【名探偵コナン】二次創作、SS集   作:夜明けの栞

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ハロウィンの花嫁の回想で
萩原「テメェの女泣かしてんじゃねぇよ」
新一「はぁ?」
のシーンを萩原以外でもできるかなと思って描いたもの。
安室さんの分だけ載せるつもりが、
文字数足りずで、全員載せました。
※萩原は原作があるので描いてません。


江戸川コナン&警察学校組『テメェの女』

安室ver

 

安室は助手席のコナンに視線を送る。

「ありがとう!安室さん」

「……いいよ。近くまで送ってあげよう」

アクセルをゆっくりと踏み込む。

「都合のいい時だけ子供に戻るんだな」

「さっきまでの威勢はどうした」

コナンは「えへへ」と笑った。

窓の外の景色が静かに流れる。

「君、その考え方じゃ危ないな」

「え?」

「僕たちのやり方が気に入らないのは分かる」

「でも、君のやり方も僕らからすれば必ずしもいいとは言えない」

コナンは俯いた。

「でも、必死で考えたんだ。誰も失いたくない」

「甘いことを言ってるな」

安室はハンドルを滑らかに切る。

「君には生き残る理由があるかい?」

「まさか蘭姉ちゃんだなんて言うなよ」

「そんな訳あるか」

「そう思っておくよ」

コナンは安室を見た。

「安室さんは、この国が……放っておけないんだ」

「……そうだ」

「だからと言って、誰か一人が全部背負えばいいわけじゃない」

「でも誰かがやらなきゃならないよ!」

「だから君には生き残ってもらわないと困る」

コナンは顔をしかめて、助手席の外を見た。

「こうも考え方が合わないなんてな」

安室は進路をじっと見つめている。

少しだけ沈黙が流れる。

ふと安室は満月を見た。四人の友の顔が浮かぶ。

(まったく、また助けられたかな……)

「君は、自分を危険にさらすことを軽く考えすぎだ」

萩原……

「君を失えば、悲しむ人がいる」

松田……

「自分一人の命であってもな」

諸伏……

「大切な人の死を受け入れられるか?」

伊達……

「いつ何が起こるか分からないんだ」

安室から表情が消えた。

「ねぇ?」

「安室さん?」

「安室さんってば!」

安室は少し笑った。

「もうすぐ着くぞ」

 

やがて車が止まった。

安室の前髪が落ちて目にかかる。

「守りたい相手がいるなら、まず自分が生き残れ」

「守りたいだけでは守れないぞ」

コナンは息を呑んだ。

安室が向けてきた視線を直視できなかった。

「オレは……絶対皆を守ってみせる!」

「なら、生きて証明してみせろ!」

コナンは車を降りて走り出した。

まもなくRX-7が横を通り過ぎた。

(おわり)

 

----------------------------

 

松田ver

 

「テメェの女かー?」

コナンの心臓が跳ねた。

事件が終わって、コナンは笑う蘭を見つめていた。

隣に来た松田の口が悪戯っぽく笑っている。

「随分と熱い眼差しだったな……」

「そ、そんな事ないよ!?」

コナンは胸のドキドキを悟られないよう、笑ってごまかす。

「好きな女がいたら男だろ。悪くねぇ」

「……僕、好きでいていいの?」

「二度も言わせるな」

コナンはホッとした。

「松田刑事も、好きな人いるの?」

松田は苦笑した。

「いる」

「オメェは、まぁまぁだな」

「は?」

次の瞬間には、コナンは遠くなった松田の背中を見つめていた。

佐藤が松田を呼んでいる。

「何油売ってるの!?」

「悪ぃ!!」

松田は佐藤の車に乗り込んだ。

コナンは佐藤に手を振り返した。

「コナン君、帰るよー?」

「蘭姉ちゃん、今行く!」

コナンは車が走り去った方を見た。

(やっぱり、大人ってずるいな……)

蘭を追いかけながら、コナンは息をついた。

(おわり)

 

----------------------------

 

諸伏ver

 

「君、どうしたんだい?」

コナンは優しい声に振り返った。

目線の位置にしゃがんだ諸伏が微笑む。

「お兄さんこそ、そのギター持ってどこ行くの?」

コナンの鋭い視線はギターケースの奥を見ているようだった。

諸伏は困ったように笑った。

「ごめんね。知らない人に話しかけられたら無視しろって言うよね」

(まいったな。聞き返されるなんて)

(この子すごく観察してる……)

背中のライフルが急に重く感じた。

諸伏はコナンの後ろに赤やオレンジに光るガラスの破片に気づいた。

「自動車の、飛び散ったガラスだね」

「ああ、これね」

振り返ったコナンの背中を諸伏は見つめた。

コナンはガラスを睨んでいる。

諸伏は胸が締め付けられる。

「君の家族に何かあったのかい?」

「違うよ……事件を追ってるんだ」

「警察が調べてるんじゃ……」

コナンのスマホが鳴った。

(やっべー、新一の方だ!?)

「ねぇ、僕、あっちで電話してくるよ!」

諸伏は頷いた。

低い少年の声がする。

「蘭、どうした?」

『新一と話したいなーと思って』

「悪ぃ、立て込んでるんだ」

『……わかった』

(新一のバカ……)

コナンは電話を切った。

「お兄さん、僕、次の場所に行くよ」

諸伏は訊いた。

「ねぇ、さっきの声、君の?」

「な、なんの事かな!?」

諸伏は目を伏せた。

「ごめんね。聞こえたんだ」

「何となくね」

コナンは胸のドキドキを抑えるのに必死になる。

「かっこつけたくなるよね」

「もしかして好きな人だったかな?」

コナンは真っ赤になった。

「……うん」

「そっか……」

「その人を心配させないようにね」

「僕、もう行くね!」

コナンは走り出した。

諸伏はその背中を優しく見送った。

コナンは男を振り返った。

(言われなくても、蘭は俺が守る)

コナンはまた顔を赤くした。

(おわり)

 

 

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伊達ver

 

「コナン君、警察の邪魔しちゃダメよ」

蘭の制止を聞かず、コナンは手際よく事件を見分していく。

警視庁に異動したばかりの伊達は咥えていた爪楊枝を落としかける。

「高木、何なんだこの子は?」

高木は苦笑し、伊達に一通り説明した。

コナンの推理を聞いて伊達は頷く。

「ボウズ、すげぇな!」

コナンは照れ笑いする。

伊達はコナンの頭をぐりぐりと撫でた。

「高木、後で聞き込み行くぞ!」

「はい!」高木

「ところで」と伊達は切り出す。

「いつもなのか?高木」

「はぁ」

「こんなの、子供が見ていいもんじゃねぇぞ」

「そ、そうですねぇ……」

高木は目を泳がせた。

「刑事がちゃんと仕事しろ!」

「失礼しました!」

コナンが声の大きさにびっくりして目を瞬いた。

「おっと、すまねぇ」

伊達は困ったように笑った。

「ボウズは謝らなくていいんだ」

「俺達がまだまだなんだ」

伊達は遠くを見た。

伊達の視線の先には、現場の隅で不安そうに立つ蘭の姿があった。

「でもな、お姉さんを事件に巻き込んじゃいけねぇ」

「事件のことは任せておけ」

「コナン君、ありがとう」高木も笑った。

「まっすぐ帰るんだぞ!」

「うん!」

コナンは蘭に手を引かれて歩く。

「コナン君の手、あったかい。眠くなっちゃった?」

突然蘭に笑顔を向けられてコナンは照れた。

うつむいて蘭の手をぎゅっと握った。

(……蘭はお姉さんじゃねぇよ)

(おわり)

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