はやい
「わーいでシュー!これで二回目の変身でシュー!」
「二回目…とな…」
「以前に大きなビッグマコトジュエルがウソノワールの手に渡る前…くれあが奇跡的に変身出来たのが一回目でシュ…!」
「そうなんだ…」
小林とあんなは静かに聞いていて、幸次郎も驚いた顔をしていた…マスク越しで見えないけど。
幸次郎がシュシュタンを見ている。すると、シュシュタンは幸次郎に気付いて手を握る。
「貴方が幸次郎でシュね?いつもケーキを美味しいと言ってくれてありがとうでシュ!これからもくれあを守って欲しいでシュ!」
「???」
幸次郎は何故この妖精に自分がパティスリーチュチュの常連ということがバレているのに驚いてしまった。
それもその筈、幸次郎からしてみれば初対面かつシュシュタンがくれあの付けていたシュシュだということは知らなかった。
しかし、今は気にしている暇なく、ブレイザースラッシャーを再び構える。
「へー…くれあがキュアエクレールねぇ…これでるるかのアルカナ・シャドウ…小林のミスティック…あんなのアンサー、そしてくれあのエクレール…四人もプリキュアが居るなんて…まるで特撮ヒーロー…ってあれ?」
玲二はるるかの方を見るとるるかは項垂れてひたすらブツブツと何かを呟いて髪を触っていた。
何処か闇を感じる雰囲気に玲二は少し冷や汗が出るが、恐れずに肩に触って促す。
「るるか!とにかく今は、ウソノワールを倒すぞ!」
「……うん。」
るるかが頷いたのを見て、玲二はすぐに離れてウソノワールに突撃していった。
るるかはティアアルカナロッドを持ち直す。
(大丈夫…まだ計画は成功出来る。やるんだやるんだやるんだやるんだやるんだ…私が私が私が…!)
るるかは平然を装い、すぐに走って応援に向かった。
しかし冷や汗と過呼吸が若干止まっていないようだった。
「行くわ!」
くれあは一瞬でウソノワールの懐に近づき、殴って吹き飛ばす。
「ぬうっ…!この一撃は…」
「素早い…!」
幸次郎はくれあの動きを見てそう呟く。
「まるで閃光だぜ。」
玲二もその動きに思わず声を出した。
まさにその動きは閃光。残影が星の影を残しているかのような錯覚で、まさに雷光のようだった。
「玲二殿。くれあ殿が撹乱している間に一撃を…!」
「分かった。」
玲二はチップを装填して、アタッチメントを装着する。
「ストリンガーぶち抜いてやる!」
そのまま狙撃しようと狙いを定める。
くれあが連撃を決める。
すると、次の瞬間に倒れてしまった。
「!?」
思わず全員が驚く。
玲二達は怖くなって倒れていたのかと思っていた。
急いで幸次郎が近づいて様子を確かめる。
「…こ、これは…!?」
幸次郎は驚愕した。
「…せ…」
「世界が回ってます〜…」
くれあは目をグルグルしながら倒れていた。
するとシュシュタンが駆け寄って来る。
「全力を出すと身体が追いつかなくてダウンするんでシュ…」
「燃費悪りぃな…」
玲二は思った事を呟いてしまった。
幸次郎はくれあをお姫様抱っこしてその場から離れる。
「回ってます〜…」
「玲二殿!某はくれあ殿の支援をする。その隙に援護を申す。」
そうして幸次郎は攻撃を回避しながら遠くに歩く。
「るるか!小林!あんな!隙を作ってくれ!」
「はい!」
「………」
小林とあんなは頷いて急いで走る。
るるかは髪を触るのを辞めて静かに頷いてそのまま走り出した。
「チッ…小癪な…!?」
ウソノワールは周囲に飛ぶプリキュア達に攻撃を仕掛けるが攻防一体の戦いが続く。
「…よし…」
しゃがんでそのままトリガーを引いて射撃する。
その弾丸はウソノワールの鎧に命中する。凹んだ痕は残ったが有効打では無かった。
「ダメか…」
「いや、むしろいい。」
るるかはその凹んだ部分に蹴りを入れると凹みは少し大きくなった。
「何!?」
そのことに気付いたあんなと小林は頷く。
「…一点に集中攻撃すれば…!」
「絶対勝てる!」
二人も続いてその場に攻撃を仕掛ける。
「…エクレール早く起きるでシュ〜!」
シュシュタンが尻尾で彼女を涼しくするように仰ぐ。
幸次郎は辺りを見回し、噴水を確認した。
「…シュシュタン殿。提案がある。」
「なんでシュ?」
「…噴水にくれあ殿を入れれば解決するのでは…?」
「駄目でシュ〜!風邪引いちゃうでショ〜が!」
「…!確かに…」
幸次郎は悩んだ後、暫く考える。
(急いで援護せねばならぬのに…)
そして一つの考えを思い付き、立ち上がってシュシュタンに言う。
「シュシュタン殿!某に考えがある!少しお待ちを。」
彼は急いで走り去る。
シュシュタンがハテナを浮かべている所、彼は僅かすぐに帰ってきた。手には何かが持ってある。
「…これを使おう。」
「冷えピタでシュか…良い考えでシュ!」
そのままくれあに冷えピタを貼って暫く…
彼女はぱちっと目を開けて立ち上がる。
「私復活!」
「くれあ殿。」
「ありがとうございます。一緒に行きましょう!」
「承知!」
二人は武器を構えて走る。
「エクレールデュアルセイバー!」
エクレールは両剣を召喚して、そのままウソノワールに走って行った。
ウソノワールはエネルギーから大剣を形成して攻撃する。
両剣で受け流し、そのまま弾き飛ばして両刃で連撃を繰り出す。
振り下ろされる攻撃を一旦双剣に分離して舞を踊るように連撃で攻めた。
「…ぐっ…!」
すると、ウソノワールの身体にヒビが入る。
「今だ!くれあ殿!」
「ええ。トドメよ!」
彼女は豪快にセイバーを放り捨て、エネルギーを溜め込む。
そのままエネルギーに包まれて、飛び立つ蝶のように空を舞った。
「くそっ!」
ウソノワールはそのまま両腕で殴り掛かる。
「フライングインフィニティ!」
ぶつかり合い二色の閃光。しかし、くれあがそのまま押し、ウソノワールを粉砕した。
「ぐわぁぁぁぁ……!」
巨大な爆発と共にくれあは宙を舞って地面に降りて来る。
すかさず幸次郎が彼女を受け止めた。
「大丈夫か…?」
「は、はい…」
少し恥ずかしくなって緊張するくれあと平然としている幸次郎。
すると、ウソノワールの鎧が徐々に砕け散っていく………
「ウソノワールの正体が…」
玲二が言うとみんなも彼の方を見つめる。
「み、見事だ…この私に勝つなど…」
すると…そこに現れたのは……
「!?」
「妖精…」
…………まさかの妖精だった。しかも、シュシュタンやマシュタンのように可愛らしい妖精…。
玲二はそれを見て、その場に倒れこんだ。
「…妖精かよ…」
「意外なり…」
「くっ…この鎧を破壊されては…戦う手段が…」
可愛らしい姿で非常に渋い声をしていた事で、玲二は驚きが勝ち、勝利の余韻に浸れなかった。
「…ウソノワール様!ここは撤退しましょう!」
ニジーがすかさず彼を抱き上げ、煙幕を使って逃げてしまった。
「逃すな!」
玲二と幸次郎は商店街に向かう。
「…まだ来てないようだな。」
「どうする?」
「こうするんだよ…!」
玲二はテレビの中に入り込み、そのまま拠点に入るとバレットストライカーを乱射した。
「…こうやって基地を破壊すれば、もう終わりだ。」
玲二はそう言って淡々と破壊していく。
「……致し方無し…」
幸次郎も渋々ブレイザースラッシャーを構えて衝撃波で周囲を破壊していった。
「よし、出るぞ!」
「はあ…」
幸次郎は溜息を吐きつつも、二人で外へ出る。そうしてそのまま玲二はすぐに銃口をテレビに向けて放つ。
…テレビの画面は割れ、粉々になった。
「…よし…」
「……何がよしなのかは分からぬな…」
「……弁償代は払うよ…」
玲二はそう言って財布の心配をしつつ、るるか達の元に戻る事にした。
……………
そうして戦いの喧騒が終わり、皆は公園に集まっていた。
「…るるか…」
「………」
るるかは黙ったまま。しかし、くれあは話す。
「ごめんなさい…貴方の事を忘れてしまって…今まで苦しい思いをさせて…」
「でも、これからは一緒に戦いましょう。私達が集まればどんな敵にだって勝てる筈…」
「……そう…なら良いわね。」
るるかはマシュタンを離し、ティアアルカナロッドを手に持つ。
そうして何も言わずにキュアアルカナ・シャドウに変身し、彼女に振り返る。
「……アルカナ…?」
くれあはそう呟き、彼女が近づく毎に一歩下がる。
「このまま忘れていた方が良かったのに…」
彼女はそう言い、彼女に殴り掛かった。
それを見たくれあは即座に回避してキュアエクレールに変身する。
「る、るるか!?」
くれあの表情は驚愕と困惑を同時にしたような顔をしていた。
もちろん、その場にいたあんなとみくるも同じ顔を浮かべていた。
「るるかさん!?」「いきなりどうしたんですか!?」
意味が分からず、言葉が出せずに居るくれあ。しかしるるかは冷たい目でくれあを見つめていた。
「……そもそもの目的…私がウソノワールからキュアエクレールのマコトジュエルを取り戻す為にファントムに入ったのは、貴方をキュアエクレールにしたいからじゃない。」
そんな会話の中、玲二と幸次郎も入り込んできた。
「…おいおいどういう状況だよこれ…」
「只事では無い…!」
二人は急いで走り出してあんなとみくるの近くに駆け寄る。
「……私の目的…それは…キュアエクレールのマコトジュエルを…壊す為。」
「…!?」
その言葉にその場に居た皆が驚いていた。
マシュタンだけは目を逸らして項垂れているだけだった。
「壊す…?ちょ…ちょっと待ってよるるか…それってどういう…」
「分からない…?マコトジュエルさえ無ければ…貴方は二度とプリキュアになれないし、これまでの記憶だって消える。」
「…そもそも私が貴方の記憶を消したのに…なんでまた…」
「……!!!」
その言葉にくれあ達は更に驚愕した。
「なん…で…るるか…ぇ…」
くれあは更に困惑を募らせて声が出なかった。
玲二と幸次郎も話の意図は読めなかったものの、少し神妙な顔立ちで武器を構える。
「せっかくのチャンス…ここで無駄には…出来ない…!」
るるかは急いで突撃してくれあに攻撃を仕掛ける。
しかし、間一髪で変身した二人が駆け寄った。幸次郎が受け流し、その後に玲二が飛び出してるるかにバレットストライカーを向けた。
「やめろるるか!」
「……玲二…!」
静かに怒っているるるか。それを見た玲二はヘルメットを外して話す。
「どうしてこんな事をするんだ!仲間だったんじゃねぇのかよ…!」
「……関係無い。」
るるかは周囲を見渡した後、不利と判断して去ろうとする。
「るるか!」
「…ごめんなさい…でも…」
るるかは静かにそう呟き、振り返って去ろうとする。
「…これからは何度でも来る…絶対に…エクレールのマコトジュエルを…壊すっ!!」
ドスの効いた声で答え、るるかはその場から飛び去ってしまった。
しかし、玲二は咄嗟に涙が見え、そのまま幸次郎達の方に振り返る。
幸次郎もヘルメットを外し、彼女に話しかける。
「……くれあ殿……大丈夫か…?」
「……ありがとうございます……」
くれあは非常に弱々しい声でそう答え、そのまま再び呟いた。
「るるか…どうして…」
そんな声が静寂に包まれた森の中に反響していた。
白アルカナ来ると思ったらエクリプスも来るとかもうこれ分かんねぇな。