「お腹すいたなぁ…」
学校帰りの玲二達。前回、クエスターズをソウルユニゾンで退けたものの、その後のテストで疲労は爆発した。
「玲二、お腹鳴らさないで。」
るるかは鞄を持ちながらそう呟く。しかし、彼女もすぐにお腹の音が鳴った。
「お前も鳴らしてんじゃん。」「うるさい…」
玲二とるるかはそのまま歩いて帰宅する途中。
何処からかいい匂いが…
「!!この匂い…もしかして!」
玲二は急いでその匂いの場所に向かう。
「あ、玲二!?」
るるかも急いで後を追った。
角を曲がって匂いの元に辿り着いた。
そこには……
「あ、たこ焼きの屋台。」
「たこ焼きだ!!うっひょ〜!」
玲二は目をキラキラと光らせていて、るるかはその様子をびっくりして目を大きく開いていた。
「れ、玲二?」
「こうしちゃいられない!!るるか!行くぞ!」
「ああっ、待って!」
玲二はドタドタと走ってしまった…
るるかの少し苦笑い気味の顔とその後ろからじっと見るマシュタン。
「玲二ったら、たこ焼きが大好きなのね。」
「あれは大好きのレベル超えてる…」
るるかは彼が心配になったので後を追おうとする。
「あらあら、彼氏の為に頑張るるるかも偉いわ♪」
「ま、まだ彼氏じゃない…///」
るるかはマシュタンから目を逸らしつつそう話して玲二の後を追った。
すると、そこではたこ焼きを一口食べて天国に登ったかのようなヘヴン状態に陥っていた純平達が…
「あんな…美味しい…!美味し過ぎる!」
「生きててよかったよみくる〜!」
…とみくるとあんなも泣いて食べていた。
「もうやめられまへんなぁ…」泣いてる純平達。
そんなのお構い無しに玲二は近寄る。
「たこ焼き!?」
彼が突撃すると、そこには幸次郎と同年代の青年が屋台に立っていた。
「へいらっしゃい!大阪名物のきんだこの若店主である銀次郎とはワシの事!そしてこのたこ焼きのこの味たまらへんで!」
二人が近付き、その横には中学生組達が泣いてたこ焼きを食べまくっていた。
たこ焼きのパックがその横には沢山散乱している様子も見えた。
「な、泣いてる……」
るるかはあんな達の泣いている様子を見てまた困惑した。マシュタンもただ事では無いと思ったのか人間態に変身した。
「まいど!きんだこは明石のタコをふんだんに使った絶品のたこ焼きや!一口食べて欲しいさかい!」
「…わ、ワンパック!」「おおきに!」
すると銀次郎の横にはレガルーがたこ焼きを作っている様子。それを見てるるかは「あー!」っと声を出した。
「レガルーがたこ焼き焼いてる…」
「こいつはカネハチ。ワシのベストパートナーって奴や!こいつは仕込みも日本一やで!」
タコヤキレガルー改めてカネハチ。
カネハチはテッパンレガルーにキリレガルーとウチワレガルーを組み合わせたミクトレガルーだった。
キリでたこ焼きを丸めてうちわで仰ぐ姿はまさに職人芸だった。
「まあまああんさんも食べてみぃや…」と純平がるるかにたこ焼きを差し出す。
「言葉まで関西弁になってるし………じゃあ、一口。」るるかはいつもの目で見ていたが、腹も空いていたので一つ口に含んだ。
「お、美味しい!パリッとした表面にトロトロの中身、大振りのタコが醸し出す複雑で濃厚な味わいが口の中でハーモニーを奏でている…!こんな美味しいたこ焼きは初めて…!」
るるかもその味に絶賛だった。彼女の目には目の前のたこ焼きがキラキラしていて見えた。
「明石のでっかいタコが入っとるさかいな!ウチのたこ焼きは宇宙一!いや、銀河一や!」
るるかは玲二の方を見ると、黙って口に含んでいた。
「ねえ玲二。このたこ焼き美味しいね。」
「タコが…タコが大き過ぎる…」玲二はいつもの調子の声色では無く、冷静な声だった…。
「なんやて…?」銀次郎はピキって玲二の方を見る。
「れ、玲二…?」るるかは心配そうに彼を見る。
「確かに明石のタコは大きいし美味だ。だが…これでは衣の内側のとろみを味わいスペースが少なくなる…」
「これやから関東人は…大阪やとこれがメジャーやねん。」
やれやれというような顔の銀次郎。しかし玲二は続ける。
「たこ焼きは日本のメジャーな食べ物。大阪じゃ知らねぇが、俺はこのたこ焼きでは、納得できない!」
「……あんさん…ワシに喧嘩売っとるんか?」
玲二と銀次郎の間にバチバチのした空気が流れた。
まるで大規模な戦争が起こるかのように、まるで悟空とフリーザが戦う前かのように…
「いいか!?たこ焼きとは"地球"だッ!」
「地球…?」
玲二の言葉に誰もが困惑した。というかあんまり意味を理解していないかのようだった。
「地球に例えれば、たこ焼きの皮は地表、中のとろみはマントル、その中のタコは地核!」
「この三つのバランスを地球と同じにしたのが、たこ焼きの理想的な形!」
「もしも地核が大き過ぎると地球はどうなる!?内側からの圧力で、爆発してしまうではないかー!?」
地球が風船みたいに破裂するイメージを浮かべるるるか。やっぱり困惑の方が優っていた。
「!」
「明石のタコは確かに美味い。だが、それだけを強調しても最高のたこ焼きにならない!大切なのは!皮ととろみとタコのコラボレーションだ!」
玲二は腕を組み、スポットライト(のイメージ)を浴びながらそう熱弁した。
「…ほんまかいな…」純平は思わずそう呟いてしまった。
るるかも唖然としつつも、目を泳がせて玲二の言葉に頷いた。
「たこ焼きマニアであるこの熱い魂がッ!このバランスを許さないと叫んでいるんだぁッ!」
「ち、地球の配分…ッ!?」銀次郎はその言葉に理解と驚愕を見せた。
銀次郎は一瞬怯むが眼鏡を整える。
「あ、あんさん中々やりおるやないか…」
「なら…たこ焼きで勝負したるッ!」
銀次郎は瞬発力を活かしたかのようにたこ焼きを作り上げた。
玲二は目を閉じたまま一口頬張る。
「これだと小麦粉に加える水の量を減らさないと駄目だ。かえってバランスが崩れている!」
「ぐぬぬ…なら、これでどうやー!」
更に銀次郎は別のたこ焼きを作り上げて提供した。
「とろみも皮のパリパリ感もこれで完璧や!文句あらへんやろ!?」
「それではタコの味を味わうスペースが楽しめなくなる。」
「コイツ…なら…これでどうや!」
更に新しいたこ焼きを作って玲二に提供した。若干息切れしている。
「水をちょいと減らして皮を厚くしたで!この配分ならとろみも小ぶりのタコも完璧や!」
「どうかな。」
「!?」
玲二の言葉に銀次郎は一瞬びっくりする。
「そんなに自信があるなら、自分で食ってみたらどうだ。」
「……」
汗をかいて彼はたこ焼きを一つ口に含む…。銀次郎は理解したような顔で顰めっ面を浮かべた。
「どうやら分かったようだな。皮を厚くしたことで、今度はソースと上手く絡まない!それに…」
玲二は鰹節をたこ焼きに振りかけた。しかし…
「ああっ…!!」
銀次郎は絶望して頭を抱えた。
「内側からの熱で、せっかくの鰹節がチリチリしなくなる。お前はそんな事も知らないで、たこ焼きを焼いていたのか!!」
銀次郎はなんとか立ち上がってみせる。
「あんさん中々やるやないの…だがな…ワシにもプライドちゅうもんがある!首洗って待っとけクソガキ!」
そうしてカネハチと共に彼は屋台を押して立ち去った。
「ふっ…口ほどにもない奴め。」
「はあ…」
玲二はフッとした顔だったが周りは困惑と唖然だった。
「それにしても、美味しいおすな…みくるはん…」
「あんな、それは京都弁やで…」「さいだすか…」
その夜。
銀次郎は何度も試作するが、ボウルをこぼしてしまう。
「駄目や!あかん…地球のバランスなんて…ワシにはできん…!」
銀次郎は落ち込んだ様子を見せるが、その様子をカネハチはジッと見つめていたが、すぐにたこ焼き作りに戻った。
「カネハチ…」
「………せやな、たこ焼き屋の根性見せなあかんな。よし!今夜は気張るでカネハチ!」
銀次郎は気合を入れ直してそのままカネハチと試作し始めた。
翌日。
玲二達は帰路について歩いている途中。
玲二はずっと考えていた。
それを見る流介とるるか。
「なんだあいつ…」玲二を見る流介の目は少し冷ややかだった。るるかは苦笑いして流介に説明した。
「玲二…たこ焼きについて考えてて…」
「なるほどねぇ…」
流介も理解はしたが納得しにくい顔をした。
すると、前と同じところに銀次郎の屋台はあった。
玲二は気付いて近寄る。
「貴様!またたこ焼きを焼いているのか!」
「ふんっ!来たかクソガキ!今回ばかりは一味ちゃうとこ見せたるで!」
再び二人の前にバチバチが走る。
そんな時、また前から見慣れた顔が歩いてきた。
「…君達、何をしているんだい?」
「げっ…ニジー。」るるかは思わず声に出てしまい、ニジーも内心ムッとなる。
「…アルカナ…げっ…は酷いなベイビー。」
「そ、それより。何しに来たの?」
「ふん。決まってるだろう?」
ニジーはグロックドライバーを巻いてそのままメダルを嵌めて仮面ライダーグロックに変身した。
「チッ…玲二。さっさと用意しろ!」
流介もヴァイクドライバーを胸に巻いてそのまま仮面ライダーヴァイクに変身した。
「はあ…」
玲二は心底落ち込んだ声色ではバレットに変身した。
「行くぜ!」
「かかってきなベイビー!」
ニジーと流介。お互い玲二のライバル的立ち位置の二人が激突し合う…
「んえ?」「あれ?」
「どや!この味!」
「まだまだ!」玲二はバレットのヘルメットを脱いでたこ焼きを食べていた。
「だあっ!」流介は思わずコントでしかみた事ないような倒れ方をした。
「おい玲二!真面目にやれよ!ていうか屋台も避難しろよ!」
流介のツッコミに玲二と銀次郎はハッとなる。
「ハッ!つい気になって食べてしまった!」「あかん!つい作ってもうた!」
玲二はヘルメットを被り、バレットストライカーを構えて走る。
「仕切り直しだ!行くぞ流介!」
「よっしゃあ!」
「かかってきなベイビー!(2回目)」
そうして再び彼らがぶつかり合う!……となっていると。
「へえ!?」
「この味でどうや!」
「少しずつバランスよくなりつつある…」
「ぐえっ!」流介とニジーは再び転げ落ちた。
「バカヤロー!何やってんだ!」
「悪い流介。どうしても気になって手が離せない。」
「悪いのぉ。カネハチ!ソイツと協力してぶちのめしたれ!」
銀次郎はカネハチに相槌を打ち、カネハチは前に出て流介の隣に立った。
(コイツ戦えんのかなぁ…)
ニジーが走って剣を構える…すると、カネハチはクルクルと回転して空に飛んだ。
「と、飛んだ!?」
そうしてウチワの扇を畳み、まるでハリセンのようにしてニジーに叩きつけた。
「ぐえー!」
その一撃でニジーは壁に叩きつけられ、追撃でカネハチがキリで連続刺突してニジーは翻弄された。
「強…」
流介は思わず声を漏らした。しかし、自分も活躍しようと走ってガンセイバーを召喚して攻撃する。
ニジーも負けないと剣を構えて鍔迫り合う。お互い技力では負けず、そのまま長く鍔迫り合う。
「ちょっとニジー!おっそいから来てやったっしょ!」
アゲセーヌが遅かったのでやってきた。
「丁度いいアゲセーヌ!君も加勢しろ!」
そう言っているのも束の間…
「あれ。」
「あーしはこれぐらい大きいのが好みかな〜。」
「私もこれぐらいが…」
「今もう少し小さくないと…」
まだ食べている玲二…としれっと参加してるるるかとアゲセーヌ。
「お前らーッ!やる気あるのかッ!?」
ニジーも遂に我慢の限界になって怒ってしまった。
その隙にカネハチが頭を団扇でぶっ叩いて地面に沈んだ。
「さあ!これでどうや!」
銀次郎がたこ焼きを投げて玲二はそれを食べた。
「!」
玲二は目を開く。
全身を駆け巡る熱いスパークリングと地球に抱かれているかのような包容感?を感じていた。
「これだ!これこそ、我らが故郷『地球』!」
「全ての具材が絶妙なバランスでお互いをお互いが絡み合って最高の味を引き立てている!」
「皮のパリパリ感、良いトロトロ感のとろみ、そしてタコの最高のプリプリ感!」
「これこそ!俺が求めていた!最高のたこ焼きだァ!」
「ふっ…遂に作り上げてしもうたのぉ!」
玲二と銀次郎はお互い手を握って握手しあい、泣いていた。
「ありがとう!お前は、世界一のたこ焼き職人だ!」
「おまんこそ!最高のたこ焼き愛好家やで!」
お互い尊重しあい、遂にはハグしてしまった。
まるで料理漫画で主人公とライバルがお互いの勝負を尊重し合うようなそんな空気……が屋台の前で繰り広げられていた。
流介とニジーは完全にシラケてしまった。
「はあ……今日はもう帰るよ!」
ニジーはそう言って帰ってしまった…。玲二はヘルメットを被り、るるかもキュアアルカナに変身、アゲセーヌもコウモリマッドレガルーに擬装してニジー達の元に向かう。
「さあニジー!覚悟しろ!」
「邪魔はさせない。」
「ニジー!加勢するっしょ!」
三人が飛び出すと、既にニジーは居なかった。
「……あれ」
木枯らしが通り過ぎた…。
その後、結局アゲセーヌも満足して帰ってしまった。
屋台を押す銀次郎は玲二にある物を渡した。
「これは?」
「たこ焼き無料券1年パス!たこ焼き屋でこれを渡すということは滅多にあらへんでぇ。」
「えっ、良いのか!?」
「究極のたこ焼き作るのに協力してもろうたさかいな。そのお礼として受け取ってくれ。」
「ほな、またな!」
そうして銀次郎はカネハチと共に屋台を押して去った。
カネハチも振り返って手を振った。
「あのレガルー倒さなくてよかったのか?」と流介。
「無害なら…いいんじゃない?」とるるかは述べた。
そうして数日後。
きんだこ直伝の究極のたこ焼き『地球』は大阪問わず様々な地方で大ヒット。今ではきんだこは銀だこを抑えてトップのたこ焼き屋になった。
そんな情報を見ていた風呂上がりの流介と所変わってニジー。
(俺(僕)も食べておけばよかった…)
と違う場所ながらも同じ事を考えているのだった。
ギャグ回です。次回はシリアスだと思う。
次書いて欲しい短編
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コミカルなやつ
-
ヒロインといちゃいちゃ
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シリアスなやつ