ええっ!?この世界ってグラブルじゃないの!? 作:ざいざる嬢
そして、今回はグラブルVSのコンボを大いに参考にさせていただきました。
なんと! リオンさんとブラッドさんの戦いは文字通り一瞬で、呆気なく終わった。
開始と同時にブラッドさんの鎧背部に装着されていたドローンの槍が展開されアロガンツ目掛けて放たれたが、これをリオンさんが乗るアロガンツはその巨体とは見合わないほどの速さで全て躱し、呆気に取られていたブラッドさんにスコップを叩きつけブラッドさんは気絶し──リオンさんの勝利に終わった。
やっぱり私の見立ては間違っていなかった……アロガンツは、リオンさんはすごく強かった。あれだけ自分の鎧を自慢していたブラッドさんが可哀想なくらい。
殿下たちもこの結果は予想外だったらしく、リオンさんの
同時に観客たちも騒めき始める。どうもこの決闘で賭けがおこなわれているらしく、殿下たちが勝つと踏んで全財産注ぎ込んだり、借金までして賭けた人もいるらしい。馬鹿かな?
賭けっていうのはね、胴元が儲かるって相場が決まってるんだよ。それに賭けなんだから勝負に絶対は無いっていうのが分からなかったのかな……? 番狂わせっていうのはどんな時でもあるものなんだよ?
「アハ、アハハハ!!」
「ど、どうしたんですか?」
「これが笑わずにいられるか。あの男は本当に酷い奴だよ」
「酷くありません! リオンさんは優しい人です!」
「そうだな。そうだった」
と、観客の騒めきに耳を傾けていたら、なんだかアンジェとリビアの二人も盛り上がっているみたい。
よーし!それならもっと盛り上げちゃうぞー!!
「じゃあ、次は私の番ですね!」
意気揚々と借りた鎧へと向かう。借りた鎧は量産品ではあるものの、性能は量産機の中でも上位だという。そんな鎧を用意してくれたクラリスには感謝しかない。絶対ジルクさんは私が倒すから……。
「次は俺が──」
「いや、次は私が出よう」
「お前がかクリス?」
「ああ。あの特待生の剣には興味があってな」
「そうか、じゃああの特待生は任せるぜ。バルトファルトは俺が倒してやるよ」
どうやら私の対戦相手はクリスさんに決まったらしい。同時にリオンさんの次の対戦相手はグレッグさんになったみたいだ。
クリスさんの鎧──青い機体に大剣を持ち、背中にも様々な種類の剣を背負っていた。銃器などは無い、剣を使った完全近接戦闘を主としたスタイルらしい。
『ジータ、こんな形で君と剣を交えることになるとは思わなかった』
『そうですね、剣豪と謳われたクリスさんとはもっと別の形で剣を競いたかったです』
これは本心だ。彼は彼で剣と──剣術と向き合い続けてきたのだろう。私もこの世界を旅するためにこれまで師匠の扱きに耐え、こうして免許皆伝を貰えるぐらい強くなった。だから彼にはどこか親近感を覚えた。このまま何事もなく学園生活を送れていたのなら友人になっていたかもしれないと思うぐらいに。
けど、これは決闘だ。余計な感傷はいらない。目の前の相手をアンジェとクラリスのために倒す。それだけでいい。
『最初から全力を出す』
『いい試合にしましょう、クリスさん』
決闘開始の合図と共にクリスさんが踏み込んでくる。両手で突き出された剣を避け──んん?
『ほう、今のを避けるか』
いや、ちょっと待って。
『ではこれはどうだ!? ハァッ!!』
クリスさんの鋭い剣戟が私に襲い掛かるが、正直それどころじゃない。
鎧を操作しそれも躱そうとするも躱し切れずに鎧にかすり傷程度だが傷がついてしまった。
『なるほど、身のこなしは良いが……避けるだけでは勝てないぞ!!』
今度は剣を両手で振り下ろす──だけでなく、剣が光り輝いている。これは魔法か魔力によるものかな? 当たったらマズい、急いで盾でガードするも数秒拮抗しただけでそのまま盾が真っ二つにされ使い物にならなくなってしまった。
「ああっ!! 盾が!!」
「やはりジータではクリス相手は無理があったか!」
リビアとアンジェが私を心配する声が聞こえる。観客はクリスさんを応援する声と私を身の程知らずと蔑む罵倒ばかりだ。あんまり聞かないようにしよう。
それにしてもこの鎧、魔力で操作する造りになっているんだけど──
基本鎧も生身で動かす感覚で操作できるはずだけど、どうも私が思うように動けない。数瞬遅れるのだ。師匠が用意してくれた鎧に乗った時はこんなことなかったのに。
もしかするとあの鎧は師匠が私のために合わせて整備してくれていたのかもしれない。だから借りた機体だとこうしたラグが発生しているのかも……?
──なら仕方ない、ラグを考慮して戦えばいいか。
『どうした! まだ一度も剣を振って──ッ!?』
ガァンッ!とクリスさんが大剣で何かを防いだ音が響いた。
クリスさんも咄嗟だったからか、何を防いだのか自分でも理解出来ていなさそうだった。
『何が──』
『ごめんなさいクリスさん。この鎧に慣れるのに時間がかかってしまって防戦一方になってしまってました』
私の鎧が真っ二つになった盾を投げ捨て、ロングソードを両手で構える。ファイターを意識した構えだ。
『でも、もう大丈夫です』
『……雰囲気が変わったな。いいだろう、全力で迎え撃つ!!』
クリスさんも構えを取った。
ここからは言葉はいらない。剣と鎧で語るのみ!
『いっけええええ! テンペストブレード!!』
『なぁっ!?』
テンペストブレード。ジータちゃんの必殺技、奥義のひとつ。
剣に風を纏わせ剣戟に合わせて斬撃を飛ばす技だ。
近、中、遠距離どれでも使える万能奥義だ。
『ざ、斬撃を飛ばすだと!? そんな魔法みたいな剣があるのか!?』
どうやらクリスさんは斬撃を飛ばせないらしい。そんなに驚かなくても、クリスさんも剣に魔力を纏わせてたし練習すれば出来るようになると思うけどな。
『えいっ! やあっ!』
『ぐっ……!! ひ、卑怯な……剣士の戦いにあるまじき行為だ!』
『剣ひとつ持って近接しかできないんじゃ落第だって師匠に叩き込まれましたからね! それに……ここからは近接で行きますよ!!』
踏み込みクリスさんに接近しながらテンペストブレードで斬撃をお見舞いしていく。
テンペストブレードの良いところは範囲が広いところだ。クリスさんはその攻撃範囲を避けきれず、剣で何とか凌いでいるがそれは失策だ。剣での戦いに集中しすぎて空という逃げ道を忘れてしまっているように見える。でもそう見せるためのブラフかな?
でも私の近接宣言に反応したようでクリスさんは地上で迎え撃とうとしていた。
なら……詰みだ。
『やああっ!!』
接近してのトリプルアタック。クリスさんは持ち前の技量でこれを大剣で防ぐが、このトリプルアタックを防いだ後、その防御は維持できないだろう!
『ボーパルブレード!!』
ジータちゃん必殺技、奥義のふたつめ。
流れるような五連撃がクリスさんを襲い──大剣による防御は耐え切れず剣が砕けた。
『ば、馬鹿なっ!? この剣はそんな簡単に壊れるような──』
狼狽えているクリスさんを置き去りに、私は追撃を開始する。
がら空きになった胴体に再びトリプルアタックを叩き込み──グラブル風に言うならBREAK!状態へと持ち込んだ。
──ここで決める!!
『これで決める!! ライジングソードォォォ!!』
ジータちゃん必殺技、奥義のみっつめ。
BREAK!状態になりまともに動けないクリスさんの鎧に文字通り斬り上げる!
クリスさんの鎧は斬り上げられ宙を舞う。クリスさんも抵抗しようとしたみたいだけど、それよりも私の動きの方が速く、間に合わない。
そして──。
『やあああっ!!』
そのまま跳びあがり、両手で構えた剣を宙を舞ったクリスさんへと叩き込む!
咄嗟に手で受けようとしたみたいだけど、関係ない! そのまま押し込む!!
『こ、こんなことが!? 私が負け──』
『いっけええええ!!』
ドォォォオオン!!と闘技場全体に衝撃と轟音が鳴り響いた。
巻きあがった砂煙が晴れれば、私のロングソードがクリスさんの鎧の腕を斬り飛ばし、操縦席付近に刺さっている姿が観客からも、代理人からも、審判からも見えたことだろう。
クリスさんの鎧はピクリとも動かず、気を失っているようだった。
『しょ、勝者ジータ!!』
審判のその宣言に闘技場が湧いた。
それは歓声だったのか、悲鳴だったのか、それとも慟哭だったのか分からない。
けれど私はこうして一勝を勝ち取ったことに満足している。
私はアンジェたちに向き直り鎧のままピースした。
彼女たちはそれに笑顔と拍手で返してくれた。
ジータちゃんが鎧を十全に使うにはファーさんや師匠、ルクシオンの協力が絶対必須です。
でないと鎧がジータちゃんについていけません。
なお、ジータちゃんが魔装を使った場合は最終決戦リビアぐらいしかまともに相手になりません。魔装形態になった途端蒼い十二枚羽が生え、テンションぶち上げてパラダイスロストしたり、ケイオス・レギオンしてきます。
もしかして:闇堕ち