズしている椿に少しだけ困っていた。

 

「お主!先ほど何やら主神に話しかけられていたようだな?」

 

「あぁ…俺の武器を見たいと言われてな。見せただけだな。」

 

「手前にも見せてもらえないか?主神が見たいという武器…手前にも見せて貰わなければならないだろう!」

 

「俺の大切な伝説の剣は渡さねぇぞ。それにここは別に解放していい場所じゃねえ。ここで大人しく待っててほしいと言われたしな?」

 

「かぁ〜伝説の剣か!さぞかし強い力を秘めた剣なのだろう!」

 

「ハハッそうだな!自慢の伝説の剣だ。」

 

「頼む!手前にも少しだけ見せてくれ!将来手前は主神を超えるほどの武器を作らねばならんのだ!そのためにはどんな武器でも参考にしてやらなければならん!」

 

マティアスは身を乗り出して頼み込む椿の姿に、情熱を感じた。初めて会ったというのにただひたむきな想いをぶつけられた事を考えると、鍛冶に対するアツい熱意を評価せざるを負えない。

 

「ほう…お前、椿と言ったか。中々にアツいな!」

 

「そうであろう?手前は育てられる前の熱された鉄よりもアツいであろう?」

 

「ハハハハ!気に入ったぞ!お前には裏もない。そして中々にアツい性格は俺好みだな!俺の伝説の剣を少し見せるくらいならいいだろう!」

 

マティアスは封印は解かず、鉄の塊のまま椿に見せる。椿には触れずに近くで見る程度で済ませるように言いつける。椿はほんの少しだけ残念そうな顔をしたが、見れることが重要だと思ったのかすぐに納得した。

 

「ほう…!これが主神も見たいと言っていた剣か。まだ鞘に納められた状態と言っていいが、この状態でも僅かに火の熱さを感じるな?それにこの鞘…2重…いや3重か?力を段階的に解放する為の封印と言っていい物が複数付いておるな?」

 

「見るだけでそこまで分かるんだな?面白いな!」

 

「沢山の武器を見て作り上げて来たからな!手前の腕前も、見る目も勿論鍛えられてきのだ!」

 

「ハハハハ!いいぞ、椿!娘ちゃんの友神が呼ぶだけはあるな?」

 

「娘ちゃん…お主、主神をそう呼ぶのか?」

 

「そうだ。ファミリアって言うならもう家族だろ?」

 

「お主も面白い男であるな!主神をそう呼ぶ奴は初めて見たぞ!手前もお主を真似して主神を娘と呼ぶのも面白そうであるな?今度酒が入った時に面白半分でやってみたいのだ。」

 

「椿とは気が合いそうだな?オラリオに来て一番のお気に入りだな!ハハハハ!」

 

「これからも宜しく頼むぞ?」

 

「あぁ。」

 

差し出されて手を握りアツい握手をする。その後も隻腕の理由や武器の封印を解くとどうなるのか、防具はどうしているのかと質問をされたが、外の世界から来た事を丁寧に隠しながら答えた。

 

「なるほど…お主も中々にアツいな!」

 

「お互い様だろ?さっきも言ったが、お前みたいな奴は嫌いじゃない。ファミリアが違うから家族同然とまでは行かないが、ヘファイストス・ファミリアとは宜しくやっていかねぇといけねえな!」

 

「聞いた所によるとお主にはもうこれ以上武器防具は必要なさそうに思えるが…」

 

「ハハッ!俺には必要ないが、今後入ってくる弟や妹には必要だろ?だから、その時はお前の所から買うとしよう。」

 

「そりゃ有り難い!ここの武器防具はどれも一級品であるため、何を手に取っても良いだろう!お主のファミリアを守る為の剣と盾を作ってみせよう!」

 

「頼もしいな?ハハハ!」

 

仲良くやっていると、応接室の扉が開いてヘスティアとヘファイストスが入ってくる。仲良くしている所を見て、2神は安心したような様子を見せた。

 

「よかった〜マティアス君が仲良くしてて。もし合わなかったらどうしようかと思ってたよ!」

 

「ハハハ!娘ちゃん、パパはここが気に入ったぞ!今後はここで家族の物を買おうと思ってるがどうだ?」

 

「それ程に気に入ったのかい?なら、ボクはそれでいいよ。」

 

「よし、決まりだな!さて…まだ見ていかなきゃならない所があるからここら辺で終わりとしたいが…いいか?」

 

「えぇ。今後とも宜しくね。」

 

「次に来た時も手前を呼べば相手になろうぞ!」

 

「ハハハ!こりゃ娘ちゃんはいい友神を持ったな!パパは嬉しいぞ!」

 

「ヘファイストスはボクの神友だからね!当然さ!」

 

「世話になったな。じゃあな!」

 

ヘファイストスと椿に見送られながら店を出る。まだ日は高く昇っているが、昼食の時間を知らせるように腹が鳴る。ヘスティアも同様のようで、2人で何処かの屋台で昼食を取ることにした。




中途半端に終わったかもしれないけどこの後の事を考えたら一旦区切りたかったのです…許してヒヤシンス★
冷やすなアツくなれ
後早くダンジョン攻略とか原作主人公合流とかしたいなぁ…早く書き進めないとなぁ…でもちゃんとキャラの理解度深めたいなぁ…

マティアスがベル君を呼ぶ時はなんて呼ぶ?

  • ベル
  • 息子ちゃん
  • 末弟
  • 特定の呼び方をしない
  • 場面によって変える
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