ええっ!?この世界ってグラブルじゃないの!? 作:ざいざる嬢
応援ありがとうございます~!!
感想でジータが恐怖の対象になってるの見て笑いましたw
後、グラブル復帰のあれこれをレクチャーしてくれた方々もありがとうございます!
無事に入学式を終え、学園での生活が始まりはや二週間。
私は上手いこと学園に馴染んでいた。
最初こそ平民の私が貴族と同じ学園に通っているのが気に食わなかったのか、周囲の当たりが強かったけれど私は挫けなかった。
何を隠そう私はジータちゃんなのだ。癖が強いあの団員たちをまとめ上げていたあの団長ことジータちゃんに転生したのだから、性格が悪い令嬢を相手にご機嫌を取って上手く付き合うことなぞ造作もないことなのだ!!
平民らしく貴族を敬い、讃え、流行の話題を提供し機嫌良く煽てれば相手から勝手に『こいつは立場を理解している』と受け止めてくれるのだ。時折面倒事を押しつけられるが、十天衆や十賢者を解放するクエストの面倒さに比べれば遥かに楽だ。
これも全てファーさんのサポートの賜物である。ファーさんが集めてくれた情報を基に立ち回れば大抵のことは上手くいくのだ。頼りがいのある副団長がいてくれて私は嬉しいよ。
ただまあ、そんな生活をしているとどうしても気疲れしてしまうので、忍者を習得した時に身に着けた隠遁術で上手くやり過ごしたりするときもある。
私はジータちゃんだが、本物のジータちゃんではないのだ……これが本物と転生者の差かと思い知らされたよ。
そんな中で私は日頃の学園生活以外にハマったことがある。
──そう、エアバイクだ。
学園にいる間は長期休暇でもない限り冒険に出ることは難しい。しかしながら、この世界に生まれたのにこの大空を堪能しないというのはありえない。
ファーさん作のグランサイファーで出掛けるのが一番望ましいけど、グランサイファーはまだ表に出していないし出せば他の貴族の方々を刺激することになるから却下。
仕方ないから何か暇を潰せるようなものはないかと王都を散策していたところ、エアバイクのレース場を見つけたのだ。
私は年甲斐にもなく──いや、年相応に興奮した。目の前にある光景を見て「プラチナ・スカイだ!!」と騒いでしまった。
プラチナ・スカイとはグラブルで実施された期間限定イベントで、続編のプラチナ・スカイⅡが作られるぐらいには人気のイベントだ。
こうなるともうエアバイクに乗りたくて仕方がなくなってしまった。
早速ファーさんに「ナイトサイファー作って!!」と勢い任せに頼んでしまうほどに。
多少評価を下方修正されてしまったものの、ナイトサイファーは作ってくれるという。ついでにレーシングスーツも。
なんだかんだ頼みごとを聞いてくれるファーさんが私は大好きだ。愛してんぜ。
さて、そんなエアバイク熱が上昇している頃に出会ったのが、学園二年生のクラリス・フィア・アトリー伯爵令嬢だった。お淑やかで優等生という印象を抱いた彼女はひとりレース場で盛り上がっている私に態々声を掛けてくれたのだ。
このレース場はクラリス先輩の実家──アトリー伯爵家の持ち物でエアバイクもそれに乗る選手や整備士も一手に抱えているらしい。すごい。
クラリス先輩はどうやら私のことを知っていたようで、今後の有望株として気にしていたとか。
そんな出会いがあり、そのまま流れでお茶に誘われ親睦を深めることになった。
「エアバイクに興味があるの?」
「はい!小型の飛空艇で空を駆ったことはありますけど、ああいうスピード重視のヤツには乗ったことがないんですよね。それで偶々ここでレースをしているのを見て憧れが強くなりましたね!」
「そうなのね。 ……良ければ乗ってみる?」
「……いいんですか?でも、ああいうのって資格とか必要なんじゃないですか?」
「そんなことないわよ。選手として出場するのならいくつかの手順は必要だけど、乗るだけなら何も問題ないわ」
そう言ってクラリス先輩はエアバイクを用意してくれた。なんてお優しい御方なんだ……。
今まで私が媚びを売っていた令嬢たちとは雲泥の差である。どうしてここまでの差があるのだろう……?
「ダン!ちょっといいかしら」
「お呼びですかクラリスお嬢様!!」
クラリス先輩が呼んだのは浅黒い肌に黒い髪、がっしりとした体形をした男性だった。レーシングスーツを着ているから彼も選手のようだ。
「そちらの方は?」
「例の特待生のひとり、ジータさんよ」
「初めまして、ジータです」
ぺこりと頭を下げ挨拶をする。特待生と聞いて一瞬身体が硬くなっていたみたいだけど、クラリス先輩がいるからかすぐに自然体になっていた。
これを見るだけでクラリス先輩は男性からも好意的に見られている……いや、信頼されているのがよく分かる。
「学園三年生のダンだ。それでお嬢様、もしかしてですが……」
「ええ、そのもしかしてよ。 彼女、エアバイクに興味があるみたいなの。だから乗り方と操縦の仕方を教えてあげて欲しいの」
なるほど、素人の私に手ほどきするために態々選手のダン先輩を呼んでくれたのか。なんとも面倒見がいい……。好きになってしまう。
「……そういうことですか、わかりました。指導役、謹んでお受けさせていただきます」
どういうことなんだ???
どうやらダン先輩はクラリス先輩の頼みから何かを察したらしい。以心伝心ってやつかな?私もファーさんとそういう関係になれたらいいな。
いつだって以心伝心な団長と副団長……いいじゃないか。
「ジータと言ったな。俺の指導は厳しいぞ。遊び感覚でいるなら今のうちに辞めておくんだな」
「厳しいのには慣れています!ダン先輩、よろしくお願いします!!」
そうして、エアバイク訓練が始まった。
小型騎空挺を運転した経験があるからか操縦自体はすぐに習得できたのは幸いだった。
ダン先輩もクラリス先輩も呑み込みが早いと感心していたのをよく憶えている。
指導も厳しいと言っていたけど、師匠に比べたらとても優しかったので感動した。
師匠は教えと同時に手が出るからね……。
それからはダン先輩だけでないクラリス先輩の取り巻きの男子生徒ともエアバイクを通じて親睦を深め、今ではエアバイク友人として仲良くさせてもらっている。
ようやく友人が出来たなとしみじみしてしまう。
……そういえば私以外にもうひとり特待生──平民の子がいるはずなんだけど、会ったことないな。
同じ平民仲間だし親睦を深めたい気持ちもある。今度会いに行ってみようかな。
次回でオリヴィアと絡ませたい……。
リオン?まだ会わせずに疑心暗鬼で苦しんでもらいますw