仮面ライダーバレット   作:サツキタロオ

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日常回。


Mystery.10:久しぶりの学園生活

あの激動の日々から約数週間。

 

もうすぐ夏休みを控えた玲二は荷物を整えて学校に向かっていた。

「おはよ」

「おはよ、るるか。体調はどうだ?」

「もう平気。心配してくれてありがとう」

るるかと挨拶して一緒に登校する玲二。

あれ以来、るるかは表情が和らぎ他の人から見れば接しやすくなった印象があった。

「夏休み…だっけ。どうするの?」

「まあボチボチ計画立てるよ。るるかって今どうしてるんだっけ?」

「…玲二の家学校から近いからしばらく世話になろうって話をお義母さんと…」

「まてまてまてまて」

玲二はすぐさま驚いてるるかに手を伸ばす。

「…キュアット探偵事務所は?元々の拠点だろ。」

「…あんなとみくるが既に使ってるから…くれあも使っててもう空きが無い。」

「だからといって…」

玲二が何か言おうと考えていると、彼女はべーっと舌を出す。

「…冗談。」

「冗談かよ!」

「多分ね。」

「せめて確信してから言ってくれ!!」

「遅れるよ」

「お前が言うな!」

そうして玲二とるるかは急いで登校しに走った。

 

………そうして1時間目が終わった玲二達のクラス。

数学だったのが、玲二達は疲れて机に横たわっていた。

「はあ…疲れた…」

「玲二寝てただけじゃん。」

安心した顔の玲二にるるかは冷静に突っ込む。流介は疲れた顔をしながら呟く。

「…つか…フェルマーの最終定理を文学的に解説しなさいとか…もはや数学ですらねぇよ…哲学だよ哲学。」

メガネを掛け直して最高に深い溜息を吐いた流介とその様子を見たるるかは苦笑いした。

「…この高校…偏差値高過ぎんだよ…!普通習わない所習うように場所だぞ…?」

「まあ英語で源氏物語を読むような学校だしね…」

るるかも苦笑いしながら目を逸らす。

玲二はそのまま起き上がって窓を見る。

「…そういえば夏休みどうする?」

「バイク乗ってどっか行きてぇな。みんな原付持ってるか?今度免許取りに行くんだ。」

「あー…原付自体はあるけど免許ねぇや…」

「私も無い…」

「じゃあさ、みんなで取りに行こうぜ!それにあった方が現場に行く時も早くなると思うんだけけど…」

「それはそうかも。玲二はどう?」

玲二はすぐさま了承のサインをした。

それを見た流介は指を鳴らしてそのまま別のクラスに行こうとする。

「じゃ、くれあにも聞いてみるわ!昼終わったら集合な!」

そう言って彼は何処かに走り、玲二とるるかは取り残された。

 

そのまま4時間目が終わり、玲二達はそのまま下校していく。

彼らは帰宅せずに商業施設「ジョナソン」に向かう。

 

「ジョナソン…」

「人の名前みたいだな。」

玲二がそう言うと流介が解説してくれた。

「ジョナソンは日本市場を支える大黒柱だぜ?電子機器、服、食料…とにかくなんでもあるんだ!」

「…詳しいな…流介殿…」

幸次郎が思わず声を出す。

「そりゃ、俺の親父がまことみらい支部の店長だから。」

「えー!?」

全員驚いてしまい、流介は少し照れて笑った。

「き、気にすんなよ。」

「気にしますよ…!ジョナソン私も利用してますし…」

くれあもそう言って目をキラキラさせる。

「とりあえず、中入らない…暑い…」

るるかが汗をダラダラ垂らしながら言うと、玲二達は急いで店に入って行く。

そうしてそのままフードエリアで休む一同。

「るるか、玲二、お前ら愚連調査隊の事覚えてるか?」

「あったな…」

 

愚連調査隊……バレットの姿を初めて見た流介が組織した警察の捜査だけでは暴けない事件を調査すると言う名目の組織だった。

「…俺もすっかり忘れてたんだけど…今なら良いかもって思ってさ。」

「ま、ファントムの件も一段落したし、本格化させても良いかもな。」

「うん。」

玲二達はそのまま微笑みつつ、メニューを見ながら何を頼むか考える。

「某らもか?」

「とーぜんよ。もちろん、くれあにあんなにみくるもな!」

「お前はどうすんだ?変身出来ないじゃん。」

「俺はさ?参謀役…司令塔って奴で片付くっての。」

流介はにこやかに頬んでいた。

「そりゃまあ羨ましいけどさ…」

……本音はすぐ出てきた。

 

「…しかし…一度整理した方が良いだろう。」

「人が多くなってますし…整理は必要かもしれませんね。」

玲二がメニューを頼みつつ、幸次郎とるるかが紙を広げて絵や文字を書いていく。

 

そこには簡単に書かれた紹介と幸次郎画伯の絵が絶妙なセンスで思わずみんなプッとなる。

しかし、くれあはそれを見て吹き出す。

「あはは、あはははっはっはっはっ!」

「これ…面白い絵で…素敵ですね!ぷぷっ…くるし、お腹いたい…」

それを見た玲二は口を開けたまま黙った。

「…くれあって…こんなに笑うんだ…」

「昔からそうなの。笑い出すと止まんなくて…」

るるかは黙って察してくれと言う感じだった。

「な、なるほど…」

幸次郎が一番どう言う感じにすれば良いのか悩んでいたような顔をしていた。

「…そ、某はどんなくれあ殿も受け止めるつもりだ…!」

「声震えてんじゃねぇか…」

流介は幸次郎を見てそう呟いた。

「んふふ…」

くれあのギャップに戸惑いつつ、玲二達はそれぞれ絵の横に自身の詳細を書いていく。

 

"仮面ライダーバレットに変身する早乙女玲二! 銃で戦う"

"キュアアルカナに変身する森亜るるか キュアアルカナ・シャドウの姿でも戦う"

"仮面ライダーブレイザーに変身する泉幸次郎 剣術で戦う"

"キュアエクレールに変身する帆羽くれあ! 燃費が悪い"

"キュアアンサーに変身する明智あんな! 嘘つかない!"

"キュアミスティックに変身する小林みくる! ミルフィーユが好き"

"川村流介 このチームの参謀役!まだ変身するか未定"

 

と書かれてあった。

「…流介変身予定なのか?」

「当然だろ〜?」

流介はウインクして言った。

そのまま玲二はその紙を見ながらたこ焼きを食べる。

 

「そういえば…みくる達と会う約束してたっけな…」

流介がガラケーで確認する。

「ジョナソン3階行こーぜ。そこのスポーツエリア集合だって。」

そう言って流介達は3階に登る。

 

辿り着いたスポーツエリアはローラースケートにバスケ、バッティングセンターなどなどが置いてあった。

「ジョナソンなんでも置いてあるな…」

「天下の商業施設だからな。」

「だとしてもなんでもありすぎ。」

そんな事を言いつつ、玲二達はみくるとあんなが待つ席に座った。

「よっ!あんなにみくる。」

「玲二さん!それに流介さんたちも!」

全員席に座って何かしらドリンクを注文する。

「いやぁ、一段落してからみんなちょっと変わったよなぁ。」

「そう?」

「特にるるかだよ。雰囲気変わり過ぎててすげーよ。」

るるかはそれを聞くと答えてくれた。

神妙な面持ちでコップを握る。

「みんなのお陰。こうして私がみんなと笑えてるのは…」

「だから…そう言われるのも無理無い。」

「…まあ、そういう詳しい事は玲二から聞けばいいよな…」

流介は玲二の方を向くとそっぽ向かれた。教える気は無いようで、流介は溜息を吐く。

 

すると、くれあが顔を赤くして四つん這いで幸次郎に近付いた。

「こ〜じろ〜さぁ〜ん♡」

「くれあ殿!?」

妖艶に近付き、そのまま彼に抱き着く。

吐息がかかってきて少し気分が朦朧とする。

「こ、これは酔ってるのでは…?」

幸次郎が言うと、みくるも顔を赤くして立ち上がった。

「あれぇ、わたし聞いたよ?ここの飲み物ノンアルコールだってぇ…」

少し呂律が回っていないような感じで話すみくる。気になったあんなはすぐにドリンクの匂いを嗅いでみた。

………アルコールの匂いは一切しない…みくるが頼んだのはごく普通の烏龍茶だった。

 

そんな事を考えているとみくるが唐突に立ち上がった。

「おーさまゲーム!!」

「!?」

突然のみくるの宣言で困惑する一同。

玲二もコーラを飲みながら答える。

「コーラおかわり…ストレートで…」

「おい玲二!お前まで酔ってんじゃないだろうな!?」

流介はそんな事を言いつつ、コーラを入れてやる。

「王様ゲームって何?」

あんなが聞くと酔ってる(かもしれない)くれあが答えた。

 

「えっとねぇ〜くじ引いて〜、当たりと番号が書いてあるくじがあってぇ〜…」

「王様は〜…何番と何番がナニしろ〜!って命令できちゃうの」

「なんで知ってるの…」

王様ゲームに妙に詳しいくれあの方を見るるるか。

 

「ほらっ!流介さんかけあぁ〜し!」

「うえぇ!?俺かよ…」

流介はみくるの言う通りに割り箸を数本持ってきた。

そうして急いで色々書いて始めようとするみくる。

「ほら!引いた引いた!」

そうしてみくるの言うがままにくじを引く。

「某が王様…」

幸次郎が赤く書かれた割り箸を掴んだ。

「ほら、泉さん。どの番号か指定して!」

あんなに言われた通り、乗り気では無いが仕方なく答える幸次郎。

「…では…1番は某とハグを…」

「いきなりとんでもねぇのが来たな…」

流介が幸次郎の命令に反応すると、くれあが立ち上がった。

「あはは〜私1番〜」

「なぬっ!?」

するとくれあが幸次郎に抱き着いてきた。妙に力も入っているし距離も近い。

「こ〜じろ〜さぁ〜ん、このままハグ以外も〜…」

「く、くれあ殿!公共の場では…ぬおおおっ!」

くれあに押し倒されて何も出来ずに目を回す幸次郎。

流介とるるかが急いで彼女を引き剥がした。

「るるか〜!」

「これ以上はまずいと思った…」「同感だぜ…」

流介とるるかはそのままくれあを椅子に座らせると、気にせずにまた炭酸を飲み始めた。

幸次郎は立ち上がり、流介達が彼の顔を見ると、微かに鼻血が出ていた。

「………思ったより悪くなかった…」

「おいいいい!幸次郎さん戻ってこい!あんたまでそっち側行くな!」

流介はツッコんで幸次郎を座らせた。

座らせる時も何やらブツブツ言っていた。

 

…そうして二回目。

玲二はカッターのボタンを開け、そのまま回転しながら割り箸を掴んだ。

「…KINGだ…!」

それを見た流介は完全に思った。

(こいつも酔ってんな)

「…まともな命令が来るかもしれない…」

るるかは安心した顔をしていたが、隣のくれあは不服そうだった。

「ちょっと〜、もっと際どいのやんなきゃ〜!く〜きよめよ〜」

「空気ったってなぁ…」

玲二はそんな中、ダーツを持ってそのまま投げる。

「…2番が…俺の膝に座る…!」

そうして彼はダーツを投げると、見事に2番の辺りに刺さった。

るるかが2番の割り箸を見て驚く。

「に、2番…!」

「王様の命令は…絶対…」

玲二は静かにそう答えていた。

るるかは頬を赤くしながら玲二の方を見る。

そのまま彼の前に来て、膝の上に座った。

「えいっ…!」

「おお…」

流介や幸次郎達はその様子を見て思わず声が出た。

るるかは恥ずかしくなって顔を手で隠した。

そんな中、透が近くを通りかかった。

「……何してんのさ?」

「見てわかんねぇか?王様ゲームだよ!しかも酔っぱらいが三人も…」

流介が落ち込んだ様子を見せると、透は彼らを見渡す。

確かに玲二・くれあ・みくるの三人が酔っ払いっているかのようだった。

「…あのさぁ…ここノンアルしかないよ?この前に抗議があって、アルコール類は全面禁止になったんだよ。」

「え」

あんなは思わず声を出した。次に反応したのは流介。

「じゃあコイツら…場酔い…?」

流介がそれを聞いて愕然とした。

「はあ…どうやって帰ろう…」

そう落ち込んだ流介だった……。

 

…………

 

そうしてその後、玲二達はジョナソンを離れて近くのラーメン屋に来ていた。

「ラーメンうめぇ〜」

「ここのラーメン美味いんだよなぁ。」

玲二と流介は淡々と食べており、みくるとくれあ達も食べていた。

「…さっきの事覚えてる?」

「全然…」

くれあとみくるは覚えていない様子で、幸次郎達は彼女達の方を見る。

「…しかし…ああいうのを眼福と言うのだろうか…」

「幸次郎さん…!もっと言い方考えてください!」

あんなが幸次郎にそう呟く。

そうして全員がラーメンを食べ終え、そのまま帰路に着いた。

 

「るるか、今日はどうだった?」

「疲れた…けど楽しかった。」

「だよな〜。」

玲二達は笑いながら歩く。

るるかがふと、空を見上げると星が瞬いていて綺麗だった。

「…玲二。」

「ん?」

「…今度は…二人で来たいな。」

「そうだな…」

玲二は平然と返すとるるかは隠れて頬を赤くしていた。

 

そんな二人の上には落ちるように綺麗な星と彗星が見えていた。




クール系ヒロインがデレを見せてきた時が一番可愛い
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