ええっ!?この世界ってグラブルじゃないの!? 作:ざいざる嬢
少しグラブル復帰してみたけど、完全に遊び方を忘れてしまっている……。
復帰した人にも分かりやすい解説とかないかな……?
なお私の最後の記憶はレプリカルド・サンドボックスの実装直前あたりです。
王都に着いて早速学園へと向かった私は早速王都の華やかさに目を奪われていた。
私の暮らしていた島なんてド田舎と思えるぐらいに発展している。ファーさんを仲間にするまでにいくつかの島々を渡りはしたものの、それらとも比較にならないぐらいに栄えている。
設計は前世で言うヨーロッパ風の造りで、どこを見てもついつい目を奪われてしまう。
オタクはみんなヨーロッパの街並みが好きなのだ。(個人差があります)
ただ飛空艇が木製でなく、普通に金属製で装甲に覆われていて大砲や鎧が搭載されている。
そして街並みも中世あたりの風景に見えつつも、電気などが通っていて近代化が進んでいる。
なんだろう……それぞれの時代のいいとこどりみたいなチグハグさを感じる。
まあ、グラブルの世界だしそういうこともあるだろう。元はゲームだし。
グラブルでも星の民の影響か、島それぞれの特色か文化の違いで違った雰囲気の島は多かった。
ファンタジーというだけあってハイファンタジー、ダークファンタジー、スペースファンタジーなど様々なジャンルのストーリーやイベントがあったので、ホルファート王国はこういう文化なんだなと受け入れられた。
まったくファンタジーという言葉は便利で浪漫にあふれている。だから大好きなんだ。愛してんぜ。
王都の空気を堪能した私は早速学園へと向かい、入寮の手続きを済ませる。
学園は全寮制で特待生として迎えられたからか平民である私にも部屋を用意して貰えた。
しかも学園で掛かる費用はほとんどないという。ありがたい話だ。
……ただ周囲の人間の私を見る目がどことなく冷たい。
元々この学園は貴族の子弟が通う場所だから平民が特待生として同じ場所で学ぶというのは彼ら、彼女らにとってはきっと嫌悪感を抱くのだろう。それはまあ……仕方ないよね。
前世立憲君主制の民主主義国出身の私にはそういった身分差というものはあまり馴染みがない。精々、職場での上司と部下関係程度のものだ。
けれどホルファート王国は貴族制で王族が国を動かす封建制度。私の前世での常識は通用しないと思っていい。
「まあ、礼を失することが無ければ大丈夫でしょ。無礼と失礼は違うって言うし」
『それは受け取る側次第だぞマスター。もう少し緊張感を持った方がいい』
「はーい」
こうして、入学式へ参加した私の学園ライフが始まるのだった。
「……え?」
『マスター、どうしましたか?』
「あれって……いや、見間違えじゃないよな?」
俺、リオン・フォウ・バルトファルトは転生者だ。
前世は妹に押しつけられた乙女ゲーを寝ずにやり込みクリアして、それが祟ったのか階段から落ちて死んでしまい、気づけばその乙女ゲーの世界へと転生していた。
この乙女ゲー、実にフワフワした設定ながら難易度がクソほど高くクリアするのに課金が必須とまで言われていた。
そんな世界に転生してしまった俺は男爵家の三男坊として生まれたわけだが、学園への入学前にゾラ──親父の正妻に縁談を持ち込まれた。
──その縁談が酷すぎた。五十を超えた娘さんとかなんだよ!しかも結婚回数も七回を超えているし!過去の結婚相手の身上書も『名誉の戦死』となっていた。
このことから俺はゾラが俺を殺して金や名誉が欲しいのだと気づいた。ゾラの思い通りにいけば俺が死んだ後に毎年遺族年金が入る。
このゾラという女のことは嫌いだった。基本的に正妻であるゾラとその子供は王都で豪勢な暮らしをしている。しかも親父が屋敷を用意して生活費の仕送りまでしている。お陰で妾の子である俺たちは貴族なのに貧乏暮らしだ。
そんな暮らしをしているのにこの態度。俺を──俺たちを金を生む道具にしか思っていないこいつが大嫌いだ。
だからこの縁談を俺は拒否した。その為には金が必要だった。
その為に俺は原作知識を捻りだし、冒険者になって一獲千金を狙いに旅に出た。
──そうした冒険の末に俺は前世の課金アイテムである宇宙船ルクシオンを手に入れた。
これで五十のババアと結婚することもなくなり、ゾラの鼻も明かせてやった。
これでようやく平穏な暮らしを送れる……と安堵したのも束の間、ルクシオンというロストアイテム──失われた技術で造られたアイテム──の発見、未開拓のダンジョンの攻略、新しい浮島の発見という功績のせいで学園卒業後は男爵の地位を得ることが確定してしまった。
男爵になることが決まった俺は卒業までに良いところのお嬢さんと結婚しなければならない……。
だが、貴族の令嬢というとあのゾラや学園に行ってかぶれた姉のような女ばかりだという。
俺は泣いた。どうしてこんなことになったんだ、と。
そうして同じ田舎貴族の新入生歓迎会に参加し、親睦を深める中でひとつ気になる話題があった。
「そういえば今年は注目されている一年生は他にもいたな」
「優秀な人材を拾い上げるために貴族以外の人間も学園に入れるってことらしいけど、
「
「平民なら当然普通クラスですよね?」
「それが二人とも上級クラスなんだよ。一人はリオン君のように冒険で成果を上げたというから解るんだけど、もう一人はなんの伝もないらしいんだよね。
今年は王太子もいるし面倒にならないかってみんな気にしてるんだ」
その話を聞いて俺はどういうことだと内心疑問に思った。
あの乙女ゲーの世界なら入学する平民はたったひとり。それが主人公であるオリヴィアだ。
それがこの世界だと二人──即ちオリヴィアと誰かがいるということだ。
「俺以外に冒険で成果を上げた平民がいるんですか?」
気になって俺はその話を深掘ることにした。
「ああ、なんでも冒険者になって数ヶ月でロストアイテムを発見したらしい。それがどんなものなのかまでは不明だが、それを成せる実力を持っているから学園に特待生として招待されたって言う話だ」
それを聞いて俺はまず俺と同じ転生者の存在を疑った。
転生者でこの乙女ゲーをプレイしていた人間なら俺のようにダンジョンやロストアイテムの在処を覚えていてもおかしくない。
その知識を活用して、こうして原作に介入することも可能だろう。
一応自分の記憶と照らし合わせる必要があると判断した俺はもう少し情報を集めようと話を進める。
「へぇー、俺以外にもそんな人がいたんですね。どこの出身なんですか?」
「ああ、どこの辺りだったかな……かなり辺境の出身だったはずだ。 ……ああここだ」
わざわざ地図を出して先輩が指差した場所は俺の知識とは全く一致しない島の出身だった。
この辺りは乙女ゲーのマップ範囲には無かったはずだ。
だが、こうして転生した世界にはゲームと異なり地図の外にも世界が広がっている。
それならこういうこともあるだろうと納得した。
そして入学式で俺は見た。その特待生の姿を。
……どこからどう見てもグラブルのジータじゃねぇか!!?
「いや……あそこにいる金髪のボブカットの子……」
『彼女がどうかしましたか?』
「……あれ、見た目が前世のソシャゲの主人公なんだよね」
『おや、そのようなこともあるのですね。どんなゲームですか?』
「奇遇にも世界観だけならあの乙女ゲーに似てる。課金要素あるところも似てるけど、正直面白さで比べたらソシャゲの方が上だ」
アレは課金してもすぐに上級者になれるわけじゃないから時間をかけてやらないといけないが、その分エンドコンテンツも多かったのを覚えている。
『そうですか。ではそうなるとマスターが言っていた妄言が妄言だったということになりますね』
「いや、あの乙女ゲーの主人公のオリヴィアもいるのは確認したからそれはない……と思うんだけどなぁ……」
『念のため彼女を調査しておきましょうか』
「……頼む」
まさか俺が死んだ後にあの乙女ゲーとコラボした……なんて世界じゃないよな!?
そんな嫌な妄想をしながら俺はルクシオンの調査報告を待つしかないのだった。