「はあ…参ったね…まともに戦っても負けるだけか…」
デッチはそう言いながら椅子に座っていた。
「デッチ・アゲイン……このままではマコトジュエルを奪って大王になるどころか、また再び奴らがここに乗り込んで、我々は完膚無きまでに倒されて全滅がオチだぞ。」
ウソノワールは半ば諦め口調のような感じで溜息を吐きながらそう言った。
「ウソっちらしくもないねぇ…」
デッチはケラケラと笑いながら呟く。
そうして暫く考えて、思いついたような顔をした。
「暇だし、ちょっと揶揄ってこようかな。」
そう言ってデッチは外に出かけて行った。
その頃、るるかはキュアット探偵事務所に向かう途中だった。
露骨に嬉しそうな顔をしていて、マシュタンも隣を飛んで話していた。
「嬉しそうね、るるか。」
「サンドイッチ作った…玲二の好みの味。」
るるかが作ったのはサンドイッチ…それぞれハンバーグ、チキンカツ、ハムとチーズが挟んであるサンドイッチが三つあった。
「きっと玲二は喜ぶと思う。」
「るるかの真心込めたサンドイッチだもの。きっと美味しい筈よ!」
とマシュタンが言っていると、前からくれあと会った。
「るるか!」
「くれあ、おはよう。」
「おはようでシュ!」
シュシュタンも元気そうに挨拶した。
そうして二人でキュアット探偵事務所に向かう。
「そういえばるるか、以前マシュタンから聞いたのだけど、最近はファントムの活動を見ないって本当?」
「ええ、恐らく向こうはレガルーを倒されて憤ってるかもしれない。少なくとも、アゲセーヌとゴウエモンはこの現実世界での活動記録は今週は0に近い。」
二人で考察しながら話していると、キュアット探偵事務所に辿り着いた。
「とりあえず、この話はまた後にしましょう。」
「そうね。」
二人は中に入り、るるかは玲二に近寄る。
玲二はるるかに挨拶した後、るるかはサンドイッチの入ったタッパーを渡した。
「これ、玲二に。」
「俺に?わざわざ?」
「うん。この前玲二のお母さんに好み聞いたから。」
「なるほど…」
玲二はサンドイッチを美味しそうに食べていて、るるかもそれを見て少し嬉しくなっていた。
そんな時…みくると流介達がキュアット探偵事務所にやってきた。
「大変ですよ〜!」
「おいおいどうした。ファントムから予告状でも来たか?」
「そうじゃないんです!ほら、テレビテレビ!」
みくるはテレビを付けるよう急かすので、玲二は何となくテレビを付けた。
『みんな待っとったか?みんな静かにしよう!』
テレビにはまるで悪魔のような仮面に重厚な鎧に身を纏い、ローブ被った男が映っていた。
『これバッチリ聞こえとるな。俺はイロウスだよ!』
『俺ら南米同盟は、世界を改革を目指して、バッチリ頑張っとるもんだ。ついでにアジアのアジトで作ってないのはここだけになっちまった。』
『という訳で南米同盟は、これから日本に来るから、大人しく日本を明け渡せばよし、国民はみんな大人しくしとけば危害はださんだぎゃ。』
『という訳で、今から向かうからの、あばよだのん!』
そう言ってテレビは切れた。
みんなは黙って愚連調査隊の本部に座る。
「なんだありゃ…?」
「いわゆる……テロリストって奴だ!」
「うわー!どうしよう、私達このまま侵略されちゃう!?」
みんなわーわー言っていたが、るるかがみんなを落ち着かせた。
「みんな!落ち着いて。」
「ハッ!るるかさん…」
みくるが彼女の方を向くと、るるかは続ける。
「何も出来ない民間人からしたらあの組織は脅威…でも、私達は愚連調査隊でしょ?」
「戦う力はあるな…」
「それに、あくまであの組織の調査をするのであって、組織のポリシーにもあってるでしょ?」
るるかはやや難癖のような感じで南米同盟の話をするが、玲二達は賛成した。
「そうだな。こうなったらとことんまでやってみるか!」
「おー!」
玲二とるるかの二人は歩きながら南米同盟の事を考えていた。
「嫌な事になったな…」
「ファントム以外にも考えることが増えたのが…」
二人は話しながら歩いていると、前からデッチが姿を表し、思わず戦闘態勢を取る。
「デッチ・アゲイン!」「なんの用?」
二人は睨んでそう言うが、デッチはやれやれと言う顔をして左目に付けていたモノクルを光らせる。
「今回から特別なゲストをご招待したんだ。さあさあ、お立ち会い!」
そうして少し形が違うレガルーキューブを三つ放り投げた。
「…?」
玲二達が警戒していると、レガルーキューブが怪人の形を形成していく…
すると、三体の特殊なレガルーが顕現した。
「どうだい?彼らは使役せずとも動く、最強のレガルー…ハイレガルーといったところかな?」
「…ハイレガルーか…」
鉄球を装備したような姿のテッキュウハイレガルー。
戦車のような装備を施したセンシャハイレガルー。
ミサイルコンテナを積んだミサイルレガルー。
の三体がデッチの前に立って並んだ。
「…コイツら…」
「彼らは俺が使役しなくても自由に動いてくれる。まさに自我を持つ生命体だねぇ?」
「…いつもより強そうな奴らだな…」
「油断しないで。」
二人は見合った後、バレットストライカーとワイルドアルカナロッドを構えて走る。
「「変身!」」
仮面ライダーバレットとキュアアルカナ・シャドウに変身して立ち向かう。
「玲二!」
「分かった!」
玲二は三体のレガルーからの攻撃を耐えながら攻撃する。
るるかもアルカナクイックブレードを展開してそのまま抜刀の構えを取って走る。
その様子を見ながらデッチは笑っていた。
「あはは!不利なのによくやるねぇ。でもいつまで持つかな…?」
デッチは微笑んでいたが玲二は軽くテッキュウとセンシャハイレガルーを蹴り飛ばした。
「くっ…」
るるかも玲二の元に向かおうとするが、ミサイルハイレガルーに止められてしまう。
「このままじゃ玲二の手助けが出来ない…!どうすれば…」
悩んでいると、遠くから杭のようなコンテナが飛んできてミサイルハイレガルーが吹き飛ばされ、コンテナは刺さったと共に展開され、中には武器と取扱説明書があった。
「…これは…」
るるかは武器を持った後、説明書を読む。
「…"これはブレイジングバスター。君の為に用意した武器だ。十分に使いこなすと良い…財団Zより…"…財団Z…?」
るるかはとりあえず今は気にせず、ブレイジングバスター・カリバーモードを持って走る。
「はあ!」
るるかは二刀流でミサイルハイレガルーを攻める。
「玲二!」
ブレイジングバスターの刀身を展開して砲身を曝け出し、そのまま砲撃で吹き飛ばするるか。
ミサイルハイレガルーが宙に浮かんだ時に、玲二はグレイブソードで二体相手をするついでにすかさずスパイラルストリンガーでミサイルハイレガルーの脳天をぶち抜いて撃破した。
その後にスパイラルストリンガーをセンシャハイレガルーにぶつけた後、スパイラルストリンガーを切り離した後、スピニングアローにアタッチメントを交換してテッキュウハイレガルーを怯ませたのち、腕部のセミバルカンを展開してセンシャハイレガルーを吹き飛ばした後に蹴り飛ばした。
「チッ…早乙女玲二…思ったより強いようだ…」
デッチは舌打ちをした後に立ち上がってしらけた様子でテッキュウハイレガルーとセンシャハイレガルーと共に消えてしまった。
「…逃げたか…」
玲二は変身を解除してるるかに近付く。
「るるか。その武器は?」
「…財団Zって書いてあった…」
「マジか!?」
驚きつつも説明書を読む玲二。
玲二はトランクの中にあった説明書と同じく明朝体だった。
「……同じフォント…財団Zだ!」
「…判断要素ソコ…?」
るるかはジト目で玲二を見た。玲二は自信満々に言ったものだから、思わず溜息が出た。
「…まあ良いわ…財団Zは私たちの事を見てたって事…?」
「まあ送ってきたからそうだろ。」
「…雑…」
玲二達はそのまま考える事が増えてしまった。
…………
「くれあ殿…某はいつまでこのままにしておけば良いのだ?」
「私が満足するまで…ですかね?」
幸次郎は黙ってくれあの膝の上で寝転がっていた。
「…それよりくれあ殿…このままでは年下に膝枕をしてもらっている情けない仮面ライダーになってしまう…!」
「幸次郎さんは情けなくないですよ…」
「…いやしかし…」
幸次郎は情けない顔をしながら目を閉じた。
しかし、温かい太陽の日差しと自然による風が心地よく感じ、そのまま眠ってしまった。
(いつも頑張ってますから…これぐらいは…いいですよね…?)
そうして幸次郎の頭を撫でると、先程より安らかな顔になった。
それを見て嬉しくなるくれあ。
(やっぱり私…この人の事…)
くれあは胸に座って鼓動を確かめる。
シュシュタンはくれあを見て呟く。
「くれあは幸次郎の事が好きなんでシュか?」
「…!う、うん…そうね。好き…なのかな…。」
「最近のくれあを見たら絶対そう言えるでシュ!」
シュシュタンが言うと、くれあは赤面していた。
幸次郎の方に視線を向ける。今だに気持ちよさそうに眠る彼を見て、そっと顔を近づけ……
………
(や、やっちゃった……!!!)
くれあは赤面して目を逸らした。
シュシュタンは目を閉じ、「幸次郎には黙っておくでシュ。」と言っても彼女の手首に巻きついた。
そうして今日はくれあにとってはいつもより暑い夏だった…。
魔性の女くれあ。