「ウソノワール様。それは…?」
「何処からどう見てもマコトジュエルだろう。」
ウソノワールの組織。彼の部下である美少年ニジーはウソノワールが持っていた水色のマコトジュエルを見つめていた。
「…もしかして、あの時に手に入れた物ですか…?」
「そう言う事だ。これを使えば…私も大王に…!」
ウソノワールがそう言って高笑いしようとすると、突如として影が襲いかかってマコトジュエルが奪われた。
「!?」
「ナニヤツ!」
ニジーが見ると、フードを被った謎の男がマコトジュエルを奪ったままそのまま逃げ去った。
「待て!」
ニジーは急いで彼を追いかけて商店街に出る。
「…何処行った…!」
そんな時、玲二とるるかがアイスを食べながら向かう。
マシュタンもるるかに抱えられながら向かっていた。
「ヘイベイビー!」
「誰だよ。」
「…そういえば自己紹介が遅れたね。僕はニジー、ウソノワール様の忠実な部下さ。」
「へー。」
玲二は興味無さそうに言う。るるかは黙ってアイスを貪る。
「それよりなんでそんなに焦ってるんだ?何か事件でも?」
「大変なんてもんじゃない!ウソノワール様が持っていたマコトジュエルが奪われたんだよ!」
それを聞いたるるかはアイスの一段を地面に落としてしまった。
「……は?」
「ま、まじか。ソイツは何処に?」
「さあね。僕も探してみるけど、まあ君達にも探してもらうからな!」
そう言ってニジーはその場から消えて行った。
玲二はアイスを一気に食べ終えて口についたアイスを拭う。
「おいおい。怪盗なのに盗まれるなんて…ちょっとずさん…ん?」
玲二はるるかの方を見る。
……なんだか顔色が悪く、何か焦っているような感じとまずいと言うような顔をしていた。
「…大丈夫か?」
玲二からしてみれば体調が悪そうとしか見えなかった。
「………くっ…!!」
るるかはアイスを一気に食べて振り返って歩き出す。
「お、おい待てよ!」
玲二は彼女の横について行って話を聞こうとする。
「何そんなに焦ってんだよ?それに、ウソノワール…?が持ってたマコトジュエルに何か秘密でもあるのかよ?」
「………」
「るる…」
「うるさいっ!!」
「!!」
「………探しに行くから、あなたも探して。」
いつも以上に低い声で彼女はそのまま歩いて行った。
少し怖い雰囲気で玲二も怖気付いた。
「…あ〜らら、怒られちゃった。」
「マシュタン。」
マシュタンが玲二の頭の上に乗っかる。
玲二は追い払おうとするが絶妙な位置で離れなかった。
「るるかの奴何か隠してるんだろうな…でもあの様子じゃ話してくれないだろうし…」
……その頃、幸次郎は親戚の森にて標的を作っていた。
「…よし…」
そこから離れてブレイザーに変身する幸次郎。
スティレットナイフを出してナイフを投擲した。
標的に刺さったのは2本。その内の1本は何処かに飛んでいってしまった。
「あっ…」
幸次郎がナイフが飛んでいったところを見て思わず声が出てしまった。
同時期、フードの男は何処からともなく飛んできたナイフにフードが当たる。
その拍子にマコトジュエルを落としてしまった。
「…」
男は拾おうとすると、足音がしたのでその場から急いで去った。
「……?」
幸次郎は変身を解除してナイフを探す。
「…お、見つかった。」
幸次郎はナイフを抜いてしまおうとすると、不意に地面に落ちていた宝石を見つけ、それを拾ってみる。
それはマコトジュエルだった。だが、彼にとっては見たことの無い宝石だった。
「美しい…」
幸次郎はその神秘的な宝石の輝きに目を奪われていた。
「……くれあ殿に…似合うな。」
幸次郎はくれあに似合う色と思い、そのまま荷物を纏めてパティスリーチュチュに向かうことにした。
暫く歩いて幸次郎はくれあと出会う。
「…くれあ殿。お早いお着きであるな。しかし…店はどうした?」
「今日はお休みなんです。幸次郎さん…どうかなされたんですか?」
「…あ、そうだな。」
幸次郎は懐から宝石を取り出した。
「…これをくれあ殿に…」
「わあ…!綺麗な宝石…!いいんですか?」
「…美しい品は…美しき者が持つべきだと思ってな…」
幸次郎はそう言うと、くれあは暫く考えた後に赤面する。
「…こ、幸次郎さぁん!」
すると、くれあの頭に電流が走る。
「ッ…」
頭を抑えるくれあ。
何か自分の存在しない記憶が頭の中に流れてきた。
「…くれあ殿大丈夫か…?」
「は、はい…ちょっと頭が…」
「…仕事の影響かもしれぬぞ。一旦ベンチに座った方がよろしい。」
幸次郎はくれあをベンチに座らせる。
……………
その頃、玲二は近くの公園を歩いていた。
「…ん?あれは…」
目の前を見ると、鍋島が玲二と偶然出会った。
「…お、玲二君じゃ〜ん!久しぶり。」
「透か!確かに随分休んでたみたいだけど、風邪だったのか?」
「そんなもんだって。」
玲二が彼の手を見ると、どうやら怪我をしているらしく包帯が巻かれていた。
「…その手どうしたんだよ?」
「自炊中に怪我しちゃってさぁ…全く参ったよ…」
「気をつけろよ…全く。」
「ま、そういう事だからさ。また学校でね。」
「ああ。」
透はそのまま帰って行った。
それを見て隠れていたマシュタンが出てくる。
「随分仲良しなのね?」
「そりゃ友達だからな。」
そのまま二人は道なりに歩きながら話す。
「なあ、るるかは何をあんなに焦ってるんだ?」
「…ま、貴方には話してもいいかもね。」
と、マシュタンは色々話してくれることになった。
「…実はるるかも元は探偵だったんだけどね。色々な事情で今は怪盗団に居るわ。」
「目的は…キュアエクレールのマコトジュエルを取り返す事。」
「キュアエクレール…」
玲二は初めて聞いたプリキュアの名前に困惑する。
「…でも、そのマコトジュエルが誰かに奪われた…だからるるかはあんな風になってるのよ。」
「そっか…無責任な事言っちまったかな…」
「気にしなくて良いわよ。るるかの事を思って言ってくれてたんでしょ?ありがとう。」
「妖精に褒められたって嬉しくねぇよ。」
玲二は平然と言うと、マシュタンは「ひっど〜い」と笑って言った。
「…今の名探偵って誰が居るんだ?」
「会った事があるでしょ?キュアアンサーとキュアミスティック。」
(この前会ったあんなと小林か…)
玲二はそんな事を思いつつ、マシュタンに色々聞いてみる。
「エクレールって誰なんだ?」
「…会った事があるでしょ…帆羽…」
マシュタンが名前を言いかけると、向こうから爆発音が聞こえてきた。
「なんだ!?」
玲二はマシュタンを頭から離してそのまま走り出した。
「あ、ちょっと!待ちなさーい!」
そうして玲二が走ってその場所に向かうと、ウソノワールとその幹部たちが街に攻撃を仕掛けていた。しかも、その前にはるるかがキュアアルカナ・シャドウに変身してその前に立っていた。
「ウソノワール!?」
玲二は階段から飛び降りて変身する。
「待て!」
弾丸を撃って妨害をする玲二。
「おいおい、どういう状況だ?」
「玲二。もうその判断をしたのね。」
どうやらるるかは以前に話した作戦を既に強行したのだと玲二は判断し、そのままるるかの隣に立つ。
「…チッ…裏切り者め…!」
ウソノワールはそのまま指先からビームを放って二人を攻撃した。
「裏切ったら即刻排除って訳か…しょうがない…!」
玲二はショットチップを装填してプロテクターを装備する。
続けて散弾を乱射して攻撃する。
幸次郎の方でも、爆発音を察知して立ち上がる。
「くれあ殿。某は行ってくる。」
「幸次郎さん!」
幸次郎はブレイザースラッシャーを持って地点の方を見る。
「問題無い。すぐ戻る。」
そうして彼はそのまま走って行った。
「…どうしよう…幸次郎さん…」
くれあは手に握っていたマコトジュエルを見つめる。
しかし、同時に再び頭に電流が走って頭を抑えるくれあ。
「ぐっ…ううっ…!」
頭に色んな記憶が流れ込んできた。
まるで今まで忘れていた大切な記憶を忘れているかのような感覚に陥っていた。
「…こ、これは…!」
くれあは自分が水の中に落ちたような感覚に苛まれた。
目を開けると、シャボン玉に包まれた記憶の断片が幾つも点在していた。
「…これは…」
くれあはそのシャボン玉に触る。
「…こ、これは…。」
記憶の中には、色んな事が詰まっていた。
るるかと共にロンドンで探偵と助手だった記憶が頭に流れた。
「…これは…」
その記憶を触れると、周りの記憶も自身の体に入り込んでくるくれあ。
次に目を開けると、彼女は手に持ったマコトジュエルを見つめた。
「…私…忘れてたんだ…これを失ってたから…」
静かにそう呟くくれあ。すると、髪に付けていたシュシュが彼女の目の前に浮いてくる。
すると、そのシュシュは妖精の形に変わり、そのまま妖精が現れた。
「…シュシュタン!」
「…くれあ、思い出したんでシュね!」
「……なんで忘れてたんだろう…大事な記憶だったのに…」
くれあは不思議そうに呟くと、シュシュタンは答えた。
「マコトジュエルを失ってたからでシュ。自分の探偵としての経験や体験が具現化した物だから、きっとそれを失った事で忘れてしまったんでシュ…」
「…そっか…」
くれあはそう言って爆心地の方に目を向ける。
「くれあ。これを…!」
シュシュタンが懐からくれあに手渡す。
「トップオブリリーフレグランス…」
「この時のために預かってたんでシュ。くれあ…」
「ええ…私達も行きましょう!」
そうして彼女はそのまま走り出した。
「…変身!」
その頃、幸次郎が飛び出してウソノワールに攻撃した。
「泉さん!」
「援護する玲二殿。」
「ふん。いくら集まったところで結果は変わらぬ!」
ウソノワールはそのまま殴って攻撃を仕掛ける。玲二達は回避しながら攻撃しつつも鎧が攻撃を通さない。
「チッ…」
玲二達が苦戦していると、後ろから声がして振り返る。
「玲二さん!」
「あんなと小林!」
二人が変身している状態で手助けに来た。
「ウソノワール…!」
「前戦った時より強そう…」
二人はそう言いながら二人は剣を形成して構える。
「アンサーはなまるソード!」
「ミスティックレイピア!」
走ってウソノワールに攻撃を仕掛けてダメージを与えた。
「有効打にはなっておらぬな。」
「何か強い攻撃さえできればな…」
玲二と幸次郎が言いながら攻撃を仕掛ける。
「無駄だ!その程度の攻撃で、私を止める事はできん!」
「私は大王になり、この世界…いや、全宇宙を嘘で覆い尽くすのだ!フハハハハ…!」
ウソノワールは高笑いして野望を宣言した。
「そうはさせないッ!」
「!!?」
声と共にウソノワールは振り向く。
そこにはオブジェクトの上に立っているくれあだった。
「くれあ!?」「くれあ殿!?」
玲二と幸次郎は非常に驚いており、あんな達も彼女を見て驚いていた。
「う、嘘!?」「くれあさんが…」
…るるかは、彼女の姿を見て、静かに杖を下ろした。
「まさか…そんな…!!」
困惑と驚愕と唖然が混ざり合った顔をして彼女の姿を収めていた。
「くっ…!」
そうして顔を下ろして表情を顰めた。歯を食いしばりながら、彼女から視線を逸らした。
くれあはオブジェクトから飛び降りて、幸次郎の横に立った。
「ここからは任せて。」
「しかし…」
幸次郎さんが心配そうにしていたが、くれあは笑った。
「…大丈夫。」
その言葉に幸次郎はきょとんとする。
「…だって私、強いから!」
彼女は強気にそう言って、マコトジュエルをトップオブリリーフレグランスにセットしてそのまま香水を振り替えて変身する。
水色の光が全身を包んで光が消えていくとそこには姿を変えたくれあがいた。
「おお…」
「あれが…四人目の名探偵…"キュアエクレール"…!」
シュシュタンの言葉と共にくれあは腰に手を当てて自信げな顔をしていた。
メツァメロォ