誰が悪魔博士だよ   作:蓮太郎

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その人間は

 

 私だ、Dr.ドゥームだ。*1

 

 三大勢力の会合に合わせて私は日本にやってきた私は駒王町に潜伏している。

 

 テロリストである『禍の団(カオス・ブリゲート)』という各地の阿呆共の烏合の衆の対策に同盟を結ぶとのことだ。

 

 全くもって下らない、基本的に身から出た錆を主軸に暴れたいものばかりが集まる集団だ。

 

 なんなら白龍皇まで暴れたいがために裏切る始末。本当に高貴たるルシファーの家系なのかと疑いたくなるものだ。

 

 さて、会談が始まれば私は何をすべきか諸君は分かるだろうか?

 

 原作知識もあるが、私が裏で様々な力を集める際にバタフライエフェクトが起こっている可能性があるため事前に情報収集も行った結果、『禍の団(カオス・ブリゲート)』が現れる事は把握している。

 

 だが、どのタイミングでかと言われるとやや不明な所があるのは仕方ない。

 

 争い始める瞬間を見極め、私が登場してゴミ掃除をする。

 

 ゴミというのはもちろんテロリストだ。私は確かに強行的に行動を起こすが紳士なのでな、人外共が人間界から撤退するというのなら手出しはしない。

 

 私の目標は人間界から人外共を追い出す事、絶滅させたい訳ではないのだ。

 

 MARVELの世界のように多種族が暮らすような世界もあるように、私達には私達の、悪魔には悪魔の、天使には天使の世界がある。

 

 それだけでなく神話の数だけ勢力が存在すると言っても過言ではない世界だ。

 

 死後にいく世界も分かれており、そこで人間の魂は管理されている。

 

 それらを全て無くしてしまえば人間の安寧は無くなるだろう。

 

 私のように奇跡的に転生するような者がいるかもしれないが、それ以外の者は何処へ行くのか?

 

 故に、全てを廃せばぽっかりと空いた穴が出来てしまい新たなる脅威が誕生してしまう可能性がある。

 

 全て排斥できるとは思っていない。特に悪魔は契約を重んじて人間と取引するケースが多々存在している。

 

 悪魔にとって地上のエネルギーを得る手段と魔界で権力を得る基準でもある契約は悪魔を絶滅させない限り終わる事がない。

 

 そこは妥協しよう。ヒューマンがインヒューマンを弾圧しすぎれば爆発してしまうのと同じなのだ。

 

 だが、人間界を我が物と勘違いして荒らす人外共が余計なのだ。

 

 悪魔も天使も堕天使も、かの時代から逸脱した行為を現代で起こし続けている。

 

 それに倣い他の人外共も人間界に侵食し始め、見えぬ力を振り翳している。

 

「博士、お時間です」

 

「分かった。準備は済んでいるな」*2

 

「はい、いつでも」

 

 数人の部下を従え、私は戦乱に介入する時を待つ。

 

 さあ、Dr.ドゥームが参るぞ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 天使と堕天使、そして悪魔の同盟が結んだその時、空間すべてが停止した。

 

 これは魔王であるサーゼスクの妹の眷属の能力だと見破ったのは時間停止を免れた少数の者達だけであった。

 

 割と重要な駒が遠くに配置されている時点で論外なのだが、それも全て計算のうちに入っていた。

 

 情愛のグレモリー、上辺だけの姿を見せておいて本質は自己愛しかない傲慢さが垣間見える。

 

 しかし、それでも物腰柔らかな傲慢さを隠さないのは裏打ちされた実力からなる者だろう。

 

 現れるテロリスト集団、かつて魔界の一部を任されていたが実力不足で追放だけされた元貴族がその筆頭に立つ。

 

 いきなり権力闘争から外されてしまい、そしてよく分らぬままに追放された哀れな魔王だった者達。

 

 それ故に戦うことしか分からない愚物となり果ててしまった旧魔王派が過去の栄光を取り戻そうと戦端と開こうとしたその時。

 

「よくもまあ滑稽な茶番を繰り広げるものだ」*3

 

 空より更なる第三者の言葉が皆の脳内に響き渡る。

 

 低音の声から男という事は分かったが、一体何者か空を仰ぐ。

 

 宙に緑のマントをはためかせ、全身が銀色で輝く鎧をまとい、そして何よりも特徴的な鉄仮面をかぶった男がそこに居る。

 

「私の名はDr.ドゥーム」*4

 

 男はそう名乗った。

 

 知見ある者はここ最近、話題となっている謎の人物ということを即座に見破っただろう。

 

 各地で活動しているらしき謎の魔法使い。どこの勢力にも所属せず世界各地で謎の行動をとる存在。

 

 痕跡もほとんど残さず聖遺物や『神器(セイクリッド・ギア)』を所有する人間を拉致している。

 

 そして悪魔の様な非人道的な実験をしていると命からがら逃げてきた者が力尽きる寸前で残した言葉から悪魔博士という存在がまことしやかにささやかれていたのだ。

 

「今日ここに来たのは貴様らに警告するためだ。くだらん小競り合いをしに来たわけではない」*5

 

 彼は身を翻し、三大勢力側、特に熾天使や堕天使長、そして現魔王に視線を向ける。

 

 まるでテロリストは眼中に無いかのように振る舞い旧魔王派を意に介さず話す姿は逆鱗に触れることになる。

 

「貴様、何者!?真なる魔王であるこの私を無視して」

 

「知っているとも、カテレア・レヴィアタン。貴様が持ちうるのは所詮見た目のみ。力も無ければ過去の栄光に縋るのみの遺物が何をしようというのだ」*6

 

「なんだと!?」

 

 眼鏡をかけた美女の悪魔は悪魔博士に罵倒され顔を真っ赤にして魔力の槍を射出する。

 

 落ちぶれても初代魔王の血筋、その威力は人間一人簡単に消し飛ばす事ができる相応のものである。

 

 だが、悪魔博士はその槍を片手で薙ぎ払い消滅させた。

 

「貴様らと話をするついでだ」*7

 

 空から支配者の如く見下ろす悪魔博士は無慈悲に宣言する。

 

「警告としての見せしめだ。そこの愚か者を消してやろう」*8

 

 魔王のように傲慢さが嘘ではないと言わんばかりに悪魔博士の身体からエネルギーが吹き荒れる。

 

 そのエネルギー量に冷や汗を流す旧魔王派の『禍の団』メンバーは思い知る事になる。

 

 悪魔博士の恐ろしさを(よ!)

 

*1
俺ぁ悪魔博士だよ。

*2
「おおよろしい。まわしは済んどるな?」

*3
「ようもまあ面白にゃー茶番をするもんだの」

*4
「俺の名ぁ悪魔博士だよ」

*5
「今日はお前らに警告しに来た。小競り合いをしにきたわけじゃない!」

*6
「よー知っとる、カテレア・レヴィアタンちゃんよ。見た目だけの馬鹿だなおめえは。力もなきゃご先祖様の後光に縋るしかない奴が何をしようというんだ?」

*7
「まあなんだ、話をする前にやることがある」

*8
「警告のついでだ。ついでにゴミ掃除をしたる」




名古屋弁(?)でもDr.ドゥームなのでしれっと三大勢力が張る結界に単独で侵入できるんですよね。

ついでに外にも予備として部下を仕込ませていたりと念入りに準備して現地入りしています。Dr.ドゥームの部下って誰が居るんだよ(にわか)

感想と評価を頂けたら続くかもしれません。
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