艦隊これくしょん 異界の不沈戦艦召喚   作:明日をユメミル

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第24話

「W島攻略作戦は成功しました」

 

W島攻略作戦終了から数日後、鎮守府の通信室内で長門は提督に作戦後の報告を行っていた。

 

 

「既にW島は国防軍と米軍の上陸部隊により占領確保しており、周辺海域は国防軍第1艦隊が警戒しており敵の目立った行動は見られません。万事、提督の作戦通りです」

 

 

長門からの報告に通信機の向こうに居る提督は満足の行った結果に安堵している様子である。

 

 

 

「昨日よりW島にて設営が進められていた前進基地が完成し、本日の0700より計画に従って海軍の哨戒機部隊と空軍の偵察隊が周辺海域の情報収集活動を始しています。少なくとも来週にはMO攻略作戦の概要が纏まります。それに予てから計画していた鎮守府の艦隊再編は順調に進んでいますが、紀伊の所属に関して指示を戴けますか?」

 

 

W島攻略後、鎮守府では当初の計画に従い現在の艦隊編編のため、対象となる艦娘に対して所属変更に関する通達が出されている。しかしその中で紀伊のみは計画時には居なかったため、彼のみ宙に浮いている状態である。

しかも、艦隊再編は提督が進めていた計画のため長門もどう判断して良いか分からず、今まで保留にされていたのである。

 

 

そんな長門からの問いに提督は改めて指示を出す。

 

 

「それはどう言う事ですか?詳しく説明してください」

 

 

指示されたのは紀伊を艦隊に組み込まないという意外なものだった。

 

 

「紀伊は現状、我が鎮守府における最高戦力の1角です。これまでの作戦でも紀伊は充分な働きをしているのにどうして?」

 

 

長門の剣幕に通信機越しに提督は慌てた様子で弁解する。

 

 

「特定の部隊に組み込まない?………成る程、つまり1人しか居ない上に超弩級戦艦としての能力が高すぎる故に艦隊運用が難しいと?しかし提督、砲戦能力に誘導弾が合わさっている紀伊の能力を考えれば………」

 

 

そこで提督は紀伊に対する新たな運用方法を話した。

 

 

 

「独立行動権?…………特定の部隊に配せず、作戦に合わせて所属を変更しより柔軟な運用を可能にする。確かに紀伊の能力を考えれば理に叶っていますが、そのような運用方法は例がありません。大丈夫でしょうか?」

 

 

長門の懸念に対して提督は自信ありげに話す。

 

 

「分かりました。では本人には私からそう説明します。ところで提督、そちらの状況は?」

 

 

その質問に返ってきたのは拙い返事だった。

 

 

「やはり芳しくない。そうですか…………こちらは心配ありません、全てお任せください」

 

 

 

そう言うと長門は通信を終え、全館放送で紀伊を呼び寄せた。

 

 

 

 

 

 

 

「先程、提督からお前の所属に関しての指示があった」

 

「ようやくか。で、俺は何処の艦隊に?」

 

「提督からはお前に独立行動権が与えられた」

 

「独立行動権?」

 

 

予想通りの反応に長門は提督からの独立行動権について説明する。

 

 

「成る程。俺の能力を鑑みてと言う事か?」

 

「あぁ。過去に例が無いモノだから正直に言って上手く行くかどうか今の時点では判断できん」

 

「だが下った命令なら従うしか無いだろ。それに例が無いのなら試行錯誤して行けば良いだけの話だ」

 

 

 

紀伊は独立行動権を受け承服する。

 

 

「話は変わるが、次の作戦は何処だ?この分だと珊瑚諸島か東南アジアか?」

 

「まだ機密だ。来週には作戦について説明する」

 

「了解」

 

「次も期待しているぞ」

 

「あぁ。次も任せてくれ」

 

 

 

 

 

 

 

 

それから1週間後、次の作戦についての説明が行われた。

 

 

 

「FS作戦の次なる目標についての説明を行う。次の攻略拠点は此処だ」

 

 

講堂に集められた艦娘と紀伊、ガルム隊に長門は黒板に広げた地図に指揮棒を使い、次の作戦地域を刺した。

 

 

「此処、凄地MO。今回の作戦は他の鎮守府との共同作戦となり本鎮守府から第5遊撃部隊を中心とした空母機動部隊と攻略支援部隊の出撃命令が出された。明日、作戦参加部隊はFS作戦攻略の前進基地となるトラック島へ移動、以後は作戦に従って行動せよ。尚、ガルム隊とAWACSも今回よりFS作戦に加わる事になっている。全員、移動中はイーグルアイの指示に従ってくれ」

 

「了解」

 

「了解した」

 

「了解っス!」

 

「了解」

 

 

サイファー、ピクシー、PJ、イーグルアイが応える。

 

 

 

そして、重要な事項である紀伊の所属についての説明が始まった。

 

 

 

「紀伊には第5遊撃部隊に加わってもらう。3日前の遭遇戦で加賀が戦線から離脱したため、代替戦力として翔鶴が加わっているが、今後の作戦で翔鶴と瑞鶴は重要な戦力となる。作戦に万全を期すため追加戦力として配置した。第5遊撃部隊旗艦の吹雪の指示に従うように」

 

「了解。たのんだぜ旗艦」

 

「うぅ……何とか頑張ります」

 

 

紀伊は吹雪にそう声をかける。当の吹雪は、まさか自分が超弩級戦艦である紀伊を指揮する立場になってしまった事に、第5遊撃部隊編成時に起きたゴタゴタを思い出し気が重くなった。

 

 

「翔鶴と瑞鶴とは作戦行動初めてだな?」

 

「そう言えばそうだったね?まぁよろしくね!」

 

「瑞鶴共々、よろしくお願いします」

 

 

 

瑞鶴と翔鶴と握手を交わす紀伊。

 

 

 

「さて、話は纏まったな。出撃は明日の0700、各員は英気を養うように。解散!」

 

 

 

続く




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