「はあ…」
休日。流介は溜息を吐きながら湖を見つめていた。
サイクリング中だったが、その顔は何処か疲れている様子だった。
「…仮面ライダーかぁ…」
「良いよなぁ…カッケェなぁ…」
仮面ライダーバレット…玲二の事を思い浮かべていた。
彼は偶然ながらも変身する力を手に入れた。
親友であり友人でもある玲二だからこそ、羨ましいと思っていた。
「いいよなぁ仮面ライダー。俺もなってみてぇよ…」
流介は立ち上がって歩いていると、目の前に居る少女に気付かずぶつかってしまった。
「ああ…ごめん。見えてなくて…」
「あ、いえ…こちらも気付かなくてすみません…。」
流介は落としたヘッドホンに気付かず行ってしまった。
すると、彼女はヘッドホンを拾って振り向くと彼は既に視界から消えていた。
「行っちゃった…」
ヘッドホンを拾った少女"
………………
「え?ヘッドホン落とした?」
玲二、るるかの二人は彼の焦った顔を見て静かに呟いた。
「…ああ…昨日落としまって…何処落としたっけなぁ…」
「昨日落としたなら、場所を思い出してみればいい。」
るるかは流介にそう助言すると、流介はなんとか思い出して閃く!
「あ、確かサイクリング中に湖がある公園辺りで無くしたんだよ!」
「湖がある公園…因幡公園か。」
「一番大きいならまず其処だと思う。」
玲二とるるかは相槌を取った後、流介を見る。
「よっし、じゃあ放課後に行ってみようぜ!」
そうして流介の言う通り、放課後。
因幡公園に行き、辺りを見回す。
「何処だろなぁ…」
「本当にここら辺で落としたのか?」
玲二は流介に言うと、確かに頷いた。
「…本当かよ…」
「誰かが持ち出したのかも。」
「…まあ誰かが拾って交番って可能性もあるだろうな。」
「まじかぁ…近くの交番に届いてると良いけど…」
そうしてしばらく捜索を続けるが結局は見つからなかった。
「…参ったなぁ…」
「新しいの買えば?」
「ばーか!バイク買ったから金ねぇに決まってんだろーが!」
「バイトすりゃ良いだろ。」
「うちの高校バイト禁止だって言ってただろーが!!」
「じゃあどうやって稼いだの?」
「親の手伝いして溜めたんだろーが!!!」
流介は息を荒くして腰をついていた。
「…はあ…はあ…」
「…?」
「お前らの…はあ…ツッコミ…!疲れる…はあ…はあ…」
「もう今日は帰ったら?」
「大事なヘッドホン無くして、帰れるかよってんだ!」
流介がそう怒っていると、後ろから声をかけられた。
「あ、あの…」
「…?」
流介達が後ろを振り向くと、みくるがヘッドホンを持って息を少し荒げていた。
「…あ!俺のヘッドホン!」
みくるが持っていたヘッドホンを指差す流介。
「もしかして…君が持ってきてくれたのか?」
「は、はい…」
みくるは彼にヘッドホンを手渡す。
彼はすぐに首にかけた。
「へへっ、俺のトレードマークよ。似合ってるだろ?」
「はい!お似合いだと思いますよ!」
みくると流介は息があったのかそのまま話が続いた。
玲二はその姿を見て微笑んでいた。
「思ったよりお似合いじゃん。なあ、るるか。」
るるかはジッとみくるの事を見つめていた。
「…もしかして…」
るるかはそう言って振り返って歩く。
「…あ、おい!」
「今日は帰る。じゃあね。」
そのまま彼女は去っていった。
……………
そうして流介とみくるは歩きながら話していた。
「え?探偵?やるねぇ、若いってのに。」
「えぇ?そうですか…?そんなに褒めないでくださいよ。」
小林は照れて頬をかく。
「…いやいや、若いのにそんだけ行動力あるのはすげぇって。」
流介は苦笑いしながら溜息を吐き、近くの遊具に座る。
「実はさ。ちょっと悩んでてさ…友達居ただろ。茶髪のアイツ。」
「ああ…あの人。」
「アイツ、この前は親友なんだ。いや今も親友だけど。」
「…ソイツがさ。この前すげぇ力を手に入れてから、なんだか距離が離されたつーか…住んでる世界が違うようになった感じがしてさ…」
流介は空を見上げてそう言った。小林は彼を見て立ち上がる。
「流介さんって…その人の事大切に思ってるんですね!」
「…いやめろよぉ…照れ臭いなぁ…」
流介は赤面してヘッドホンに触れた。
小林はその顔を見て少し赤くした後に微笑んだ。
お互い笑った。
流介は久しぶりに心から笑えて心が和らいだ気がした。
「…色々話聞いてくれてありがとよ小林ちゃん。」
「いえいえ」
流介は立ち上がってそのまま帰路につくことにした。
…………………………
その頃、幸次郎は歩いていた。
「…ん?」
すると、壁に隠れてローブを着た男がキューブを持ってチラつかせていた。
「…何奴…」
幸次郎はそのまま走って追おうとする。
壁を超えた先にレガルーが立っていた。
「!?」
掃除機の腕を振って幸次郎は壁に叩きつけられる。
「くっ…こやつレガルー…こんな場所で…」
幸次郎はそのまま鞘を抜いて自身を追わせるように仕向けた。
そうして走っていると、公園に出て、それが偶然流介とみくるが遭遇した。
「…おわっ!」
「な、何!?」
流介は慣れた顔で驚きつつもみくるは謎の生物にあった顔でビビっていた。
「…ん?ここは危険だ。下がって欲しい。」
バキュームレガルーは掃除機を起動して吸い込もうとしてくる。
幸次郎は地面に剣を刺し、チップを装填した後に抜いて構えを取る。
「変身!」
その掛け声でブレイザーに変身する幸次郎。
「か、仮面ライダー!?」
「かめ…え!?」
みくるは大層驚いている様子だった。
ブレイザーは剣を構えたまま、そのまま走って剣撃を加える。
玲二も遊具の裏に隠れて武器を構える。
「こんな時に…仕方ない…変身!」
玲二は変身してバレットとなって突撃する。
「うらっ!」
バキュームレガルーを蹴り飛ばしてブレイザーを援護した。
「玲二殿!」
「援護するぜ、泉さん!」
「かたじけない…!」
玲二と幸次郎は武器を構えて走り出した。
それを見た流介はみくるの肩を叩く。
「…ここは逃げた方が良いぜ!このままじゃやられちまう!」
「……」
みくるはバキュームレガルーを見た後に後ろから誰かが飛んできた。
「!?」
「みくるー!」
「…あんな!」
少女
「お、おい…」
「流介さん。ここは任せてください!だって…私たちプリキュアだから!」
二人は同じ時計型のアイテム「ジュエルキュアウォッチ」を取り出し、マコトジュエルを取り付けて姿を変化させていった。
「おいおいマジかよ。」
流介は二人の姿を見て驚いた。
「キュアアンサー!」紫を基調とした姿に変身するあんな。
「キュアミスティック!」ピンクを基調とした姿に変身したみくる。
二人は拳を握って構えを取る。
「行くよ!」
「うん!」
二人は走ってバキュームレガルーに殴りかかる。
「おいおい、るるか以外にもプリキュアって居たのかよ!?」
「…プリ…?」
幸次郎は?を浮かべていたが気にせずレガルーに立ち向かう。
そのまま連撃で敵を攻める四人。多勢に無勢な様子を見ていたフードの男。
そのままもう一つのキューブを取り出して投げ込むともう一体のレガルーが誕生した。
「…2体目!?」
ラジカセレガルーが体に触って大音量で音を発生させる。
「うっ…!」
玲二達は耳を押さえている間にバキュームレガルーが吸い込んだ葉っぱを発射して玲二達に攻撃した。
「不意打ちとは卑怯なり…!」
幸次郎はそのまま構えてラジカセレガルーに攻撃して音楽を止めた。
「!?」
「ブレイザーには高音を防止する…ノイズキャンセリング機能がある。ならば…某が奴を片付ける…!」
幸次郎はそのままラジカセレガルーに猛攻を仕掛ける。
「玲二殿!」
「分かった!」
玲二はブレンマグナムを装着しようとするが、バキュームレガルーが吸い取ってしまう。
(まずい…!)
玲二が手を伸ばして掴もうとするが届かなかった。
しかし、隣から飛んできたバスケットボールがブレンマグナムを吸い込みから退かした。
「!?」
玲二が横を見ると、バスケットボールを投げた流介が立っていた。
「今だ!」
「サンキュ…!」
玲二はローリングしてブレンマグナムを装着してレガルーに猛攻を仕掛けて掃除機を破壊した。
「よし!今だ!」
「ならば…」
幸次郎はトリガーを押し、そのまま歩いてラジカセレガルーに近付く。
殴りかかろうとするレガルーに対してそのまま三枚おろしの斬撃でトドメを刺した。
続けてバキュームレガルーは小林が前に立った。
「任せてください!」
彼女はレイピアを形成して構えを取る。
「ミスティックストライク!」
そのまま走ってレガルーに突撃して貫いた。
その一撃でバキュームレガルーは火花を散らしてそのまま爆散した。
「キュアット解決!」
小林は決め台詞を言って変身を解除した。
「すげぇ…プリキュアってまだ居たのか。」
玲二と幸次郎も変身を解除して流介に近付いた。
「流介。サンキューな。助かったぜ。」
「気にすんなよ…相棒。」
二人は拳を合わせてそう言った。
そうして夕方。
流介はバスケットボールをゴールに投げ入れて見事スローインに成功した。
「よっしゃ!」
「おー…!」
みくるはその様子を見て拍手した。
「流介さん…なんだかさっきより元気になりましたね。」
「まあな。小林ちゃんのお陰だよ。」
流介はボールを持って彼女にそう告げる。
「色々助言してくれた礼に、今度困った時は頼らせてもらうぜ〜。」
「何かあればキュアット探偵事務所に来てくださいね!」
そうして二人は連絡先の交換をしていた。
そんな中、玲二はるるかに後ろから肩を叩かれる。
「ん?」
「玲二、ちょっと来て。」
彼女に連れられてそのまま歩く玲二。何やら妙な雰囲気を感じとる玲二。
「玲二はウソノワール以外の仲間に会った事ないよね。」
「そういえばそうだな。」
「なら今話す。」
るるかの距離が近くなる。
「…私はとある理由でウソノワールの元で怪盗をしてる。でも、もうすぐ彼は自分の目的を達成する為に"ある物"を使おうとしてる。」
「…マコトジュエルか…?」
「正解。だからもしもチャンスが来て、私が寝返ったらその時は…」
るるかの声はいつにも増して真剣だ。
「…でも、その判断は玲二に任せる。」
そうしてるるかはそのまま歩いて消えて行った。
不意に何か手に握られているのを感知して手を見ると、「アイス一本無料券」が握られていた。
「……るるかの奴…一体何しようとしとるんだ…」
玲二は静かにそう言った。
それから数時間後。
ウソノワールの拠点にて周りに幹部らしき多種多様な人物が座っていた。
「へー…アルカナ・シャドウが新人をねぇ…」緑の髪をした美少年は少し鼻で笑って言う。
「ま、ウチには関係無いしー」少しギャルのような風貌をした少女はネイルしながら呟く。
「新人か…どんな奴なのか会ってみたいもんだな!」大柄で和風な要素をした男は楽しみそうに扇を仰いでいた。
「嘘で覆う世界までもう少し…皆の者。マコトジュエルを集め、私に大王に目覚めさせるのだ!!」
「「「ライライサー!」」」
幹部達はそう言って独特の敬礼をした。
残り数週間で何かが動き出しそうな気配が漂っていた。
あんなとみくるいいよね…