第5遊撃部隊のトラック島入りから数日が経過した。島には本土から国防軍と米軍艦艇、各鎮守府からもFS作戦に参加する艦娘達が続々と集まりつつあった。
「昨日より艦の数が増えたな」
「あぁ。今朝は米軍の第7艦隊が入港したようだぜ」
島の高台から夏島、春島、秋島、冬島の各停泊地に停泊している艦艇を眺めている紀伊と尾張。
尾張が指差した方向を見ると、アメリカ海軍太平洋艦隊所属のニミッツ級原子力空母『ロナルド・レーガン』を中心とした第7艦隊の主力艦が停泊しているのが確認できた。
「国防軍も相当な数の戦力を持ってきてるみたいだ」
別のエリアには国防軍のくらま型護衛艦『くらま』を中心とした第3艦隊の護衛艦が多数停泊しており、最新型のこんごう型、はたかぜ型、むらさめ型、あさぎり型などの大小の護衛艦艇が停泊している。
「そう言えば聞いたか兄貴?昨日、大和が敵機を3機も叩き落としたって話を」
「聞いた。やっぱり彼女は誇り高い戦艦だな」
実は昨日の昼頃、吹雪と睦月と夕立の3人が長門に内緒で大和を連れ出して大和を手製のボートに乗せてそれを牽引する形で少しの間だけ海を楽しんでいた時、敵の偵察機を発見、それを大和が主砲の一斉射で仕留めたという事があったのだ。
「そのお陰が分からんが、今日から大和に自由行動の許可が出たらしいぜ」
「本当か!?」
「あぁ、俺が長門に聞いたら教えてくれたよ。どうやら長門と提督が上層部を説得して、条件付きで自由行動の許可が出たんだと」
「条件?」
「島内と軍が確保している安全圏の範囲内って言う条件付きらしい」
「だいぶ緩和したな。昨日までの事が嘘みたいだ」
「大和をこれ以上軟禁させて練度を落とすような事はしたくない。提督と長門はそれを主張して、頑なだった上層部の許可を取り付けたんだと」
「成る程。提督にはまだ会った事は無いが、評価を改める必要があるな」
紀伊の中で今までの采配から提督に対する評価が上がっており、今回の件で更に評価が改められ、信頼に足る人物であると認識した。
「さて、そろそろ戻ろうか?」
「あぁ」
2人は高台を降りて基地に戻る。
「ん?」
すると、砂浜に人だかりが出来ていた。よく見てみると、集まっていたのは顔馴染みの駆逐艦達だった。
「何だ?」
気になった2人は人だかりの方へ向かう。
「皆、何かあったのか?」
紀伊がそう問い掛けると、夕立が走ってきた。
「紀伊さん、尾張さん!夕立、なんだか変ぽい」
「変?」
夕立をよく見てみると、体がうっすらと光っている様に見えた。
「確かに…変と言えば変だな」
「なんか変なモノ食ったんじゃないのか?」
「う~ん………大和さんの料理以外は何も食べてないっぽい」
「体調に何か変わった様に感じるか?」
「なんだか体の中から凄い何かを感じるっぽい」
「いまいち要領得ないな。取りあえず夕張の所に行こう」
2人は夕立を工廠の夕張の所へ連れていった。
続く
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