ええっ!?この世界ってグラブルじゃないの!? 作:ざいざる嬢
なおリオンの胃痛ネタが増える回です(ニッコリ
ダンジョン攻略後、私はグランサイファーの一室で今回入手したロストアイテムの効果に慄いていた。
「こ、これは……!!」
私は自分の姿を見て驚いた。
……いや、厳密には違うかな。リビアに似ているけどアンジェにも似ているというか……ともかく全体のシルエットはリビアに似た女性の姿に私は変身していた。胸のサイズも頭身も変わっている。
ただ、変わっているとはいえ
つまりこのロストアイテムは──
「
まさかこんな便利なアイテムが現実にあるとは!
グラブルでいっぱいスキンを買ったり、ファーさんに色々衣装を揃えてもらっていた身としてはこれ以上に嬉しいアイテムはないかもしれない。
『スキン変更?』
「ああ、ファーさんはそういう文化を知らないのか。スキンっていうのはね、キャラクターの見た目を変更する文化でね、季節ごとの衣装だったり特別な衣装を着せ変えて楽しめる素敵なシステムのことだよ」
『……性能は変わらないのだろう? なのにスキンとやらは必要なのか?』
「かぁーっ!! ファーさんは分かってないな! 特別な衣装には特別なボイスも付きものなんだよ! それにこれはガチャを回さなくてもキャラの別の姿を見られる素敵な仕様なんだよぉ!? それに値段もお手頃だったし!」*1
ジータちゃんだけでどれだけのスキンがあると思ってるんだ!!
もう入手不可能なスキンだってあるんだから!
『……マスターは企業の策略にまんまと乗せられていたのではないか?』
「それはいいの!! 私は納得して買ったんだから!! 後、グランサイファーにいるんだから団長って呼んでよぉ!!」
限定キャラ狙いでガチャ天井するよりは遥かにお得だから!!
……ふぅ、ちょっとムキになっちゃった気がする。反省。
『なるほど、マスター……団長が言うようにこの鏡には見た目や外郭を偽る機能があるようだ。いくつか姿を登録して鏡から発せられる光に照射されるとその見た目になると……』
あ、ファーさんが早速解析を始めてた。しかも私の説明より分かりやすいし。
『これのもっと大きなものがあればあの戦争でも艦種を偽った攻撃が出来たというのに……』
物騒なこと考えてた。やめてくれ、スキン文化をそんな荒事に使わないでくれ。
確かに誰かに成りすませたりしそうだけどさ!!
「あっ」
『どうしたのだマス……団長?』
……ふと、思いついた。これ使えばファーさんが姿を隠す必要ないんじゃないか?
「ファーさん、アガスティアと
そうだ、そうだよ。ファーさんにこれを使えばファーさんをマナベリとして堂々と連れまわせるじゃん!!*2
『……私は姿を現す気はないぞ?』
「でも、これを使ってファーさんの姿をマナベリにすれば私の傍にいてもおかしくないよ? ファーさんがいつも私の部屋で待機している必要もなくなって、いつでも一緒にいられるよ?」
『そもそもマナベリとはなんなのだ? マスターはこの世界の知識があるのかもしれないが、私のデータベースにはそのようなものは存在しない。説明を求める』
「んーと、簡単に言うと妖精とか魔法生物とか使い魔に近いかな? ゲームだと
『……どちらかというとそれは新人類の魔装に近いな』
「魔装?」
『新人類の開発した鎧だ。魔装と新人類は融合しその身を鎧と化す。そのマナベリとやらは生体コアを持った魔装と少し特徴が似ている』
あ、これは遺恨があるやつだな。聞くだけなら鎧に変身できるロストアイテムだと理解できるけど、多分そんな生易しいものではないんだろうな。ファーさんがいつも以上にピリついているぐらいだし。
となると心象的にはあんまりよくないかな……。元々魔法も新人類が使える技術だったみたいだし、ファーさん的にはマナダイバーやウィザードオリジンはお好みじゃないかもしれない。
「そっか……じゃあやめておこうか」
『待て、どうしてその結論に至った?』
「え? だって旧人類の兵器であるファーさんに私の傍にいるために新人類の魔装の姿になってって言ったら嫌じゃないかなって。あんまり新人類好きじゃないんでしょ?」
『……団長の心遣いには感謝しよう。だが、私は旧人類が遺した装置によって新人類の魔装の姿になるだけだ。もし他の人工知能に見られればいい顔はされないかもしれないが、私は私だ。
だから団長、その提案を受け入れると同時に君の評価を上方修正しよう』
「ファーさん……ありがとうね」
ファーさんも色々思うことがあるだろうに私の提案を呑んでくれるとは……。
でもこれでファーさんをひとりで待たせなくて済む!
正直いつも別行動だったから、こうして一緒に行動できる口実が出来て私は嬉しいよ。
「じゃあ、さっそくスキンの設定を……」
なになに? モデルを鏡に映して視覚データを登録して……ふむふむ。
あ、イチからモデリングも出来るんだこれ。でもこれ素人じゃかなり難しいぞ……?
「ファーさん助けて!!」
『出来ないと判断してからの行動が迅速だな。その判断力は評価に値するが、今回は諦めが早すぎるという点を加味して下方修正しよう』
「ぐぅ」
『ぐぅの音だけ出すんじゃない』
それからファーさんの協力を得て、無事スキン変更のロストアイテム──仮称スキンミラー──にファーさんのスキンを登録することに成功した。
モデルは結局ルシファー・ミニストルになった。アガスティア・ダブルだとあんまり変わらないからって理由と、ルシファー・ミニストルはどうやら新人類の魔装とも大きく形が違うためそんなに気にならないのと私が推しているからそれでいいという。
正直に言えばビィくんか
そしてビィくんとファーさんではキャラが違いすぎるので、やっぱりルシファー・ミニストルになった。こればっかりは仕方ない。
「オイラァ!」とか言うファーさんはあんまり見たくない──いやちょっと見てみたい気もする。
ついでにそのまま私に使いやすいようにと改良も施してくれた。本当にファーさんは頼りになる……もうホント大好きだ。愛してると言ってもいい。
『気安くそういった言葉を口にするんじゃない。あらぬ誤解を招くぞ』
また口に出てたらしい。どうもこれは私の癖になっているみたいだ。気をつけないと。
なにはともあれ、私は今後ファーさんと一緒に過ごせる時間が増えたことに私は喜びを隠せなかった。
それからこの後は予定通り(?)ファーさんが見立てていた未開拓の浮島を発見し、この浮島を私の領地とするべくクラリスがあれこれ手続きをしてくれた。
ただクラリスとダン先輩たちがちょっと引いてた。私の強運に。
実際は全部ファーさんのお陰なんだけどね。なんならこの休み中はダンジョン巡りをするつもりだから実績はもっと増えるんじゃないかな……。
「ここで会ったが百年目ぇぇぇえええッ!!」
「ぐえええええええっ!?」死んだンゴ
「ジ、ジルクーッ!!?」
後日、別のダンジョンを攻略しに出たらユリウス殿下たちとマリエさんに遭遇した。
とりあえず謝罪をしていないらしい
スキン変更アイテム
乙女ゲーに存在したスキン変更アイテム。乙女ゲーでの正式名称は【聖女の手鏡】。
使うと主人公であるオリヴィアや攻略対象者の服装や鎧のデザインを変えることが出来る。
乙女ゲーにおいてはその程度のアイテムだったが、現実となったこの世界ではあらゆるものの姿を偽ることが出来るとんでもアイテム。
旧人類と新人類の戦争でもこの鏡による錯乱作戦でかなりの損害を与えた実績を持ち、新人類側から徹底的に破壊された経緯を持つ。
ファクトがこの鏡のことを知らなかったのは、既に戦場でこの鏡が役に立たなくなっていたため。
この鏡に登録されていた女性の姿はこの鏡の最後の所有者……という設定。この鏡を入手するイベントで聖女の姿を知ることが出来る。(なお、確認するにはアイテム欄で鏡を選択するしかなく、回想などでは確認できない仕様)
ジータちゃんはファーさんにこれを更に改良させて、スキンの登録数や機能を増やしている。武器スキンも変えちゃうし、オルターエゴもやっちゃう。
ジータちゃんにとっては便利なスキン変更アイテムに過ぎない。
次回は5馬鹿withマリエとのダンジョン攻略になります。(予定)
それが終わったらマリエ視点、そして学園祭編の予定です。