【名探偵コナン】二次創作、SS集   作:夜明けの栞

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研二&諸伏、キッド、千速だけ、コナン&世良、羽田秀吉、ジン&諸伏高明


その他キャラ

萩原家。

「千速!友達連れてきた!」

(また騒がしいのが来たか……)

ところが現れたのは礼儀正しそうな諸伏だった。

「はじめまして」

千速は目を瞬く。

研二は笑う。

「千速、キッキンも使うぜ」

「え?」

諸伏の肩に手を乗せる。

「こいつがコーヒー淹れっから」

 

研二は親指で部屋を差す。

「あとで部屋にも行くぜ!」

「萩の部屋か、楽しみだな」

諸伏も屈託のない笑顔で応える。

普段と違う雰囲気の弟の友人を見て、千速は肩をすくめた。

やがてお盆をもって諸伏が現れた。

「お待たせしました」

コーヒーのいい香り。

エプロン、穏やかな微笑み。

丁寧にカップを並べる姿。

いつもの風景が明るくなる。

本当にカフェに来たみたいだった。

静かに千速は一口飲んだ。

「……!」

程よい苦味を感じたあとすっと抜ける感覚。ちょっとだけ酸味。

「美味しいよ」

「よかった」

諸伏はお菓子も勧める。

「どうぞ」

「君が作ったのか?」

諸伏は控えめに笑った。

千速はクッキーに手を伸ばす。

コーヒーを飲み、またクッキーに手が伸びる。

(……止まらないな。)

甘さと苦さのハーモニーに乗って、千速の手は休まることがない。

早くも千速のカップは空になりそうだった。

諸伏がすぐに聞いて、おかわりを淹れた。

「残りのコーヒーの粉とお菓子も差し上げます」

千速は目を輝かせた。

「諸伏君!またいつでも来てくれ!」

その後、研二の部屋。

「千速があんな顔してコーヒー飲んでたの初めて見た」

諸伏は照れた。

2人は笑った。

(おわり)

 

----------------------------

 

「千速さん?」

「ん?伊達か」

千速は時間を見た。

「コーヒーを飲む時間くらいはあるか?」

 

伊達は千速の横に並んだ。

研二に似た、きりっとした目元と少し垂れた目尻。

見るたびに研二を思い出す。

しかし、千速の話し方はどこか柔らかさがある。

「へぇ、いい新人だな」

「真面目でびっくりですよ」

「肩の荷が下りたんじゃないのか?」

「相変わらずです」

二人は笑った。

話は研二の思い出話になる。

伊達は苦笑する。

「スイッチが入るまでムラがあって、それでも飄々としてるんですよ」

「松田といると、どっちが来るか二人で来るかわからなくて」

「空気読みすぎて、松田より手ごわかったかもしれねぇっす」

千速はひとつひとつ丁寧に頷いたり驚いたりして聞いている。

「でも、親父の事気づかせてくれたんすよ」

千速はちょっとうらやましく思った。

「また聞かせてくれ」

「いいですよ」

二人は笑った。

伊達は爪楊枝をくわえ直した。

「千速さん、ごちそうさまです」

「構わないよ」

2人は別れた。

 

千速の後ろで若い男の声がした。

例の新人だろう。

「伊達さん!聞き込み行きましょう!」

「おう!……ってもう今日は歩きだな」

「はい!」

(本当だ。ここにもバカがいた。)

千速は口元を緩めた。

(おわり)

 

----------------------------

 

「表向きは優等生してるのに、意外と尖ってるよな」

「陣平ちゃんと会う度ボコボコやり合って」

萩原が缶コーヒーを片手に夜空を見上げている。

ベッドに座って降谷はムスッとしていた。

「……そうかな」

「ほっとけないところもいいと思うぜ」

「ヒロがゲーム貸してくれた時があって」

「松田がキノコみたいなんだ。突然落ちてきて目の前をちょこちょこ動く」

「へぇ」

萩原は笑った。

「ところで、なんでもヒロだな」

「幼なじみなんだからよく見てるんだよ」

「俺と同じだな」

降谷は目を細める。

「器用で羨ましいよ。僕は必死なのに」

「器の広さじゃね?」

「僕は狭いっていうのか」

「陣平ちゃんで頭に血がのぼってたら狭い!」

「そうかもしれない」

降谷は言い返せない代わりにベットに寝転んだ。

(おわり)

 

----------------------------

 

寝癖、無精髭と丸メガネ。

「……由美タン、頑張るよ」

数十分後。

羽織袴に身を包んだ白皙の美青年が現れた。

寝癖だけが相変わらず跳ねていた。

大切な写真とチョコレートを袖にしまい、タクシーに乗り込む。

やがて将棋会館に着くと、羽田秀吉の顔つきはさらに引き締まった。

 

振り駒の結果、羽田が先手となった。

持ち時間は15分。使い切ると30秒の秒読みに入り、10回まで1分の考慮時間が与えられる。

一礼を交わすと、羽田はさっと駒を取った。

盤の上で乾いた音を響かせ、指先で駒を静止させる。

まもなく次の駒が指される。

同時に相手はスーツを脱いだ。

開始8分、対称だった駒の動きが分かれた。

羽田はわずかに考えて指した。

相手も少し考えて指す。

開始12分、羽田は扇子をいじった。

激しい応酬が続く。

相手の駒が少しずつ盤上から消えていく。

盤上には、思い描いた形ができあがっていた。

攻防はひと区切りついた。

 

開始17分、羽田は持ち駒から“角”を打った。

羽田は床に両手をついて盤上を覗き込む。

用意してきた研究は尽きた。

ここから先は盤面だけが知っている。

相手も膝を握って前のめりになる。

真上にある中継カメラにも2人の頭の端が映り込んだ。

やがて2人はどちらかともなく姿勢を正した。

相手は一度目を閉じ、静かに息を整えた。

また盤面に顔を落とす。

相手は長考し、何十手先までの読みを組み立て直しているようだった。

やがて遊び駒となっていた羽田の駒を取りに来た。

 

互いに盤面を見つめたまま動かない。

次の一手が、この勝負の流れを決めようとしていた。

羽田の思考は冷徹だった。由美との結婚のため、タイトルを獲ることしか考えていない。

対して相手は、美しい詰将棋のストーリーを伝えようと駒を選んでいるように見えた。

肘当てに寄りかかって頬杖をついている。

開始27分、ようやく相手は駒を指した。

羽田はじっと盤面を見た。

……この形好きだな。

互いの王が、静かに向かい合っていた。

開始32分、相手の持ち時間が切れ、秒読みが始まった。

20秒……30秒……40秒……55秒。

60秒。

そのまま2度目の考慮時間へ入る。

盤上の変化を必死に読み直しているのだろう。

駒の交換だけで終わる展開は、羽田も望んでいなかった。

やがて駒の音がした。

 

開始40分、気づけば羽田の“玉”を狙って、相手の“飛車”が構えていた。

自玉が詰む筋だけを探して、羽田は必死に盤上を読み続けた。

持ち時間が切れ、秒読み係の声が響く。

羽田は姿勢を直す。

55秒で指した。玉を逃げる。

開始45分、相手が30秒で指して、すぐ羽田の番になる。

羽田は5回目の考慮時間に入った。

 

羽田の9回目の考慮時間が来ていた。

羽田は正座を解いて、また座り直した。

中継カメラでも羽田の頭が横に揺れた。

解説も無言になる。秒読みだけが響く。

誰もが見守っていた。

羽田は55秒で持ち駒から“歩”を打った。

解説席がどよめく。

わずか一枚の“歩”が、盤上の空気を変えた。

相手はこの“歩”を“飛車”ですぐ払った。

羽田は何度も“歩”を“飛車”の隣に打った。

羽田の“玉”を狙っていた相手の“飛車”は力を失った。

開始1時間。

相手は最後の考慮時間に入り、指した。

羽田も最後の考慮時間に入った。

残り3秒で“玉”を前に出した。

誰もが突っ込んだと思った。

羽田も消去法の上出すしかなかった。

解説は「執念が出した結論だ」と評した。

 

羽田は“玉”を端まで進めた。

盤上を見つめていた解説者が小さく頷く。

羽田の“玉”は、もう捕まらなかった。

開始1時間15分、ついに相手が投了した。

123手で羽田が勝ち。

挨拶を交わした後、2人はそろって天井を見上げた。

張り詰めていた糸が、ようやくほどける。

だが、盤面に向き直った瞬間、再び棋士の顔に戻っていた。

初めて2人は口を開いた。

相手は少し笑った。

「ここに指すと私が詰むね」

羽田はまだ考えている。

「僕は、最初の“角”を打った時が危なかったです」

試合が終わった。

 

感想戦が始まる。

お互いすばやく駒を並べ直した。

羽田が言った、最初の“角”を打った局面だ。

流れるように駒を動かしながら、2人は読み筋を確かめる。

「こう指したらどうだろう」

相手は何通りも試した。

その度に羽田の“玉”は逃れ、攻め駒は働きを失った。

「やっぱり、最初の“角”か……」

羽田が気にしていた一手だった。

あの“角”を捕えれば、勝負は逆転していた。

感想戦は遅くまで続いた。

 

羽田はフラフラになりながら、チョコレートを手に取った。

対局前に由美が糖分補給のためにと渡したものだった。

「由美タンのチョコ……」

包みを開くと、すっかり形を失っていた。

一度も口にする暇はなかった。

まるで熱戦をともに勝ち抜いたように溶けていた。

(おわり)

 

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ドアが開いて、ベルモットが入ってきた。

"Hi, Sherry."

シェリーはベルモットの方を向いた。

"...Hi."

ベルモットはファイルを顔の横に掲げてみせる。

"Something I think you'll find interesting."

(あなたが欲しがりそうなものが入ってるわ)

"...Too good to be true."

(……裏でもあるのかしら)

"Not bad. I like that."

(悪くないわ。あなたのそういうところ好きよ)

ベルモットはゆっくりと話しかけた。

"Tell me, Sherry. There are only so many elements. What exactly are you trying to create?"

(ねぇ、シェリー。この世に元素なんてそう多くないの。一体何を作ろうとしてるの?)

"Think whatever you like."

(好きなように思えばいいわ)

ベルモットは目を細めた。

それから身を低くしてシェリーの顎をつかんだ。

「……離して!」

"Cute voice. Makes me want to silence it right now."

(かわいい声ね。今すぐ塞いであげたくなる。)

シェリーは引き出しを勢いよく開けた。

必死で中を漁る。

書類しかなかった。

ベルモットは笑った。

"Looking for something? Take your time. I'll wait."

(何か探してるの?ゆっくりでいいわ、待ってあげる)

シェリーは睨んだ。

"Don't bother. You wouldn't be able to use it anyway."

(無駄だからやめなさい。あなたには使えないわよ)

...At least threaten to poison me.

(……毒を盛ってやるくらい言えばいいのに。)

Just a scientist.

(やっぱりただの科学者ね。)

ベルモットはファイルをデスクに置いた。

"I've delivered it, just as promised. See you around, Sherry."

(間違いなく資料は届けたわ。じゃあね、シェリー)

ベルモットは去った。

シェリーはすばやく白衣を直すとパソコンに向かった。

(おわり)

 

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忍から電話が来た。

「千速、婚活行こ!食べ放題つき!」

「いいな!」

「ドレス着る?」

「着ない!」

忍は電話越しに苦笑した。

「楽しみだね」

「絶対行く」

それから忍は切なげに言う。

「会いたいな、千速」

「いつでも話せるじゃないか、忍」

「祭りも来てよ……」

千速は困ったように笑った。

「昔は毎年一緒だったのにね」

「……そうだったな」

思い出す。

指輪。告白。

打ち上がった花火。

照らされたあいつの真剣な顔。

照れ隠しのように笑った顔。

その時、忍は話題を変えた。

「私が結婚できないのは千速のせいだからね……」

「やめてくれ、八つ当たりじゃないか」

「本当にかっこいいもん」

千速はまんざらでもない顔をした。

数秒の沈黙。

忍が笑った。

遅れて千速も笑った。

たしかに婚活の時しか友人に会えないのはちょっと切ないな。

 

電話の後、忍は思い出した。

……そういえば、陣平くんも祭り好きだったよね。

花火の間、二人の姿が見えなくなって心配していた。

その後、千速が顔を真っ赤にして、隣でしてやったり顔をしていた陣平がいたのを思い出す。

あの夏の花火は、今でも鮮明に思い出せる。

……あの時の千速、可愛かったな。

思わず忍は空を見上げた。

(おわり)

 

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蘭がポアロに現れた。

安室はすぐに気づいた。

「何かありましたか?」

「コナン君が帰ってないんです」

「……今日は見てないですね」

「電話もつながらなくて……」

出ていこうとする蘭を安室は引き止める。

蘭はカウンターに座った。

 

その頃、コナンは世良と事件を追っていた。

ついに犯人を古い倉庫まで追い詰める。

世良はスイッチを見つけた。

明かりがついた。

油が床一面に広がっている。

シャッターはどうだろう。

赤と青のボタンを押してみる。

動かない。

「行こうか」

コナンは頷いた。

2人はコンテナの迷路を慎重に進む。

その時。

「何だ?」

角からフォークリフトが現れた。

真っすぐ向かってくる。

2人は今来た道を慌てて走った。

「世良、俺がフォークに飛び込む!」

「わかった」

コナンは階段を登り、コンテナに飛び移った。

世良とフォークは出入り口に近づいていた。

「そこだ!」

サッカーボールが犯人を直撃した。

犯人は気を失った。

フォークに飛び乗る。

アクセルに犯人の足が引っ掛かっていた。

フォークが暴れる。

レバーをつかんだ。

次の瞬間コンテナに激突して跳ねた。

衝撃でコナンは投げ出される。

とっさにフレームをつかんだ。

グリスで手が滑る。

地面に転がった。

フォークはようやく止まった。

「工藤君!」

世良が駆け寄る。

「大丈夫か?」

「いてぇ……」

コナンはふと自分の手を見た。

「ベタベタする……」

世良はウェスを投げた。

「ほら」

「全然落ちねぇ……」

 

急ブレーキの音がした。

弾かれたように蘭は店の外に出た。

安室がついていく。

「コナン君!」

「蘭姉ちゃんダメ!」

コナンの手は油まみれだった。

ヘルメットをはずして世良が現れた。

「こっちも適当なウェスしかないぞ!」

その時、安室がおしぼりを差し出す。

「使ってください。遠慮せず」

コナンは蘭に手を拭いてもらう。

それを見て世良はニヤリと笑う。

「よかったな。コ、ナ、ン、君」

(……うるせぇ)

世良は先に帰った。

蘭たちはポアロの2人にお礼を言って事務所に帰った。

(おわり)

 

----------------------------

 

眠りの小五郎が推理を披露する。

やがて犯人がその場に崩れ落ち、大粒の涙を流した。

コナンは小さく息を吐いた。

だが、まだ終わっちゃいない。

事件の発端となった宝石を狙って、キッドが予告状を出していた。

 

現場を刑事たちに任せ、コナンは部屋を出た。

先に部屋を出たメイドを追いかける。

やがて彼女は小部屋に入った。

コナンは静かに扉を閉める。

「そこまでだ」

女性がゆっくり振り返る。

「見つけたぞ、怪盗キッド!」

途端に女性の笑った顔が崩れた。

マントが視界を遮る。

次の瞬間、白いスーツに身を包んだ怪盗キッドが現れた。

「よぉ、名探偵……」

コナンに銃を向ける。

「邪魔すんなよ」

「そういう訳にいくか!」

キッドは煙玉を放った。

コナンは白煙をまともに浴び、激しく咳き込む。

「コナン君!」

駆けつけた蘭の声を背に、キッドは姿を消した。

 

キッドは大廊下へ出た。

赤外線が幾重にも張り巡らされている。

キッドはマントを翻し、軽やかにその隙間をすり抜けた。

モニター越しに見ていた中森警部は歯ぎしりする。

その時、キッドが監視カメラを振り向いた。

ピースサインを作り、いたずらっぽく笑う。

「おのれ、キッド!」

中森警部は無線をつかんだ。

「全員ホールへ!絶対に近づけるな!」

 

キッドがホールに着くと、青い静寂が広がっていた。

窓から差し込む光が、宝石だけを白く照らしている。

キッドは笑った。

宝石に向かって滑らかに加速する。

明かりがついた。警察が柱の陰から現れた。

左右に体を向けてトランプ銃で次々と警察たちを退ける。

中森警部の声がする。

「ひるむな!押さえろ!」

宝石ケースの上に着地する。同時に仕込んでいたワイヤで鍵を外した。

視界の端に中森警部が駆け寄ってくるのが見えた。

キッドはシルクハットを直して向き直った。

右手を胸に添え、恭しく一礼する。

「皆さん、今宵もお集まりいただき感謝いたします」

警察たちがキッドに詰め寄る。

「おっと」

キッドは逆立ちのまま宝石を抜き取り、そのまま警察隊の後方へ宙返りした。

警察達が慌てて頭上を見ながら振り返る。

着地すると宝石を掲げた。

その時、ホールの入り口に息を切らしてコナンが現れた。

「……いけえぇぇぇー!!」

サッカーボールが一直線に飛ぶ。

キッドの体がワイヤに引かれ宙へ浮く。

ボールは後方の壁にめり込んだ。

(危ねぇ……)

中森警部は窓を見上げた。

「ショーをお楽しみいただき、ありがとうございます」

窓を破ってキッドは外に逃げた。

コナンは割れた窓を見て駆け出した。

「外だ!外の部隊を動かせ!」

外では犬の鳴き声が響く。

その頃にはキッドは建物を離れていた。

 

ビルの上は夜風が強く吹いていた。

キッドは片眼鏡の奥で宝石を眺める。

宝石は傾くたび虹色の光を映した。

感傷に浸っていると、足音がする。

キッドは振り返りもせず口元を緩めた。

「おい、彼女置いて来るなって」

コナンがポケットに手を突っ込んで歩いてくる。

「お前ぇがここに来るのはわかってんだよ」

キッドは笑みを浮かべる。

次の瞬間、一気にコナンとの間合いを詰めた。

手を取って宝石を握らせる。

「宝石は返す」

「……っ!」

キッドはハングライダーを広げ、夜風へ身を躍らせた。

「待て、キッド!」

強い風が吹く。

コナンが目を細めた時、夜空に白い影はもうなかった。

(おわり)

 

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千速はエンジェルシステムの資料をテーブルに置いた。

ご飯を食べながら資料の山を眺める。

食べ終わった後、いざページをめくってみる。

『高度な運転アシスト機能を搭載したエンジェル』

バイクの各部に備わっている制御の特徴はじっくり目を通す。

これは、どう運転できるのかイメージに使えるだろう。

その後に続く一節に、千速の指が止まる。

『優秀な走行データをディープラーニングし、限界領域での最適な挙動を完全アシストする』

時間をかけて集めたでろう優秀な走行データには興味が湧いた。

有名選手やメーカーの性能テストのデータが混ざっているのだろうか。

資料の文字を見つめる千速の脳裏に、ふと、あるはずのない「悪魔のささやき」が響く。

もし、このシステムを使ったら、誰にも追いつけない領域に、一瞬で辿り着けるのだろうか。

システムに入った過去の亡霊たちの誘惑。

自らの腕一本で風を切ってきた千速にとって、不気味で、同時に甘い誘惑だった。

時計を見て、千速は資料を引き出しにしまった。

「巡回に行ってくる」

同僚たちの「いってらっしゃい」に見送られる。

車庫でヘルメットをつけていると、ふと自分のっている白バイを見た。

その動きが善意だとしても、このバイクが自分の意思とは別に動くとしたら。

(なんの心配をしているんだ!私はシステムなどに飲み込まれはしない!)

自分に言い聞かせる。自らの全身で掴んできた経験と予測だけを信じている。

誰のデータにも頼らない。五感と経験で限界を超えてみせる。

千速はバイクとともに身を翻して夜の街へ出ていった。

(おわり)

 

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AIに依頼したら作ってもらった。

 

ジン 「裏切り者ってのはな…… 雪が降る前の雲みてぇなもんだ。 いつか必ず黒く染まる。」

高明 「『前車の覆るは後車の戒め』。 先人の失敗を学ばぬ者は、同じ轍を踏みます。」

 

ジン 「人は銃じゃ死なねぇ。 運命に殺されるんだ。」

高明 「『人事を尽くして天命を待つ』。 運命とは、最善を尽くした者のみが語る資格のある言葉です。」

 

ここからジンも負けじと"詩ジン"全開。

ジン 「夜は裏切らねぇ。 朝が来るから、人は絶望する。」

高明は少し目を閉じて……

高明 「『月満つれば則ち虧く』。 満ちた月もやがて欠ける。 夜が永遠でないように、絶望もまた永遠ではありません。」

この時点で周囲は完全に置いていかれます。

コナン 「……また始まった。」

大和敢助 「高明の故事成語と、あいつのポエムが戦ってやがる……。」

毛利小五郎 「誰か日本語に訳せ。」

そして最後は高明が静かに締める。

ジン 「闇は光を飲み込む。」

高明 「『邪は正に勝たず』。」

たった六文字。ジンの長いポエムを、高明が故事成語一つで返してしまう。

 

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