ええっ!?この世界ってグラブルじゃないの!? 作:ざいざる嬢
両方落ちないっていうのが騎空士のつらいところだな。
ワムデュスもいい加減に武器落として。青箱取れないの。耳飾り出ても嬉しくないの(使ったことない)
あ、今回から(?)独自要素多めで行きますのでご了承ください。
後、チャッピーに頼んでこの作品のイメージイラストを作製してもらったので目次に貼っておきます。思った以上に出来が良かったです。
無事上陸を済ませたところで周囲の様子を見ながら早速目的地のダンジョンへと進んでいく。
今回挑むダンジョンは遺跡タイプと言われているようで、石造りのどこか古めかしい入り口から中へと向かう。
先頭はダン先輩と他の先輩二人の計三人、その後に私とクラリス。最後尾に残りの先輩四人がいるという布陣だ。
これはダン先輩たちの方がアピールしやすいかな?後衛に回った先輩たちは残念だったね……と思いつつ、後ろからクラリスをずっと視界に入れることは出来るのである意味では役得かな?
ただダンジョンだから一応気は抜かないでほしいな。
「まるでテーマパークに来たみたいだ。テンション上がるな~」
「ジータ? 貴女何言ってるの?」
ごめん、ちょっとふざけた。
さて、このダンジョンではどんなモンスターが出てくるのかな? 学園ダンジョンではデカい蟻と猿みたいなのばっかりだったけど……。
しかしあまりモンスターの姿が見えない。
私のジータちゃん直感でもこの近辺に魔物の気配を感じない。このダンジョンはそういうダンジョンなのかな?
「珍しいな、結構歩いているのに魔物と出くわさないなんて……」
「そうなの?」
「ええ、お嬢様はあまりご存知無いと思うのですが、ここまで魔物が出てこないのは珍しいです。
こうして魔物があまり出てこないダンジョンの場合、考えられる要素はふたつ。
ひとつは既に誰かに攻略されていて魔物がいない状況にあるか。もうひとつは……最深部に宝を守る魔物がいて、その一体だけでダンジョンが成り立っている場合です」
「一体だけの魔物が存在するダンジョンなんて……そんなことありえるの?」
「ごく稀にあるらしいです。その宝を守る魔物はとんでもない強さを持っていると聞いたことがあります。もしそうなら……」
チラッと私に目で語りかけるダン先輩だが、安心して欲しい。ここはファーさんが選んだダンジョンだから、そんな危険な魔物がいるわけがない。
仮にいたとしても私が倒せると判断しているはず。だから大丈夫だ。
そういう意味を込めてグッと親指を立てて返すとため息を吐かれた。なんでや。
「おっと、ここは……行き止まり、か?」
と、そんなやり取りをしていた矢先、行き止まりに着いてしまった。
一本道なのに行き止まりと言うのもおかしいな。最奥と言うべきか。
「行き止まりみたいね。どこかで分かれ道や隠し通路なんてあったかしら?」
「もしかするとその可能性もあるかもしれませんが……考えられる可能性として、この行き止まりの先にまだ道があるという可能性も……」
「あれ?これなんだろう?」
よく見ると行き止まりの壁の近くに仕掛けのようなものがあった。
なるほど、これを解くと道が開く的な感じか。よーし、ここは張り切って……
「爆弾持ってるよな?」
「ああ、手っ取り早く爆破した方が楽だ」
あれぇっ!? 爆破すんの!?
ここは私の謎解きする場面じゃないのかな!?
「ちょっと……爆破するつもりなの……?」
「ええ、危ないんでお嬢様は離れ……お、お嬢様?」
ふと振り返るとクラリスの様子が少しおかしい。自分の身体を抱きながら小刻みに震えていて、呼吸もおかしい。冷や汗も浮かんでいるように見える。
……まさかだけど、爆弾がトラウマになってる? PTSD的なものを発症しているのかも……。
「ダン先輩、その爆弾しまってもらってもいいですか?」
「あ、ああ……そうだな。すまない」
ダン先輩も爆弾を見てからのクラリスの変化を察したのか素直に従ってくれた。すごく申し訳なさそうな顔をしているけど、これを予想するのは難しいから仕方なかったと思う。
誰が悪いかと言えば
。
そういえば決闘に勝った約束通りクラリスに謝りに来たんだろうか? もし来ていないなら一度お話しする必要があるね。
「クラリス、大丈夫?」
「ジ、ジータ……私……何か変で……」
「どこも変じゃないよ。ちょっと疲れただけだって。
皆さん、一度休憩しましょうか。ダンジョンは逃げませんし、魔物も出ないみたいですから丁度いいですよ」
「そ、そうだな。そうしよう。 ……すまないなジータ」
「いいんですよ、こういうこともありますって」
本当は一度グランサイファーに戻った方がいいかもしれないけど、軽度の症状に見える。一度落ち着いてから判断をしよう。どちらにせよアトリー伯爵には報告しないといけないな。
とりあえず、クラリス先輩を座らせて落ち着くまで手を握っていたら「少し……抱きついてもいいかしら?」とか細い声で聞いてきたので了承した。
案外こうした触れ合いが一番効くのかもしれないとクラリスの好きにさせる。
時折抱きしめながら身体の至るところにそれとなく触れているのはなんでだろう? もしかして私がちゃんといるかの確認とか……かな?
それで落ち着くなら、と私もクラリスを優しく抱き返し背中をポンポンと叩く。
そうしてしばらくして落ち着いたのか、クラリスの顔色は元に戻っていた。
「迷惑かけちゃったわね……ごめんなさい」
「い、いえお嬢様、頭を上げてください!! 元はと言えば俺たちがあれを……」
爆弾という言葉が文字通り地雷と化しているので口には出せないが、ダン先輩たちは責任を感じているみたいだ。
あんまりこの空気が続くのも良くないので、私がこの空気を和やかに変えるとしよう。
「ところで、この仕掛けの解き方誰か解りました?」
「え? ああ、あんまり見てなかったな……すまない」
「この仕掛けを作動させるとどうなるんだろうな?」
「普通に考えればどこかに新しい道が出来たりして進めるようになるんじゃないかな?」
「もしくはこの仕掛け自体が罠か……」
よし、みんな仕掛けの方に思考が行ったな。これでしばらくは罪悪感なんかは考えずに済むはず。
「ジータは何か思いつかない?」
「私? そうだな……仕掛けを動かして罠だったとしても全部壊せばいいんじゃないかな?」
確かアニメのジータちゃんもそうしたはず。*1
「ああ、その手があったか!」
「なんでそんな簡単なことを思いつかなかったんだ……」
「同じ壊すでも方向性が違ったな……流石特待生、いや次期準男爵か?」
「いや、この冒険の成果次第で更に上がる可能性もあるぞ……」
どうやら誰も私の案に反対する人はいないらしい。冒険経験が少ないクラリスだけポカーンとしている。可愛いね。
割と脳筋な考えだったけどホルファート王国の冒険者では当たり前の考えだったらしい。*2
そういうわけで仕掛けを動かすことになった。
クラリスのPTSDは書いてるときに思いついてしまったので、採用した次第です。
あんな絶叫上げてトラウマにならないわけありませんよね、ということで。