仮面ライダーバレット   作:サツキタロオ

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2号ライダー登場回です。
個人的には癖強なキャラに仕上がってると思います。


Mystery.3:向こう側からの戦士

その日の夜。

周りの喧騒が響き渡る気配すら無く、静寂に包まれた。

月が雲に隠れて辺りは闇の世界のようになっていた。

「もうこんなに遅くなっちゃった…」

洋菓子店"パティスリーチュチュ"から青い髪の少女が出てきた。

彼女は帆羽(ほわ) くれあ。この店で働く少女。

夜勤の為、帰る時間が遅れてしまった。

「…急いで帰らないと…」

荷物を纏めて自転車に乗って帰路に着く。

 

「……あら?」

目の前に何やら人影らしきものが見え、自転車を止める。

「誰かしら…?」

すると、人影はくれあに飛びかかって来た。

「!?」

くれあは思わず飛んできた人影を回避するが膝を擦りむいてしまう。

そのまま人影はクローを展開してくれあに襲い掛かろうとする。

 

しかし、横から剣が飛んできて人影に傷を付けた。

「…え?な、何!?」

くれあが立ち上がり、辺りを見回すと小屋の上に誰かが立っていた。

まるで特撮ヒーローのような風貌をしており、くれあはその姿に釘付けになった。

「……」

そのヒーローは降りて剣を回収し、そのまま構えを取って人影に向かって連撃を入れた。

火花が散る中、くれあは火花によってヒーローの顔が少しだけ見えた。

 

人影はダメージを受け、そのままその場を去った。

ヒーローはそのまま構えを解き、剣を布製の鞘に納刀した。

そして、その場を去ろうとするヒーローに対してくれあは引き留める。

「あ、あの!」

「…?」

「…助けてくれてありがとうございます…その、貴方の名前は…?」

雲に隠れた月の光が二人を照らし出す。

「…某の名は…仮面ライダー…ブレイザーなり。」

そう言って彼はその場から離れていった。

俊敏な獅子のように軽やかだった。くれあはその姿が妙に忘れられなかった。

 

夢かもしれないと思いつつも、彼女の心には深く刻まれていた。

 

……………

 

翌日。

玲二は登校中に流介に話しかけられた。

「おはよっ!なあ聞いたか…?」

「おはよ。どうしたんだよ。」

「殺人事件だよ…!しかも6人も!」

「ろっ…!?」

玲二はその数に驚いてしまった。

流介も言ってはいたが驚いていたと思う。

「とりあえず、放課後に屋上集合な!」

流介がそう言って予定した後、足元の岩に気付かず転びそうになる。

「うわっ…!」

「あっ!」

玲二は思わず助けようとするが、間に合いそうにない。

このまま地面にぶつかりそうになったその時…

 

……流介は目を閉じてぶつかるのを待ったが、痛みは来ず、思わず目を開けると、誰かに助けられていた。

横を見ると、少し背の高い青年が助けてくれたようだった。

「大丈夫か?」

「お、おお…」

「…そうか。では…」

そう言って青年は名前も言わずに去ってしまった。

流介は立ち上がると、その青年の後ろ姿を見つめていた。

「すっげぇ…あれ泉さんだよ…!」

「泉さん?」

「玲二知らねぇの?泉 幸次郎(いずみ こうじろう)だよ!剣道部のエース!」

「中学の時から剣道部で、そこから6年間ずっと負けなし!しかもプロにならずに黙々と自身を磨く姿が雑誌に取り上げられるぐらいの人なんだぜ?」

「話しかけられただけでもサインされるのと同じぐらい凄いんだぜ?」

流介は熱心に語っていた。

玲二は興味無さそうに聞いていた。

 

「まあなんでも良いけどさ。早く行かないと遅刻するぜ?」

「うわっ!本当だ。急ごうぜ!」

二人は急いで教室まで走っていった。

 

そうして放課後…

玲二、流介、るるかの三人は集まって話し合っていた。

「…今回の事件は、連続殺人。しかも夜中の内だ。」

「殺害されたのは6人…しかも殺されかけた女子も1人居るって。」

流介が言うと、玲二は感心したように聞く。

「…へー…一体誰なんだ?」

「確か…帆羽 くれあだったかな。ほら、隣のクラスの。」

「…!」

るるかはその名前を聞いて露骨に驚いていた。

「なんだるるか。知り合いなのか?」

「……別に。」

るるかはそっぽ向いた。玲二達はすぐに話を事件に戻す。

その後も何時間か事件の考察をして話し合った……

 

 

「じゃ、また明日な!」

「おう。」

玲二達は流介と別れた。玲二もすぐに帰ろうとするとるるかに引き止められる。

「…玲二。怪盗団ファントムの本部に行こう。まだ顔も合わせてないでしょ?」

「まあそうだな。」

「……こっち。」

るるかに案内されてそのまま歩くと、商店街の店に置いてあるテレビの前に来る。

「テレビ…?」

「触ってみて。」

玲二はるるかの言われるがままにテレビに触ろうとする。

すると、手がテレビに引っ張られてそのまま吸い込まれそうになる。

「…や、やばい…!」

玲二はそのままテレビの中に吸い込まれてしまった。

「やっぱり最初はその反応よね。」

るるかも慣れたようにそのままテレビの中に入っていった。

 

「うわぁぁぁぁぁぁ!」

玲二は地面に叩きつけられて痛くなって倒れこんだ。

るるかも次に降りてきて華麗に着地した。

「…こ、ここがアジト?」

玲二は立ち上がって埃を取る。

すると、後ろから声がして振り返る。

『待っていたぞ。』

上を向くと玉座に座る大柄で仮面を付けた鎧の男が居た。

『我が名はウソノワール。アルカナ・シャドウが貴様を連れてきたようだな。』

『貴様は我が配下となり、私が大王になるために尽くすのだ。』

「ちょ、ちょっと待てよ。いきなりなんの話なんだ?」

『では、早速マコトジュエルを手に入れてくるのだ。』

「ええ…?」

ウソノワールは玲二の話を聞くつもりは無さそうだった。

この時点で玲二はもう辞めたくなっている様子だったが、悟られないように平然を装った。

 

……………

 

そのまま玲二達は元の世界に戻ってきて溜息を吐いた。

「…とりあえずもう帰ろ…」

玲二はそのまま家に帰宅した。

帰る途中、玲二はくれあに出会った。

「…ん、帆羽くれあか…」

玲二はベンチに座ってボーッとしている様子の彼女に声をかける。

「…!貴方は…」

「俺、隣のクラスの早乙女玲二。噂で聞いたんだけど、犯人に襲われたって本当か?」

「………うん。私バイトしてるんだけど、帰る途中で襲われちゃって…」

玲二は話を聞きながらメモを取る。

「でも、謎のヒーローが助けてくれなんです。ブレイザーって名乗ってました。」

「ブレイザー…」

玲二はその名前を聞いて疑問を覚える。

自分が変身するのは仮面ライダーバレットであり、ブレイザーという名前には聞き馴染みが無かった。

「ふーん。ありがと。ちょっと気になってさ。」

「あ、玲二くん。」

玲二は引き留められ、くれあは鞄から名刺を差し出した。

「名刺?」

「私この近くのお店でバイトしてるの。もし良かったら来て欲しいわ。」

「……ありがと!」

玲二はそのまま彼女と別れて帰路に着こうとする。

すると、木影からるるかが現れて玲二の前に立った。

「…?」

「彼女に会ったのね。」

「…くれあの事か?何か問題でも?」

るるかは玲二の耳元で囁く。

「お願い。彼女を巻き込まないで。」

少し悲しそうな声で囁いていた。

そのまま彼女が通り過ぎて、玲二は振り返ると彼女はいなかった。

「…なんか訳アリだな…るるかとくれあって何か関わりでもあんのか…?」

玲二はそんな事を思いつつ、そのまま木に寄って考える。

(犯人がくれあを襲ったなら、もしかしなくてもまた狙われるんじゃ…)

そう思い、玲二はくれあの事をチラッと見る。

(申し訳ないけどちょっと様子を見させてもらうか…)

玲二はチップを手に取って指で弾き飛ばす。

そのままチップは彼女の鞄に入り込んだ。

バレットストライカーを取り出すとセンサーにチップの位置が表示された。

「よし…」

玲二はそのまま帰路に着いた。

 

そうして翌日。

休日でくれあはパティスリーチュチュでアルバイトをしていた。

「はい。ショートケーキ一つですね。」

客からメニューを聞いて急いで準備して箱に入れるくれあ。

「ありがとうございましたー!」

元気に挨拶する彼女はこの店の看板的存在だった。

玲二も受け取った名刺を頼りに店にやってきた。

「いらっしゃいませ〜!」

「よ。」

「玲二くん!」

元気に挨拶する二人。

「何はオススメはあるか?」

「うーん…ショートケーキにモンブラン、マカロンなんかもオススメよ。」

「アイスも揃えてあるからそういう需要もピッタリよ!」

くれあはウインクして言う。

玲二は内心、アイスもあると知ったのでるるかにも後で教えようと思った。

すると、別の客が入ってきて、クレアの前に立つ。

「くれあ殿。」

「幸次郎さん!いらっしゃいませ!」

「…いつものを…」

「特選ショートケーキですね。850円になります!」

幸次郎は金を手渡して袋を受け取ってそのまま帰っていった。

玲二は気になって彼の事を聞いてみる。

「あれって…」

「泉幸次郎さん。私の高校の先輩で、道場が近いからよく利用してくれる常連さんよ。」

「へー…」

玲二は和風な彼の姿がショートケーキを食べる姿を想像して、意外だなと思った。

 

そうして玲二はパティスリーチュチュ近くの公園で彼女が出てくるまで待つ。

すると、彼女がバイトを終わらせてそのまま帰るの見てそのまま後を駆けていった。

……そうしてくれあが狭い路地に出ると、背後から何かが飛び出して来た。

玲二はすかさず飛び蹴りをかまして人影を蹴り飛ばした。

「!?」

くれあは驚きつつも玲二の方を見る。

「下がってて。」

「は、はい!」

くれあはそのまま荷物を整えてそのまま逃げていった。

さらっと落としたチップを拾い上げてバレットストライカーに装填する。

「…出たなレガルー。観念してもらうぜ!変身ッ!」

玲二はそう叫んでバレットに変身し、レガルーに殴りかかる。レガルーは爪を展開して連撃で攻めてくる。

「くっ…!」

玲二は上部を展開してウェポンチップを装填する。

右手にグレイブソードを構えてそのまま突き刺して殴りかかる。

「このっ!」

玲二は壁に押しつけたままソードで突き刺そうとするが、回避されて背後から攻撃される。

レガルーは唸りながら笑った後、俊敏に駆けて行った。

おそらくくれあを襲いに行ったと感じた玲二はそのまま後を追いかける事にした。

 

レガルーは予想通りにくれあを追いかけていた。

「この前の…!」

そのままレガルーは爪を展開して襲い掛かろうとする。

くれあは攻撃を回避するが、猛攻で怪我しそうになる。

「…でやぁ!」

すると玲二は飛び込んでジャンプキックを放った。

「ここはまかせろ!」

「………」

「…とにかく早く!」

くれあは頷いてそのまま再び逃げて行った。

同時にるるかがティアアルカナロッドを持ったままレガルーに殴りかかった。

「るるか!」

「ここは一緒にやる。」

るるかはマコトジュエルをティアアルカナロッドにセットし、紫の光を振り払ってキュアアルカナ・シャドウに変身した。

「…玲二。アイツは早い。多分、遅い弾幕じゃ避けられる。」

「…だったら、こいつの出番だ!」

玲二は一つのチップを取り出し、バレットストライカーに装填した。

召喚されたアタッチメントをバレットストライカーに装着し、大型のスナイパーライフルを構えた。

「るるか!足止め頼めないか?」

「分かった。」

るるかはそのままティアアルカナロッドを構えたままレガルーに何度も連撃を仕掛ける。

クローをしゃがんで回避し、足払いで転けさせて玲二は引き金を引いてレガルーに命中した。

しかし、爪に当たって折れたもののあまり効果が無かった。

「くそっ…」

玲二が策を練っていると、後ろから幸次郎が歩いて来た。

「…!?」

「あれは…」

幸次郎はバレットの姿を見た後、静かに「仮面ライダー…」と呟いた。

そのまま幸次郎は鞘から剣を取り出し、そのままチップを装填し、構えを取る。

「…変身。」

そう呟いたと同時、彼の全身にアーマーが装着されていく。

そうして顔に仮面が装着されたと同時にその姿を現した。

「…某は仮面ライダーブレイザー。」

そう言って剣"ブレイザースラッシャー"を構えて走り出した。

そのままクローレガルーも爪を構えて殺陣を繰り広げる。お互い早いスピードと剣撃を交えた様子はまさに剣士同士の戦いに相応しい戦いだった。

 

「ふんっ!」

幸次郎は足に剣を当てて殴って地面に叩きつける。

「…決着…」

幸次郎はトリガーを数回押して刀身にエネルギーを溜め込む。

フルチャージされた刀身から衝撃波を放ち、レガルーを真っ二つにした。

ゆっくりと身体がズレて爆散したレガルー。

爆心地の近くにはキューブが落ちていた。

「…レガルーってあのキューブを使って現れてるのか…?」

そんな事を思いつつ、ブレイザーに近づく玲二。

「おい、あんた何者だ。」

玲二がそう言うと、幸次郎も振り返って剣を向ける。

「…こちら問おう。其方は何者だ?」

玲二も反発するように銃を構えた。

 

互いに空気が張り詰める。

彼らの間には殺気と不気味な気配で満たされていた。




二号ライダー!
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