ええっ!?この世界ってグラブルじゃないの!? 作:ざいざる嬢
特段つぶやくことは少なめですが、興味ある方はフォローしてみてください。
@xyzaljou_hameln
後、今更ながら十天衆全開放してきました。
意外と素材集まってて纏めて解放できて満足。
え?十賢者?知らない子ですね……。(アラナン、ニーアのみ開放)
あれから私たちは無事に班分けを済ませ、ダンジョン攻略へと乗り出した。
五つの班に分かれて、一番槍に選ばれたのは私たちの班だった。
しかし、先行しているのは私とリビアとリオンさんの三人。残りの三人は経験豊富な私たちに任せると言って後からついてくる形になってしまっている。
多分、私が悪目立ちしたせいだよなぁ……。あそこは静観しておけばこんなことにはならなかったかもしれない。でもジータちゃんならああいう場で率先して手を差し出すと思ったんだ……。
「二人とも私のせいで先頭を行くことになっちゃってごめんね?」
「いえ、ジータのせいじゃないですよ」
「そうだね、どっちかって言うと俺たち全員が原因みたいなもんだよ。俺らみたいな成り上がりと組みたくないんだろうよ」
それはそうかと納得してしまう。貴族には貴族の矜持があるし、弁えていても平民と一緒の班というのはあまり受け入れ難いんだろう。
ただリオンさんの場合は他の貴族が成り上がりを嫌っているというより、嫉妬の類なんじゃないかなと思うけど。
「私こういうの初めてで、どこからモンスターが出てくるか分からなくて怖いんですけど」
「このダンジョンは授業で使うぐらいだから、そこまで難易度は高くはないよ。行くのも地下三階までだし大丈夫さ」
「地下三階ね……短いなぁ」
そう、ゴールは地下三階。最深部じゃないのだ。
このダンジョンが地下何階まであるかは知らないけれど、いくら何でも短くないか?
せめて地下五階ぐらいまでは行きたかった……。
「えへへ、見つけちゃいました」
リビアが壁に埋まっていた鉱石を取り出して嬉しそうにしていた。可愛い……。
そう思っているのはリオンさんも同じみたいで、リビアの鼻の上が土で汚れているのを指摘しながら拭き取ってあげていた。
さて、今いるダンジョンは鉱石が取れることから坑道──いや廃坑の方が近いかな。マイ〇ラみたいなのをイメージすると分かりやすいかもしれない。今のところ蜘蛛やゾンビ、スケルトンに匠は確認出来ていないけど。
そんな廃坑ダンジョンでは時折壁が盛り上がり、そこから鉱石を採取できるみたい。リビアはこれを採取したのだ。大きさは手のひらからはみ出るぐらいだけど、この大きさで大体百ディアするらしい。
今更だけど貨幣の単位がグラブルで使われていた【ルピ】と違って【ディア】と【ディル】って言うんだよね。
やっぱりこの世界はグラブル本編よりもずっと前の時代か、もしくは未来なんだろう。
グラブルは全空域でルピが共通貨幣だったけれど、この時代だとどうなんだろう?統一されてるのかな?その辺りも気になってきた。
もしも国や空域によって貨幣が異なるのなら今後に備えて勉強する必要がある。いずれ騎空団の団長になるんだから、金回りなんかはちゃんと把握しておきたいしね。
「これでリオンさんに借りたお金を返せそうです」
「いいよいいよ、初めての冒険の成果なんだから受け取れないって」
「え? リビア、リオンさんに借金してたの?」
「そうなんです。 アンジェリカさんに挨拶する時に手土産が必要で……そのお金がなかったのでリオンさんにお借りしたんです」
「そっか……私もその時にリビアと知り合えてたら貸してあげられたんだけどね」
「そんな、ジータに悪いですよ!」
「そう? まあ困った時は相談してくれれば助けになるから、これからは私も頼ってね?」
そう笑いかけるとリビアさんは困ったように笑った。
そんなこんなで先に進みつつ、途中見つけた鉱石を採取して小銭を稼ぐことを忘れない。
……思ったんだけど、これ金策なら一番最初に入った班が一番稼げるんじゃないかな?
このダンジョンから鉱石がどれくらいの頻度で盛り上がるのかは不明だけど、取り逃しが無ければ結構な量を採取できる。
低階層だからドカッと稼ぐことは無理でも、私やリビアみたいな平民だと一月分の生活には困らないぐらいには稼げている。もちろん危険と隣り合わせだけどね。
「あの……ダンジョンって不思議ですよね。宝箱もあると聞いてますし、誰かが用意しているみたいです」
「ああ~、そういえばそうだね? さっきの鉱石なんかは生成されているんだろうってなんとなく分かるけど宝箱はどういう理屈なんだろうね?」
思えば考えたことなかったな。ダンジョンにある宝箱の存在理由。
私は見たことないけど、グラブルでならいくらでも見たことがある。虹色に輝いた宝箱を見た瞬間、期待値が高まるんだ。それで目当てのものじゃなかった時の慟哭が……。
アサルトタイムで救援に行って、僅かな希望を胸に周回を何度繰り返したか……今ではいい思い出だ。ただ現実世界では流石にやりたくないなぁ。
「不思議だね。よし先に行こう」
「えっ!? リオンさんは気にならないんですか?」
「別にー」
まあその辺りはもう『考えるな、感じろ』っていう風に割り切った方がいいよね多分。
ただこのダンジョンに限るのなら……。
「このダンジョンに限るのなら、学園で授業用に宝箱を設置してるのかもね。 ほら、成功体験って大事だっていうじゃん?」
「そういうことなら納得できるんですけど、他のダンジョンはどうなんでしょう?」
「んー、今度冒険に行ったときにそれとなく調べてみるのも面白いかもね。案外モンスターが用意してたり……なんてね」
昔読んだ作品では死んだ冒険者の遺品がそのまま宝箱の中身になることがある……なんて設定だったな。
他にもダンジョンの主が冒険者を誘き出すために態々用意してたりとか。
でも正直に言えばそういうのは野暮っていうものじゃないかなって私は思う。だって夢がないじゃないか。ファンタジー世界なんだから、世界が用意してくれたぐらいの認識でいいんだよ。
ファンタジーの一言で全部説明がつく。グラブルに限らず、そんなファンタジー世界が私は大好きだ。愛してんぜ。
そんな談笑をしながら先へと進むとリオンさんが手で止まれと
「あ……あれが……モンスター……!」
「リビア、下がってて」
剣を抜き、リビアを不安にさせないように堂々と構える。思えば誰かの前でこうやってモンスターと戦うのは初めてだな。これまではソロだったし。
「リオンさん、どっちから行く?」
「じゃあ俺は右の方から」
「じゃあ、私は左を」
そう言って互いにでっかい蟻──ジャイアントアントというらしい──に向かっていった。
私が左側の二体、リオンさんが右側の三体だ。
見ての通りジャイアントアントはただ蟻がデカくなったような見た目をしている。
蟻は本来人よりもはるかに小さいが、こうして大きくなると迫力もあるけど、所詮は蟻だ。
警戒するのはその巨体と強靭な顎だけ。
「せいっ!!」
襲い来るジャイアントアントを正面から斬り伏せる。ただそれだけでジャイアントアントの身体は黒い煙を出して消えた。
続く二体目も一気に接近して首を撥ねる。意外と呆気ないものだった。
「リオンさんは……おお、あっちも片付いてるね」
あちらも三体のジャイアントアントをあっさりと片づけ肩に刀を担いで一息吐いていた。
やっぱりリオンさんは中々の実力者みたいだ。私よりも多く受け持っていたのに倒す速度は私と変わらなかったし、流石冒険者として成功しただけはある。
「リオンさんもジータも強いんですね。すごいです、あんなに怖そうなモンスターを次々に倒しちゃうなんて」
「弱点とか知っているからね。オリヴィアさんも慣れれば簡単に倒せるよ」
この辺は余裕だからねと刀をしまったリオンさんは先に進もうと言う。
それからも「この先トラップがある」とか「この辺は雑魚しかいない」とリビアを安心させるように話しかけている。
「リオンさんってもしかして予習とかしてから来ました?」
「えっ!? な、なんでかなジータさん?」
「いえ、初めてのダンジョンにしては色々と知っている風に見えたので……」
「あ、先輩にちょっと教えてもらったりしたかな~あはは」
なるほど、それならある程度詳しくてもおかしくはないか……。
でもなんか違う気がする。そんな聞いた話でじゃなくて、
リビアもリオンさんの話を聞いて納得しているように見えるけど、リオンさんをどこか不思議な人だと思っているみたいだった。
──ふと正面から猛スピードでこちらに向かって来る気配を感じた。リオンさんたちはまだ気づいていないみたいなので、私はポーチから投げナイフを取り出し気配に向かって投擲した。
ギャアッ!という声と共にドサリと倒れる音がしてからリオンさんたちがようやく気づいた。
「猿のモンスターかな? 結構素早そうな感じだったなぁ」
「ジ、ジータよく気がつきましたね」
「ああ、俺も気づかなかったわ」
「いや、経験の少ないリビアはともかくリオンさんなら気を抜いて油断してなければ気づいていたと思いますよ?」
リオンさんを立てるようにそう言ったけど、リオンさんは苦笑いを浮かべるだけだった。
益々不思議に感じる人だと思ったと同時に、今後も仲良くしたいと思ったのはリオンさんの人柄の良さからだろうか?
そうして私たちは折角ならと私の案でダンジョンのマッピングをしながら、道中と脇道から出てくるモンスターの処理をしつつ無事地下三階まで到達した。
鉱石や魔石の採掘も上手くいき、上々の成果を持ち帰ることが出来たので私たちとしても満足だ。
その後、他の班も続々と合流し授業は無事に終わった。
アンジェリカさんからも
お礼に今度私的なお茶会に招待してくれるとのことなので楽しみにさせてもらおうかな。
なんとジータちゃんのお陰でリビアもマリエも治癒魔法を使う場面を失うという事態に。
まあ然程問題ないでしょう。