とある平原。
そこではバレットとブレイザーが死闘を繰り広げていた。
銃と剣による殺陣で入り乱れ、お互いの意地をぶつけ合う戦いが続いていた。
玲二は岩場に隠れて幸次郎が来るまで待ち、予想通りに幸次郎は上から迫ってきた。
「貰った!」
「あまい!」
玲二はすぐさま回避し、そのまま幸次郎は剣を整え直して距離を取った。
「やっぱりやるな泉さん。」
「…」
幸次郎はそのまま突進して攻撃するが、玲二は回避した。
それを見抜いていたかのように幸次郎はブレイザースラッシャーにデュアルチップをセットしてそのままもう一本のブレイザースラッシャーの幻影を生み出してそのまま玲二に攻撃した。
「くっ…」
幸次郎は再び攻撃を仕掛けようとした…がしかし。
玲二はすぐさまオーバーライドを起動し、幸次郎の後ろを立ち、そのままバレットストライカーを頭上に構える。
幸次郎は振り返って攻撃しようとするが、既に攻撃される寸前だった。
【シュミレーション終了】
そんな無機質な声と共に周りの平原はサイバー空間になって、二人はゴーグルを取り出した。
「凄いです!モニターしてましたけど本当に凄い!」
みくるはとても興奮していて、流介はなだめつつもシュミレーターの方を目を向けた。
「玲二の親父さん。嬉しいのをプレゼントしてくれたな。」
「ああ。本当に感謝してるよ。父さんが、わーざわざ、ここに置いてくれたんだからな。」
シュミレーターはだいぶ大きく、キュアット探偵事務所の広場にでかい機械を二台も置かれてジェットは大変ご立腹だった。
「これで…玲二の勝敗は33勝17敗…」るるかはその成績を見て少し嬉しそう。
「幸次郎相手にもこんなに勝つなんて…」くれあは驚きを隠せていなかった。
幸次郎はシュミレーターから出てくれあから差し出されたタオルを受け取った。
「よし玲二!次は俺と勝負だ!」「流介が俺に勝てるのか?」「舐めんなよ、15勝ぐらいはしてやるぜ!」「せめて全勝するって言えよ!」
玲二と流介は笑いながらシュミレーターに入った。
幸次郎はそれを見た後、無言で外に出た。
「幸次郎さん…?」
その様子を見ていたくれあ。
幸次郎の後を追う為に、プリキットミラールーペを使って足跡を辿るくれあ。
歩いて、歩いて、歩いて辿り着いた先には長い階段があった。
「ここを登って行ったのかしら…?」
くれあはエクレールに変身して、一気に階段を飛んでショートカットした。最後の段を駆け上がったと共に変身を解除し、辺りを見回す。
そこは何処か幻想的ながらも寂れている廃墟の神社があった。
「神社…?ここに幸次郎さんが?」
くれあは歩いて幸次郎を探す。
すると、向こうから幸次郎の素振りの声が聞こえてきた。木の陰からソッと見ると、そこには戦闘を自身でシュミレーションしているのか、ひたすら剣を振ったり、蹴りで木を蹴り飛ばした後にナイフを投げたりで演習をしている幸次郎の姿があった。凄い集中力で、まるでカマキリと戦う刃牙みたいな様子だった。
「幸次郎さん?」
「くれあ殿。」
幸次郎は剣を地面に突き刺してくれあのところに向かう。
「どうしたのだ?こんな所で。」
「急に居なくなったから探しに来たんです。声もかけずに行っちゃうから…」
「そうか…すまぬ。心配をかけたな。」
二人は神社の賽銭箱の前に座って話す。
「なんであんな事を?幸次郎さんらしくないです。」
「……某も強くなりたいと思ったからだ。」
「幸次郎さんは充分強いじゃないですか。」
くれあは励ますと、彼は立って言う。
「そういう問題では無い。」
「…某とて男児。誰よりも強くなりたいという思いを持っておる。」
「…だが、某には玲二殿という高過ぎる壁が居る。」
幸次郎の視線には一つの大き過ぎる"壁"が立っている。その上にはオーラを纏って向こう側を見つめている玲二が居た。
彼にとって玲二はこのように見えているのだった。
くれあにはよく分からなかったが、凄い覇気を纏っているのは確かだった。
「だが、某は玲二殿にはなれぬ…だが、こんなものを見つけた。」
幸次郎は座って古い本を取ってくる。
「これは?」「数百年前に、某の先祖が書き記した泉流剣術の全てが書かれた書類だ。」
本には幾つもの剣術が書き記されていた。
しばらく読み進めるうち、最後のページに到着した。
「これは…?」
「我ら泉家に伝わる究極剣術"草薙下ろし"だ。」
「草薙下ろし…」
名前からしてただの剣術では無いことを察するくれあ。
「かつて、この剣術を編み出した泉源左衛門祖先はこれで大蛇をも斬ったと言われておる。」
「だが…かつてこの剣術を再び再現した者は…居ない。」
幸次郎は少し落ち込んだ様子を見せたが、すぐに気を取り直す。
「これを再現するのは不可能と言える。だが、某は必ず我が物にしてみせる。某のプライド、某の魂に懸けて…!」
幸次郎の目には炎が滾っている。くれあはそれを見て、ゴクリと言わせた。
「私も手伝える事なら、協力します!」
くれあはそう堂々と言い放ち、幸次郎は笑みを浮かべた。
「かたじけないくれあ殿。」
……その頃、クエスターズのアジト。
「遂に完成したぞ。」
ロウはライ用にTYPE-Bサムライのパワードアーマーを開発した。
ライは装備して調子を確かめる。
「いい感じじゃん?ま、後は俺次第って訳でしょ?」
「そうだ。とにかく、剣術データは組み込んだな?」
「八葉一刀流のデータは完全にマスターした。習得するのに苦労したが…これで戦いが面白くなるぜ…」
ライは不敵に笑い、そのまま地上に転送しに行った。
「はあ!でやっ!」
後日。幸次郎は素振りから始めた。
くれあは座りながら弁当片手に眺めている。
その間に本をチラ見する。
……草薙下ろし。
文章を要約すると、
研ぎ澄まされた精神力と獲物の持ち加減・構え方・そして無我の境地に至る程の集中力を噛み合わせない限り、実現する事は不可能。
と書かれてあった。
(幸次郎さんがこれを習得したらまさに奇跡ね…)
(でも…幸次郎さんならきっと…!)
彼女の目にはキラメキがキラキラとしていた。
幸次郎の事を何よりも信じている証拠だった。
「見つけたぞ!」
すると、ライがアーマーを装備した状態で立っていた。
「クエスターズ…」
「覚えてたのか。そりゃ嬉しいぜ。じゃ、早くやろうぜ。待ちくたびれちまったよ。」
ライは間髪入れずに刀を構えてくる。
幸次郎とくれあは変身して立ち向かった。
幸次郎は剣術を仕掛けようと構えを取る。しかしライは回転の動きを利用した強烈な一撃で二人の間を通り過ぎる。
「今のは!?」
「八葉一刀流…かつて存在していたエレボニア帝国で使用者が居たと言われておる剣術…」
「クエスターズはそんな大昔の剣術を身につけてるってことですか…!?」
二人は驚く間もなく、攻撃を仕掛けられる。
次に放ってきた爆炎を纏った斬撃を二人は回避し、ライに攻撃を命中させた。
「その程度で効くと思うなよ?」
グレイスナイパーを構えて攻撃するライ。
幸次郎は弾を弾いて防御するが、その瞬間に居合斬りで攻撃され、吹き飛ばされて変身を解除してしまう。
「幸次郎さん!」「くっ…」
急いで幸次郎に駆け寄るくれあ。
「さぁて…嬢ちゃん覚悟しろよ。」
ライが攻撃を仕掛ける…だがその前に横から銃撃が飛んできてライは後ずさる。
「邪魔が入ったか…つまんねぇの。タイマンぐらいさせろって。」
ライは文句を述べた後、そのまま何処かに立ち去ってしまった。
「泉さん!大丈夫か?」
「玲二殿達か…かたじけない。」
「階段長くて遅れた…」るるかは微妙な顔をして呟いた。
「……それにしても、泉さん何してたんだ?」
「ちょっとした特訓だ。」
「特訓か…いいと思うぜ。よしるるか、そうと決まれば俺らも特訓行くぞ!」「ま、待ってよ玲二!」
玲二はそのまま駆け出していき、るるかはその後を追いかけた。
……
それから数分後、幸次郎が目を覚ました。
「大丈夫ですか…?」
彼の目に入り込んだのはくれあの上半身だった。
思わず息を飲むが、直ぐに離れる幸次郎。
「ああ……」
そのまま鍛錬に戻る幸次郎。くれあはその様子を見て、ちょっとクスッと笑い、トップオブリリーフレグランスを手に取って振り掛ける。
「…む、くれあ殿。」
「土の匂いよりは、香水の匂いを身についた方がいいと思って。」
「……余計なお世話…」
その時、幸次郎は目をカッと開く。
無我…一瞬だけ時間が静止した。くれあが止まって見えている。
池に添えられた百合の花。花弁の水滴がこぼれ落ちた時、彼はフラッとした。
「幸次郎さん、大丈夫ですか?」
「掴んだ…掴んだのだくれあ殿!」
「うわわぁ〜、やめてください〜!」
幸次郎は思わずくれあの肩を掴んで揺らす。くれあは目を回していたが、幸次郎は嬉しそうだ。
「そうか…そういう事か…掴んだぞコツを!」
幸次郎は先程の感覚のように、深呼吸して目を閉じた…………
…………
………
……
カッ!
幸次郎は勢いよく目を開き、その場に凄まじい衝撃が発生した。
くれあは思わず目を開き、驚いていた。
幸次郎は剣を収めた。
「すごいです幸次郎さん!」
「いや、くれあ殿のおかげだ。」
そう呟くと、電話が来た。
玲二から。
『泉さん、クエスターズが来た。今から迎えるか?』
「承知した。」
彼はブレイザースラッシャーにチップをセットし、そのままアサルトブレイザーに変身した。
ヘルメットを脱いで、くれあの方を見る。
「頑張りましょうね。」
くれあはそのまま彼にキスをする。二人は思わず頬を赤らめた。
「幸次郎さんは奇跡を起こしたんですから。」
「……今までのは奇跡ではない。」
幸次郎はヘルメットを被って言う。
「奇跡は…これからだ…!」
そう言ってブースターを吹かしてそのまま飛び立った。
その頃、玲二達はライ達のところに到着した。
「来たか仮面ライダー!それにプリキュア!」
「ああ、ライ。以前とは違うって教えてやるぜ!」
玲二は新しいチップを手に取る。るるかはいつの間にと思って彼を見る。
「いつの間に…」
「新しく作っておいた。早速使ってや」
そう言いかけた時、横から銃撃でチップを飛ばされた。
「ああ!」
「おいおいリンちゃんよ〜。邪魔はご法度だぜ〜?」
「お前が手こずるからだろ…」
リンがやれやれという声で発砲してきた。
そのチップは玲二の少し前に飛ばされてしまい、取りに行こうにも行けない。
「チップも使えないなんて、ちょっと退屈かもな。ほらよ。」
ライはつまらないと感じ、チップを拾い上げて玲二に投げた。玲二はありがたく受け取ろうとするが…寸前で幸次郎が飛んで取ってしまった。
「泉さん!」
「玲二殿。奴は某に任せてくれ。」
「いやその前にチップ」
「ゆくぞ!」
幸次郎はそのまま取ったチップをそのままセットした。
何処からか黒い甲冑のようなアーマーがブレイザーに纏って姿を表した。
「あらら…」
るるかは思わず玲二の方を見た。
落ち込んでいるが、気を取り直したのかシノビチップを取り出していた。
「この姿…ジェネラルブレイザーと呼ばせてもらおう!」
「将軍だって?下手な小細工を!」
ライはスナイパーで狙いを定めて発砲する。
しかし、ブレイザーの装甲にはダメージが無い。
「何ッ」
「ジェネラルブレイザーの装甲は強靭。その程度で!」
幸次郎はそう言って蹴りを入れた。ライは地面を擦るが立ち直って刀を構えた。幸次郎もブレイザースラッシャーを構えて殺陣を始めた。
玲二はシノビバレットになり、るるかはアルカナ・シャドウになってリンに殴りかかった。
「ここで倒してやる!」
「どうかな。」
リンはそう言って二人がかりにも対応していた。
幸次郎は玲二達の方を見て、手を伸ばす。
手から波紋のような物が発射され、二人に当たるとリンに向けた攻撃が以前より強化された。
「何?何が起きたの?」
「あのアーマーにある機能で、俺たちの能力が少し上がってるんだ。これなら!」
玲二はマキビシランチャーとシュリケンランチャーを展開し、そのまま光学迷彩で隠れる。
るるかはアルカナにフォームチェンジし、そのままアルカナマリオネットゾーンを展開してリンを封じる。
「この程度の攻撃で…!」
「そこだ!」
リンの背後からランチャーを発射し、そのまま吹き飛ばした玲二。
リンは身体の一部が破損してケーブルが剥き出しになっている。
「……やるな…だが、次はそうはいかないぞ。」
リンはそう言って飛び立った。
幸次郎の方も、ライとの鍔迫り合いに押し勝っていた。
「くそっ!」
「はあっ!」
幸次郎が吹き飛ばすと、遅れてきたくれあが隣に立つ。
「遅くなりました!」「いや、くれあ殿。足止めを頼めぬか。」
「はい!」
くれあはスターキラリングブローチを取り出し、そのまま指輪を抜いて指に嵌めた。
「キュアエクレールの姿は、ソウルユニゾンだけじゃないわ!」
くれあはキュアエクレール・スターキラリングフォームになり、そのまま高速移動の蹴りでライの刀をへし折った。
「しまった!」
着地してすぐ振り返るくれあ。そこには幸次郎が既に構えを取っていた。
「今です!」
「分かっておる。」
ゆっくり歩く幸次郎。
そこには凄まじい闘気と振動が起きる。
ライは黙ったままガードの体勢を取った。
そして、幸次郎は刀を構え直し、そのまま剣を振り下ろした。
凄まじい衝撃と共にライのアーマーが弾け飛び、追撃の切り上げをライはアーマーを分離して回避した。
爆発と共に爆風から飛び出たライ。
「チッ…覚えてろよ。」
そのまま彼も飛び去って帰っていった。
「……草薙下ろし也…我が獲物に、断てぬものなし…」
まるで桜が舞い散るかのような風景を背に、幸次郎は納刀したと同時に変身を解除した。
くれあは嬉しそうに彼を見ていた。
「奇跡はこれから…なんだか幸次郎さんらしいな…」
ちょっと嬉しそうにクスリと笑った。
………
数時間後。
廃墟に玲二と幸次郎が変身した状態で立っていた。
ジェネラルブレイザーとシノビバレットの二体が木の葉が舞う神社の道に立ち尽くしていた。
「…玲二と幸次郎さん…燃えてる。」
るるかが緊張した雰囲気で眺めている。
くれあも息苦しさを感じている。
「なんでどっちも攻めないんでしょう…」「いや、この瞬間も戦ってる。あいつらの中じゃ、激しい鍔迫り合いが起きてるんだ。」
状況をあまり分かっていないみくると、この雰囲気に思わず息を呑む流介。
(まだ仕掛けぬ…玲二殿が攻撃を仕掛ける時が…草薙下ろし発動の時…)
(…………)
玲二が攻撃を仕掛けようと動く。
「…今だ!」
幸次郎は草薙下ろしを放つ。玲二はすかさず光学迷彩で透明化した。
幸次郎が地面に着地した。
………
静寂が包み込んだ。
くれあ達は静かに様子を眺めていた。
…次の瞬間。ブレイザーの身体から火花が飛び散る。
ブレイザーが倒れ込んだと共に、バレットは姿を現した。
「…光学…迷彩…」
るるかがそう言うと、二人は変身を解除した。
お互い汗だくで、どちらも嬉しそうな顔だった。
「純平君、あれってズルなんじゃ…」あんながそう言いかける。
「いや、某の負けだ。」幸次郎は立ち上がって玲二に向き合う。
「負けたぞ。まさか光学迷彩とはな。」
「俺の方こそ、凄いよ草薙下ろしは。避けられたのは運が良かっただけさ。」
二人は見合った後、握手し合った。
「…二人とも、また友情を深めたね。」るるかがそう言うと、くれあも頷いた。
「これは大きな武器ね。お互いにとっても。」くれあも嬉しそうに幸次郎の方を見つめていた。
くれあの目には幸次郎がいつもより輝いて見えていたのだった。
スターキラリングフォームが遅過ぎる。
次書いて欲しい短編
-
コミカルなやつ
-
ヒロインといちゃいちゃ
-
シリアスなやつ