中指の親方がダンジョンに居るのは間違っているだろうか? 作:アイド
いいよなぁ!イリワラァ!
あ、少し短めです。でもやる気は出すのでこの次の話は長くしたいです
マティアスがホームを出ていった後、ベルと2人きりになるヘスティアは少し気まずそうにしながらも話しかける。
「ねぇ、ベル君はどうしてオラリオに来たんだい?」
「あ、はい。オラリオには夢を叶えに来たんです…昔、おじいちゃんが言っていた夢でした。」
「あぁ、それは加入するときにも言ってたね。後でその夢を聞こうって言ったんだったよ。」
「はい!僕の夢は…!」
「…ごくり。」
「ハーレムです!」
ベルの堂々とした宣言にヘスティアは固まる。夢といい掲げた物はあまりにも不純で、しかし本人の目はあまりにも純粋で。そのチグハグさに脳の処理が追いつかない。
「えっ…と…その、ハーレムってあの…?」
「はい!僕のおじいちゃんがいつも語ってたんです。女の子に囲まれるハーレムこそ男の夢だって!僕もそれを聞いて、オラリオなら叶えられるって思ったから来たんです。まぁ、ほとんどのファミリアには断られてしまいましたけど…神様の所に入れて良かったと思います。」
「…うーん…?あ〜えっとハーレムライフをボクのファミリアでやりたいのかい?」
「おじいちゃんはファミリアで出来るって言ってたので…。」
「〜〜〜〜ッ!君のおじいちゃんは余程の色情魔か大馬鹿者のようだね!?ハーレムなんてとんでもない夢物語、いや不純すぎる夢だよ!」
「えぇ!?そんなにダメなんですか!?」
「ダメダメダメに決まってるさ!なんだい、ハーレムって!女の子に囲まれてそんなにいいのかい!?」
「僕は…嬉しくなるとは思いますけど…。」
「………はぁ。まぁ、君の夢は分かった。もうファミリアに入ったし別に追い出すつもりもないよ。」
「本当ですか!」
「ただし!ボクの目が黒い内はファミリアでそんな事はさせないよ!ボクのファミリアはそんな不純なファミリアではないようにしたいんだ。胸を張って外を歩きたいし。」
「はぁ…分かりました。」
「それから、街の中でナンパみたいな事はしちゃダメだよ?いいかい?」
「そんな事はしませんよ!声をかけるのも怖いくらいですよ…オラリオの女性は皆強いですし…それに、なんかそういうのは良くないと思いますから。」
「何でここは純粋なの…?夢だけがおかしい…教育のせいだな…。」
ヘスティアは少し小さいため息を付きながら、ベルに改めて言う。
「ひとまず、ボクのファミリアへようこそ。まだまだ作りたてだけど、頼れる先輩はもう見ただろ?これから宜しくね!」
「はい!あ、所で気になってたんですけど…マティアス先輩はどういう方なんですか?嵐のように大騒ぎして…まるで親戚のおじちゃんの様な雰囲気を感じたんですけど。」
「マティアス君のことだね。うーん…どこまで話した物かな…。」
「僕的には片腕の理由が気になってた仕方がないです。後、話していた刺青の事ですかね?」
「片腕の理由と刺青かぁ…まぁそれくらいならいいかな?どっちから聞きたいかい?」
「うーんと…話してて良い方が先にしてくれると嬉しいです。」
「なら刺青かな。マティアス君の刺青は…名前はなんて言ったかな。中指の刺青だったかな。」
「中指の刺青?」
「うん。昔居た組織で使われてた共通の刺青なんだって。なんでも、その刺青が濃ゆければ濃ゆい程力が増すんだよ。」
「刺青だけにもそんな力が…僕にもいつかやるんですか?」
「いや、刺青は中指って組織の物だし、専用の道具がないと出来ないみたい。それに、中指って組織はオラリオにはないんだ。」
「オラリオの外なんですね…確かに、オラリオの外は神様が居ないですもんね。そういう力に頼ってモンスターを倒す人達が居てもおかしく無さそうです。」
「まぁ…そういうことにしておこうかな。とりあえず刺青はこんな感じ。マティアス君はとんでもなく濃ゆいから力もすごいぞ!」
「やっぱりそうなんですね…因みにレベルはどのくらいなんですか?」
「入ったばかりだから1だね。」
「1…えぇ!?」
「うん、間違いなく1。でもあり得ないくらい強いからギルドには4って言ってるよ。」
「偽造して良いものなんですか…?」
「ダメに決まってるよ!でも、レベル1があんなに強いなんて普通におかしいから、ボクがチートしたと疑われる可能性もあるし…見たことないスキルしかないから好奇心旺盛なそのへんの神様に絡まれる事も考えたらね。偽った方がまだマシと考えたのさ。」
「なるほど…教えてくれてありがとうございます。」
「さて、刺青はこんな所にしておいて…片腕の理由だね?」
「は、はい。何かダンジョンで事故を…?」
「いいや…マティアス君の腕は、娘に斬られたんだ。」
「娘さんに…え?」
「色々あったんだと思う。ボクにも詳しい過去は分からない。でも、腕の話をしてくれた時に嘘は全くついてなかったんだ。神は子供の嘘を見抜ける力があるから、間違いないよ。」
「そんな…家族…娘さんに…?」
「マティアス君は人としてズレてる。感覚も考え方も全然違う。まるで、夜の裏路地に潜むギャングのような感じさ。ボク等とは全く違うんだ。」
「そう…なんですね。」
「あぁ。でも、悪い子じゃない。ただあの子は自分が中心にあるだけなんだ。少なくともボクはそう感じた。中指って所で育ったのが悪いとも言えるかもしれないけど…家族を大切にする考え方は本物だよ。」
「それでも娘さんに斬られたんですね…片腕を。」
「きっとマティアス君はその娘さんが斬りかかっても抵抗しなかったんだろうね。ただの反抗期か、それとも自分に不満があってこういう事をしてしまっただけなんだと思ってね。」
「………。」
「正直、ボクにもよく分からない。だって、ちゃんと育てられた子供が本気で『家族の為ならどんな犠牲も痛くない』を本気で信じると思うかい?それも、他の人もそうだと本気で思い込むのも。」
「………。」
「その斬り落とされた腕も、家族の為ならどんな犠牲も痛くないと本気で思ってたんだよ。だからそれを他人にも要求出来る。家族ならそうなんだ思うから。」
「おっと…片腕の話から大きく逸れてしまったね。とにかく、マティアス君は娘さんに腕を斬られたんだ。」
「…なんて言えばいいのか分からないんですけど、1つだけ思える事がありました。」
「なんだい?」
「僕を末弟と呼んでました。そして気に入ってくれました。だから、どんな過去があっても僕は僕のままでマティアス先輩を支えたいと思います。まだどうしていいのか、はっきりとはしないんですけどね。」
「うん、ボクもそう思ってるよ。マティアス君は言えば聞くんだ。だから、ボク達でマティアス君が大変な目に遭う前に支えていこう。きっと、そうしてる間にマティアス君も変わるさ。」
「はい!」
「いい返事だ!まぁ、もう夜も遅いんだ。今日は寝るとしようか。」
「僕が床で寝ますよ!神様はソファー使って下さい。」
「何を遠慮してるんだい!もうボク達は家族で、これから過ごしていく仲間さ。ほら、こっちにおいで。」
「えぇ!?そんな急に言われても僕もちょっと困ると言うかなんというか…。」
ベルがドギマギしているがヘスティアはソファーに横になって、ただベルが来るのを待つ。その様子を見たベルは諦めて近くに座る。
「あの、流石に一緒に寝るとかはどうかとも思うので…これで勘弁して下さい…。」
「まぁ仕方ないか。マティアス君がおかしかっただけなんだ。ボクはもう寝るけど変な事しないでね?」
「しっしませんよ!おやすみなさいです、神様。」
「あぁ、ベル君もしっかりおやすみ。」
夜は深まり、静かに過ぎ去っていく…しかし、もう1つ大きな怨恨が積もる所があった。
〜〜〜〜〜〜〜〜
「アイズたん〜!ウチにお酒のお酌してや!」
「ごめんなさい…。」
「つれへんなぁ!まぁそこがアイズたんのいい所なんだけどな!フィンはおらんのか?」
「フィン団長は、多分食堂に居ると思います。」
「そかそか。ほなウチがフィンを呼んどる〜って言っといてな。ちょっと話があんねん。」
「分かった。」
アイズが食堂で食事を取っている最中のフィンを呼び、フィンはロキの元へと向かう。
「なんだいロキ。僕はまだ食べ終わってないんだけど。」
「そない事言わんといて〜。ま、すこ〜し気になる事があったから呼んだねんけど。」
「…もしかしてアレかい?」
「おっ察しがいいのは助かるで〜!個室でいいか?」
「その話をするなら、リヴェリアも呼んだ方がいいと思うよ。リヴェリアもかなり気になってるみたいだからね。」
「ん〜、ならリヴェリアたんも呼ぼか。なんならガレスも呼んでもええんとちゃうか?」
「お酒で口を滑らされてもいいなら呼ぶよ。」
「あっすみません。リヴェリアたんのみでお願いします。」
「分かったよ。呼ぶついでに残してる物も全部食べてくるよ。」
「じゃあウチの部屋来てな〜。待っとるで!」
「あぁ。」
フィンは食堂に戻り、残していた食事を早めに食べ終えた。そして、近くに座っていたリヴェリアに声をかける。
「リヴェリア、少しいいかい?」
「フィン。何かあったのか?」
「ロキが僕を呼んだけど、恐らくリヴェリアも聞いた方がいい話だからね。来るかい?」
「勿論行こう。」
「話が早いね。ロキの部屋に集合で。」
ロキの部屋に着いた2人が部屋を開けると、酒の準備をしたロキが出迎えた。
「よう来たな!さ、入りや。」
「お邪魔するよ。」
「失礼する。」
「ま〜積もる話もなんや!まずはコイツで一発気分上げてこうや!」
「飲まないとやっていけないくらい内心荒れてるみたいだね。」
「正直、私も分かる気もするがな…一杯くらいは付き合おう。」
「おっなんや!リヴェリアたんも飲むんか!」
「用意したのはお前だろう…。」
「ははは、じゃあ僕も一杯は飲もうか。それで、話したい事は大体見当つくけど…ロキから聞こうかな。」
3人はグラスを突き交わし、一旦口を付ける。
「かぁ〜っ!これこれこれや!飲まんとやってられへんな!んで、話やねんけど。最近うちのアイズたん何かあったやろ?」
「やっぱりその話か。」
「僕も最近変わった様に思えるね。なんと言えばいいかな…数日前に誰かに何か入れ知恵されたような感じかな。」
「私もその変化は気になる所だ。小さい頃のアイズの復讐に染まり切った表情が、最近ようやく安定して来たと思えば…何故かまた復讐と言っているじゃないか!」
「ホンマに誰がウチのアイズたんに入れ知恵したんや!許さんでホンマ!!」
「今日もダンジョンから帰ってきたけど、少しまた変わったと思うね。」
「何ィ!?どんな変化やフィン!」
「うーん…ダンジョンから帰ってきてからの変化だと思うから、ダンジョンの行きか帰り。もしくはダンジョン内で誰かと接触した可能性はあるね。」
「変化の内容は言えるか?」
「僕的には、言動の変化はあまりないけど動き方に少し違和感を感じたね。」
「動き方にィ!?違和感!?嘘やろウチのアイズたんに何処とも知らん馬の骨がダンジョン内で襲ったっちゅうんか!?!?」
「ロキが思ってる様な事じゃないと思うけどね。ただ、普段傷1つ負わずに帰ってくるだろう?」
「あぁ、極力傷付かないように言いつけているからな。」
「少し観察したけど、腕とか足に細かい傷が見えた。回復したら跡は残らないレベルだと思うけど、戦い方が変わったか…それとも危険な場所まで1人で言ったかな。」
「また危険な場所に1人で行く事はないと思いたいが…つい最近の言動に復讐が出てきたことを考えれば、あり得なくはない。」
「リヴェリアママぁ…ウチのアイズたんがまた怖くなってもーた…何とかしてよ〜。」
「くっつくな!酒が入ると面倒になるんだから止めておけばよかったな…。」
「…僕は恐らく戦い方を変えたと予想するよ。」
「…理由は?」
「あの細かい傷の付き方は、無闇矢鱈に突撃しただけでは付かないはずだ。アイズの戦い方は被弾を避けるようになってるからね。でも、以前のような命を賭けた攻撃に対して前に進むような戦い方に戻したのならあり得る事だ。」
「ふむ…私も同意見だ。フィンが言語化してくれたお陰で分かりやすくなったな。」
「ダンジョンに行ってからの変化っちゅうんなら、そのダンジョン内で誰かと関わったからそうなった可能性があるんやな?」
「まぁ、可能性としてはそうだね。」
「はぁ…直接聞くとしようか。」
リヴェリアは立ち上がり、扉を開ける。するとアイズがそこに立っていた。
「おお!アイズたん!何か用事でもあったんか〜?」
「聞き耳を立てていたんだ。そもそも防音室に行かなかったのはアイズを誘き寄せる為にだろう?」
「さて、アイズ。こっちに来てくれるかい?」
「うん。」
「何があったのか聞かせてくれるかな?」
「えっと…それは…ごめんなさい。」
「「「!?」」」
アイズの予想外の反応に3人は驚く。今まで何かあれば素直に話していたアイズが、拒否をしたからだ。
「そんな…アイズたん反抗期なってもーたん…?」
「いえ、別にそんな事はありませんけど…話せないんです。」
「私にもか?誰にも言えない秘密なのか?」
「はい…ごめんなさい。」
「団長の僕もダメかな?」
「本当に…ごめんなさい。」
「フィン、ロキが途轍もなくショックを受けて固まってしまった。」
「大丈夫、後で動き出すから。アイズ…本当に…誰にも話せないのかい?」
「はい。そう約束したので…。」
「そうか。なら仕方ないね。いいよ、部屋に戻ってゆっくり休んでて。」
「ありがとうございます。」
アイズが退室した後、固まり続けていたロキがようやく動き出す。
「…………る。」
「何だって?」
「ウチのアイズたんに何かした野郎を絶対にブチ殺してダンジョンのモンスターに食わして野糞にしてから死ぬ程侮辱してやる!!!!」
「おい!?落ち着けロキ!」
「あんなん男以外あらへん!!!ダンジョンデートか?その男に影響受けて変わりました?その男については何も話せません?ウチのアイズたんがああああ!!!」
「はぁ…ロキ、多分そうじゃない。」
「………何やと?」
「モンスターに復讐する事しか考えてこなかったアイズが、いきなり男作って帰ってくるなんてことはないよ。でも、人に影響受けてこうなった可能性は高そうだね。」
「どちらにせよウチのアイズたんに悪影響及ぼしてるやんけ!!絶対に許さんぞムシケラ共!!!」
「五月蝿いぞ!いい加減落ち着け!」
「リヴェリアたんはこれでええんか!少し前のアイズたんに逆戻りの可能性すらあるんやぞ!」
「たん付けもやめろ!アイズが前の状態に戻るのは私も嫌だが、そうと決まった訳ではない!何も確証がないのに騒ぐのをやめろと言っているんだ!」
「そうだね。今は何も分からないし、僕達の予想を立てただけに過ぎない。そこまで荒れる必要はないよ。」
「ホンマに?ウチのアイズたん大丈夫?」
「僕には今の所分からない。リヴェリアはどう思う?」
「私か。アイズに悪影響なら関わるのをやめろと言わなければならないが…私がこれまでアイズを見てきた中で、こうした変化を与えられる者はそう多くない。ならば少し見守りたい気持ちもあるな。」
「ふむ…なら、今回の件は一旦終わりにしようか。これ以上話してても意味は無さそうだ。」
「ロキよ。済まないがこれで失礼させてもらうぞ。」
「…分かったわ。ウチも今はそういう事にしといたる。ただそのアイズたんと関わったであろう男は絶対にブチ殺してやるけどな。」
「男とも限らんだろうが…全く、そう殺気立つな。見守りでいいな?」
「わーったわーった!ここは我慢するから。ほな、フィンもリヴェリアたんも時間取って悪かったな。行ってもええで。」
「夜も遅いし、あまり酒を飲みすぎないようにね。おやすみロキ。」
「二日酔いするなよ。介抱するのも面倒だからな。」
それぞれ言葉を残してロキの部屋から出ていく。ロキは少しだけ窓を開けて頭を冷やそうと努力する。
「はぁ…少し頭冷やさなアカンわ。だけどやっぱり気になるねんなぁ…ちょくちょく話しかけて探り入れたろかな。アイズたんならポロっと情報落っことしそうやし。」
気持ちのいい夜風がロキの部屋へと入ってくる。手に持つ酒瓶をグイッとあおり、中身を一気に流し込む。
「今は飲まへんとやってられへんくらいショックやからな!リヴェリアママには悪いけど、ウチはこのまま飲んだるからな!!」
こうしてロキは翌朝に大変気持ち悪い二日酔い状態になり、案の定リヴェリアに絡み説教された。少し後ろでガレスが酒を飲んでいたのなら一緒に飲みたかったような顔をしていたのは内緒ではあるが。だが、それでもオラリオの朝が新しく始まる。
ロキファミリアの理解度も深めてぇなぁ…マティアスと絡んだら面白いことになりそうな奴らばかりだ
息子ちゃん呼びが一番多いけど、ベル単体も同じくらいだから場面で使い分けようかなと思いました
マティアスがベル君を呼ぶ時はなんて呼ぶ?
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ベル
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息子ちゃん
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末弟
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特定の呼び方をしない
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場面によって変える