やっぱりるるかは最高や
With You, My Beloved/愛しい貴方と(森亜るるか)
「玲二。ちょっと良い?」
「ん?なんだよるるか。」
玲二に話しかけたるるかは箱を二つ持っており、玲二に一つ取って欲しそうに促した。
玲二は意図を理解し、そのまま箱をひとつ取る。
「これは?」
「ブレインダンス…聞いた事ない?」
「…アメリカだっけ。」
「そう。」
ブレインダンスは、最近流行りのナイトシティで生まれた特殊モジュールを使用し、人間の視覚や聴覚から得た情報を体験として体験できる行為の事を言う。
るるかはわざわざナイトシティから郵送で送ってきたのだった。
「で?何するんだよ。」
「…月に行こう。」
るるかの言う通り、部屋に入ってベッドに寝転がる。
自然と手を握っており、玲二達は内心緊張していたが何処か楽しみでもあった。
擬似インプラント装置をブレインダンスに接続し、そのまま玲二は目を閉じた……
次の瞬間。
玲二は目を開けると目の前にはるるかが立っており、周りを見ると、確かに月の表面だった。
「やばっ!」
玲二は口を塞ぐが、るるかはほんのり笑った。
「ふふっ…大丈夫だよ。息できるから。」
「あ…ホントだ。たくっ、焦ったって。」
宇宙の重力に苦戦しながらも、玲二はるるかの隣に立った。
「…じゃあ、エスコートをお願いできる?」
るるかは彼に差し伸べるように促す。
玲二は溜息を吐き、彼女の手を優しく掴んだ。
「それでは、エスコート致しましょう、お嬢さん。」
玲二は軽そうに答え、そのまま彼女の手を繋いで歩いた。
月の表面にはただただ広がる静寂と、向こうに見える人間の故郷が見えた。
しばらく歩くと、ルナローバーを見つけ、るるかが率先して乗り始めた。
「おい、大丈夫なのか?」
「ここは現実じゃない。」
るるかはそう言って運転席に乗り、玲二はその横に乗っかる。
「飛ばすから、しっかり捕まっててね。」
そう言ってルナローバーを動かするるか。凸凹した月の表面を転ぶ事なく走り続ける様を見て、玲二も楽しそうにしているのだった。
…しばらくしてルナローバーから降りたふたりは、クレーターの近くで座って地球を眺めていた。
るるかは足をブラブラさせながら言う。
「…楽しいね。ここに居たら、今までの事全部が夢みたい…」
「そう思う。」
二人の間にまた静寂が流れる。
今居るBDが偶像でも、この空気だけは本物だった。
「…わがままを言うなら、ずっと玲二とここに居たい。」
「るるか…」
「私はプリキュアでも無い普通の女の子で…玲二は仮面ライダーにならない普通の男の子になって…こうやって仲良く遊んで…それから…」
るるかの目から一粒の涙が浮かび、玲二の頬に当たる。
「るるか。」
玲二はるるかを肩をポンッと叩く。
るるかも分かっているのか、頷いた。
「分かってる。それはただの願望…でも、願っちゃいけない事なのかな…」
「いや、今からでも遅くないよ。」
玲二は彼女の方を見る。
「ファントム、南米同盟、幽奇獣全員ぶっ倒して解決すれば、今からでも遅く無いと思うぜ?」
「玲二…」
「まあなんて言うんだ…?俺は、お前と未来を歩きたいんだ。その時が来たら…お互い普通の高校生になるかも…?なんて…」
玲二は地雷を踏んだかと思い、苦笑いをして誤魔化そうとするが…
次の瞬間に、彼女の唇が玲二の唇と当たる。
熱い振動が全身に走り、お互い頬は赤くなっていくのを感じた。
「…玲二は…優しいね。」
「…優しくなんかないさ。」
玲二は照れ臭そうに言った。頬は赤く、少し視線を逸らしていたが。
るるかはそんな彼に寄り掛かる。玲二もまた、そんな彼女に後ろから腕を回して抱き返した。
今だけはこの静寂が何よりも愛おしいと感じる二人が居た。
「今度は…玲二からしてね。」
「気が向いたらな…」
「意地悪…!」
「ハハ…」
そんな二人をいつだって地球は見守っているのだった。
玲二達はエッジの向こう側に行ったりしないので安心してください。
次書いて欲しい短編
-
コミカルなやつ
-
ヒロインといちゃいちゃ
-
シリアスなやつ