さんけつのオリリィ物語〈トレインズ編/Buds of Dystopia〉 作:3次元に見放された決闘者(略:さんけつ)
アサルトリリィを原作とする二次創作です。
私個人の解釈もありますがご了承ください。
登場人物のイメージはこちら(pixiv)
https://www.pixiv.net/artworks/128075214
【鶴紗side】
また一人で来てしまった。みんな心配してるかな。
けど、行かないという選択肢は選ばなかった。
私は、自慢じゃないがリリィの中では戦闘慣れしている方だ。私が行くことで、犠牲になるリリィが減るかもしれない。そう思ったら、私の足は自然と百合ヶ丘女学院の門を出ていた。
「すみませ~ん」
出撃前の待機場にて。
胸元まである白いサイドテールをした、オレンジの瞳の少女。所属は分からないが、赤いセーラーブレザーを着ている。
「おやつを買いに行きたいので、近くのコンビニまで行ってきても良いですか?」
……一瞬空耳かと思った。私だけでなく、周りにいるリリィも唖然としている。
私たちリリィの中には、戦闘の前に大量のカロリーをため込んでおく必要のある者もいる。
それが理由だとしても、このタイミングでそのことを口に出すとは。それほど切羽詰まっているのか、もしくはふざけているのか。
「食事は支給されているはずだ。勝手な行動をするな」
怒るでも呆れるでもなく、研究員は淡々とそれだけ言うと、他の研究員たちの方へ行ってしまった。
「けちんぼだなぁ。まだ出撃まで時間があるのに」
白いサイドテールの少女は、不満そうな顔で文句を言っている。
どうやら、本気で食料が必要なようだ。
もしかしたら、今日の外征が
「
私は非常食用に持ち歩いていた猫缶を、少女に差し出した。大したカロリーにならないかもしれないけど、少しでも足しになれば良いが。
「良いんですか? ありがとうございます」
少女は申し訳なさそうにお礼を言うと、猫缶をポケットにしまった。
「まずはA班! 出発するぞ! 集合だ!! B班は2時間後に出陣だ!」
拡声器を通した声が響く。ちゃんと話せないまま、私は先に待機場を後にした。
サイドテールの少女と別れた後、私は10名ほどのリリィと班を組んで、指示された座標を目指していた。
にしても、慣れていない山道はとても歩きにくい。他の皆は大丈夫か?
他のリリィの様子を窺っていると、明らかに浮いている少女がいることに気がついた。
「貴方、もしかしてマディック?」
紺色の三つ編みおさげを左右に結った、バトルドレスに青いコートを着た小柄な少女。その少女は、リリィの象徴である
「私? ……そうよ。マディックよ」
今の間はなんだ?
「前衛は私がするから、貴女は後方でサポートを頼む。危なくなったら、すぐに逃げろ」
マディックは
まぁ良い。それならそれで、私のすることは変わらない。
「りょ」
少女は親指を立てて了解の意思を伝えてくる。
不愛想にみえるけど、小柄だからか動きの所々にマスコットみたいな可愛らしさがある。猫みたいな娘だ、猫じゃらしを差し出したら、猫パンチをしてくるかな?
「今、なにか失礼なことを考えてなかった?」
「なんでもない。もうすぐ着くぞ」
少女と話していると、目的の座標に近づいてきた。
【志乃side】
あの人、今まで何度も死線を潜り抜けてきたような、激しい空気をまとっていた……けど、私と話すときは、とても優しい目をしていた。
初めて見たときはとっつきにくいかもと思ったけど、良い人かもしれない。
なんにせよ、貰った猫缶のお礼はしないと。
あまり他のリリィと関わりを持つなって、
それにあの人、百合ヶ丘の制服を着ていた。百合ヶ丘女学院のリリィは、なんとなく親近感がわくというか、気になってしまう。私のオリジナルである、せとか様のいるガーデンだからかな?
よし、まずはグリ子と合流しよう。B班の出撃時間まで時間があるけど……まあ良っか。
「ありがとうございました」
「あっ、すいません。領収書ください」
私は、おやつを入れたリュックを背負うと、コンビニを後にした。
(2)へ続く