レッドアーカイブ   作:フルール・ド・ガリア

3 / 3
Day3 私の答えと彼の答え

 

そして彼は——

 

“捕まえないよ。”

“君のしたことは、確かに真っ当なことじゃないかもしれない”

“でも、助けられた生徒だっているから”

 

やはり、予想通りの答えだった。

連邦生徒会長も、言葉は違えど、同じことを私に向けて言った。

目を閉じて、静かに自分の言葉を伝える

 

「…そうか。お前はあの女と同じことを言うんだな。確かに、あの女が選んだ大人なわけだ」

 

この大人なら、この地獄を変えてくれるのだろうか。

連邦生徒会長がかつて行ったように、ブラックマーケットに真っ当な秩序を築いてくれるのだろうか。

 

「もう一つ聞こう。ブラックマーケットを変える気はあるか」

“そうだね…今すぐは無理かな”

「充分だ。」

 

ならば、私が協力しない理由は無くなった。

 

「貴様に協力しよう」

 

目の前の大人は喜んだように手を差し出してきた。

 

“ありがとう”

“よろしくね”

 

しかし、私はそれを一瞥し

 

“シャーレへの入部許可手続きはどこでやればいい」

”…え?”

「聴こなかったか。貴様に協力すると言っているんだ」

“本当にいいの?だって君は——”

「本気で協力するならこれくらいは当然だ。ただし条件が一つある」

 

条件。質問は連邦生徒会長に同じことを投げたが、今度は違う。

 

「ブラックマーケットの話を連邦生徒会に持ち帰り、対策を行え。実働は私がやる。」

 

大人と連邦生徒会の生徒は顔を見合わせて、こう答えた

 

“もちろん”

「勿論です。貴女がいれば心強いですし」

 

大人はタブレットを取り出し、アプリを開く。

 

“とりあえず、入部許可手続きはこっちである程度やっておくから、連絡したらシャーレに来てね。”

「わかった。モモトークとやらでいいのか?」

 

連邦生徒会長との連絡にしか使っていなかったモモトーク。

数ヶ月間、音沙汰もなく一方通行な連絡を投げかけ続けたモモトークに、目の前の3人が追加された。

目の前の、白衣を着た大人『先生』

連邦生徒会の服を着て、茶色の髪をしている『天野エン』

エンと同じ服で、少し栗色に近い髪の『遠藤リマ』

 

リマとエンは私に話しかける——少し緊張した面持ちで。

 

「…貴女とこうやってモモトークをつなぐことになるとは思っていませんでした」

「そうだろうな。私は連邦生徒会長にしか協力しなかった。」

 

「そして、結果的に周りを助けていただけだ」

「でも、多くの人を助けてくれました。私だってそうです」

「お前が?」

 

リマを助けた覚えはないはずだが…栗色の髪…栗色の髪…

 

「…ああ、連邦生徒会長が来てすぐの頃のか。

「覚えていたんですね…企業に攫われかけた私を助けてくださいました。お陰でこんな良いところに入ることができて…」

“連邦生徒会にも、リマみたいにブラックマーケット出身の子っているの?”

「ええ、まあ…公言する人は少ないと思いますが」

 

少しの会話ののち、連邦生徒会の面々は帰路に着き、私は部屋へ戻る

 

シャーレ。

連邦生徒会長の遺産。

ここキヴォトスで最も強い組織。

 

そして、私が在籍する組織。

来る日が、ここまで待ち遠しい日はなかった。

 

そして次の日に——




本作オリキャラ解説
天野エン:連邦生徒会情報室所属。見た目の元ネタはホド
遠藤リマ:連邦生徒会防衛室所属。見た目の元ネタはマルクト
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。