敵高速艇部隊を殲滅した紀伊は、資源回収を終えた第6駆逐隊と共に帰路に就いていた。
「思ったより沢山手に入ったわね!」
彼女達が曳いている数珠繋ぎのドラム缶には石油やらボーキサイトやらその他の鉱石や原材料等の資源が大量に詰められている。
「紀伊が敵を引き付けてくれたからよ。ありがとね」
「気にするな。資源が無けりゃ俺も皆と共倒れだからな」
「でも何時より沢山採っちゃいましたから結構重いのです」
雷が少し疲れた様子でドラム缶を引っ張っており、他の面々も心なしか少し疲れている様子である。
「何時もはそんなに少ないのか?」
「私達単独の遠征の場合、敵の襲撃を警戒しながらやってるから、一度に採れる量は限られる。おまけに帰投中に潜水艦の襲撃も受けるからドラム缶を切り離してしまうこともある。でも今回は紀伊と言う頼もしいのが護衛してくれるから必要量以上採れたんだ。皆の機嫌も良くなる」
「成る程。まぁ船舶の護衛任務も俺の仕事だから、また暇があれば手伝うよ」
「助かるわ。これで遠征任務は安泰ね」
此処で第6駆逐隊の話題は紀伊の話へと移る、
「そう言えばさっきの戦闘で敵の高速艇部隊を殲滅したって本当なの?」
電からの問いに紀伊は少し間を置いて答える。
「俺と言うよりも、ウチの哨戒機が頑張ってくれたんだ。俺はただ砲を撃っただけ」
ヘリ甲板からヘリ妖精が皆に手を振って応えた。
「水上機じゃないのね?」
「前は持ってたが、速度が同じならヘリの方が効率が良い。それに下駄履きよりも出来る事が多いのがヘリの特徴なんだ」
紀伊自身、ヘリの有用性を理解しており、この世界に来てからもヘリを積極的に使っている。特に砲撃の際の着弾観測機や対潜装備を一切持っていない紀伊が唯一潜水艦を攻撃できる手段として重宝しており、新世界での様々な戦いでもヘリが活躍しており、紀伊の能力を発揮させている。
特にGPSが使えないこの世界ではヘリの活躍は必然的に増えるため、より貴重な存在となりえる。
「まぁ、俺にとっては無くてはならないモノだね」
それから数時間の後、鎮守府へと帰投する紀伊と第6駆逐隊。
「0300時、夜中だな」
到着した頃にはすっかり夜も更けており、日付も変わっている。回収した資源を倉庫へと運び込み報告書を書き終えると第6駆逐隊とは分かれ、紀伊は工廠内へと入る。
「終わった………疲れたな」
「お疲れ様」
「まだ起きてたのか?」
「第6駆逐隊の子達の艤装の整備があるのよ」
「そうか。じゃあ悪いんだが俺の艤装の整備も頼めるか?」
「勿論。でも皆の整備が最優先だから、貴方の艤装の整備は後回しになるけど」
「それで構わない」
「了解。じゃあお休み」
「あぁ」
艤装整備を夕張に任せると、工廠内にある自室へと入り床に布団を敷いて横になる。
(あぁ……眠い)
定期演習に射撃訓練から第6駆逐隊の支援で殆ど休めていない紀伊は布団に横になると直ぐに眠気に襲われ、目を閉じて深い眠りについた。
続く
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