さんけつのオリリィ物語〈トレインズ編/Buds of Dystopia〉 作:3次元に見放された決闘者(略:さんけつ)
【グリ子side】
出現した
「お疲れ様でした~!」
結構激しく動き回ってたと思うけど、
また肉まんか……って言うか、鎖は切れたけど
「初めてにしては良い連携だったぞ」
「そ、そうですかね」
「今回はシン様が居てくれたおかげで、急場しのぎのフォーメーションでもなんとかなったわ」
これはお世辞じゃない。戦闘中、シン様は
……私要らなかったんじゃないかしら。
「そんなに
「私も心当たりがあるから、ちゃんと対策も考えてるわ」
研究所に戻ったら、また必要なものを請求しないと……まぁ、手錠が経費で落ちたんだから、直接戦闘に関係するものなら大丈夫よね、多分。
「今思えば、手錠で繋がれて結果オーライだったかもしれないわね。下手したら、恐怖で動けなくなった麻莉歌が狙い撃ちされてたかも」
「私のおかげ? イェ~イ」
「そうは言ってないわよ……だいたいアンタは……」
【麻莉歌side】
「麻莉歌はどうだ? やっていけそうか?」
志乃ちゃんとグリ子ちゃんがギャーギャー騒いでいると、シン様が私に声をかけてきた。
「ええ、なんとか……2人が一緒なら大丈夫だと思えてきました」
「そうか」
シン様、なんだか嬉しそう。
「今日はありがとうございました。ごめんなさい、折角のお洋服だったのに汚れてしまって」
「気にするな。言っただろ、テキトーに着てきたヤツだって」
凄い余裕……私もこれくらい余裕があれば、ちゃんと戦えるのかな?
「戦闘用の服じゃないのに、よくあんな動きができるわよね」
「流石、シン様だよね」
グリ子ちゃんと志乃ちゃんが言い合いを止めて、シン様を
2人とも、もう肉まんを食べ終わって、口直しの菓子パンを食べている。
「私たちなんて、3人でやっと一人前って感じなのにね」
ジャムパンを片手に、グリ子ちゃんがため息をつく。
「そうかな? 私はともかく、志乃ちゃんとグリ子ちゃんは今までも
「実は志乃も私も、勝てる相手としか戦ってないの。現に、先日の他組織のリリィや機械狼には苦戦したわ」
グリ子ちゃんは、志乃ちゃんの方を見て言葉を続ける。
「私は疑似
そう話すグリ子ちゃんの顔には
そうだったんだ……志乃ちゃんは、
「3人で、一人前か……」
「それは違うよ……今日の出撃で確信した! 私たち、3人いれば百人力なんだよ!」
私がグリ子ちゃんの言った言葉をポツリと復唱すると、志乃ちゃんが、私たちの不安を吹き飛ばすように食べていたクリームパンを掲げた。
……そうだよね、私たちなら大丈夫だよね。
「三色パンみたいなものか?」
「その通りです、シン様」
……それはちょっと違うと思う。
【グリ子side】
シン様との共闘の数日後、私が注文していた品が部屋に届いた。
「え~っと、ちゃんと3個ある……結構イケてるわね」
私が注文したのはトランシーバー……小型のイヤホンが本体と無線で接続されているタイプで、これなら戦闘中でも両手が自由になる。しかも、同時通話型なのでスムーズに会話ができる。
届いた小型トランシーバーを確認していると、志乃が私の手元を覗いてきた。
「なになに? また宅配便?」
「トランシーバーよ……前に言ったでしょ」
志乃が超近距離、麻莉歌が超遠距離で戦って、しかも同じターゲットを狙うことも多くなるとすれば、ノータイムでのコミュニケーションが必要になるものね。
「色違いになってる……私、赤ね」
「また勝手に……麻莉歌は何色が良い?」
「じゃあ……緑色」
志乃が一部に赤の塗装があるトランシーバーを手にとるので、麻莉歌が緑、私が青に決まる。
……なんか丁度イメージピッタリな色に分かれた感じがするわね。使うときは耳の後ろに隠れるから周りからはほとんど見えないけど。
ふと麻莉歌の方を見ると、一部が新品になったアステリオンが目に入る。
「あら、アステリオンのアップグレード終わったのね」
「うん。丁度さっき戻ってきたよ」
先の出撃の後にみんなで話し合って、麻莉歌にはスナイパーのような役割をしてもらうから、
とは言っても、可変式スコープを取り付けて、内部のエネルギー比率を射撃寄りにしただけ……なんだけど。
「スコープの動かし方が……ここで…こうで……こうっ!」
「グリ子! グリ子!」
「何?」
私が珍しく感慨にふけっていると、志乃がトランシーバーの本体部分を持って騒ぎ始めた。
「周波数をいじってたら変な所に繋がって、「何色のパンツ履いてるの?」って聞かれちゃったよ!?」
「何やってるのよ、おバカ!」
「……白です。可愛いフリルが付いてて…」
「答えんでよろしい!!」
今度、アルケミートレースでお仕置き用の道具でも作ろうかしら……ギロチン? アイアンメイデン?
「……グリ子ちゃん、目が怖いよ」
なんか、麻莉歌が酷く脅えてるわね。
第5話に続く