さんけつのオリリィ物語〈トレインズ編/Buds of Dystopia〉 作:3次元に見放された決闘者(略:さんけつ)
【鶴紗side】
こいつら、次から次へと切りがない。
自分から前衛を受け持ったが、
みんな、うまく逃げてくれれば良いが。
1人で
「ぐっ!」
上手く
無情にも
大丈夫、私のブーステットスキルはリジェネレーター。苦痛は避けられないが、即死だけは免れる。
「?」
あれ? 轟音は聞こえるが、体に痛みが走らない。まさか、脳をやられて痛みもなく逝ってしまったんじゃないだろうな。
「間に合ったわね」
恐る恐る目を開けると、さっき合った三つ編みおさげの少女が、私をかばうように立ち塞がっていた。不敵に
「貴女、逃げたんじゃ」
「逃げるわよ。今から」
少女に肩を貸してもらい、私は戦線離脱した。
【志乃side】
コンビニを出た後、私はレアスキル:縮地をつかって現場になっている山中を駆け回っていた。
グリ子の向かった座標はあらかじめ聞いていたけど、土地勘のない山の中では何処が何処だか全然分からない。
せめて何か目印があれば、そこに向かって行くだけなんだけど。早くしないと、せっかく買ったおやつが冷めちゃうよ。
【鶴紗side】
「貴女、さっきのはアルケミートレースみたいだったけど、マディックじゃなかったのか?」
血を媒介に疑似
「ええそうよ、私は一応リリィ。けど、戦闘に関してはマディック並なのも本当よ。私が作れるのは、さっきの盾だけだもの」
「他の
「持ってないわ。私のメインウエポンはアルケミートレースなのよ」
お互い周囲を警戒しながらなので、直視はしていないが、少女が若干不貞腐れているのは分かった。
「とにかく、分の悪い状況なのには変わりない。もう少し休んだら――」
「来るわよ!」
少女の視線の先には、さっきまで交戦していた
しつこい
「ん?」
少女が何かに気づいたように俯く。
打開策でも思いついたのか?
「来たわね」
「ああ、もう目の前まで来てるな」
「そうじゃなくて……耳を澄ませてみなさい」
「耳を?」
「ぁ………ぁ……」
何か聞こえる。これは? 叫び声?
「ア~~アア~~、ア~アアァ~~~!」
声のした方を見ると、リリィと思しき人影が高所から
「『志乃キーーック!!』」
人影の主は、飛び掛かった勢いのまま、急降下して飛び蹴りを放った。
「お待たせしました。頼れる女の登場です!」
「登場は良いけど、なんなのよ、あの叫び声は?」
「グリ子が、近くに来たら分かるようにしなさいって言ったんじゃん」
「ターザンで来いとは言ってないわ」
いつの間にか、さっきまでいた少女と言い争っている。2人は知り合いだったんだな。
(3)へ続く