追記:話数が増えて来たので章で管理します。読みやすくなれば幸いです。
私たちは一度屋台のうどん屋の場所まで戻っていた。なぜなら禰豆子ちゃんを置き去りにしてたからだ。
私はあの時炭治郎のことで頭が一杯になっていた。正直禰豆子ちゃんにも屋台のお兄さんにも申し訳なく思う。
ただ禰豆子ちゃんは頭を撫でたら機嫌良くしてくれたし、屋台のお兄さんも私たちが追加注文して美味しそうに平らげたら機嫌が元通りになった。炭治郎が落とした器の弁償代も払おうとしたがそれすら突き返された。とても気の良い職人気質なお兄さんだなと私は思った。
「ごめんな禰豆子。置き去りにして・・・」
「炭治郎」
炭治郎が気を抜いて歩いていると、突如私たちの目の前にさっきの鬼の医者の傍付きの男が現れた。私はすぐに注意喚起する。
この人。空気も一切揺らがず突然現れた。私は一切警戒を解いていなかったというのに。にも関わらず気づけなかったということは、この人が私達に気配を悟らせない程の凄腕の達人か、もしくはそういう血鬼術の使い手であることを意味している。
「待っててくれたんですか? 俺は匂いを辿れるのに」
「目くらましの術をかけている場所にいるんだ。辿れるものか。それよりも・・・」
どうやら後者だったようだ。気配を消す血鬼術。程度によるけど充分脅威ね。寝首を搔かれない様気をつけないと。
「
は? ちょっと待ちなさいよ。今聞き捨てならない言葉が聞こえて来たんだけど。コイツ言うに事欠いて今
「
あ、炭治郎の方が先にキレちゃったか。目の前で自分より怒ってる人見ると冷静になっちゃうのよね。私は沸き上がりかけた怒りを収めた。
「それにしのぶは鬼殺隊屈指の美人だぞ!!!! 鱗滝さんだって将来しのぶは化粧したら花魁?って人顔負けの絶世の美女になるに違いないって言ってたんだ!!!! 俺はしのぶよりも綺麗な女性にこれまでの人生で一度たりとも出会ったことはない!!!!!」
「っ!!?!!??」
「まあいい。予定より増えたが行くぞ」
「いや行く!! 行くけれども!!
「おい。どうしたそこの女。なぜしゃがみ込んで両手で顔を覆っている。気分でも悪いのか?」
私は耳まで真っ赤にしてその場にうずくまっていた。その様子に気づいた炭治郎が慌てて傍に駆け寄ってくる。
「どうしたしのぶ!! 具合が良くないのか!?」
「・・・誰のせいで・・・こうなったと思ってるのよ・・・本当に貴方という人はっ・・・///」
「?」
「おい。早くしろ。珠世様を待たせるな。まさか
「ふざけるのも大概にして頂きたい!!!! しのぶが
そうして烈火の如く怒り狂う炭治郎と、無自覚に炭治郎を煽る医者の付き人と、そして予期せぬ炭治郎の言葉に振り回され悶絶する私の三人で、度々足を止めながら目的地まで移動するのだった。
「おかえりなさい。随分と遅かったのですね」
「すみません珠世様。こいつらが度々足を止めるもので」
「それはお前が!!! しのぶや禰豆子を
「愈史郎。なぜそんな酷いことを言うのですか。女性に
「はっ! 珠世様!! 申し訳ございません!!」
「私に謝っても仕方がないでしょう。誠心誠意、そちらのお嬢さんたちに謝りなさい」
「ぬぐぐ・・・珠世様の望みとあらば・・・す・・・すまなかった・・・!!」
ギギギ、と古びたゼンマイ人形のように愈史郎と呼ばれた鬼の男が私たちに頭を下げてくる。成る程。彼は珠世という鬼を崇拝しているのか。今後は彼の言葉を真に受けないようにしよう。
「あっ、そちらの女性は大丈夫でしたか? お任せしてしまいすみません!」
「この方は大丈夫ですよ。ご主人は気の毒ですが拘束して地下牢に」
「人の手当てをしてて辛くはないですか?」
炭治郎がそう質問した瞬間、愈史郎が炭治郎の胸を思いっきり叩いた。
「鬼の俺達が血の匂いに涎を垂らして耐えながら、人間の治療をしているとでも言うのか?」
「よしなさい愈史郎。私から全て説明します。貴方は暴力を振るうのを辞めなさい」
それから目の前の女性が珠世と言う医者であること、自身の身体を弄って鬼舞辻の呪いを外し人を喰らわず生きていけること、愈史郎という男性を珠世さんの手で鬼にしたことを告げられた。
「二百年以上かかって鬼にできたのは愈史郎ただ一人ですから!? 珠世さんは何歳ですか!?」
「女性に歳を聞くな無礼者!!!」
うん。炭治郎。そこだけは愈史郎の言う通りだと思う。貴方は鼻が利くのに時々無神経過ぎるのよ。鱗滝さんはそんなことないのに。
「炭治郎。他にもっと聞くべきことがあるでしょう? 貴方は何の為に鬼殺隊士になったの?」
「はっ! そうだった! これだけは絶対に珠世さんに聞こうと思ってたんです!!」
私がため息をついて促すと、炭治郎はハッとして真剣な顔をする。
「珠世さん。鬼になってしまった人を、人間に戻す方法はありますか?」
「・・・鬼を人に戻す方法は・・・あります」
そこからが本題だった。どうやら珠世さんは禰豆子ちゃんの血を調べさせてほしいようだ。鬼舞辻無惨を滅ぼすために。
まず禰豆子ちゃんは極めて稀な状態でいるらしい。恐らく二年間眠り続けたことで身体が変化しているとのことだ。通常の鬼とは違うその血を調べ、鬼を人間に戻す方法を確立させたいとのこと。
そしてもう一つ追加で頼み事があったようだ。それは鬼舞辻の血が濃い鬼、十二鬼月の血を採取して来てほしいというものだった。私は息を飲む。
十二鬼月。それも上弦ともなると、悲鳴嶼さんをはじめとした柱でも敵わない鬼だ。その血を集めるなんて過酷極まりない。
けど炭治郎は穏やかに寝そべる禰豆子ちゃんの髪を撫でながら落ち着いて答え始めた。
「それ以外に道がないのなら俺はやります。珠世さんが禰豆子を人間に戻す薬を作ってくれるなら。それに・・・」
そこで炭治郎は私に視線を移す。
「俺にはしのぶが居ます。しのぶと一緒なら、俺はどんな鬼とでも戦える気がする。これからもっと力をつけて、しのぶと力を合わせて十二鬼月だろうが何だろうが倒して血を集めてきます」
「炭治郎・・・」
「ごめんなしのぶ。俺の都合に付き合わせることになっちゃうけど・・・」
私は胸のうちが温かくなる。炭治郎に必要とされている。それが堪らなく嬉しい。私は笑みを溢して炭治郎を見つめ返す。
「勿論よ。だって私、貴方が居なかったら鬼殺隊士にすらなれていないもの。どこまでもついて行くわ。炭治郎」
「ありがとう。しのぶ」
私たちはそうやって暫く見つめ合っていた。その様子を見て不意に愈史郎が指摘する。
「なんだお前ら恋仲だったのか。道理で俺が
「えぇ!? 愈史郎さん違いますよ!! 俺達そんなんじゃありませんって!!」
「は?」
「///」
炭治郎は慌てて否定し、私は押し黙り下を向いてしまう。正直今は顔を上げられる気がしない。愈史郎の指摘を受けて鼓動が且つてない程早くなってる。周囲からは私達恋仲に見えるの? なんだろう・・・凄く嬉しい・・・///
「その様子でか? まあいい。お前らが交わろうが仲違いしようが知ったことじゃない」
「ま、交じっ///!!??」
私は反射的に顔を上げ変な声を出してしまう。不味い。炭治郎に今の私の表情見られた。私の気持ちがバレる。あれ・・・私の気持ちって何? もしかして私・・・・炭治郎のこと・・・///
「愈史郎。そこまでにしておきなさい。いろいろと複雑な事情が御有りなのでしょう。私たちが介入するようなことではありません」
「はっ! 珠世様! 申し訳ありませんでし・・・不味い!! 伏せろっ!!!」
愈史郎が絶対服従の様子で返事をしようとした途端、突如そう呼びかけられる。次の瞬間、建物の壁を突き破って何かが弾け飛んで来る。あれは・・・毬?
「キャハハッ! 矢琶羽の言う通りじゃ! 何もなかった場所に建物が現れたぞ!」
私たちは急いで外に飛び出す。目の前には毬を手に持つ女の鬼と、両の掌に目を持つ男の鬼がこちらに対し正対していた。
続く
次回、常中を修めた炭治郎&しのぶ VS 十二鬼月ですらない朱紗丸&矢琶羽 ファイッ!!
多分一瞬で終わると思います。暫く炭治郎&しのぶに勝てる鬼出てこないかも・・・
それとしのぶの様子に多少の変化アリです。カナエ姉さんには!! 是非とも今話のしのぶの様子を見て頂きたい!!
読みたい路線はどっち?
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一部の層(継国兄弟ファン)にぶっ刺さる話
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万人受けしそう(マイルド)な話