5人の前に巨大パフェが運ばれてきた。
萩原と松田がパフェのてっぺんを食べ尽くしていく。
萩原が伊達にパフェをよそったスプーンを差し出した。
「班長、あーん!」
「早く食えって!」
「やめんか!」
伊達は自分のスプーンでパフェを一口食べた。
諸伏が平らなクリームの山にスプーンを入れる。
横からすっともう1本のスプーンが伸びた。
「ゼロ」
「僕も食べようと思ったところだ、ヒロ」
諸伏は笑った。
パフェはすっかりなくなった。
やがて伊達は伝票を手に取る。
4人は満足そうに椅子にもたれていた。
(おわり)
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【飲み会の後】
「松田のアホ騒ぎすぎバカ……」
降谷が酔って松田に絡み始めた。
萩原がすかさずカメラを向けた。
「テメェ決着つけるかぁ?」
「僕に勝つ気でいるのかい?」
笑う降谷に松田が詰め寄る。
「待て!ゼロ」
「……どくんだ、ヒロ」
降谷も諸伏の肩を押しのけ松田に迫る。
スマホを見ていた伊達が慌てて駆け寄る。
両腕で2人の首根っこを摑まえた。
「お前ら大人しくしろ!」
「「だって班長、こいつが悪い!!」」
瞬間2人は互いの顔を見て、伊達の腕の中で火花を散らし始めた。
伊達は息を吐いた。
降谷を見る。
「どうした?飲み合わせでも悪かったか?」
「ゼロ、送るよ」
「ヒロ……」
諸伏は降谷の腕を自分の肩に回した。
いつの間にか松田は気持ちよさそうに船を漕いでいる。
「……班長」
伊達が見下ろす。
松田は寝たフリをしていた。
伊達のポケットからすっとスマホを取り出す。
「なんだ?」
「……悪ぃ」
「起きてたのか」
「俺は本当に悪くねぇんだよ……」
「松田……」
震える松田の声を聞き、伊達は顔をのぞき込む。
その直後、
「……寝言か」
松田は再び寝息を立て始めた。
萩原がやれやれと言いながら陣平を抱える。
「気にすんなって」
「頼んだ……」
「班長、スマホ」
「おっと、悪い」
4人の後ろ姿を見送ってから、伊達は彼女の家に急いだ。
伊達が部屋の前に着く。
「まだ起きてたのか」
「うん」
彼女は笑って伊達にスマホを見せた。
『松田と降谷が喧嘩してる動画』
(おわり)
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カフェに警察学校組がそろった。
諸伏「どう?みんな仕事始まったって感じ?」
松田「退屈」
諸伏「……」(苦笑)
萩原「研修多いよな」「俺はたまに修理も頼まれて悪くないかな」
諸伏「それはよかったね」
伊達は黙ってコーヒーを飲んでいる。
萩原「でも、陣平ちゃんが早速やっちまってさ!」
降谷「何を?」
萩原「電話が鬱陶しいって、分解して回線変えようとしてた」
諸伏「松田らしいね」(苦笑)
萩原「今は大人しく電話対応してるぜ」
「松田が電話対応?」
皆が想像した。
松田「殴られてぇか!」
伊達は息を吐いた。
降谷も呆れる。
萩原「ヒロは?」
諸伏「僕も研修と過去の資料見てるかな」
萩原「へぇ」
諸伏「班長は、刑事どう?」
伊達「地道に聞き込みだ。早速ホシ挙げるのに必死」
萩原「泥臭いな。やっぱ似合うぜ!」
隣りで松田が暇になって伊達のスマホを狙っている。
伊達が気づいて自分の方に引き寄せた。
萩原「ゼロは、今どこ勤務なんだ?」
降谷「秘密」
松田「怪しいな」
諸伏「怪しいね」(笑)
降谷「ヒロまで……」
みんなが笑った。
伊達「ゼロ、ちゃんと飯食ってるか?」
降谷「……食べてるよ」
安室の電話が鳴って、降谷は店の外へ出ていった。
伊達「また急だな」
松田「やっぱ気に入らないぜ」
萩原「陣平ちゃんもなんだかんだ仕事好きだろ?」
諸伏は黙ってコーヒーをすすった。
降谷が戻ってきた。上着を手に取る。
降谷「行くよ」
松田「帰れ帰れ」
伊達「気をつけろよ」
安室は店の外に消えた。
諸伏「あれ?ゼロ、ハンカチ落としたみたい」
萩原・松田「ハンカチ!?」
2人はニヤリと笑った。
諸伏はすぐにハンカチをもって店を出た。
「ゼロ、君のだろ?」
「ヒロ、すまない」
「じゃあ頑張って」
安室は気づいた。
ハンカチを開くと紙が挟まっていた。
(レシート……?)
裏返した。
安室はライターを出すと、レシートを燃やした。
諸伏は何事もなかったかのように皆とコーヒーを楽しんでいた。
(おわり)
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卒業後、
警察学校組5人は数日間交番に配属された。
朝。掃除していた諸伏が顔を上げた。
「おはよう、松田」
「おう……」
松田は欠伸しながら交番へ入っていく。
諸伏は苦笑した。
今度は伊達が来た。
「おはよう、班長」
「おう。いつもありがとな」
中を見る。
「松田、早いな!」
「……るせぇ」
「ギリギリよりはマシだ!」
伊達は顔を上げて笑った。
諸伏も掃除を終えて中に入る。
始業直前、萩原が飛び込んできた。
「陣平ちゃん!?」
松田は頬杖をついて寝ていた。
「おいLINE見ろよ!?」
「通知で見た」
「開けって!」
その時、
「おはようございます」
降谷が来た。
松田をじっと見る。
「何だよ」
「何も……」
伊達が声をかける。
「どうした?」
「横断歩道で車にひかれそうになった子供を助けてきた」
「ゼロ、怪我してる」
「ヒロ、……こんなのかすり傷だよ」
萩原が薬箱を持ってくる。
諸伏が降谷の怪我を診た。
「うん、このくらいで済んでよかった」
ほっとして顔を緩めた。
その笑顔につられて、5人は笑った。
萩原が立ち上がる。
「……今日は俺がパトロールだな」
ひらひらと手を振って出ていった。
すかさず松田が帽子をかぶって駆け出した。
伊達「あいつら!松田戻れ!」
降谷「僕が行く」
まもなく降谷は松田の首根っこを捕まえた。
松田は交番に戻り、降谷はそのまま萩原と出ていった。
諸伏は困ったように笑った。
夕方。
萩原「交番勤務も悪くなかったな」
伊達「相変わらず悪ノリしてただけだろ」
諸伏「本当、寂しくなるね……」
松田「へっ」
降谷「……」
5人はそれぞれの顔を見る。
「またな」
誰も"また"を疑っていなかった。
(おわり)
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誰がモテる?
伊達「間違いなく萩原だな」
萩原「そう簡単に言ってくれるな」
降谷「じゃあ何がコツなんだ?」
萩原「トライアンドエラーだな」
伊達「意外だな」
諸伏「お姉さんの影響もあるのかな」
松田「千速が何だって?」
降谷「おい、萩のお姉さんだぞ。呼び捨てにしていいのか」
松田「千速以外どう呼べってんだよ」
萩原「降谷、いいって」
降谷「松田は千速さんと脈ありそうなのか?」
萩原「どうだろうな……」
松田「どーゆーことだ!」
諸伏「松田、本当に萩のお姉さんのこと好きなんだね」
松田「おう!」
伊達「もしかしたら萩原は大変な弟を抱えそうだな」
萩原「まぁな……食費代としてご祝儀弾んでおいてくれ」
伊達は笑った。
伊達「話を戻すけどよ」
「諸伏は早く嫁ができると思う」
「料理できるし優しいのは強みだぞ」
萩原「気の強ぇ女は引き当てるなよ」
松田「萩、今なんでこっち見た」
萩原「諸伏はお見合いがいいんじゃねえ?」
伊達「長野に帰ったら、お見合いなんて勧められるかもな」
降谷「ヒロ、長野に行くのかい?」
諸伏「ゼロ、僕はそんなこと考えてないよ」
萩原「モテる前に、伊達さんはしっかりしてるよな。結婚するの見えてるようなもんだろ」
伊達「ま、まあな」
5人の話は尽きそうになかった。
(おわり)
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諸伏が拍手を送る。
「さすがだね、萩原」
萩原がバラードを歌い上げると
黄色い声援と大きな拍手が飛ぶ。
その諸伏も隣の女性から詰め寄られていた。
「諸伏君って優しそうだよね……?」
女性の手にはスマホ。
「あの、僕は……」
(いいぞ!)
(押せ!)
萩原と松田が肩を並べて笑って見ていた。
店を出る頃には、夜風が少し心地よくなっていた。
降谷は呆れながら萩原に聞いた。
「どうやったらあんな風に歌えるんだ?」
萩原は真面目な顔をした。
「俺、女を落とす曲しか歌わねえから」
「ナンパ男なんて今どき流行るのか?」
「落とせりゃ勝ちだ」
その時、萩原は松田に絡まれて前のめりになり、そのまま行ってしまった。
伊達が顔を上げて苦笑した。
「まったく、少しも隠す気がねぇんだからよ」
降谷が深いため息をついた時、諸伏の顔が困ったようになった。
「ヒロ、僕はあの男みたいにはならないぞ!」
「ゼロ、僕はまだ何も言ってないよ」
降谷は思わず口をつぐんだ。
伊達はまた笑った。
その頃、萩原と松田はもう次の店へ向かっていた。
萩原はスマホを取り出す。
「ちょっと待ってろ」
画面を見るなり笑う。
親指が迷いなく画面を滑ってロックを解除する。
スマホは通知で埋まっていた。
画面を流し、目当ての相手を見つける。
さらに着信音が鳴った。
「うん!行ける!今どこ?」
萩原は松田にウインクを送る。
「……決まりだ」
「やりぃ!」
萩原は後ろの3人を振り返った。
「お前らも来るだろ!」
返事も聞かず、前の2人は走り出した。
夜の繁華街に、松田の声が響く。
「さすが萩!」
伊達、諸伏、降谷は考える間もなく急いで後を追った。
最初に口を開いたのは伊達だった。
「帰るぞ!」
その瞬間。
「班長、行くぞ!」
降谷はすぐさま諸伏に並んだ。
「ヒロが行くなら行く」
諸伏は隣を見て悪戯っぽく笑った。
「……ったくよ」
伊達も苦笑しながら、その後を追った。
(おわり)